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都知事選2016:石田サンには同情しないけど、「東京都コンシェルジュ」はいかが? [社会問題&戦争関連]

キザ男くん.png◎ 東京都知事選(7月31日に投開票)

先だって石田純一さん(俳優/62歳)が「野党の統一候補なら出馬したい」という条件を提示し、わざわざ会見までしたのに4日間で取り下げる事態となりました。その間に「テレビCMなどの差し替えによる損害賠償が天文学的な数字になるかも…」と発言したことで、けっこう同情の声が上がったことに対し、私は非常にビックリしました。

私が広告制作会社に勤めていた頃の記憶なので、最近の業界事情とは異なるかもしれませんが、基本的にCM等は1年単位の契約で、クライアント(広告主である企業など)とタレント(および所属の芸能事務所)との間に広告代理店が入り、細かい条件を記した契約書を取り交わします。そこには政治的な言動は控えるといった条項もあるはず。

と言うのも、企業のCMに出演するということは、その会社の“顔”となり、企業イメージを大きく左右することに繋がるため、政治や宗教など特定の“色”がつくのは嫌がられるのです。思想・信条や信仰などを積極的にアピールするタレントを起用すると、「そんな会社の商品は買わない!」と背を向ける消費者もいますから、営利目的の企業として、それを避けようとするのは当たり前のことですよね。

こうした条件を理解した上で契約書にサインするわけですから、その内容に反する行為は責任を追及され、賠償の義務も生じます。石田さんのように芸能界に長くいる人なら、スポンサーの付く仕事には契約も付いて回ることは充分に承知していたはず。

たとえば、“CM女王”などと呼ばれるタレントなら、CM契約1本で年間6千万ぐらい?かなと思いますが、最近はテレビだけでなくネット等も連動しているため、いろんなメディアを含めて高額ギャラの人なら1本8千万~1億ぐらい?(海外の有名タレントなら、さらに高額)。当てずっぽうですが、今の石田さんクラスだと1本1千万~2千万するかどうか、といったところでしょうか?

以前、タレントのベッキーが不倫スキャンダルでCMが打ち切られるなどして、損害賠償が2億円と報道されましたが(最近では5億円に)、契約違反を犯したのですから賠償請求も契約書の通りでしょう。それだけでなく、彼女の所属する芸能プロダクションは今夏のボーナスが出なかったそうですから、クライアントや共演者、外部の制作スタッフだけでなく内部の社員にも迷惑を掛けたわけです(相手の男に半分でも負担させればいいのに!)

一つの例として15秒や30秒のCMを1本作るだけでも、参加する人はタレント本人だけでなく、プロデューサー、ディレクター(クリエィティブ・ディレクター、アートディレクター)、コピーライター、カメラマン、スタイリスト、ヘア&メイクアーティストといった職種の人たちが関わり、何人かにはアシスタントが付いていることも多いので、制作スタッフだけでもかなりの人数となりますし、それだけのギャランティも発生します。
オリジナルの衣装や背景・小道具も製作するとなれば、衣装デザイナーや美術担当といったスタッフも増えますし、ほかの共演者やモデルなども起用する場合はキャスティング・ディレクターなども関わります。

こうしたスタッフのギャラは代理店や制作会社から支払われるのですが、最終的にはクライアントへ請求されます。同時に、クライアントは宣伝用のCMを打つため、テレビ局に数十万とか数百万を払うわけです(CMの種類や提供番組の視聴率の高低、放映の時間帯などによって金額はさまざま)。
これがドラマや映画なら共演者やスタッフも大変な人数となるわけですから、打ち切りやお蔵入りなんてことになったら、仕事を失ってしまう人もいるでしょうし、自身の作品として宣伝に繋げたかった人などにも多大なダメージを与えますよね。

このように膨大なオカネが動き、たくさんの人が関わっているため、契約タレントが周りに断りもなく「選挙に出るかも~」と世間を騒がせただけでも大問題となるのです。
もちろん、意欲を表しただけなら賠償せよと言うクライアントはいないと思いますが、正式に出ると決まったら、告示後は立候補者の公平を期するのが原則ですから、少しでも立候補者の宣伝に結び付くような映像などは流せなくなるため、タイミングが悪ければ差し替えや打ち切り、お蔵入りとなる作品も出てくる、その場合は賠償せねばならないというわけですね。

石田さんが意志を貫くことで、契約違反の制裁として膨大な借金を抱えることになろうと、自業自得ですから全く同情しませんけど、プロとしてリスクと責任については、よ~くわかっているはずなのに、なぜ中途半端なことを!?と私は驚いたのです。

立候補を取り下げる記者会見の際、何が足りなかったかと質問されて、「用意周到な準備ですか。根回しといってもいいです」と答えていますが、還暦も過ぎた年齢なら、もっと分別があってしかるべきでは…。
降りたことで大方の賠償は免れたと思いますが、「また何をしでかすかわからない」という印象を与えてしまったので、広告関連のオファーは確実に減ると思われます…。

