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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 11:肝転移の外科手術について。 [医療・健康&がん関連]

私が肝がんの手術を受けるとしたら、
消化器だけでなく乳房など、いろんな臓器に
メスを入れるお医者さんよりも
肝臓の専門医に執刀してほしいと思います。

西洋医学は細分化され過ぎて
全身を診ない医師が多くなった
という意見もありますが、
同じ臓器にたくさん触れるほど
その臓器に関する専門性と
経験値が高くなるのは当然でしょう。
私は「外科医は職人」だと思っているので
専門性にこだわるわけです。

肝臓・胆嚢・膵臓を専門とする外科医には
「日本肝胆膵外科学会 高度技能指導医」
という資格があるのですが、
Kさんが肉腫と前回の肝転移の手術を受けた
A病院の外科には有資格の先生が1名います。

Kさんが受診した、がん専門病院だと
上記の資格者は肝胆膵外科に5人います。
ここのトップの先生は
「名医」とも言われているようですが、
50代も後半なので、私が手術を頼むとしたら、
腹腔鏡下での肝切除を得意とする先生、
あるいは
「日本肝臓学会 認定肝臓専門医」の資格もある
別の先生がいいかな?
どちらも中堅クラスのようです。

A病院にも「認定肝臓専門医」は1人いますが、
内科の先生です。

こういうことまでは
公式サイトのある病院で
医師の紹介も書いてあるなら
容易に調べられます。

しかし、学会もいろいろらしいので、
認定医の全員が優秀というわけではないでしょうし、
手技に秀でたお医者さんでも
私とは相性が合わないかもしれませんし、
たとえ手術はお願いできても、
大規模病院では患者に知らせないまま、
主治医の部下が執刀者となることもあり得ます。
(主治医は手術時の監督役となるケースで、
私の乳がんのときがそうでした。
本にも書いてあります~)。

外科は50代が技術も経験も
最高の時期とも言われますが、
一般的には老眼が進み、
疲労も取れにくくなる更年期世代ですよ。
お医者さんだってスーパーマンじゃないんですから、
手術の緊張に耐え続けられる心身をもつ50代は、
案外、そんなに多くはないのでは?
憶測に過ぎませんが、手術時は
主に監督・指導役に回る先生が多いのかも~?
部下の育成も仕事のうちですしね。


さて、病院選びの際には
肝がんの手術件数も一つの目安とはなりますが、
病院の規模が大きくなればなるほど、
周囲から「まだちょっとね…」
と思われているレベルの医師でも
腕を磨くためにメスを握ることが多いため、
必然的に件数も多くなる
という見方もできると私は思います。

入院するなら周りもみんな
“がん友”のがん専門病院のほうが
気がラクかもしれないなぁ。
しかし、がん専門病院なら
どの診療科も優れているのか?
それは何とも言えませんしねぇ。

一般に肝転移は再発しやすい、
多発しやすいとも言われているようです。
今後、もし手術を繰り返すことになった場合、
その間に副作用が重くなくて効果の高い新薬が出てくれば、
外科ではなく腫瘍内科のお世話になるかもしれない、
そう考えると、
がん専門病院内で連携してもらうほうがいいのか?
それとも、それぞれの分野の専門医を探し、
治療法ごとに病院も替えたほうがいいのか?
判断は非常に難しい。

いずれにせよ、Kさんの受診したがん専門病院では
希少がんの窓口に連絡したら
抗がん剤治療が前提の腫瘍内科に回されたというのは
どうなのか……と、今ひとつ腑に落ちないのです。
私としては希少がんに関わる各診療科の医師たちが
Kさんの病状を一緒に検討した上で、
現時点で最善の方法は
手術よりも抗がん剤だとか、
抗がん剤ではなくラジオ波だとか、
ラジオ波ではなく手術だ、といったふうに
病院としての何らかの統一見解を提示し、
患者の意志決定を促すのかと思っていました。

肉腫については
「希少がんセンター」「サルコーマセンター」等の
専門外来が、ようやく最近になってできたばかりなのと
肉腫の専門医がほとんどいないため、
体制自体が整っていないのかもしれません。
そのため、全国の肉腫患者は
大阪の高橋先生のような肉腫の専門医に頼らざるを得ない、
というところが現在の実情と思われます。

一例ですが、「がん研」の「サルコーマセンター」の
専用ページには多様な診療科の医師の名が並んでいます。
連携して診療にあたるということなのでしょう。
http://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/disease/sarcoma/results.html

しかし、「診療実績」のページには
「サルコーマセンターは2012年7月に
新たに当院に開設されました。」
としか書いてありませ~ん。
ほんの少しでも実例があるなら
掲載してくれれば患者の参考になるのに!


