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初めて食べたシリーズ:水前寺菜、またの名を金時草・式部草・すみれ菜・ハンダマ。 [おいしいもの♪ 料理・食材・食文化]

高知「山下農園」から届いた定期便に見たことのない野菜が入っていました。
「山下農園」大葉&金時草.JPG

写真の左側は「大葉(青じそ)」だと思ったのですが、異常に大っきい! 小さめのおにぎりなら、そのまま巻けるほどです。もしかしたらエゴマの葉? いえいえ、香りも味も大葉です。

ネットで調べてみると、元々、大葉は大きいから「大葉」という名が付いたんだとか。商品として流通させやすいので、一般的な、あの大きさで出回っているそうです。「手のひら大葉」なんていうネーミングの商品も見かけました。

これまた大きめの「みょうが」も同梱されていたので、両方とも刻んで白ごまと共に、ご飯に混ぜました。超簡単ですが、夏の香りの混ぜご飯♪ ほかにも、和風バジルとしてスパゲティに加えたり、そうめんと和えたりね。

何より無農薬だから厚みのない葉物でも安心して食べられるし、普通の大葉だと一枚一枚、ペーパータオルに挟んでポリ袋に入れ、それで冷蔵しても、あまり長くはもたないのに、「山下農園」の大葉は小さな穴あき袋のまま冷蔵しても変色しないで、けっこうもつのです。強い強い!!

ところで、上の写真の右側の葉物はオモテが緑で、ウラは赤紫……はて、なんでしょう!?
金時草のオモテ.JPG
金時草のウラ.JPG
食べたことのある中では、ぬめりのある「ツルムラサキ」が思い浮かびました。ネットで「ツルムラサキ」と検索したら、全く違う植物の画像が出てきました~(泣)。

今度は「葉の裏が紫」と入力・検索してみると、「水前寺菜(スイゼンジナ)」という名と画像が…。あっ、これだこれ!!

「水前寺」とくれば歌手の“チータ”こと水前寺清子さん♪ あとは「水前寺公園」しか浮かびませんねぇ、私は。
さらに調べてみると、この植物は東南アジア原産とされるキク科の多年草で、日本へは18世紀後半に中国から琉球を経由して伝来したとか。

熊本では「水前寺草(スイゼンジソウ)」とも呼ばれるようですが、正式な和名として定着したのは「水前寺菜(スイゼンジナ)」です。伝来した当時、今の熊本市内で栽培されたことから、市の中心部の地名「水前寺」にちなんだ名が付いたようです。

熊本市内には「水前寺」という名のお寺はないんですって。へぇ~。また、「水前寺公園」は正式名称が「水前寺成趣園(すいぜんじ じょうじゅえん)」だそうです。とても素晴らしい日本庭園のようですね。行ってみたいなぁ。
http://www.suizenji.or.jp/
どなたか~、熊本取材の仕事をくださいまし!

ほかの地方名もいろいろあって、石川県の金沢では伝統野菜の「加賀野菜」の一種として栽培されており、その名は「金時草(キンジソウ)」です。葉の裏の色が「金時(きんとき)いも」の色に似ているから付いた名だとか。だったら、なぜ「キントキソウ」じゃないんでしょうかねぇ???

沖縄や鹿児島では「ハンダマ(またはハルタマ)」と呼ばれ(春玉の意だとか)、愛知県では「式部草」(紫式部からの連想でしょうね。風流なネーミングだわ~)、静岡県では「すみれ菜」(可愛い名です。ヅカファンも喜びそう。笑)。台湾では「紅鳳菜(ホンフォンツァイ)」という美しい名です。

このように、いろんな名前のある食材はレシピ本を作るときに表記をどうしようかと困ってしまうのですが、今回の場合なら正式和名の「水前寺菜」を採るか、それとも認知度の高い「金時草」を採るかで迷いますね~。関東周辺の市場では「金時草」が一般的なようです。

Google先生で検索すると、ヒットした数は
水前寺菜 約 160,000 件
金時草 約 1,330,000 件
ハンダマ 約 112,000 件
紅鳳菜 約 2,720,000 件

