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またフランスで悲痛なテロ事件が…。リオ五輪は? 日本は? [社会問題&戦争関連]

フランスの位置.png7月14日はフランスの「革命記念日/Fête nationale(パリ祭)」で、フランス革命(1789~1799)の発端となったバスティーユ牢獄の襲撃の日を記念して制定されたもの。
当日は国内各地で花火が打ち上げられ、それを楽しみにする国民も多いそうです。
そんな祝日を狙って、南東部の有名なリゾート都市のニース(人口約35万人)の海辺でテロ事件が発生しました。

地中海に沿って3.5kmほど続く遊歩道「プロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)」で花火見物を楽しんでいた人込みに、白い大型トラックが猛スピードで突っ込み、2kmにわたってジグザグ運転をしながら人々を轢(ひ)き倒しました。この日は花火に加えてミニコンサート等のイベントもあり、3万人ほどが集まっていたそうです。

そのトラックは写真で見ると、一緒に写っている警官らの身長の2倍ほどの高さで、冷凍品が運べるコンテナが付いています。後ろの観音開きの扉に「VIA LOCATION」というロゴが見えるのでネットで検索したら、どうやらフランスのレンタカー会社のロゴのようです。

何トン車かはわかりませんが、たとえ2トンでも、引っ越し用なら1~2人分の家具や荷物が収容できる大きさですよね。そんな大型のトラックが暴走して自分の眼の前に現れた、その瞬間、身をかわすことなんてできるのでしょうか。

現場で事件に遭遇した人たちが目撃した惨状。
「人々がボウリングのピンのように撥(は)ね飛ばされた」
「たくさんの人が地面に倒れていた。自転車や車椅子に乗った人、花でいっぱいのかごを持った人もいた」
「5mごとに遺体が散乱していた」
「ずっと地面に座り込み、冷たくなった家族の手を握っている人もいた」

84人が亡くなり、50人以上が重体、200人以上が負傷したと伝えられ、亡くなった10人は子ども2人を含む未成年者。今、病院で治療を受けている人たちの中にも約50人の子どもたちがいるそうです。

トラックの運転手は警察との銃撃戦の末に射殺。車内から模造品と思われるライフル銃と手榴弾、身分証が発見されました。ニースに住むチュニジア系の31歳の男で、フランスとチュニジアの二重国籍保持者。職業は配達も行うトラック運転手で、2010年から強盗・窃盗など複数の犯歴があり、今年の初めには暴力事件で執行猶予付きの有罪判決を受けました。しかし、テロリストの要注意人物リストには載っていなかったそうです。
また、離婚した妻との間に3人の子どもがいるとの報道もありました。

武装した者が爆弾を調達して攻撃に使うのではなく、見た目には誰も疑いにくいスーパーマーケット等の納入業者のようなトラックを凶器にするという発想。悪意を持つ人間なら容易に実行できる手段だけに、私たちの日常生活にまた新たな恐怖と不安が加わることになってしまいました。

私は以前、10年ぐらい長く住んだ町では、「クロネコヤマト」や「佐川急便」の担当区域のドライバーの方々と顔馴染みになり、荷物の置き場所とかワガママも聞いていただいていました。最近では生協の「パルシステム東京」の配達をしてくれる、“こんせんくん”というキャラクターの描かれたトラックを見かけるたび、いつもありがとうございま~す♪と親しみをもって眺めていました。子どもたちの中にもトラックが大好きで「運転手さんになりたい!」と夢を抱いている子もいますよね。それを恐怖の対象にするなんて!!

私たちは外を出歩くとき、行く先々で隣り合ったりすれ違ったりする人々が悪意に満ちているとは想定していません。だから、電車に乗れば知らない人の隣に座るし、クルマの運転中なら対向車両と譲り合えると信じています。駅の構内や公共施設、イベント会場、飲食店などの中にいるときも、周りの誰かが爆発物を持っているなんて思いもしません。人間は良心に基づいて行動するもの、そう思い込んでいるわけです。

しかし、無差別に大量殺戮を目論(もくろ)む連中に「良心」という価値観は全くないんですね。自分に子どもがいても、ほかの子どもを平気で殺す。お前には良心や良識というものがないのか?と問うたところで、その意味すら通じないのだと思います。

テロを企(たくら)むような連中は、世界の人々により強いショックが与えられる“効果”の高い場所を選ぶので、一般市民である我々は特に「ソフトターゲット」と呼ばれる所では、つねに警戒心を持って行動する必要に迫られています。

・ソフトターゲット(soft target)
警備や監視が手薄でテロ攻撃の標的となりやすい民間の建物や車両、人など。不特定多数の人が集まる場所。
例:公共の交通機関(空港、鉄道、駅、バスなど)、国際機関、インフラ施設、メディア、企業、ライブ会場などイベントの開催地、レストラン、カフェ、ホテルなど。
・ハードターゲット(hard target)
テロリズムの攻撃対象のうち、警備や監視が厳重で攻撃が困難な人や場所。
例:軍人や米軍基地などの軍事施設。(←日本だと皇居や国会議事堂、首相官邸とかも?)

