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ジュサブロー人形劇『新八犬伝』、もう一度、全編が観たかった~!(涙)。 [映画・テレビ・ラジオ・漫画]

先日、歌舞伎の『南総里見八犬伝』を観に行ったとき(※1月13・14日付の記事参照)、うちから劇場に着くまで、ず~っとアタマの中で鳴っていたのが、「♪ じん、ぎ、れーちッ、ちゅーしんッ、こーてぃッ♪」という歌でした。

これはNHKの人形劇『新八犬伝』の主題歌の一節で、放映は1973年4月~’75年3月だったそうです。
月曜~金曜18:30~18:45の15分番組。1回分がそんなに短いとは感じませんでしたが、きっと中身が濃かったんでしょうねぇ。曲亭馬琴の原作が超大長編だけに、このテレビ作品も全464話だとか。

テーマソングのタイトルは『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』と、八犬士の象徴そのまんま~♪
あの番組を夢中で観た一定の世代以上の方々なら、一緒に口ずさんでくださると思います(笑)。
歌っていたのはナレーションも担当したキューちゃんこと坂本 九さんでした(当時30代前半)。

コーラスの一節には「♪ こーげん れーしょく すくなし、じんじんじんじん♪」とあって、そのお蔭で『論語』の「巧言令色 鮮(すく)なし仁」という言葉も覚えられたのです。
(※「鮮なし」とは「滅多にない」という意で「少なし」ではありません)。

このテーマソングが聴けて歌詞も掲載されているサイトがあります。
●『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』(歌ネット)
http://www.uta-net.com/movie/163779/

改めて聴いてみると、アレンジも面白くてカッコいい曲ですね~♪
温かみのある明るい声が魅力のキューちゃんは、’85年8月12日の御巣鷹山の日航機墜落事故に遭い、43歳という若さで亡くなってしまいました(涙)。
作詞は『新八犬伝』の脚本も手掛けた石山 透さん(享年58)、作曲は藤井凡大(ぼんだい)さん(享年63)。
コーラスは男声ボーカル・カルテットの「ロイヤルナイツ」だそうです。

ほかの歌詞サイトでも「袖振り合うも多少の縁」「巧言令色少なし仁」と表記されていますので、元の歌詞自体が間違っていたんでしょうね~。
正しくは「多少の縁」→「多生の縁」、「少なし仁」→「鮮なし仁」です。

「袖振り合うも多生の縁」は私の場合、「袖擦(す)り合うも…」と記憶していましたが、どちらも間違いではありません。最近は「触れ合う」「擦れ合う」も可としている辞書・事典もあるようです。
「多生」は本来、仏教用語で「他生」とは意味が異なるのですが、誤用のまま使っている人も多い様子。

特にネット上の辞書・ことわざ辞典などは一見、辞書のような体裁でも間違いが多いので要注意です~! 信用のできる出版社の運営サイトを参照しましょう。……私は歌詞の中の「玉」が正しいのか「珠」なのかも気になりますけどね(笑)。

●『夕やけの空』(歌ネット)
http://www.uta-net.com/movie/46441/
こちらも『新八犬伝の』テーマ曲だったそうですが、私はなんとなく記憶があるような?という感じ。でも、しみじみとした良い曲だと思います。

……などと書いている最中に、テレビからNHK「みんなのうた」が流れていたのですが、偶然、キューちゃんの歌声が聞こえてきてビックリ!!
画面は子ども向けの古いアニメーションで、調べてみると、1969年に発表された『あしたに賭ける数え歌』という曲でした。何度も再放送されてはいるようですが、私にとってはコワイと言うか、“ステキなタイミング~♪”なのか!? キューちゃんのベスト盤を買って、じっくり聴こうかなぁ……。

「アマゾン」で探してみると、たくさんあり過ぎる~! でも、『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』と『夕焼けの空』を収録したアルバム『シングルス』を発見しました!
2枚組で全36曲、新品は1万円以上しますが、中古なら2,000円前後なり~。

シングルス

シングルス

  • アーティスト: 菅沼定憲,永六輔,山田洋次,PAUL ANKA,LEE JULIEN POCKRISS,CLINT (JUN) BALLARD,ROY C BENNETT,青島幸男,浜口庫之助,石山透
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1998/03/28
  • メディア: CD


放映当時に『新八犬伝』を観ていて、あれは文楽(人形浄瑠璃)だと勘違いしたままの人もいるらしいのですが、人形師・辻村ジュサブローさん(現在は辻村寿三郎と表記)のデザインは、まさに芸術品ですよね~!

寿三郎さんは文楽の人形遣いになりたいと考えたこともあるそうです。
おどろおどろしい形相と声で「我こそは玉梓(たまずさ)が怨霊(おんりょう)~ッ!!」と登場する玉梓の姿は、小さな子なら引き付けを起こしそうな迫力でしたが、あの人形は寿三郎さん本人が遣っていたんですって。へぇ~!