となると、レシピ本などで使うときは「金時草(水前寺菜)」という表記になるでしょうかねぇ。「紅鳳菜」が多いのは、やっぱり中国・台湾などの人口は膨大なんだな~と(笑)。

以下、金時草に統一して記します。

とりあえず、葉をちぎってナマで食べてみました。普通の青臭い葉っぱの味で、自分がバッタになった気分(笑)。
食用とするのは葉と若い茎だそうで、硬い茎は捨てると書いてあるレシピが多いようでした。茹でるとお湯が赤紫色になり、加熱するとツルムラサキのようなぬめりが出るのです。でも、葉は加熱によって裏側の紫も茶色っぽくなります。

金時草は原産地が暑い地方だからか、気温の高い時季によく育つそうで、旬は7月~9月頃という夏野菜なんですね~。冬になると葉は枯れてしまい、北陸地方では花もあまり咲かないとか。

花の写真を探してみました。ベニバナのような愛らしい色と形です。
●「Focus Time5 金時草の花」(運営:ぱふぱふさん)
http://focustime.seesaa.net/article/186494328.html

金時草の赤紫の色素には、ブルーベリーなどと同じくポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。強い抗酸化作用があることで知られている成分ですね。また、鉄分も多いので、沖縄などでは古くから「血の薬」と言い、薬草としても使われたようです。
ぬめり成分のムチンもオクラ、山いも、里いも、モロヘイヤなどと共通する成分で、胃粘膜を保護するなど、いろんな効用があると言われていますね。

多重がん・貧血・胃潰瘍&大腸ポリープの経験者である私には、ぴったりの食材なんですねぇ(笑)。でも、私は「健康」をキーワードに食材は選ばないので、これ以上、栄養成分を詳しく調べるほど関心はありませ~ん。それよりも調理法のバリエーションが知りたい!

[金時草のメニューの一例]
・おひたし(ぽん酢、からし醤油、わさび風味なども)
・酢の物
・ピリ辛甘酢漬け
・油炒め
・天ぷら
・キムチ

★煮出し汁や漬け汁の色を活かして
・スープ
・お吸い物(さいの目に切った豆腐などを合わせるときれい)
・紫陽花(あじさい)寿司(洒落たネーミングですね~)
・炊き込みご飯
・パエリア
・漬け物(大根、かぶなど紫に染まるものを)
・焼酎(葉の紫色が移ったら取り出す)

★絞り汁を使って
・紫のゼリー、シャーベット、アイスクリーム

★沖縄では雑炊もポピュラー
島言葉では雑炊を「じゅーしぃ」と言いますが、これは汁気の多い雑炊にも炊き込みご飯にも使う言葉で、共通語で言う雑炊・おじや風の料理は「ボロボロじゅーしぃ」、炊き込みご飯風の料理は「クファじゅーしぃ」と呼びます。
どことなく言葉の“音”が楽しく感じませんか~?

葉っぱ(薬草でもある)を使ったじゅーしぃの代表は「フーチバーじゅーしぃ」ですね。「フーチバー」とは「よもぎ」のことです。あっさりしておいしい! 金時草を使えば「ハンダマじゅーしぃ」というわけです。

沖縄や奄美地方の人はレシピをアップする際、「ハンダマ」としか書いていない人も多いので、金時草を使った沖縄料理を知りたいときは「ハンダマ」というキーワードで検索してくださいね~。

私はナマだとちょっと…と思いましたが、検索するとサラダのレシピもけっこう出てきます。ドレッシングやソースとかを作ればいいのかなぁ。私はマヨネーズは好まないので、うちには置いてありません。私は最近、お塩すら使わないで生野菜を食べるからな~(笑)。カリカリベーコン&オイルがけはGoodかも♪

私が作ったのは葉を摘(つ)んで、いろんな炒め物やスパゲティの具に。熱を加えると青臭さは飛んでクセもなく何にでも使いやすいと思います。茎を捨てるのはもったいないなぁと思ったので、刻んで、お味噌汁や煮物に加えてみました。煮込めば硬い茎も充分、おいしく食べられますよ~!

