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3月14日に大腸がんの啓発イベント(体験談・講演・映画鑑賞付きで無料)が都内で開催。 [医療・健康&がん関連]

先月中旬、アメリカのサンフランシスコで行われた
「消化器がんシンポジウム
(2015 Gastrointestinal Cancers Symposium)」において、
猪股雅史 教授(大分大学 医学部 消化器・小児外科)を
中心とする「大腸がんグループ」が、
「大腸の進行がんで手術を受けた患者の5年生存率が
開腹・腹腔鏡(ふくくうきょう)どちらも90%を超えた」
という調査結果を発表したそうです。
この高い生存率は「国際的にも誇れる成績」だとか。

[調査の内容]
・研究の主体:「JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)」
(※「国立がん研究センター」主導で
がん治療を多く手掛ける全国の約190の医療機関が参加)
・目的:腹腔鏡手術と開腹手術の長期成績の比較。
・がんの対象と進行度:結腸および直腸の一部にできたがん。
ステージⅡ(腸壁の筋肉層を越えているが、リンパ節転移なし)
ステージⅢ(腸壁の筋肉層を越えており、リンパ節転移あり)
・調査期間:2004~2009年
・対象の患者:「JCOG」参加の30病院で受診した1057人
(開腹528人、腹腔鏡529人)。
Ⅲ期の患者には抗がん剤治療も行い、5年間追跡。

[調査結果]
・術後の5年生存率:開腹90.4%、腹腔鏡91.8%
・術後、再発なしの5年生存率:開腹79.7%、腹腔鏡79.3%
・過去の国内研究(開腹+腹腔鏡の5年生存率):
ステージⅡ 約80%、ステージⅢ 約70%

私が調べられたのは以上の内容程度なので、
同じ5年生存率とはいえ、
術式で比較したものと
病期別の過去データが並べてあっても、
単純に比べられないじゃないの~!?と思いますよね?
でも、おそらく過去データは
腹腔鏡が今ほど普及していなかったので、
現在の調査結果と比較しようがないのかも。


私の胃がんのときは開腹手術でしたが、
当時(17年ほど前)は腹腔鏡で胃袋を切るなんて技は
ほんの一部の病院が着手し始めた程度に過ぎず、
人体実験みたいだわ~と思ったものです。
大腸がんの腹腔鏡手術も約15年前から導入されたそうですが、
今では初発なら9割以上が腹腔鏡で、という病院もあります。

学会で発表した猪股教授は
「大腸がんは熟練した医師が手術を行えば、
開腹でも腹腔鏡でも同等の
高い生存率が得られることが確かめられた」
とコメントしています。
この猪股先生や「JCOG」は腹腔鏡推進派なのかもしれませんが、
出血量が少なく傷あとも小さい手術が主流となっていくのは
当然だろうと思いますし、患者としてはうれしいことですよね。

しかしながら、決して忘れてはいけないのが、
猪股先生の「熟練した医師が…」という言葉通り、
腹腔鏡手術には高度な技術が重要だということです。

昨年までに判明した医療事故のうち、
「群馬大学病院」で8名が術後4か月以内に死亡、
「千葉県がんセンター」で11名が手術当日~術後9か月の間に死亡、
いずれも腹腔鏡手術を受けた患者でした。
前者の執刀医は40代の助教、後者は大部分の手術を
ベテランと言われる医師が担当したそうです。
とはいえ、もちろん開腹手術でもリスクはありますよね。
本当に本当に難しいことなのですが、
病院・お医者さん選びと治療法の検討こそが
闘病の要(かなめ)だと、つくづく思います。
(がんだけじゃなくて、どんな病気でも同じですけどねぇ…)。


さて、病気と付き合っていくには
やはり少しでも多くのことを学ぶ姿勢が大切でしょう。
ここ数年の間に、私の“がん友”のうち3人が
直腸がんの手術を受けましたが、
ストーマ(人工肛門)は一時的に設けるだけで、
その後、排泄口は閉じて通常に戻すという
タイプもあることを知りました。

また、「大腸がん」と一括りにされがちですが、
大腸は伸ばすと2mぐらいある臓器なので、
盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がん、下行結腸がん、
S状結腸がん、直腸S状部がん、直腸がん等と
どこにでも発生しますし、
部位によって治療法や後遺症などが違ってくる場合もあります。
一昨年の夏には私も、がんになりやすいという腺腫の
大腸ポリープを3個、摘出しましたからねぇ。
多重がん患者としては3つめのがんに罹らないうちに
ちょっとは勉強しておかなくちゃ~、とも思います。

来月には都内で大腸がんの啓発イベントがあるそうですから、
ご自分や大切な人が大腸がんと診断された方、
大腸がんや大腸ポリープ等の治療を受けた方、
大腸がん患者の闘病を支えている方、
血縁に大腸がん患者がいて不安だという方、
がん全般に興味がある方など、
最新情報を得る機会として利用してはいかがでしょうか。


■「もっと知ってほしい『大腸がん』のこと 2015 in 東京」
日時:2015年3月14日(土)10:00~16:15
場所:東京医科歯科大学 M&Dタワー2F
   鈴木章夫記念講堂(東京都文京区)
http://www.tmd.ac.jp/outline/campus-map/
(キャンパスマップ:「湯島キャンパス」の12番の所です)
参加費:無料(定員500人)
※3月8日(日)までに申し込みが必要とのこと。お早目に~!

