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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 08:大阪の専門医・高橋先生からの返信メール。 [医療・健康&がん関連]

Kさんは「大塚北口診療所」の腫瘍外来を担当している梅澤先生へセカンドオピニオンの依頼メールを出したそうです。私の友人・知人の中にも「大塚北口診療所」の別の診療科へ通院している人たちがいますが、私は行ったことがありません。診療所というと小規模だなと思いがちですが、先端の医療機器も揃えているようで、いくつもの医療機関とグループを形成しています。
http://www.keiseikai-group.com/ootsuka_kitaguchi/

診療時間が9:00~13:00、16:00~21:00と夜遅くまで受け付けているので、会社などに勤めている人も便利でしょうね。でも、梅澤先生の診察は完全予約制で、セカンドオピニオンの依頼はメールのみ。この診療所内でも独立性の高い外来のようです。

Kさんは梅澤先生のブログを読んでみて「この先生、好き!」と思ったそうです(笑)。私もズバッと斬り込む言い方には惹かれますが、それでも、お医者さんとは相性がありますから、会ったこともない人のことは何とも言えません。ただし、文体は人柄とも通じますから、それがイヤでなければ相談してみるのは良いのかも。

Kさんは「私は声を大にして、平滑筋肉腫という病気の広告塔にならなくちゃ!と思っています」と言っています。その意気、カッコいいですね!!

「大阪府立成人病センター」の高橋克仁先生からは丁寧な返信が届いたそうです。Kさんが転送してくれたので、私も読ませてもらいました。その中に「私どもは平滑筋肉腫を専門としています。」という一文がありました。これは専門家の少ない平滑筋肉腫の患者にとって非常に心強い言葉だと思います。

Kさんは高橋先生宛のメールで発病以降の経過と年齢や生活環境、今後の治療に関する検討事項などを伝えたところ、先生からの返信には、直接の診察は可能だが、受診したことのない患者にメールによる診療はできない、医師法で禁じられている、という説明がありました。

え~!? 私は乳がんのときに、あるNPOへセカンドオピニオンを求めて担当医から回答をもらったのに~? あれは医師法違反だったの!? それとも10年近く前の話だから、その後、医師法の一部が改正されたんでしょうか?

調べてみると「日本遠隔医療学会」という団体のサイトに詳しい説明がありました。メールやテレビ電話などを使って診療するのは「情報通信機器を用いた診療」、一般には「遠隔診療」と言うそうで、2011年に医師法20条の解釈と遠隔診療に関する通知が改正されたのだとか。高橋先生のおっしゃる通り、受診したことのない患者にメール診療はできないようです。
ネットには医療の相談サイト等もありますが、そういう場で回答しているお医者さんたちは医師法違反ではないのかな~???

高橋先生は、Kさんが「大阪府立成人病センター」の内科・肉腫外来を一度は受診するという前提で意見をくださいました。要約は以下の通り。

●平滑筋肉腫は薬では治せない。
●高橋先生の外来では、ここ3年間で初診の肉腫患者の受診は550例。そのうち平滑筋肉腫の患者は252例で、詳しい診療が可能。
●基本的には「TH-302」の治験も外科的切除不能または転移腫瘍の患者が対象。
●肝臓の転移腫瘍が1個だけの場合は外科的切除が可能だが、Kさんの場合は5月の手術から6か月しか経っていないので、転移が再発する場合もある。
●腫瘍が46mmくらいであれば、肝臓ラジオ波治療(針を刺して焼灼)という確立された(保険適応)方法もある。
●実際の転移腫瘍を診て、位置や大きさなどからラジオ波か外科手術がいいのかを決める必要がある。
●多発転移などの場合は薬物治療を検討することとなる。