[本日のオマケ]

●「旬の食材百科――金時草/水前寺菜」(フーズリンク)
http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/kinjisou.htm

●「くまもとの農水産物 水前寺菜」(熊本市 農商工連携推進課)
http://kumamoto-noshoko.jp/Shohin/WebEki/Shosai.aspx?AUNo=14&ShNo=8

●「加賀野菜について 金時草」(金沢市農産物ブランド協会)
http://www.kanazawa-kagayasai.com/kagayasai/kinjiso.html

●「故郷に残したい食材 ハンダマ」(農山漁村文化協会)
http://nipponsyokuiku.net/syokuzai/data/113.html

専門書も出ていました! レシピ付きですよ~♪

水前寺菜の科学

水前寺菜の科学

  • 作者: 清水 康弘
  • 出版社/メーカー: アボック社
  • 発売日: 2012/07/01
  • メディア: 単行本


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池田剛士

お願い(みと・あかつかカンファレンス)*メディア詐欺対策室
CC 日本放送協会(NHK); 警視庁; 東京地方検察庁; 消費者庁表示対策課食品表示対策室; 厚生労働省健康局健康課栄養指導室
BCC 首相官邸; 日本学術会議; 経済産業省 特許庁; 法務省; 外務省; 宮内庁



学術秘書
池田です。

記事の修正又は削除をお願いいたします。

修正又は削除が必要な記事の一覧、Googleキャッシュ検索の結果(site:chie-relish.blog.so-net.ne.jp ムチン)も併せてご確認ください。
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修正の際のポイントは、3つあります。

(1)「ムチン」という言葉を使うこと自体が誤り。
(「植物」の話をしていて、「ムチン」について語ること自体ナンセンスです。)

(2)「ムチン」と関連付けて語られてきた、夏バテ解消、スタミナ食材、疲労回復といった健康効果も全く根拠なし。
(「健康効果」は、ヒトや動物から分泌される「ムチン」本来の働きから想像された話であって、食べてどうこうの話ではありません。)

(3)「ネバネバの正体は『ムチン』」も誤り。
(「ムチン」は「糖たんぱく質」といわれますが、「植物の『糖たんぱく質』」はネバネバしていません。)

「(日本国内だけで)植物の粘性物質をムチンと呼ぶことの根拠や起源」が判明いたしました。
(「『mucin』と『mucus』の混同」ないし「『mucus』の誤訳」、
「『mucin』と『mucilage』の混同」ないし「『mucilage』の誤訳」が誤報の原因でした。
つまり、動植物の粘性物質をムチンと呼ぶ「学説」は存在しません。
http://acsec.jp/mucin.html


“フィッシャーの呪い撲滅キャンペーン”へのご理解、ご協力をお願いいたします。
http://acsec.jp/maffgo.html

※平成の大獄(へいせいのたいごく)|改元の礼:
http://heisei.nokyoko.jp/

では。


この件に関するお問い合わせ先:
みと・あかつかカンファレンス事務局長
ラクトース研究班「いもいち2025」班長代理
有限会社学術秘書
本店営業部
池田剛士
〒311-4141
茨城県水戸市赤塚1-386-1-107
電話:029-254-7189
携帯:090-4134-7927

by 池田剛士 (2018-06-29 10:13) 

ちえ

同様の指摘に対し、農林水産省に確認して大臣官房広報評価課広報室からの回答を得た方(わん子さん)のブログ記事。
https://wakwakday.com/recipe/3908/

わん子さんの文中にあるように「肩書の多い割にはビジネスメールでの形式をあまりにも欠いている不躾なメール」という意見に同感です。
私は基本的に日本語の怪しいコメントは削除しますが、信用してしまった人たちもいるらしいので、このまま掲載しておきます。

この会社の住所は水戸市内の小さな集合住宅の一部屋ですね。私はこの所在地周辺に土地鑑がある上、知人も住んでいるので何か問題が発生したら直接、確認に行ってもらうことにします。

それにしても、いろんな人のブログにイチャモンをつけて回ることに労力と時間を費やすだけの人生なんて哀しすぎる…。ぜひ一刻も早く精神科を受診してほしいものです。
by ちえ (2019-01-01 22:01) 

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