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7歳の子を山林内に置き去りにするのが「しつけ」!? [社会問題&戦争関連]

地図:七飯町01.png北海道の小2の男の子が山菜採りの最中に行方不明になったというニュースがあり、その後、一緒にいた両親が「しつけのために」と山林内に置き去りにしたことが判明しました。
地図:七飯町02.png
捜索中の現場は渡島(おしま)半島の南部に位置する七飯町(ななえちょう)の山林内で、同町の北東は鹿部町(しかべちょう)、南東は函館市、平野部の西側が北斗市に接しています。男の子は北斗市内の小学校に通うYくん(7歳)。

大きな湖のある国定公園に近い地域で自然も豊かなのでしょう。テレビやネットの映像を観ると、広大な一帯が鬱蒼(うっそう)とした深い森です。林道の両側の山林内には細い道すら見当たらず、捜索している大人の男性が倒れている木々を伝って歩いたり、斜面で滑って足を取られそうになったりする光景も映りました。その山林は起伏が多く崖もあり、水の流れの速い沢が入り組んでいるそうです。

道内に住んでいる人なら、こうした山林にはクマなどの野生動物も棲息していることを、私なんかより充分に知っているはずですよね? たとえどんな理由があろうとも、そんな場所に7歳の子を置き去りにしますか!? 親としてそんな行動をする以前に、発想自体が異常ではないでしょうか?

[これまでの経緯]

28日(土)
●一家(両親・小5の姉・小2のYくん)で鹿部町の公園へ日帰りのドライブに出かけた。公園で水遊びなどをした後、Yくんが「小石を車道に向かって投げていたので叱ったが、言うことを聞かなかった」(両親談)。
●午後4時頃 山菜を採りに七飯町の山林内へ(と警察に説明)。
●午後5時頃 両親はYくんが「以前にも石で車に傷を付けたことがあるので、父親として威厳を示さなければと感じ、悪いことをするとこうなるという意味で、しつけのために」と七飯町の道道(どうどう)から未舗装の林道へ入り、「反省しなさい」とYくんを車から降ろし、山林内の脇道に置き去りにした。Yくんが泣きながら車を追い掛けてきたので、いったん車内に入れたが、三差路で再びYくんを降ろした。そのまま500mほど下った所で停車し、父親が徒歩で置き去りにした地点まで戻ったところ(約5分後)、Yくんの姿はなかった。家族で周辺を約30分捜しても見つからなかったため、両親は警察に「山菜採りの最中に父親とはぐれた」と通報。
●夕方~ 警察などの捜索が徹夜で続けられた。

Yくんの服装については、行方不明と報じられた時点だと「半袖のTシャツ、ジーンズ、サンダル履き」とのことでしたが、丸一日も経ってから両親が「置き去りにした」と話した後の報道では「胸にアルファベットの入った黒色のTシャツ、紺色のジャージズボン、赤色の運動靴」というふうに具体的となりました。服の色などは捜索の目安として重要ですよね。行方不明となった子どもの服装まで、なぜ、ぼかして伝えたのでしょう。全く理解できません。

七飯町は道内で最も温暖な気候とのことですが、5月下旬の夜間は寒いでしょう。身長120㎝ぐらいで体重20㎏という子が軽装のまま真っ暗な山林内で夜明かしするなんて、想像もできない(したくない)ほど非常に苛酷です。Yくんは食料も携帯電話も持っていないそうです。

29日(日)
●午前5時~ 七飯町の朝の気温は7~8℃と冷え込んだ。北海道警のほか北斗消防署、七飯町の職員ら捜索隊員を180人に増やし、Yくんが車から降ろされたという場所から半径3kmの範囲を重点的に捜索。ヘリコプターによる上空からの捜索も行った。
●午後4時過ぎ 函館中央署が現地で取材記者らに説明。
「山菜採りの最中にいなくなったというのは両親の嘘だった」
「親の言うことを聞かなかったので、しつけとして置き去りにされた」
「両親は普段から虐待をしていると疑われると思ったので、『山菜採りの最中に、はぐれた』と説明した」
●日没 捜索は、いったん中止。
●夜間 林道のパトロールを継続。