そして、10日後ぐらいに診察の枠の空きがあり、「内科・肉腫(サルコーマ)外来」初診の予約が取れるとのことなので、Kさんは予約のお願いの返信を送ったそうです。

また、受診の前にはA病院の主治医に依頼し、以下の文書・資料を入手して送るようにと指示がありました。
●紹介状(診療情報提供書)
●画像CD(手術前のものが必要)
●腫瘍標本のホルマリン固定パラフィンブロック標本から、シランコートなどのコートスライドに3ミクロン厚で30枚、
10ミクロンの厚さで2枚の未染色標本の切り出し。(病理の分野ですね。私にはワケがわかりませ~ん)。

このように具体的に書くと、中にはとんでもない患者・家族などがいて、受診したい医師へ事前の連絡もせず、
いきなり資料を送りつけるという信じられない行為をしでかす人たちがいるらしいんですよ!
セカンドオピニオン外来などのある病院のWebサイトにも無断で送られても困るので送り返しますよ、といった注意書きが多いので、そういう非常識な患者は、けっこういるのかもしれませんねぇ。

病院へ初めて行く前から迷惑なことをする患者には、お医者さんだって警戒心をもってしまうでしょう。自ら心証を悪くするだけだということが理解できないんでしょうか…。私が医師だったら、そんな患者の予約は拒否しますね。
この記事を読んでくださっている皆さまなら、そんなことは全くなさらないと思いますが、社会のいろんな場でミョーな人たちが増えている感じがします。

[参考サイト]

●「キュアサルコーマセンター」
http://curesarcoma-center.org/

●「大阪府立成人病センター研究所 病態生理学部門」
http://www.mc.pref.osaka.jp/omc2/category/pathophysiology.html

●「大阪府立成人病センター 循環器内科 肉腫(サルコーマ)外来」
http://www.mc.pref.osaka.jp/bumon/jyunkanki/

●「遠隔診療 通知・指針」(日本遠隔医療学会)
http://jtta.umin.jp/frame/j_14.html

●「遠隔医療関連項目の追加書面調査結果」(内閣官房内閣広報室)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kaikaku/dai7/siryou6.pdf
※「情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会(第7回/平成23年2月15日) 資料6」より

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 07:治験用の新薬「TH-302」とセカンドオピニオン。 [医療・健康&がん関連]

Kさんが平滑筋肉腫の切除後、2度目の肝転移が見つかり、
その治療の選択肢の一つとして
腫瘍内科医から提案された治験の薬について調べてみました。

「TH-302」は「低酸素標的薬」というタイプで、
ドイツの「メルク社」とアメリカの
「Threshold Pharmaceuticals
(スレスホールド・ファーマシューティカル)社」が
共同で開発・販売にあたっています。

この薬の特徴は、
がん細胞の組織内が正常細胞よりも低酸素状態にあることに着目し、
低酸素の環境のもとで作用するように設計されたとか。
当初は進行性で手術不能もしくは転移性の膵がんが対象でしたが、
軟部肉腫も対象に加わりました。

治験では「TH-302」と「ドキソルビシン」を併用するグループと
「ドキソルビシン」だけを投与するグループを比較するそうです。
Kさんは「TH-302」と「ドキソルビシン」の
併用投与を勧められました。

「TH-302」は経口製剤(錠剤)で、
想定される副作用は不明です。
「大阪府立成人病センター」の文書には
「重篤な有害事象等の報告」として
「急性胆管炎」「高ビリルビン血症」「アレルギー反応」が挙がっています。

●「平成26年度 第6回治験審査委員会 会議の記録の概要」
(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター)
http://www.mc.pref.osaka.jp/chikenjouhou/irb.files/irb20140917.pdf

腫瘍内科の先生に「ドキソルビシン」の副作用について尋ねると、
「患者さんによって副作用の出方も違いますからね」と言いつつ、
「やっぱり吐き気や嘔吐は……」と言葉を濁すような感じなので、
「最近では制吐剤も併用するようになって、
以前よりは軽くなったと聞きますけど?」と重ねて尋ねたら、
「うーん。でも、やっぱり、けっこうありますよね……」
と、歯切れの悪い感じの答え方でした。
先生は副作用に苦しむ患者を
実際に目の当たりにしているからでしょう。
しかしながら、正直なお医者さんだな~と思いました。

