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『ダウントン・アビー』ベイツさんの極悪妻ヴェラは、素敵なシンガーソングライター♪ [映画・テレビ・ラジオ・漫画]

20世紀初頭を舞台にした英国ドラマ『ダウントン・アビー』。
たくさんの登場人物の中でも私が最も惹かれるのは、
伯爵の従者のベイツさんです。

「良心」を象徴するような人柄なんですが
(時々、一人で何でも抱え込もうとするから
ハラハラと言うか、イライラしますけどね。笑)、
彼とは対極にあるのが極悪妻のヴェラ。

2人は別居して疎遠となっているにもかかわらず、
妻は頑として離婚に応じないどころか、
伯爵家の長女メアリーのスキャンダルを新聞に売ると
夫を脅迫して窮地に追い込もうとするんですよ~!(怒)。

過去にはヴェラが盗みの罪を犯したのに、
ベイツさんは妻の身代わりとなって
刑務所に入っていたこともあるそうです。


こんな2人は、いったいどこで出会ったのでしょうか?

日本語のサイトでは調べ切れなかったのですが、
アメリカの公共放送に関連する「WGBH教育財団」のサイトに
『ダウントン・アビー』の紹介ページがありました。
このドラマはアメリカでも大人気なんだそうです。

さて、ベイツさんとヴェラの馴れ初めは……
「childhood sweetheart from the Emerald Isle」
と書いてあります。
「the Emerald Isle」とは「エメラルド島」のことで、
美しい緑に恵まれたアイルランドの愛称だとか。
「childhood sweetheart」とは「幼馴染みの恋人」、
少年少女の初恋から結婚へ至ったのでしょうか。
ひゃ~、なんか意外!

ヴェラは冷酷で無慈悲、淡々と非情なことをやってのけます。
美人だから、その分、凄味も増しますね。
そして、夫を絶対に幸福には近づけまいという
執念に取りつかれているような……(冷汗)。
彼女の言動がエスカレートすればするほど
夫の心は離れていく、なんてレベルはとうに超えていて、
もはや嫌悪の対象と化したようです。


なぜそうまでして、一人の人間に執着するのでしょうか。

ヴェラの性格を考えると、
●情緒不安定で衝動的な行動に出やすい。
●対人関係が常に不安定。
●常軌を逸するほど相手に激しい怒りを抱く。
●相手を脅したり自殺未遂を図ったりなど
相手を引き付けようとする行動が自己破壊的になりがち。
●他者に見捨てられるのが不安で、それを恐れるあまり
自分から人間関係を壊してしまう。
●元々は相手に依存するタイプだったが、
周りが支えきれなくなると激情的な反応を示す。

今のところヴェラは自殺未遂などしていませんし、
脚本家の創造したキャラクターなんですけどね、
なんとな~く人格障害の一種である
「境界性パーソナリティ障害」かも?と思いました。
上記の項目は「境界性パーソナリティ障害」の人の
性格傾向と言われている一例です。


『ダウントン・アビー』には何人か憎まれ役がいるのですが、
ヴェラの強烈な性格は突出していますねぇ。
ベイツさん&メイド長のアンナの幸せを願う私、だけでなく、
各国で視聴しているダウントニアンの多くが
「ホント~ッに、ヤな女だッ!!」
と怒りの目をテレビ画面へ向けているんじゃないでしょうか。

私もヴェラが出てくるたびにムカムカしていたのですが、
観る者に徹底的に嫌われる役作りができる、というのは
やはり実力の高い俳優だからこそ。

そんなふうに思うようになったのは、
’80年代後半に映画『ウォーカー(Walker)』を
観に行ったのが、きっかけです。
19世紀半ばにニカラグアの大統領となった
アメリカ人将校の実話をもとに描いた作品で、
独裁者として君臨したウォーカーを演じたのが
エド・ハリスでした。
このとき初めてエド・ハリスという俳優を知ったのですが、
映画を観てから家へ着くまでの間、
私は“冷たい狂気”とでもいうようなウォーカーに対する
嫌悪感と怒り、やりきれなさのかたまりとなっていました。
で、憎むのにも疲れたときに、
これだけイヤな気持ちにさせる演技って本当に凄いなぁと
感心したんですよね。

まぁ私の場合は、狂気を孕(はら)む役のうまい人が
魅力的に見えるので~、欧米系の男優だと
デニス・ホッパー
アンソニー・ホプキンス
ヘルムート・バーガー
クリストファー・ウォーケン
ルトガー・ハウアー
ウィレム・デフォー
といった人たちのファンです♪
ジャック・ニコルソンやロバート・デ・ニーロも大好きですが、
あまりにもメジャーすぎるから別格かなぁ。


ところで、ヴェラ役の女優は、どんな人なんでしょう?

ネット上に散らばっている細かな情報をかき集めてみたら、
意外なことがわかりました~!