たぶん、ご本人は良く言えば正直で純粋な人、悪く言えば“お調子者”のような感じがするので、そういう資質を利用しようとした誰かに、かつがれたんじゃないかと思うんですよ。
きちんと計算できる人なら、まず奥さんに相談し、説得できたら所属事務所に申し入れ、代理店を介してクライアントに直接、詫びを入れつつ熱意を訴え、損害賠償は何とか免除してもらえないかとか、最小限に抑えられないかなどと交渉してから出馬の意欲を表明すると思うのですが、見切り発車でも何とかなるよ!と急かして背中を押した人たちがいるんじゃないかなぁ。

元・東京都知事の猪瀬直樹さん(69歳)が、政治資金問題で辞職に追い込まれた腹いせか、最近になって爆弾発言を投下していますが(苦笑)、石田さんについても、「石田純一氏の登場、そもそも攪乱(かくらん)要因として誰が企(くわだ)てたのか」などとコメントしていました。

石田騒動の4日間は日程的に参議院選の大事な時期だっただけに、アレコレいろんな憶測も飛んでいましたが、誰なのか、どこの団体なのか、具体的な名前も挙がっていますけど、よ~く調べて考えて都知事選の投票の参考にします。

それにしても、石田さんのコメントを拾っていると、なんとも芝居がかった言葉が多いように思うのですが…。

「進むも地獄、退くも破滅みたいな感じ」
「ルビコン川のジュリアス・シーサーではないですけれど」
「身を賭(と)して、退路を断(た)って出馬するつもりでしたが」
「ビスマルクという政治家の言葉で、『人が嘘をつくのは3つの時だ。狩りの後、戦争中、選挙の前』というのがあります。選挙の前というのは、嘘というか、大風呂敷を広げるのは世界中、共通なのかなと思います」
「新しい風を巻き起こせたかどうかはわかりませんが」

なんとなく“演技性パーソナリティ”の傾向があるような???

おだてられて意気揚々と木に登ってみたら、別の良識ある人たちから諌(いさ)められたり説得されたりして、初めて自分のしでかしたことの大きさや深刻さに気づき、出馬を勧めた人たちに助けを求めようと振り向いたら、すでにハシゴは外され、誰の姿も見当たらず、愕然とするしかなかった…という芝居の一幕のようにも見えました。

一時、ほとんどギャグとして東国原英夫さん(元・衆院議員、元・宮崎県知事、タレント/58歳)に、マスコミから「立候補は?」という質問が浴びせられ、「叩けばホコリが出る」と煙(けむ)に巻いて否定しましたよね。もし本気で出馬するなんて言ったら、女性問題をはじめ、スキャンダル続発で完全につぶされたことでしょう。それをちゃんと自覚している部分だけは素晴らしいと思いました(笑)。

海外では有名な俳優などが政治的な発言をするのも珍しくありませんし、アメリカの大統領選挙に関しても、支持をハッキリと表明する著名人がたくさんいます。
本当は日本でも同様であるべきだと思うのですが、なぜ日本の企業は政治色を嫌うのか? その一部には私たち消費者にも政治色を避ける傾向があるからではないか、そう考えてみる必要もあると思います。

ヘイトスピーチは別として、誰でも自由な発言ができてこそ民主主義なのに~!

そういう意味では、つねづね吉永小百合さん(71歳)だけは別格だなぁと感じています。あの方は最近、富に積極的な政治的メッセージを発信していますよね。たとえば…

「戦争をする国になってはいけない」
「武器を持たないということが、積極的平和主義だと思います」
「原爆で犠牲になられた方や苦しむ方がいることを忘れてはならないと思います」
「憲法9条を守って、武器ではなく対話で平和な世界を作っていきたい」
「まだ福島の人たちが10万人以上も故郷に帰れないでいるってことを忘れて、1億総活躍とか言ってはいけないんじゃないかなって気がする」
「原発のこともみんなで痛みを分かち合わないと。『私たちは汚染が怖い』とかじゃなく、この国に暮らしてる人たちがもっと考えていかないといけないと思う」

若者に投票を呼びかける自筆のメッセージを送ったり、「映画人九条の会」にも名を連ねたりしている人ですが、そのせいでCM降板とかオファーが減ったという噂は聞こえてきません。
団塊世代に多い“サユリスト”の絶大な支持も理由の一つだとは思いますが、芸能人でも、どんな職種でも、右寄りでも左寄りでも、自分の考えが素直に表現できる、そういう社会じゃないと、北緯38度線より北側の国みたいになっちゃうんですよ~(怖)。

ところで、石田純一さんには、せっかくですから「東京都コンシェルジュ」というポジションを担っていただくのはどうでしょうか? 私や皆さまの個人的な好みとは関係なしに(笑)、客観的にルックスが良いし、英会話もお得意だそうですし、数々の浮名を流したようにエスコート術にも長(た)けていらっしゃることでしょう。東京都の観光ガイド役として海外からのVIPを接待するホスト役。適任だと思うけどなぁ…。

※ネーミングは「東京コンシェルジュ」だと10年ほど前に同名のラジオ番組があったらしいので、「東京都コンシェルジュ」はどうかな?と。…ハイ、どうでもいい話なんですけどね~(笑)。

※イラスト:(C)みふねたかし(いらすとや)

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