[TH-302と治験に関する情報]
●「国立がん研究センター中央病院で実施している治験等(医師主導治験も含む)
 軟部組織肉腫 T4119 TH-302」(独立行政法人 国立がん研究センター)
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/clinical_trial/T4119.html

「メルク社」グループのバイオ医薬品部門「メルクセローノ社」のプレスリリース
●「低酸素活性化プロドラッグTH-302 局所進行切除不能または転移性膵がん患者を対象とした第III相国際共同治験 国内の組み入れ開始」(2014年6月10日)
http://www.merckserono.co.jp/cmg.merckserono_jp_2011/ja/images/20140610_release_tcm2453_125477.pdf

●「未治療進行膵癌におけるゲムシタビンへの低酸素標的薬TH-302併用はPFSを改善」
(『日経メディカル』2012/10/2)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/esmo2012/201210/526980.html

●「治験について」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/01.html


ところで、Kさんが
「大阪府立成人病センター」内科・肉腫外来の高橋克仁先生に
セカンドオピニオンをお願いできるとしたら、
外科医で腫瘍内科医でもある梅澤 充先生
(大塚北口診療所 腫瘍外来)に
サードオピニオンを求めてみるのも一案かも?と思いました。

梅澤先生の人柄および療法については
支持する人も否定する人もいるようですが、
ブログの記事を読むとハッキリした物言いで、私なぞは単純に
「偏屈そうだけど面白そうな人だな~」と思っています。
同時に、記事には必ず「文責 梅澤 充」と明記してあるのも好印象。
内容の是非は別として、
モンスター患者や訴訟問題も多い時代に、
医療者が「文責」と書くのは
腹を括っていないとできないことだと思うんですよ。

梅澤先生のセカンドオピニオンの考え方は以下の通り。
「現在のガン治療の功罪 ~抗ガン剤治療と免疫治療  嗚呼・勘違い」
http://umezawa.blog44.fc2.com/blog-entry-2818.html

セカンドオピニオンの具体的な条件も書いてあります。
http://blog-imgs-34.fc2.com/u/m/e/umezawa/second-opinion.html
料金は60分21,000円、90分30,000円、120分40,000円。

私は2万円あるならセカンドオピニオンを求めるよりも、
おいしいものを食べに行くほうを選ぶのですが~
(今後の治療については自分で決めてあるからですが)、
梅澤先生に相談したい人は、
事前に先生のブログ記事に目を通して、
著書も読んでおくほうが良いでしょう。
“がん友”の一人が乳がんから骨転移したときに、
梅澤先生のアドバイスを受けて治療内容を変更し、
今は安定した状態を保っているのですが、
彼女は梅澤先生の外来を受診するまでに
ブログはすべて読んで検討したと言っていました。
記事はけっこうな本数がありますけど、
それだけの気構えと、がんに関する勉強が必要だということですね。

ともあれ、Kさんからは
12月5日の手術の予約はキャンセルしたという連絡が来ました。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 06:サルコーマ仲間の闘病記を読んでみる。 [医療・健康&がん関連]

肝転移の治療法を検討するにあたって、
Kさんに以下のことを提案してみました。

●化学療法は受けず、外科手術を選ぶにしても
12月5日では、あまりにも余裕がないので、
手術の予約分は延期してもらい、
それまで納得のいく治療法を検討する。
●その間、もし腫瘍が大きくなったとしても
肝臓は人体で一番大きな臓器だから、
1㎝程度の差なら切除範囲は大きく変わらないのでは?
(シロートなので全く責任のもてない発言ではありますが、
診察した先生方が「すぐにでも手術を!」とは急かしていないし、
万一、大きくなった場合は術前の化学療法で腫瘍の縮小を試み、
小さくしてから切除するという例もあります)。
●手術の日を延長して時間的に余裕ができたら、
高橋先生の返信も焦らず待てるし、
ほかの先生にサードオピニオンを求めることも可能。

