SSブログ

『“無名碑”が語る沖縄戦』、18日(木)夜の「クローズアップ現代」に注目。 [沖縄&琉球國]

「クローズアップ現代」(NHK総合)
●『“無名碑”が語る沖縄戦』
6月18日(木)19:30~19:56
・再放送1:00~1:26(木曜の深夜)
ゲスト:北村 毅(きたむら・つよし/大阪大学大学院 准教授)
キャスター:国谷裕子
[内容]
沖縄戦で亡くなった人々の名前が刻まれている
「平和の礎(いしじ)」。
中には名前のわからない戦没者もいる。
番組では名前なき戦没者を取材、沖縄戦の実相に迫る。


……とのことですが、
名前もわからぬ戦没者とは?
どのように探して取材ができたんでしょうね? 興味津々。

例年「沖縄慰霊の日」ともなると
ニュース映像などで紹介される「平和の礎」は、
太平洋戦争・沖縄戦の終結50周年にあたる
1995年6月23日に建設されたそうです。
「いしじ」というのは
礎(いしずえ)を沖縄語で表したもの。
国籍や軍人・民間人の区別なく
沖縄戦などで亡くなった
すべての人々の氏名を刻んだ石碑です。

屏風状に並ぶ刻銘碑は全部で118基、
刻銘版は1220面あり、
約25万名の刻銘ができるとか。
刻む名前が増えても対応できるように造られたということは、
まだ見つからない戦没者も多いということですよね?

沖縄戦では一家全員が
殺されたり自決したりしたケースもある上、
戦災で戸籍などの文書が焼失した人たちも多いので、
この世に生きていた痕跡自体がなくなった人、
近所の誰かの記憶だけに残る人もいます。


●「平和の礎」刻銘者数

日本の人数は左から順に
・2010(平成22)年6月23日現在/「平和祈念公園」の資料より
・2013(平成25)年6月23日現在/「沖縄県平和祈念資料館」のQ&Aより
・2015(平成26)年6月現在/「沖縄県庁」のサイト「子ども生活福祉部平和援護・男女参画課平和推進班」のページより

[日本]
沖縄県:14万9,193名→ 14万9,291名→ 14万9,329名
県外の都道府県:7万7,166名→ 7万7,364名→ 7万7,380名
[外国]
米国(USA):1万4,009名
英国(UK):82名
台湾:34名
朝鮮民主主義人民共和国:82名
大韓民国:365名

合計:24万931人→ 24万1,227名→ 24万1,281名


「平和の礎」のある「平和祈念公園」は
沖縄本島の南端にあり、その一帯は
「摩文仁(まぶに)の丘」と呼ばれています。
周辺には沖縄戦の現実を伝える「沖縄県平和祈念資料館」や
18万柱以上の遺骨を納めた「国立沖縄戦没者墓苑」、
摩文仁の丘の西側には少し離れて「ひめゆりの塔」など。
この広大なエリアは「沖縄戦跡国定公園」と総称されています。
沖縄へ行ったことのある方々なら
一度は足を運んだ場所ではないでしょうか。

「沖縄戦跡国定公園」の位置を
地図で確認し、拡大・縮小してみてください。
(グーグルの地図/※短縮URL)
http://urx2.nu/lONy
海に面した場所で、現在では
周辺に自衛隊の駐屯地やゴルフ場もあるようですね。
でも、あちこちの「○○の塔」という慰霊碑の名が
広範囲にわたる戦場だったことを伝えています。

●「沖縄県平和祈念公園」(沖縄県 糸満市 字 摩文仁444番地)
・園内図(※PDF/更新:2015年5月12日)
http://kouen.heiwa-irei-okinawa.jp/photo/20150512013608.pdf
・「平和の礎(いしじ)」の説明
http://kouen.heiwa-irei-okinawa.jp/shisetsu-ishigi.html
・「平和の礎」案内図(※PDF/刻銘者数:2010年6月23日現在)
http://kouen.heiwa-irei-okinawa.jp/photo/20100706103533.pdf
・「沖縄県平和祈念資料館」の説明
http://kouen.heiwa-irei-okinawa.jp/shisetsu-shiryoukan.html


私が初めて沖縄の同地へ行ったのは1989年のことで、
きれいな海が見渡せる広い野原のような園内の端に、
「平和祈念資料館」の前身という「沖縄県立資料館」。
都道府県のさまざまなデザインの慰霊碑が
建ち並ぶ参道を歩いた覚えもあります。
私の出身地の富山県の慰霊碑には
「立山の塔」という銘が刻まれ、
山を模した三角形のデザインでした。
改めて調べてみると、そこは「霊域参道」という場所で、
32府県の慰霊碑があるそうです。

●「平和の礎」刻銘者数
(沖縄県庁/2015年6月現在)
・沖縄県内の市町村別
・都道府県別
http://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/heiwadanjo/heiwa/7623.html
沖縄の戦闘では県外の46都道府県の出身者も
命を落としたことがわかります。


公園に面した海のすぐそばまで近づくと、
入り組んだ海岸線が険しい断崖であることがわかります。
穏やかで美しい海の眺望できる台地ですが、
その端々は身のすくむほど高さのある絶壁。
「沖縄戦終焉の地」とも言われるその一帯は、
かつて、むごい殺され方をした、たくさんの遺体が
無残に転がされたり積み上げられたりした所でもあり、
米軍に追われて逃げ場を失った人たちが
絶望して断崖から身を投じる直前、
最期に目にした海の景色でした。

しかし、青く美しい海は死を前にしても、
ほんのわずかな慰めにもならなかったのです。
海原は米軍の艦船で埋め尽くされていました。


[追記(2015.6.21)]
番組の内容です(テキストの全部が読めて
動画の一部も観られます)。
●「シリーズ戦後70年 礎(いしじ)に刻まれた沖縄戦
~“名もなき犠牲者”は何を語るのか~」
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3671_1.html


[参考サイト]

今回の番組のゲストである北村さんのプロフィール。
●知の共創 -研究者プロファイル-
第3回 北村 毅(Tsuyoshi Kitamura)
早稲田大学高等研究所 助教
「記憶され、語られる『戦争』を
フィールドワークする」
http://www.waseda.jp/rps/webzine/pr/new_number/vol003/vol003.html
(2008年6月10日付/早稲田大学高等研究所 研究推進部)

●「早稲田大学 琉球・沖縄研究所」
http://www.waseda.jp/prj-iros-waseda/
★このサイトは2012年から更新されていないようです。
ここ数年、いつ覗いても同じような状況なので、
リーダーシップを取る人が不在となっているのかな???
参考になりそうな情報は載っています。

●「法政大学 沖縄文化研究所」
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/okiken/framemain.html
・2015年度総合講座 前期日程
http://www.hosei.ac.jp/fujimi/okiken/sougoukouza/2015sougou.pdf
毎週金曜の午後に一般の人も受講できる無料の講座。
私も何度か通いましたが、学生たちに交じって気軽に参加できます。

死者たちの戦後誌―沖縄戦跡をめぐる人びとの記憶

死者たちの戦後誌―沖縄戦跡をめぐる人びとの記憶

  • 作者: 北村 毅
  • 出版社/メーカー: 御茶の水書房
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 単行本


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。