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文楽の有料入場者数が、補助金支給ラインの10万5千人を突破しました!!(喜) [美術・音楽・古典芸能・芝居...etc.]

2015年2月文楽公演チラシ.jpg
「国立文楽劇場」
(大阪)の今年度の
文楽公演について、
1月13日午前の
初春公演(第1部)の
時点で
有料入場者数が
10万5233人
(速報値)に達し、
同月26日の千秋楽を
経て、最終的には
過去10年の最高記録
10万6687人
(’04年度)を
大きく上回り、
11万7672人
(速報値)という
新記録を達成したそうです~!!

わ~いわ~い!!
ヽ(^。^)ノヽ(^。^)ノ

と、私は大喜びしましたが、
きっと全国の文楽ファンの皆さまも同じだと思います~♪

……と言うのもですねぇ、
大阪市が「文楽協会」への補助金を
入場者の数に連動して支払うかどうかを決めるという、
伝統芸能の大切さを微塵も理解していない
乱暴な仕組みを導入することにしたんですよ(怒)。

文楽(人形浄瑠璃)の素晴らしさを次代へと引き継ぐべく
日々の努力を重ねる技芸員
(太夫・三味線弾き・人形遣い)の皆さまや関係者、
そして、文楽をこよなく愛するファンは、
某市長のワケのわからん主張に驚愕したのです。

そのショックのせいで人間国宝の
竹本住大夫(たけもと・すみたゆう)さまが脳梗塞で倒れてしまい、
気力の限りを尽くして舞台に復帰なさったにもかかわらず、
結局は引退を余儀なくされた……うう~っ(号泣)。
と私は思い込んでいますし、
好きなジャンルに関しては物凄くしつこい性格ですからね、
死んでも某市長を恨み続けますよ~。うらめしや~。


ともあれ、補助金の満額が
支給されるかどうかというボーダーラインが
10万5千人という設定なんですけど、
それを超えるどころか
プラス1万2千以上もの人々が劇場へ駆けつけたわけです!!
これまで大阪の「文楽劇場」は空席もあったと聞いており
(東京公演は、いつもほぼ満席)、
全国から大阪まで観に行った方々も多いとは思うのですが、
それでも、この数字は
文楽発祥の地・大阪の気概を感じさせるものだと私は思いました。

来年度からは今の補助金制度をやめて、
助成については事業ごとに判断する方針だとか。
しか~し! その前に「文楽協会」の財政状況については、
もっともっと深く知っていただきたいものです。


文楽は歌舞伎と比較されがちですが、
「財団法人 文楽協会」に所属する技芸員は80数名のみ。
歌舞伎俳優は「松竹(株)」および
「公益社団法人 日本俳優協会」に属しており、
その数は300名に届きそうなほどという大所帯。

歌舞伎の公演を行う劇場も、大規模な所が中心です。
たとえば……
「歌舞伎座」(東京/1808席)
「国立劇場 大劇場」(東京/1466~1610席
※席数は花道の有無によって異なる)
「新橋演舞場(しんばし えんぶじょう)」(東京/1428席)
「明治座(めいじざ)」(東京/1368席)
「御園座(みそのざ)」(名古屋/1656席)
「京都四條 南座(きょうと しじょう みなみざ)」(京都/1078席)
「大阪松竹座(おおさか しょうちくざ)」(大阪/1033席)
「博多座(はかたざ)」(福岡/1454席)
など。
同じ時期でも、全国のさまざまな劇場に分かれて興行が催せます。

一方、文楽の公演が開催される所といえば、
「国立文楽劇場」(大阪/731席)
「国立劇場 小劇場」(東京/560席)
この2か所がほとんどで、しかも技芸員の数が少ないため、
東西の公演は交互にしか開催できないんです。
ほかは地方の芝居小屋での興行や海外公演などが少々だけ。

観劇の料金も大きく違いますよ~。
今年の2月公演の場合ですが、
文楽の「国立劇場 小劇場」の1等席は5,900円、
歌舞伎なら「国立劇場 大劇場」1等A席9,500円、
「歌舞伎座」1等席18,000円なのでございまする~。
※すべて税込み。

歌舞伎は人間が演ずるものですからね、
人気役者ともなれば通常の舞台興行だけでなく
テレビドラマや映画、CMなどからも声が掛かります。
だから、年収1億円プレイヤーも存在するわけですが、
文楽の技芸員は人間国宝でも1千万には届かないかも~。
私の憶測に過ぎませんが、
おそらく能楽師・狂言師と同じぐらいじゃないかと……。
(狂言でも萬斎さんのような売れっ子は別ですけど、
歌舞伎ほどスター揃いではありませんしね)。
というわけで、伝統芸能の世界は
比較したって何の意味もないということですわね。