手術を選択した場合、いったん患部が切除できても
数か月後に再々々発したら、
抗がん剤にしておけば良かった~と思うかもしれません。
しかし、現時点で抗がん剤を選択しても
腫瘍は小さくならず、副作用に悩むだけとなるかもしれません。

というわけで、非常に迷うところですが、
Kさんが最優先したいのは
「今の日常生活が、できるだけ維持できること」。
そのためには、どんな治療法がベストなのか検討しましょう。


こういうときに参考になるのは私の意見ではなく、
同じ平滑筋肉腫の仲間の闘病記です。
患者数の少ないがんなので、
ネットで閲覧できる闘病記は貴重ですね。

平滑筋肉腫はKさんのように
肝臓・肺など血行性の遠隔転移を起こす場合があり、
肝転移すると局所再発も多いらしいので、
手術を繰り返す患者もけっこういるようです。

たとえば、ダンサーの吉野ゆりえさんというかたは
18回の手術を経て100個以上の腫瘍を摘出したといいます。

このサイトに体験談を寄せている方々も
非常にたくさんの治療を受けてきた人が多いですね。
●「キュアサルコーマ 患者・家族 体験談」
(特定非営利活動法人 キュアサルコーマ)
http://curesarcoma.jp/article/category/experiences

ここの患者会か掲示板などはないのか?と探したところ、
29歳のとき(’12年)に
左脚の平滑筋肉腫が見つかった青年のブログに、
「S(サルコーマ)ネット」という掲示板が紹介されていました。
懇親会なども行われているようです。

●「命をとられる以外かすり傷!!!と(*´∀`)思い込む!」(ぶるくん)
http://ameblo.jp/burumasanobu/entry-11955909020.html

上記の文中にある掲示板のURLをクリックするとエラーとなります。
curesarcoma.a.la9.jp/hiro/
これは承認制だからとのことなので、
「キュアサルコーマ」のサイトの「お問い合わせ」から
連絡をすればいいそうです。
●「キュアサルコーマ」お問い合わせフォーム
http://curesarcoma.jp/inquiry

希少がんの場合は特に、
患者会での交流や情報交換は大切だと思います。
ブログでのコメント交換も良いかもしれません。
治療法を選択するヒントが得られる場合もあるでしょうし。


以下もサルコーマ仲間の方々のブログです。

’08年に後腹膜平滑筋肉腫を発症した30代の女性。
地元の秋田から東京や他の地方まで出かけて、
あらゆる治療を受けたようです。
●「チコダイアリー」(チコさん)
http://ameblo.jp/jb-rabbit-lovenk4891/
※今年の1月以来、更新ナシ。

後腹膜に16cmの腫瘍があり、切除は不可能と診断。
転移した肝臓にも10cm弱の腫瘍で抗がん剤治療中の男性。
●「悪性軟部肉腫闘病記」(もんこさん)
http://blogs.yahoo.co.jp/leop1201

50代で子宮筋腫の手術、大腸肉腫が見つかって切除、
抗がん剤治療の終了後、腎臓がんが見つかった女性。
●「抗がん剤がなんぼのもんじゃい」
改め「肉腫も腎臓ガンもなんぼのもんじゃい」(?さん)
http://blog.goo.ne.jp/tashitage

’09年に奥さんが子宮筋腫で手術後、
病理で子宮内膜間質肉腫と診断され、サポートしている男性。
●「ひとりで生きてるんとちゃいます」(aska27さん)
http://ameblo.jp/aska27/


