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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 10:肝転移のラジオ波治療について。 [医療・健康&がん関連]

肝臓にできる悪性腫瘍は「肝臓がん」「肝がん」と呼ばれますが、原発と転移とでは腫瘍の性質が異なります。
どこからか肝臓へ転移してきたがんは、その原発巣と同一の細胞でできているそうです。

Kさんは原発が平滑筋肉腫ですから、肝臓へ転移したがん細胞も肉腫の性質をもっているはずです。
転移がんの場合は、それも踏まえた上で治療法を考える必要があります。そのため、初発の肝がんではなく、
転移がん・再発がんのラジオ波治療と手術について調べました。

まず、「ラジオ波治療」とは「ラジオ波焼灼療法(らじおは しょうしゃく りょうほう)」のことで、AMラジオなどの周波数に近い高周波(約450kHz)を用いる方法です。

具体的な治療法は、皮膚を2~3㎜切開し、超音波で観察しながら、腫瘍に直径1.5㎜(ボールペンの芯ぐらいの太さ)の電極針を刺します。この針にラジオ波電流を流すことで電極の周囲に熱を発生させ、がん細胞を固める。凝固した細胞は機能が失われて壊死するそうです。

この治療法は1995年頃に海外で開発され、日本では’99年頃から実施されるようになったとか。2004年4月からは保険適用となり、肝がんの標準治療の一つに加わりました。最近では乳がんの治療にも導入されつつあります。
肝がんも乳がんもラジオ波の実績は手術と同レベルと言われています。

●治療が受けられる条件
・再発時の腫瘍の場所や大きさ、個数、肝臓の状態などによる。
・治療が適用となる最大径は「3cmまで」とする所と「5㎝まで」、あるいは、それ以上でも条件が合えば大丈夫という所も。

●メリット
・開腹しないので傷が小さくて済み、入院期間も短い?
・手術よりも合併症や後遺症が少ない?
・肝臓の何か所かに転移していても治療可能なケースが多い。
・10回以上、繰り返し治療を受けている患者もいる。

●デメリット
・1回の入院で行える治療は原則的に2回まで。
・腫瘍の大きさや部位によっては再入院して治療の追加が必要な場合も。

(上記は一部のみ書き出しました)

Kさんの現在の体調は血液検査もすべて正常値だそうで、その点では私よりも健康体と言えます。
肝臓に1個の腫瘍がある以外は元気。だからこそ、なおさら肝臓の腫瘍の存在が、いまいましい気持ちも理解できます。
ただし、腫瘍の大きさは5㎝弱とのことなので、ラジオ波治療を行っている医療機関や専門医でも意見が分かれるところのようです。

ラジオ波治療を積極的に導入している都内の病院をチェックしてみました(例として一部だけ)。
いずれも私のオススメというわけではなく、ネットで集めただけの情報ですが、ひとまず勉強しないことには何も決められませんよね。

●東京大学 医学部附属病院 消化器内科 肝臓がん治療チーム(文京区本郷)
ラジオ波の施術数は’99年~2014年4月の累計で9000件。おそらくラジオ波では日本のトップの症例数でしょう
(技術レベルもトップかどうかはわかりません)。

「肝臓がんの治療について ラジオ波焼灼術とは」
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/livercancer/care/index.html

「肝転移の局所療法 肝転移に対するラジオ波焼灼術(RFA)」(『コンセンサス癌治療』2007年秋号 ←やや古い情報ですが…)
http://www.cancertherapy.jp/liver_metastasis/2007_autumn/05.html

この病院の見解は以下の通り。
「現在、肝臓がんの再発を完全に防ぐ方法は、見つかっておりません。治療後の抗癌剤内服では、再発は抑制されず、むしろ寿命を縮める可能性がある事が知られています。」

●順天堂大学 医学部附属 順天堂医院 消化器内科(文京区本郷)
http://www.juntendo.ac.jp/hospital/news/044_002.html
教授は東大で研鑽・実績を積んできた方のようです。

「病気事典[家庭の医学]肝臓・胆嚢・膵臓の病気 転移性肝がんのラジオ波治療」(メディカルiタウン/法研)
http://medical.itp.ne.jp/byouki/180419C13/

●公立学校共済組合 関東中央病院 消化器内科(世田谷区上用賀)
「ラジオ波焼灼療法とは ~消化器内科での肝臓がんの治療」
http://www.kanto-ctr-hsp.com/patient/pickup/syokakinaika_kanzogan.html

乳がんが肝臓に転移して6㎝の腫瘍が見つかり、ラジオ波治療を受けた女性のブログ。
●「乳がんステージ1からの肝転移 早期発見て何?」(ちゃこさん)
「ラジオ波焼灼ってこんなに痛いの。」
http://ameblo.jp/sumomoko2/entry-11771993733.html
「ラジオ波ってやっぱりすごい。」
http://ameblo.jp/sumomoko2/entry-11799257463.html
「いたたたたたラジオ波」
http://ameblo.jp/sumomoko2/entry-11814114882.html
「退院、でもなんだか痛いなぁ。」
http://ameblo.jp/sumomoko2/entry-11824465054.html

痛みの感じ方は人それぞれなので一概に同じとは言えないのですが、この女性のように痛がる人のために
無痛のラジオ波治療が開発されたそうです。

●杏雲堂病院 消化器内科・肝臓内科(千代田区神田駿河台)
「肝がんの“無痛ラジオ波焼灼療法”」
http://www.kyoundo.jp/shinryou_kanzou/mutsuurajio.html

治療担当医の佐藤新平さんはラジオ波の治療数1500件。説明文からは、やや自信満々という印象も受けますが(?)、「文責 佐藤新平 平成26年3月1日」と明確に記してあるのは好感度大。「文責」とは非常に重いものなので、腹を括っていないと書けませんね。この病院は全国的に有名ではないのですが、明治15年に創設という歴史をもちます。

肝臓に転移することの多い大腸がんについては、「がん研究会」が以下のように述べています。

「大腸がんの肝転移を治す唯一の方法は手術です。」
「ラジオ波治療で治癒を求めることは困難で、切除できる大腸がんの肝転移に対しラジオ波治療を行う事は禁忌に近いと考えます。」

●「転移性肝がんの手術と成績」(がん研究会)
http://www.jfcr.or.jp/cancer/type/liver_i/001.html

これが膵がんや肺がんからの肝転移だと手術で切除するのは「まれ」とも書いてあります。要するに、原発のがんの種類によって手術の適・不適が左右されるということだと思われます。

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