●文楽のスーパースターが「台所事情」語る 竹本住大夫さん
「日本経済新聞 電子版」(2012/9/12)
http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXNASFK2700R_X20C12A8000000
元は『日経マネー』(2012年5月号)の記事だそうですが、
人間国宝にここまで言わせるなんて、
もうねぇ、情けなくて切なくて泣けてきますよぉ~(涙)。

研究報告の文書ではありますが、
「東京文化財研究所」無形文化遺産部の部長である
飯島 満さんという方が丁寧に解説なさっていて、
文楽への深い深い愛情が伝わってくる文章です。
●「日本の無形文化遺産 -古典芸能の伝承と将来-」
http://www.tobunken.go.jp/~geino/pdf/sympo/07Session1-2Ijima.pdf
※PDFファイルが開きます。
(「第30回 文化財の保存・修復に関する国際研究集会報告書
無形文化遺産の保護 -国際的協力と日本の役割-」より/
東京文化財研究所 無形文化遺産部)


[本日のオマケ]

●2月文楽公演(国立劇場 小劇場)
2月14日(土)~3月2日(月)
※2月20日(金)第二部のみ貸切。
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2014/21012.html
第一部 11:00開演~14:00終演予定
「二人禿(ににん かむろ)」
「源平布引滝(げんぺい ぬのびきの たき)」
  矢橋の段、竹生島遊覧の段、九郎助内の段
第二部 14:30開演~15:20終演予定
「花競四季寿(はなくらべ しきの ことぶき)」
  万才・海女・関寺小町・鷺娘
「天網島時雨炬燵(てんの あみじま しぐれの こたつ)」
  紙屋内の段
第三部 18:00開演~20:55終演予定
「国性爺合戦(こくせんや かっせん)」
  千里が竹虎狩りの段、楼門の段、甘輝館の段、紅流しより獅子が城の段

古典芸能の公演の貴重な映像が観られる機会です。
●国立劇場 伝統芸能情報館「公演記録鑑賞会」
(国立劇場 別館 伝統芸能情報館3階 レクチャー室)
・2月13日(金)10:30開演(開場10:00)/先着120名/無料
歌舞伎『義経千本桜』河連法眼館の場・河連法眼館奥庭の場
(昭和43年4月/モノクロ/101分)
出演:④尾上菊次郎/⑨市川八百蔵/③市川猿之助(②猿翁)/⑥澤村田之助ほか
・3月13日(金)10:30開演(開場10:00)/先着120名/無料
文楽『ひらかな盛衰記』松右衛門内より逆櫓の段
(昭和60年5月/カラー/98分)
出演:豊竹咲大夫/⑦竹本住大夫/⑤豊澤富助/④野澤錦糸/③吉田玉松/②吉田文昇/吉田玉男/③吉田簑助/②吉田玉幸/桐竹一暢ほか
※出演者の丸囲みの数字は、受け継いだ「世」を表します
(例:⑦竹本住大夫=七世竹本住大夫)

ユネスコの世界無形文化遺産である文楽の歴史や
太夫・三味線・人形の三業についての解説など、
初心者にもわかりやすく紹介。
●国立劇場 伝統芸能情報館・情報展示室
企画展示「文楽入門」
(国立劇場 別館 伝統芸能情報館1階 情報展示室)
5月25日(月)まで
10:00~18:00(毎月の第3水曜のみ20:00まで)
休室日:3月11日(水)/入場無料
http://www.ntj.jac.go.jp/tradition/event/4085.html

「伝統芸能情報館」フロアマップ
http://www.ntj.jac.go.jp/tradition/facilities/floormap.html
東京都千代田区隼町4-1
有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町」駅2・4出口から徒歩5分
半蔵門線「半蔵門」駅1出口から徒歩8分
都バス「都03 晴海埠頭―四谷駅」「三宅坂」停留所から徒歩2分

●「人形浄瑠璃 文楽への誘(いざな)い
~文楽鑑賞の手引き~」(日本芸術文化振興会・桜映画社・ソニーPCL・
財団法人 文楽協会・NPO法人 人形浄瑠璃文楽座)
http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/bunraku/jp/

☆このブログ内の関連記事
●文楽(人形浄瑠璃)の5月の東京公演『女殺油地獄』『鳴響安宅新関』を観る。
http://chie-relish.blog.so-net.ne.jp/2014-05-19
●義太夫節を68年語り続けた89歳、住大夫さんの引退公演を涙で見届けた。
http://chie-relish.blog.so-net.ne.jp/2014-05-20

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