Kさんは
「体験者のブログも、とても参考になるし、励みになります。」
と言っています。

闘病記の中には
いろんな治療法に振り回されて疲れ果てた人、
病状が悪化していく人や予告もなく更新が途絶えたもの、
本人ではない家族のメッセージが残されたもの等々、
かなりツラい内容もあるのですが……。
でも、おなじ種類のがんでも十人十色で、
皆が皆、同じ経過を辿るわけではありませんから、
あくまでも参考に、という距離感で読めばいいと思います。

肉腫の患者たちの闘病記には
「モンキーが出てきた」「サルを退治した」
といった表現が、たまに登場するので、
お猿がどうして肉腫と関係あるんだろう?と思ったのですが、
これは肉腫の英単語「サルコーマ」を略したものや
「サル」=「モンキー」と、さらに英訳(?)したものなんだ
ということに気がつきました~(笑)。
「またモンキーが出た」は再発、
「サル退治」は肉腫の治療を指すのですが、
本来はウンザリすることでも
ユーモアを忘れない“がん友”の皆さん、素敵です~!!

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[本日のオマケ]

このブログ内の記事「平滑筋肉腫のKさんの闘病記 02」にも
ほかのサルコーマ仲間の皆さんのブログが紹介してあります。
http://chie-relish.blog.so-net.ne.jp/2014-11-24

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 05:がん専門病院へお供してきました。 [医療・健康&がん関連]

Kさんが都内のがん専門病院を受診する日に
私もくっついて行くこととなりました。
喫茶店で待ち合わせたのですが、
数年ぶりに会ったKさんは思った以上に元気そうです。

たくさんの資料がきちんとファイルされていて、
発病以来の経過についても
几帳面な美しい文字で丁寧にメモしてありました。
また、私のブログのKさんの記事や
私のがん本に掲載してある質問シートなどのコピーも
ファイルの中に入っていました。
それらをもとに、私たちは
受診する担当医への質問事項を改めて整理しました。

治療法を検討する上で最も大切なのは
「できるだけ冷静になる」
ということだと思います。
そのためにも、参考資料を揃えたり
自分で書き出したりするのは、
ともすれば混乱しがちな頭の中を整理するために
非常に有効なことでしょう。


がん専門病院では診察までかなり待ちましたが、
それでも私が通っていた大学病院よりはマシです。
ほかの患者の様子をうかがっても
どことなく落ち着いている感じ。
いたわり合う年配のカップルも多く、
談笑している人たちもいました。

それは、ほとんどの人が「がん」だからではないでしょうか。
専門病院ですから通院の人も入院中の人も、みんなががん。
周りが同じがん患者ばかりという環境は、
がん患者にとって
少しは気がラクになる要素かもしれないと思いました。

一般の病院では、腫瘍が見つかった人でも良性だと
「私はがんじゃなくてホントに良かった~!(喜)」
なんて平然と言う人もいるわけで、
全く悪気はないにしろ、がん患者としては傷つきますよ。
専門病院なら、みんながみんな再発・転移の不安を抱えている、
あるいは再発を繰り返しながら闘病を続けている。
また入院しないといけない事態になったら
ここを選ぼうかな~。
看護師さんも親切そうだし。
なんて思いながら私は院内を見渡していました。


Kさんの担当医は
化学療法を専門とする腫瘍内科の先生です。
診察室へ入る際、Kさんが
「友達も一緒に話を聴いてもいいですか?」
と頼んだところ、快く了承してもらえました。

先生はKさんから聞いていた通りの若い人で、
一見すると“オタク”っぽい風貌?
治験コーディネーターかな?と思われる若い女性も同席しました。
その女性は明るくハキハキした話しぶりで好感のもてる人でしたが、
先に肩書と名前を伝えてくれれば患者も安心するのに……。
先生は私に対しても
「腫瘍内科の○○です」と名乗ってくれたのに、
女性のほうは最後まで名乗らなかったのです~。