ともあれ、入院や手術については
以前にもお世話になったことのある病院のほうが
環境がわかっていて安心できるとか、
病室の居心地が好いとか、自宅から通いやすいとか、
患者によって選ぶ基準は、いろいろあると思うんですよね。
だから、私のように専門性を追求するのではなく
別の視点で選ぶ人も多いことでしょう。

KさんのA病院に対する印象は、
以前から「かかりつけ医」として利用している、
都内へ出るよりは自宅からも近い、
2回の入院時は個室を選んで快適だった、
というふうに信頼や安心感があるようです。


参考までに、
転移性の肝がんに関する解説サイトと
都内および近郊だけですが、
転移性の肝がんに対して
外科手術を勧める病院をリストアップしておきます。
(私のオススメではなく、ネットで調べた一例に過ぎません)。

●「転移性肝がんについて」(横浜旭中央総合病院)
外科手術の際、メスや腹腔鏡を入れる箇所、
切除する肝臓の部分などに関する図解があります。
http://www.ims-yokohama-asahi.jp/med-dept/geka/pdf/tenisei-kangan.pdf
(※PDFファイルが開きます)

●「転移性肝癌(主に大腸癌肝転移)の治療」(横浜掖済会病院)
化学療法だけの場合、5年後の生存者は10%未満、
肝切除後の5年生存率は30~60%といった報告あり。
http://yokohama-ekisaikai.com/treatment_of_metastatic_liver_cancer.pdf
(※PDFファイルが開きます)

●「大腸がんの治療について ―肝転移は治る―」(奈良県医師会 岡村隆仁さん)
30個以上も転移のある患者が治っていくのを経験したという医師のコラム。
http://nara.med.or.jp/kenkou_ikaga/kenkou_ikaga977.html


●東京慈恵会医科大学 肝胆膵外科
「転移性肝臓癌 慈恵医大外科における治療」
http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/hpb/hepat/hepat-ca3/treat_adv.html
●東京慈恵会医科大学 附属病院 肝胆膵外科(港区西新橋)
転移性肝がんに対しては積極的に肝切除または経肝動脈的化学療法を実施。
http://www.jikei.ac.jp/hospital/honin/sinryo/15w.html#1

●東京医科歯科大学 医学部付属病院 肝胆膵・総合外科(文京区湯島)
「肝臓の病気と治療(肝臓の腫瘍について) 転移性肝がんについて」
http://www.tmd.ac.jp/grad/msrg/liver/cancer03.html
この診療科のサイトには
「良質な医療とは云々」といった説明文があり、
患者としては安心したくなるのですが、
トップページのインフォメーション欄には
「教授が……受賞されました。」
「教授が着任されました。」
といった表現があります。
一般向けのサイトなのに
身内に該当する医師に敬語を使うだなんて、
本当に患者が最優先なの~?と疑問(苦笑)。
普通の会社なら取引先に向けて
「このたび、当社に新社長が着任されました。」
とでも発表したようなもんです。

どういう人が書いたんだか、
誰がチェックしたのかはわかりませんけどねぇ、
どんなに優秀で人柄の良い医療スタッフが揃っていても
最低限の一般常識すら欠けているように伝わってしまうと、
病院全体のイメージダウンに繋がると思います。もったいない。
私もWebサイト制作に関わる者として肝に銘じねば!


肝がんの手術数では全国1位だそうです。
●日本大学 医学部附属 板橋病院 消化器外科(板橋区大谷口)
http://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/itabashi/shinryo/g_shokaki_geka.html
消化器外科部長・消化器外科教授の高山忠利さんのインタビューページ
http://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/itabashi/topix_interview/dr_takayama/index.html#wrapper

生体肝移植も積極的に実施。
院長は肝胆膵・移植外科の分野の世界的権威と書いてあります。
権威に惹かれる人にはいいかも(笑)。
●日本赤十字社医療センター 肝胆膵・移植外科(渋谷区広尾)
http://www.med.jrc.or.jp/hospital/clinic/kantansui/index.html

手術のときには安全・確実を期して、
術前の門脈塞栓術や術中のラジオ波焼灼術を併用しているとか。
●日本医科大学付属病院 消化器外科(文京区千駄木)
「診療内容のご案内 肝、門脈、脾」
http://hosp.nms.ac.jp/page/696.html


[本日のオマケ]
●「高度技能専門医・高度技能指導医・名誉指導医・修練施設検索」(日本肝胆膵外科学会)
http://www.jshbps.jp/retrieval.html

●「肝臓専門医一覧」(日本肝臓学会)
http://www.jsh.or.jp/medical/specialists/specialists_list

肝転移とは関係ないのですが、
一般的な医療・健康に関する読み物として
「日医大」のWebマガジンは内容が充実しています。
●『意気健康』
http://ikikenko.nms.ac.jp/

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