「ソフトターゲット」という外来語だと、日本語を母国語とする人は「ソフト」という言葉に悪いイメージは持っていないと思うので、危機感が伴いにくい気がします。何でもかんでもカタカナ語を使うのは反対!

ともあれ、国家が「テロには屈せず、断固として戦う!」と宣言したところで、一般市民の身なんて守ってくれませんものね。自衛するしかないのです。

今年5月の「伊勢志摩サミット」やオバマ大統領の広島訪問のときも、ここでテロが起きたら…と不安でしたが、ああいう場は国際的にもトップレベルの厳戒態勢でしょうから、私が心配することなんてないのですが、近々のことで言えば、やはり「リオ五輪」(8月5日~21日)は大丈夫なんでしょうか?
私はアマチュアスポーツに関心がないので、オリンピック競技もあまり観ないのですが、世界中から集まる選手たちやブラジル国民、観光客に何かあったら…と思うと本当に心配です。

テロとは関係なくても、ブラジルの大統領は国家予算の不正問題で弾劾裁判にかけられて職務停止中だし、6月中旬には五輪期間中の観光客の救急指定病院が武装グループに襲撃されて死傷者が出る事件もあり、今月初めにはリオの警察官と消防士らが給料未払いに対する抗議デモを行ったというニュースもありました。「ジカ熱」の感染も不安ですね。

東京では今月30日に「隅田川花火大会」(台東区・墨田区)が開催される予定で、毎年100万人近くの見物客が集まると言われていますが、その会場一帯に、警視庁が「緊急時初動対応部隊(通称「ERT」)を配備することが決まったそうです。「ERT」とは機動隊の銃器対策部隊から選抜されたテロ対策の専門チームだとか。
それは安心!…ということじゃなくて、日本でもテロの発生が現実的になってきたということですよね。

私は人込みが苦手なので、滅多に大会場のイベントには出かけないのですが、これから夏本番で野外での催し等も多い時季ですよね。音楽ライブなどの場で、周りに不審者がいないかと緊張しながら歌ったり踊ったりなんてできないし、全然、楽しめない! イヤな時代になったもんだと、ほとほとウンザリしています…(涙)。


[参考サイト]

●日本の安全保障と国際社会の平和と安定(平成28年7月12日/外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/is_sc/page7_900144.html
・国際組織犯罪に対する国際社会と日本の取組(平成28年6月1日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hanzai.html
・日本の国際テロ対策協力(平成28年7月15日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/terro/index.html
・海上の安全保障(平成28年5月6日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaiyo.html
・サイバー分野における取組(平成28年7月12日)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/page5_000250.html

夏休みに海外へ行く人は、このサイトを必ずチェック! つねに最新情報が反映されています。
●外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/

海外へ旅行や出張で出かける際に日程・滞在先・連絡先などを登録すると、滞在先の最新の安全情報や緊急事態発生時の連絡メールなどが受け取れるシステム。家族や職場のメルアドも登録可能。
●「たびレジ」外務省海外旅行登録
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/


●爆弾テロ対策Q&A
http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j2/
(在ニューヨーク総領事館)

●国土交通省の主なテロ対策(平成25年12月)
http://www.mlit.go.jp/kikikanri/seisakutokatsu_terro_tk_000001.html
・鉄道のテロ対策
http://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk1_000007.html
国内の鉄道の利用者は一日あたり約6000万人。不審物・不審者の発見時は近くの鉄道係員等へ知らせること。鉄道係員がいない場合は駅や車内に設置されているインターホン等を利用して鉄道係員等へ連絡を。

●国際テロ対策 「国際テロ」に関するQ&A
https://www.pref.aichi.jp/police/anzen/gaiji/kokusaiterro.html#tmp_header
(愛知県警察本部)

「危機管理産業展2016」特別併催企画
●「テロ対策特殊装備展(SEECAT)’16」
http://www.seecat.biz/
日時:2016年10月19日(水)~21日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 西3ホール
(東京都 江東区 有明3-11-1)
http://bigsight.jp/access/transportation/index.html

萩原栄幸(日本セキュリティ・マネジメント学会 常任理事兼企画部会長)の情報セキュリティ相談室
●テロ対策に見る ここがヘンだよ日本の感覚
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1503/20/news042.html

私がテロリストだとして日本を襲うなら、原発の施設に飛行機で突っ込むとかミサイルをぶち込むとか考えるかも…と物騒なことを思ったのですが、そんなことはとっくに過激派組織「イスラム国(IS)」がベルギーで実行に移そうとしていたようです。

●「原発のテロ対策」は、驚くほど整っていない
チェルノブイリ30周年で考えるお寒い現実
http://toyokeizai.net/articles/-/115832
(ベネット・ランバーグ/「東洋経済オンライン」)

※画像:フランスの位置/File:France (orthographic projection).svg 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)/投稿者:Damouns, Ssolbergj

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