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高部雨市さんとパーシー・セラティ。5月11日~30日、銀座で「高部としゑ 陶展」開催。 [美術・音楽・古典芸能・芝居...etc.]

としゑさん陶展(2015.5).jpg






ゴールデン街の「P」や「Suzy-Q」でバッタリ出会うと
うれしくて「きゃ~♪」と叫んでしまう常連が
高部雨市(たかべ・ういち)さん。
風貌はスキンヘッドだから、一見、凄味もありそうだし、
ケンカには滅法強い“武闘派”と聞いたこともありますが、
いつもニコニコと穏やかな笑顔と語り口で、
その場の雰囲気をフワッと和ませる人なのです。

雨市さんは、肩書で言えば
ルポライター、ジャーナリスト、ノンフィクション作家
といったジャンルのライターです。
長いことランニングを続けているそうで、
’80年代にはオーストリアまで出かけ、
多くのオリンピック選手を育てた陸上の名コーチ
パーシー・セラティ(セルッティの表記もあり/
Percy Wells Cerutty/1895~1975)の元へ。

このセラティさんという人は
40代初めに生活習慣病と神経衰弱に罹ったことがきっかけで、
食生活の改善と独自のトレーニング法で徹底的に体を鍛え抜き、
マラソンのオリンピック代表を目指したこともあるとか。
相当の変わり者だったらしいのですが、
走るということは自然回帰であり、
人間らしさを取り戻すことだというのが彼の理念。
美しいフォームなど関係なく、
起伏に富む森や山、海辺などの自然の中を走り続けるのが
トレーニングの基本のようです。

雨市さんは手紙で取材を申し込んでも返事が来なかったので、
直接、会いに行ったほうが早いとオーストリアへ。
そして、インタビューに応じてもらえるまで
苛酷なトレーニングに参加して一緒に走り続けたのだとか。

以下の映像はフランス語のニュースで、
セラティと一緒にランナーたちが小高い砂丘を駆け上がり、
足を取られやすい砂浜も走り込む場面が出てきます。
雨市さんも同じように走ったんでしょうね。スゴイなぁ……。
・「Percy Ceruty Herb Elliott - Port Sea Training Camp」
(アップロード:Vafareunculoさん)
https://www.youtube.com/watch?v=jKqMRpv7ygc

私は運動音痴で、日々、走らないで済むように
ということばかり考えていますが~(笑)、
セラティの言葉に、うんうんと共感するものがありました。

「人は自分の楽な範囲からはみ出して初めて人間として成長できる」


この雨市さんの奥さまが、
益子焼(ましこやき)の陶芸家・高部としゑさん。
「P」のママや「Suzy-Q」のなおちゃんから
「素敵な人なのよ~」と聞かされていたのですが、
偶然、「P」でご夫婦が飲んでいるところへ
オジャマしたことがあります。

としゑさんのことを女性誌風に表現すると、
「シンプルかつ上質なオシャレを知る大人の女性」
とでも言いましょうか。
同時に、飾り気のない可愛らしい方なんです。
(年上に失礼な言い方かもしれませんが~。汗)。

としゑさんは横浜で生まれ、
東京で編集者として働いていたそうですが、
結婚後、仕事と子育てとの両立は難しいと感じ、
益子の「つかもと製陶所」に研究生として入所。
修業ののち、益子に自宅と作業所・窯を築いて独立したそうです。

益子焼は著名作家の濱田庄司に代表されるように
元来、日用品・民芸陶器で知られる産地。
としゑさんの作陶のテーマも
「生活の中で使えるもの」だそうで、
写真で見ても、日常の暮らしに馴染みやすい
温かみと親しみあふれる作品が多いようですね。
でも、素朴な作風ではなく
洗練されたシンプルモダンという印象。


私は今日、初めて知ったのですが、
3・11の東日本大震災によって
陶芸の里・益子町も大きな被害に遭っていました。
そういえば、大地震の日は
写真家の山家 学さんが益子へ撮影に行っていて
「ものすごく揺れた。
帰りは大渋滞で都内に着いたのは真夜中」
と聞いたのを思い出しました。

・「陶芸の里、震災直撃 益子・笠間」
(2011年4月13日/『朝日新聞デジタル』)
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201104130337.html

器は割れてしまうものとはいえ、
完成品や窯に入れる直前だったものが粉々となり、
さらには窯自体が崩壊した工房も。
としゑさんのご自宅も半壊したとのことでした。

困難を乗り越え、新たな作品を生み続ける。
一見すると、そういう力強さはわからないほど
柔らかで優しいイメージの女性ですが、
雨市さんのニコニコ顔も
としゑさんの“名作”なのかも!

本当に素敵なご夫婦なので、
年はそんなに離れてはいませんけど~
「ここのうちの子に生まれたかった~!!」
と、切実に思うのでありました。


個展の案内DMの写真を撮影したのは
息子さんの高部哲男さんだそうです。
(うちのスキャナーで読み込んでトリミングしたので
作品の発色は全く違います。申し訳ありませぬ~。泣)。

会場は銀座コリドー街にあるギャラリーバー。
飲みながら、じっくりと作品が眺められるスペース、いいですね~。
会期は今月末まで。
木・金・土は、としゑさんが在廊の予定だそうです。
タイミングが良ければ雨市さんにも会えるかも♪
ぜひぜひ、足をお運びくださいませ~!!

●「高部としゑ 陶展」
・会期:5月11日(月)~30日(土)
※定休:日曜・祝祭日
・営業時間14:00~24:00 ※初日のみ16:00オープン。
14:00~18:00(喫茶タイム)チャージなし、喫茶メニュー(飲み物、デザート)
18:00~24:00 チャージ500円、酒類(グラス・ボトル)、おつまみ、日替わり定食など
・会場:「Gallery Bar Kajima(ギャラリーバーカジマ)」
http://gbkajima.jimdo.com/
東京都中央区銀座7-2-20 山城ビル2F
TEL.03-3574-8720
・「Gallery Bar Kajima」Facebookページ
https://www.facebook.com/pages/Gallery-Bar-Kajima/518063154897447

●としゑさんの2010年の陶芸展の案内(つかもと作家館ギャラリー)
http://www.tsukamoto.net/temp/tougei_dsp.php?dno=192&tem=3
●益子焼 高部としゑ作 月紋花入(楽天ショップ せとものや「みさ伝」)
http://item.rakuten.co.jp/setomonoya-misaden/mashikoyaki/

●高部雨市さんの著書
『笑撃! これが小人プロレスだ』(現代書館/2009年)
『風俗夢譚 ―街の底を歩く』(現代書館/2007年)
『私風俗 ―上野界隈徘徊日誌』(現代書館/2002年)
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-6837-3.htm
『走る生活』(現代書館/1996年)
『君は小人プロレスを見たか(幻冬舎アウトロー文庫)』(幻冬舎/1999年)
『異端の笑国 ―小人プロレスの世界』(現代書館/1990年)
『永遠のセラティ ―自然流ランニング哲学』山西哲郎さんとの共著(ランナーズ/1989年)

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コメント 1

Nyrpsik

GO!!!
This phrase was said by the first cosmonaut on Earth - Yuri Gagarin. (Yuri Gagarin)
He was the first astronaut on Earth. He was Russian! ...
Now Russia is becoming a strong country, gas pipelines, a vaccine against COVID-19, an army.
Is this very reminiscent of the communist Soviet Union?
How do you think?
Now we have total control in our country. I am interested in the opinion of foreigners.

<a href=http://www.albonumismatico.ru>Албонумисматико</a>

ПОЕХАЛИ!!
by Nyrpsik (2021-05-09 16:20) 

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