Kさんは最初のA病院で今年8月のCT検査では異常がなかったのに、
11月初めには肝臓に約4.6cmの腫瘍が見つかりました。
A病院では切除を勧められ、
開腹手術の予約を12月初めに入れてくれたのですが、
より専門性の高い病院の見解が知りたいということで
がん専門病院を受診したのでした。
再検査の結果、再々発ということが確定しました。

そして、担当医から提案されている
抗がん剤治療について、あれこれ尋ねたのですが、
Kさんは用意した項目を一つも忘れることなく、
しっかりと質問していました。
私も確認したかったことに関しては
出しゃばって少々、口を挟みましたが~(汗)、
先生は終始、真摯に答えてくれました。

平滑筋肉腫の化学療法の症例数について尋ねた際も、
携帯電話でどこかへ連絡して実績を調べようともしてくれました。
でも、その病院のサイトには載っているんです。
やや古いデータですが、先生はそのことを知らない様子でした。

最終的には
「ドキソルビシン」と「イホスファミド」系の新薬だという
「TH-302」の治験に参加しないかという話も出ました。
治験に参加する場合、薬と入院の費用は製薬会社が負担するそうです。
でも、副作用が出た場合、症状を抑える薬は自己負担だとか。
その新薬のせいで副作用が出るのに自腹とは!
製薬会社が費用を全部もってくれるなら
治験に参加しようかという人も増えるんじゃないでしょうかねぇ。
しかしながら、人体実験のようなものですから
もちろんリスクも生じます。
その治験に参加している患者は何人ぐらい?と聞いたら、
まだ1人も登録していないとのことでした。うーーーむ。


Kさんは一瞬、治験を一つの望みに……というふうに
心が動いたように見えましたが、
返事は保留にして「検討します」と答えました。
その時点で命を左右するほど緊急を要するとき以外は、
即決すべきではないと思います。
いったん頭を冷やしてから、じっくり考える。

Kさんは帰宅までの間、
病院から渡された治験の説明書に目を通すと同時に、
私が過去2回の手術について「大変でしたか?」と聞いたとき、
自分が「全然!」と答えたのが脳裏に残っていたそうで、
以下のような考え方に方向転換したようです。

「今の時点で大変な抗がん剤治療を受けなくても、
とりあえずでも手術で取ってしまい、
抗がん剤しか頼れなくなってからでも良いのではと。
私は、見えないけど出来ているかもしれないがんのことを考えて、
早めに手を打ったほうがいいのではと
抗がん剤を選択しそうになったけど、
切って取り除けるうちは、そっちの痛みを我慢するほうが、
自分らしい生活が過ごせると。
抗がん剤は手術できなくなったら選択しても良いのではという考え、
どう思いますか?」

そして、肉腫の専門医である
「大阪府立成人病センター」の高橋先生にも
メールで相談してみることにしたそうです。

平滑筋肉腫が原発で2回目の肝転移、
外科手術か抗がん剤かラジオ波か……。
私だったらどう決断するかを考えてみます。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 04:抗がん剤の予備知識を仕入れよう。 [医療・健康&がん関連]

Kさんは抗がん剤治療を受けるとしたら…という前提で、
主治医から5種類の抗がん剤の名が伝えられました。
それぞれの薬剤について確認しておきましょう。

医薬品に関してネットで調べるときは、
『Wikipedia(ウィキペディア)』や運営者の不明なサイトは避けて、
各々の医薬品を製造・販売している
製薬会社の「添付文書」の最新版を読むのが確実です。
「添付文書」は細かいので目を通すだけでも面倒で大変ですが、
自分の体に使われるかもしれない薬なのですから
「相互作用(併用注意)」「副作用」だけでも確認しましょう。