名前はマリア・ドイル・ケネディ(Maria Doyle Kennedy)。
1964年9月25日に誕生。
出身地はアイルランドのダブリンの北東で
アイリッシュ海に面したクロンターフ。
学生時代の’80年代半ばからバンドを組み、
’90年代初めには女優デビューも。
’88年に結婚したミュージシャンの夫
キーラン・ケネディとの間に4人の息子がいます。

テレビドラマのシリーズ『THE TUDORS(チューダーズ/
邦題:ヘンリー8世 背徳の王冠)』(’07~’10)では
ヘンリー8世の最初の王妃を演じています。
http://www.tudors.jp/caststaff.html

映画やテレビドラマでキャリアを積むと共に、
シンガーソングライターとしても活躍中。

へぇ~!? あのヴェラがねぇ?
ということで、マリアさまの歌を聴いてみたところ……。

落ち着きのある穏やかな声で、
やや気怠い感じやセクシー&ハスキーっぽい発声もあり、
全般的にカッコいい!!
私は大好きなテイストの歌声です。
曲調もバラエティに富んでいますが、
おそらく’60~’70年代のフォーク&ロックや
ジャズ、民族音楽なども好きな人なら
気に入るかもしれません。
マリアの公式サイトでアルバムが試聴できるので、
このところずっと聴いています。
私は一日中、聴いていても全く飽きないヴォーカリスト。

悪役の女優が、こんな素敵なシンガーソングライターだなんて!
音楽との出合いは、こういう偶然もあるから面白いですね♪


[本日のオマケ]

マリアの歌声と響き合う
アコースティックギターの音色も印象的で、
映像感覚も独創的なミュージックビデオ。
●「Maria Doyle Kennedy  Stars Above」
https://www.youtube.com/watch?v=tl8-FHb80LE
●「Maria Doyle Kennedy  Mother」
https://www.youtube.com/watch?v=mvVEA-J7-bQ
●「Maria Doyle Kennedy Feat Damien Rice  SING」
https://www.youtube.com/watch?v=Hsr4oWKFQqw

3つ目の動画に登場する
クラシカルなロングドレスの女性たちのダンスは
昔ながらのアイリッシュダンスのアレンジでしょうかねぇ?
調べてみましたがダンスの種類が多すぎて、わかりませんでした~。

マリアと夫キーランとの、なごやかなライブ映像。
●「Maria Doyle Kennedy & Kieran Kennedy - 05.
Bury Me Under the Weeping Willow - Olomouc 2011」
(登録:Veronika Zýkováさん)
https://www.youtube.com/watch?v=_L18QJYTPpQ

公式サイトはロゴやイラストも’70年代風かな?
サイト全体は洗練されたデザインじゃない代わりに
温かみが感じられます。
●「MARIA DOYLE KENNEDY」
http://mariadk.com/
・アルバムの多くの曲が試聴できるページ♪
http://mariadk.com/audio.html
ちょこっとずつだけじゃなくて、たっぷり聴けます。
歌詞のページもあるし、こんなオトクなサイトだと
CDが売れなくなるんじゃないの?と心配しますよ(笑)。
映像もたくさんアップされていますが、
そちらは中途半端なものばかりのような~。

「アマゾン」で探してみると輸入盤しかないんですね~。
その中からイラスト&ロゴに惹かれるアルバムを紹介。
●『Sing』1,875円(税込)

Sing

Sing

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ais
  • 発売日: 2012/09/10
  • メディア: CD


中古しか手に入らないアルバムもありますが、
ダウンロード購入もできますね。1曲150円。
http://urx2.nu/gtNM
(※短縮URL)

マリアさ~ん、日本へライブツアーに来てくださ~い!!


『ダウントン・アビー』の登場人物の役柄に関することや
出演者の紹介も載っています(※英語)。
●「MASTERPIECE  Downton Abbey Season 2 Character/Actor Guides」
(WGBH Educational Foundation)
http://www.pbs.org/wgbh/masterpiece/downtonabbey/season2_characters.html

●映画『ウォーカー(Walker)』(アメリカ/1987)
監督はアレックス・コックス。
’80年代当時は、この監督の作品にハマって、
『レポマン(Repo Man)』(1984)
『シド・アンド・ナンシー(Sid and Nancy)』(1986)
『ストレート・トゥ・ヘル(Straight to Hell)』(1987)
なども観ました。
『ウォーカー』もパンク精神とブラックユーモアに満ちています。
エド・ハリスの演技は一見の価値あり!
ウィリアム・ウォーカーの妻の役はマーリー・マトリン。
聴覚が不自由ながらも、デビュー作品の
『愛は静けさの中に(Children of a Lesser God)』(1986)で
アカデミー主演女優賞を獲得した人です。

ウォーカー [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
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