●「辻村寿三郎 公式ホームページ」
http://www.jusaburo.net/
「ジュサブロー館」ではグッズや布地の販売のほか、人形教室も開催。日本橋の「人形町」にあるというのが、洒落っ気が効いていて、いいですねぇ。

寿三郎さんのご長男で、人形芝居のプロデュース等を手掛ける寿和さんのサイト。寿三郎人形の写真が見られます。
●「辻村寿和Collection『寿三郎』創作人形の世界」
http://ameblo.jp/jusaburo/

『八犬伝』は大変なブームとなった不朽の名作ですから、ぜひ全編を再放送してほしい!! 今なら録画機器を持っている人も多いので、放映の時間帯に関係なく視聴率も高くなると思うんです~!!

……と思って調べてみたところ、ヒジョーに残念なことに、録画が保存されているのは第1回、20回、464回(最終回)だけで、近年になって番組関係者が個人で録画した映像を発見し、NHKに提供したそうですが、それが
第86回(1~85回の総集編)だとか。

’70年代半ばではデジタル機器なんてものはなく、テレビの現場での録画に際しても貴重なビデオテープを上書きしながら繰り返し使ったため、映像自体が残っていないのだそうです(号泣)。

だから、当時、個人で録画して今も保存してある方はいませんか? と呼びかけている人がいますよ~。皆さま、ぜひ周りの方々にも聞いてみてくださいまし!
●「『新八犬伝』の映像を探しています!」
http://homepage2.nifty.com/starship/search.htm

上記のメッセージを発信している方はベテランの大ファンとでも言いましょうか、個人のサイトながら貴重な情報がたくさん! サイト創設が2000年7月とのことですから、素晴らしい蓄積がありますね~!!
●「新八犬伝をもう一度見ようよ!」(Carinaさん)
http://homepage2.nifty.com/starship/

ないとわかれば、なおさら観たくなるぅ~!!! 歌舞伎が「原作の刊行開始から200年」の節目企画だったので、NHKでも『刊行スタート200年記念! 新八犬伝祭り♪』というアーカイブ特集は、いかがでしょうか~?
ホントなら200周年は昨年だったのですが、まぁ1年ぐらい、いいじゃないの。BSじゃなくて、ぜひ地上波でお願い致します~!!

[本日のオマケ]

全体のあらすじに加え、番組制作時の裏話も♪
●「アカイさんノート」(NHKオンライン)
・新八犬伝(1)ストーリー編
http://www.nhk.or.jp/archives-blog/genre/anime/10641.html#main
・新八犬伝(2)舞台裏編
http://www.nhk.or.jp/archives-blog/genre/anime/10765.html#main

過去に3本の関連番組が放映されたようです。全部まとめて再放送してくださいな~!!
●「NHKアーカイブス」(NHKオンライン)
http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2011/120219.html

馬琴の著作物は「読本(よみほん)」といって、今でいう小説(フィクション)のこと。『八犬伝』も史実から着想して伝奇物語に仕立てた創作なんですが、千葉県南房総市の「富山(とみさん/標高350m弱)」には里美家ゆかりの地ということからか、伏姫(ふせひめ)と八房(やつふさ)が暮らしたとされる洞窟の「伏姫籠穴(ふせひめ ろうけつ)」や八房を葬ったという「犬塚」などが実在するそうです(笑)。
※地名は「富山(とみやま)」、『八犬伝』では「富山(とやま)」と読み方が違います。ややこし~!

●「南総里見八犬伝の里」(南房総市役所)
http://www.mboso-etoko.jp/tomiyama/satomi/

●「さとみのふるさと」(館山市)
http://www.city.tateyama.chiba.jp/satomi/contents/contents.html
※サイトは制作途中のようで、「里見氏を調べよう・資料編」のページしか見られませ~ん。もしくはリンクが切れているのか???
・『南総里見八犬伝』のあらすじ・八犬士と八玉の説明
http://www.city.tateyama.chiba.jp/satomi/arasuji/arasuji.html

2003年に発売されたDVD。アマゾンで1万円以上しますが~、現在、映像作品で購入できるのは、これしかないようです。
●「NHK人形劇クロニクルシリーズ『新八犬伝』
辻村ジュサブローの世界」

NHK人形劇クロニクルシリーズVol.4 辻村ジュサブローの世界~新八犬伝~ [DVD]

NHK人形劇クロニクルシリーズVol.4 辻村ジュサブローの世界~新八犬伝~ [DVD]

  • 出版社/メーカー: アミューズ・ビデオ
  • メディア: DVD


本で読むなら「偕成社」から出ている児童向けの『南総里見八犬伝』(全4巻)に惹かれます~!
児童文学作家の浜たかやさん編・著で、作画は山本タカトさん。私の好きな月岡芳年(つきおか・よしとし)や高畠華宵(たかばたけ・かしょう)、伊藤彦造(いとう・ひこぞう)、吉田光彦(よしだ・みつひこ)等の系譜に連なるような画風なのです。
ふりがな付きらしいので、お子ちゃんたちにもぜひ!!

南総里見八犬伝 全4巻

南総里見八犬伝 全4巻

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 単行本


●山本タカト 公式サイト
http://yamamototakato.com

※『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』の作詞の著作権者である石山 透さんは「JASRAC 日本音楽著作権協会」に権利を委託していません。この記事の文中に転載した歌詞の一部は著作権法上の「引用」の範囲と解釈して掲載します。(曲と歌は「JASRAC」が管理)。

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Jansany

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