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絵画が伝える「廣島」が「ヒロシマ」となった8月6日。 [社会問題&戦争関連]

宮川啓五.jpg

NHK Eテレに5分間だけの
「みつけよう、美」という番組があり、
画家の平山郁夫(ひらやま・いくお/1930~2009)が
生涯に1点だけ描いたという広島の原爆の絵と
ご本人のインタビュー場面が観られました。

平山郁夫の有名な作品群には特に関心がなく、
東京藝大の教授や学長も務めた“シルクロードおじさん”
といったイメージしか持っていなかったのですが、
1979(昭和54)年の制作という
『広島生変図(ひろしま しょうへんず)』には
衝撃を受けました。

縦171㎝×横364㎝という大きな画面いっぱい、
赤の濃淡で埋め尽くされています。
それは広島の街を焼き尽くす炎で、
画面の下部には「原爆ドーム」をはじめとする建物などが
黒いシルエットとして描かれ、
画面右上には不動明王(ふどう みょうおう)の姿。
激しい怒りと哀しみをたたえた表情に見えます。

平山郁夫は広島県に生まれた人で、
旧制中学3年のときに学徒勤労動員の作業中に被爆。
東京の学生となった20代には
後遺症に苦しんだ時期もありましたが、
原爆投下後に避難する際、助けを求める人々を
「見捨ててきてしまった」と悔やみ、自責の念もあり、
故郷には長い間、足が向かなかったそうです。
しかし、被爆後34年を経た1979年に
「広島平和記念公園」を訪れたことがきっかけとなり
『広島生変図』が完成しました。

こちらに所蔵されています。
●「広島県立美術館」(広島市 中区 上幟町2-22)
http://www.hpam.jp/
・特別展 9月13日(日)まで
「広島・長崎 被爆70周年 戦争と平和展
芸術家は、いかに戦争と向き合ってきたのか」
http://www.hpam.jp/special/index.php?mode=detail&id=141

※この美術館のサイトでは平山作品は閲覧できません。
実物とはかなり色合いが違うと思いますが、
どうしてもご覧になりたい方は
画像の検索サイトで「広島生変図」と入力してみてください。


広島出身の画家には
『原爆の図』で知られる丸木位里
(まるき・いり/1901~1995)や
私の好きな靉光(あいみつ/1907~1946)もいます。
靉光は応召されて上海で戦病死し、
原爆で失われた作品も多数あるそうです。

宮川啓五さん(88歳)も広島で被爆した画家で、
’90年代後半に「生き残った責任」として
『ひろしま惨禍』シリーズ3作品を発表。
また、代表作『太田川 冬・春・夏・秋』は、
川の情景に戦前~原爆投下~復興という時の流れを表現した
幅730cmに及ぶ大作とのこと。
東京でも展覧会の機会があるといいのに……。

●「はつかいち美術ギャラリー」
(広島県 廿日市市 下平良1-11-1 はつかいち文化センター内)
戦後70周年記念 非核平和事業
第19回平和美術展
「宮川啓五展――ヒロシマの記憶」
8月30日(日)まで
http://www.hatsukaichi-csa.net/cms/gallery/2015/05/-19.html
・インタビュー記事
「赤ん坊の死体、脳裏に  宮川啓五さん」
(2014年5月21日付/朝日新聞社)
http://www.asahi.com/hibakusha/shimen/kikitakatta/kiki2014-06.html


[広島市内で開催中の展覧会]

●広島市現代美術館(広島市 南区 比治山公園1-1)
http://www.hiroshima-moca.jp/
・特別展[被爆70周年:ヒロシマを見つめる三部作]
第1部「ライフ=ワーク」
9月27日(日)まで
http://www.hiroshima-moca.jp/life-work/
・コレクション展2015-II
「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」
10月18日(日)まで
http://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/collection2015-2/
・オープン・プログラム
《原爆-ひろしまの図》公開修復
9月27日(日)まで
http://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/restoration/

●広島市郷土資料館(広島市 南区 宇品御幸2-6-20)
・企画展「広島市郷土資料館の歩み」
8月30日(日)まで
http://www.cf.city.hiroshima.jp/kyodo/html/00top/topfrm.htm
この建造物は1911(明治44)年に建てられた
旧陸軍の施設「宇品陸軍糧秣支廠缶詰工場」の一部で、
原爆投下にも耐えた「被爆建物」だそうです。
※ページ左側の「資料館建物今昔」という見出しをクリックすると
写真と説明文が現れます。

●広島城 天守閣 第4層企画展示室(広島市 中区 基町21-1)
・被爆70周年記念展示
「広島城と陸軍 昭和20年8月6日防空作戦室」
9月6日(日)まで
http://www.rijo-castle.jp/rijo/main.html

●広島平和記念資料館(広島市 中区 中島町1-2)
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/
・資料展「電車 走る」
東館B1廊下の壁面に被曝した路面電車に関するパネルを展示。
9月30日(水)まで(予定)
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/hpcf/oshirase/shiryouten_20150728/index.html
※改修工事のため、2016(平成28)年の春(予定)まで東館を閉鎖し、本館のみ開館。

[資料サイト]
●広島平和文化センター(広島市 中区 中島町1-2)
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/hpcf/

●「原爆・平和」(広島市役所)
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/genre/1001000002088/index.html

●キッズ平和ステーション ヒロシマ(広島平和記念資料館 WebSite)
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/kids/KPSH_J/top.html

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