30日(月)
●午前6時~ 消防・道警・七飯町・北斗市の職員、Yくんの通う小学校の職員も含め、130人態勢で大規模な捜索が再開された。
●午後1時 Yくんの足跡や持ち物なども見つからない状況。

県警に通報があった日は「山菜採りではぐれた」との説明だったため、捜索隊は山林の中を重点的に捜したそうです。しかし、「置き去りにした」とわかった30日からは、Yくんが車を降ろされた地点より半径5km内の道道沿いや周辺の物置、空き家を中心に捜しているとのこと。

Yくんの父親(会社員・44歳)の発言として報道されたもの
「公園で遊んでいた際、息子がイタズラして言うことを聞かなかったので、山林内の脇道に入り、しつけとして置き去りにした」
「しつけのために、ちょっと怖い思いをさせようと車から降ろした。活発で元気な子だけど、体調も含めて心配です」

また、父親はテレビ局の取材に対し、口ごもりながら以下のように答えました(※音声の通りに入力)。
「子どもに対して非常に、あの~、申し訳ないのと、あと、多くの皆さんに、あの~、ご迷惑を掛けてしまいまして、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」
「最初は、お仕置きで(置き去りにしたのに、捜索のために森へ?)入るって話を…ちょっと、出すのは、あの~、気持ち的にちょっと…それで(捜索を)お願いするっていうのは、ちょっとできなかったです。世間体を気にしてしまいました」

テレビ局によっては、父親が車に乗ったまま顔を出しているのを映し、実名を表示したり詫びの言葉の部分をカットしたりした局もありましたが、顔も車もボカシを入れた局もありました。

私はあらゆるニュースの中で児童虐待の話を最も憎みますが、最近では「子どもの普段の泣き声だけで児童相談所に通報された」と子育てに悩む親もいますし、近所の人たちが「あの泣き声も、しつけの一環?」と迷っているうちに子どもが殺されてしまったという事件も多々あります。

Yくんのことは親の良心を信ずるなら、日頃からヤンチャ坊主で手を焼いていて、一度ガツンと言っておかないと大きくなっても暴れん坊や不良となり、世間様に迷惑を掛けるかもしれない、そう思って半ば軽い冗談のつもりで車から降ろし、からかうつもりで迎えに行ったら、姿が見当たらなくて大変な事態となった……ということも、ありうるかもしれません。

私も小さい頃、デパートのおもちゃ売場で「あれが欲しい!」「これ買って~!」とダダをこねて置き去りにされたことはあります。それでも短い時間ですし、当時なら店内は安全な場所でもありました。

しかし、現代では連れ去りなどの恐れもあるので、店舗の中でも子どもを一人きりにすることはできませんし、児童公園でも目を離してはいけませんよね。ましてや、人どころか車の通行も少ない林道、周りは昼でも暗い森、そんな所に放り出そうと思いつくこと自体が、とても恐ろしい。
特に、こうした事件を起こす多くの親は単純な発想で、また、自分たちが疑われないよう平気で嘘をつく能力はあるのに、子どもの気持ちや痛みを思いやる想像力は欠落している。そんな親のもとに生まれ、巻き込まれてしまう子どもたちは本当に不憫です。

Yくんは「親に棄(す)てられた」と思ったのではないでしょうか。その恐怖は、無事に救出されても、生涯、消えない傷として残ると思います。
ひどい仕打ちを受けた代わりに、森の中に隠れて親に死ぬほど心配させてやろうとして、迷ってしまったとも考えられます(私が子どもなら、やりかねない行動…)。

とにかく、どうか七飯町に雨が降りませんように。


[参考サイト]

●どうしんウェブ(北海道新聞)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/
※全国紙や全国ネットのテレビより、ずっと詳細な情報が載っています。

●七飯町の捜索現場付近(グーグルマップ)



※画像:北海道渡島総合振興局位置図(ファイル:日本地域区画地図補助 01330.svg/作成者:Lincun/From Wikimedia Commons, the free media repository 出典:ウィキメディア・コモンズ)
※画像:北海道七飯町位置図(ファイル:基礎自治体位置図 01337.svg/作成者:Lincun/From Wikimedia Commons, the free media repository 出典:ウィキメディア・コモンズ)

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