サイトによっては「添付文書」よりも、もっと詳しい
「インタビューフォーム(医薬品解説書)」も載っています。


●一般名「ドキソルビシン」/商品名「アドリアシン」(協和発酵キリン)
・添付文書(日本化薬)
https://mink.nipponkayaku.co.jp/product/di/te_file/sedi_doxi_te.pdf
・パンフレット(サンド)
カラー写真で、この薬剤が赤色の液体だということがわかります。
http://www.sandoz.jp/medical/products/dbfile/doxorubicin_10i/reef.pdf

「アドリアシン」は先発製品の商品名で、
最近はジェネリック薬品も増えており、
後発製品は一般名と同じ「ドキソルビシン」が多いようです。

一般名と商品名が違うのは、まぎらわしくて困りますが、
両方とも覚えておいたほうがいいと思います。
というのも、たいていの患者は商品名で覚える人が多く、
抗がん剤治療中の人の闘病記などには
商品名しか出てこないことも多いので、
ネットで探すには両方を知っておいたほうが
検索しやすい(ヒットしやすい)と言えます。


●一般名「イホスファミド」/商品名「イホマイド」
・添付文書(シオノギ製薬)
https://www.shionogi.co.jp/med/products/drug_a/g0l2sg0000002wxb.html
https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=1cf403775fa4f6729a817cd64c4edffd

『AI療法の手引き(ドキソルビシン・イフォスファミド)』
(2013年11月版/国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍科 監修)
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/pdf/AI_02.pdf
上記2種の薬剤を併用する患者向けの説明書。
イラスト入りで、とてもわかりやすいと思います。


●一般名「パゾパニブ」/商品名「ヴォトリエント[レジスタードトレードマーク]
これは、’12年11月から保険適用となった
悪性軟部腫瘍に対する初の分子標的薬です。
点滴で投与するのではなく、経口で服用する錠剤タイプ。

「Votrient.jp」(グラクソ・スミスクライン)
http://votrient.jp/
※トップページ右側の「サルコーマ(悪性軟部腫瘍)」の
「医療関係者の方へ」「ヴォトリエント[レジスタードトレードマーク]を服用されている方へ」
の両方を見ておきましょう。
「はい」「いいえ」で答える画面が出たら「はい」をクリックしてください。
そうしないとトップページへ戻ってしまいます。
「はい」を押しても“グラクソ・スミスクラインさん”に怒られませんよ。

「肉腫(サルコーマ)治療の新規分子標的薬パゾパニブ
亀田総合病院における進行平滑筋肉腫15症例に対する
治療効果と副作用の検討」(亀田総合病院 腫瘍内科)
http://curesarcoma-center.org/pickup/pdf/pickup_121205.pdf


●一般名「ドセタキセル」/商品名「タキソテール」
・写真(日本化薬)
https://mink.nipponkayaku.co.jp/product/?action_product_detail=true&sid=doci
・添付文書(日本化薬)
https://mink.nipponkayaku.co.jp/product/di/te_file/sedi_doci_te.pdf
※ジェネリック多数。
※一般名「パクリタキセル」/商品名「タキソール」という製品もあります。
名前も似ていますが、作用も似ているそうです。

わかりやすくまとめられている小冊子。
『ドセタキセル「サワイ」の治療を受ける患者さんへ』(沢井製薬)
http://med.sawai.co.jp/oncology/files/docetaxel.pdf

●一般名「ゲムシタビン」/商品名「ジェムザール」(日本イーライリリー社)
・写真と添付文書(大鵬薬品)
http://med.taiho.co.jp/gemcitabine/
※ジェネリック多数。

「再発・転移性平滑筋肉腫にゲムシタビンとドセタキセル併用療法は有望」
(『日経メディカル』2010/11/4)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jsco2010/201011/517255.html
「岡山大学 大学院 緩和医療学」の松岡順治氏らが「日本癌治療学会学術集会」で発表。


Kさんの場合、「平滑筋肉腫には抗がん剤が効きにくい」
とは言われているようですが、
それは従来の薬剤(点滴や注射タイプ)のことなので、
新たに登場した分子標的薬はどうなのでしょうか。
重い副作用も抑えられるようだし……。