[主な内容(※敬称略)]
●特別挨拶
  渡邉聡明(東京大学 腫瘍外科・血管外科/大腸癌研究会 事務局長)
●大腸がんの体験談「口腔癌治療医が進行大腸癌に罹って」
  山本悦秀(金沢大学 名誉教授、城南歯科医院 理事長)
●基調講演
・「大腸がん/大腸ポリープの診断・検査の実際」
  石黒めぐみ(東京医科歯科大学大学院 腫瘍外科学)
・「大腸がんの外科的治療とその後の生活」
  板橋道朗(東京女子医科大学 第二外科)
・「大腸がんの薬物療法(抗がん剤・分子標的薬)」
  篠崎英司(がん研有明病院 消化器センター 消化器内科)
●パネルディスカッション
「がんになったらどうする? お金と情報のこと」
●がん相談支援センター活用のすすめ
●各団体の出展ブース紹介
(協賛の製薬会社とか保険会社の宣伝コーナーでしょう)

●映画『ぼくたちの家族』上映
父(長塚京三)・母(原田美枝子)・社会人の息子(妻夫木聡)・大学生の息子(池松壮亮)という一見ありふれた家族。母に脳腫瘍が見つかると同時に余命1週間の宣告。母を死なせまいと父子が奮闘、家族の再生を描く物語……のようです。
ほかの出演:鶴見辰吾、板谷由夏、市川実日子、黒川芽以、ユースケ・サンタマリア等
http://www.bokutachi-kazoku.com/
※予告編あり。

……予告編を観てみたんですけど~、
余命1週間なのに、とても元気そうなお母さん。
脳腫瘍で余命1週間だと言語障害や麻痺、けいれん発作や
意識障害などを起こして寝たきり状態かと思っていたのですが、
亡くなる前日まで元気だったのに
急変するというケースもあるんでしょうね。
余命の期間は主治医の単なる見立て間違いもありますし、
お医者さんは往々にして最悪の事態を想定し、
余命は短めに伝える傾向がありますものね。

それにしたって~、創作なんだから
余命1週間じゃなくて1か月に設定すれば
もう少しリアリティが出るんじゃないの?と思うんですけど。
まぁ“がん友”の皆さんなら、よくおわかりですが、
闘病系のドラマや映画って
ツッコミどころ盛りだくさん!ですもんね~(苦笑)。
でも、こんなふうにイチャモンつけるんじゃなくって~、
“家族愛”に着目して鑑賞いたしましょ。
私は原田美枝子・鶴見辰吾・板谷由夏に注目します♪


乳がんの啓発カラー「ピンクリボン」のように
大腸がんは「ブルーリボン」だそうです。
イベント当日にはブルー系の何かを身に着けて行くと
粗品がもらえるそうですよ~。
ネットの案内ページには、
洋服、帽子、メガネ、イヤリング、ピアスなどと書いてありますが、
今の季節ならマフラーとかストール、手袋でもいいですよね。
バッグとか靴でもいいのかな。ハンカチは~?(笑)。
でも、せっかくブルーのアイテムを身に着けていっても、
粗品というのが製薬・保険会社のカレンダーとかだったら
ものすご~くガッカリしそう……(泣)。

イベントのプログラムの詳細&申し込み先
●「NPO法人キャンサーネットジャパン」
http://www.cancernet.jp/15864
過去のイベントの動画も観られます。
・「がん情報ビデオライブラリー」
http://www.cancernet.jp/video


[参考サイト]

●「大腸癌研究会  一般の皆様へ」(大腸癌研究会)
http://www.jsccr.jp/forcitizen/
図解が豊富で、わかりやすいページです。
・「大腸癌治療ガイドラインの解説
ガイドラインを理解するための基礎知識」
http://jsccr.jp/forcitizen/comment02.html

●「大腸がんを生きるガイド」(日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/cancernavi/daicho/

●「大腸がん情報サイト」(ヤクルト本社・ヘルスクリック)
http://www.daichougan.info/

●「がん情報サービス それぞれのがんの解説 大腸がん」
(国立がん研究センター がん対策情報センター)
http://ganjoho.jp/public/cancer/colon/

●「がんに関する情報 がんの種類について 大腸がん」
(がん研有明病院)
http://www.jfcr.or.jp/cancer/type/colon.html

内臓や腫瘍の写真が多く掲載されているので
苦手な人は見ないほうがいいかも……。
●「がん診療について 大腸がん」(福岡県済生会 福岡総合病院)
http://www.saiseikai-hp.chuo.fukuoka.jp/cancer/h_daichogan.htm#hpb-container

専門性が高く文章量も多いので読むと疲れますが、
治療法を模索しているときには
ほんの1行がヒントになる場合もありますね。
●「大腸がん治療ガイドライン
Ⅱ 治療法の種類と治療方針の解説」(日本癌治療学会)
http://jsco-cpg.jp/guideline/13.html

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