ただし、まだまだデータの蓄積が少ないため、
Kさんの病状に対して抗がん剤を用いる標準治療としては
「ドキソルビシン」だけの単剤療法がメインのようです。
「ドキソルビシン」と「イホスファミド」など
2種類以上を使う多剤併用療法は
単剤よりも腫瘍の縮小が期待できるそうですが、
その半面、薬剤の毒性が強まる=副作用が強く出る、
つまり正常細胞へのダメージも大きくなるわけです。

単剤では手応えがなかった、体質に合わなかった、
または、いったんは効いたけれども
次第に効果がなくなったという場合は、
第2候補、第3候補の薬剤を試すこととなります。

これはKさんの主治医の意見と同じようですから、
標準治療を勧める先生なんでしょうね。

でも、最初から分子標的薬を選択することも可能でしょう。
こればかりは主治医と相談しながら、
最終的には自分で選ぶことですから。
【追記】
後日、がん専門病院の腫瘍内科医に確認したところ、
現時点で「パゾパニブ(ヴォトリエント)」は
第1選択にはできないそうです。
「ドキソルビシン」や「イホスファミド」が有効ではない場合に使えるとか。


Kさんは腎臓と肝臓の手術を受けているので、
それらの臓器の機能低下があれば
使用できない薬剤があるかもしれません。
また、抗がん剤治療がスタートできても、
途中で臓器への影響が深刻になると
中止せざるを得ないかもしれません。
それを見極めるためにも、
治療に入る前には全身の検査が必要なのです。

また、世界では日夜、
さまざまな新薬を研究・開発していますから
自分の病気が対象の治験や臨床試験がないのか、
主治医に確認しておくと良いかもしれませんね。
(治験や臨床試験に参加するにもリスクはありますが)。


ところで、ネット上をウロウロしていたら、
珈琲などに含まれるカフェインには
抗がん剤の効果を高める働きもあるという、
「カフェイン併用化学療法」の報告を見つけました。
●「軟部腫瘍」(がんプロ.com/北陸高度がんプロチーム養成基盤形成プラン)
http://www.gan-pro.com/public/cancer/tumor.html

Kさんも私も珈琲が大好きなのですが、
その成分を抗がん剤に加えるとは面白いですねぇ。

ともあれ、今後の治療については
検査の結果をもとに主治医の説明を聴いた上で検討するしかありませんが
(もちろん、西洋医学から離れるとか、
標準治療ではない方法を探るとか、
治療はしないといった選択肢もあるわけですが)、
それまでに上記の薬物と副作用について予習しておきましょう。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 03:主治医と専門医の第一人者について調べよう。 [医療・健康&がん関連]

Kさんが今回、通院することになった
都内のがん専門病院の担当医の名前と
その先生が挙げた抗がん剤の名称を教えてくれたので、
ひとまずネットで調べてみました。

抗がん剤を用いる治療を行う専門の診療科の名称は
以下のように病院によって違う場合もあります。

「化学療法科」(がん・感染症センター都立駒込病院)
「総合腫瘍科」(がん研究会有明病院)
「乳腺・腫瘍内科」(国立がん研究センター中央病院)
「臨床腫瘍科」(大阪府立成人病センター)

Kさんの通う病院のサイトで担当医を確認したところ、
化学療法の専門医で、
その診療科内では中堅クラスのようです。
Kさんも「35歳ぐらいに見えました」とのこと。

同姓同名の少ない人や有名な医師だと
ネットでも探しやすいので、
どこの大学の医学部を出て、どこの医局にいたとか、
どんな論文を書いたか、今はどういうポジションにいるとか、
はたまた、趣味や特技、家族構成など私的なプロフィール全般まで
調べられることもあるのですが(ストーカーもどきですねぇ。汗)、
同じ名前のお医者さんが何人もいると
得られる情報はグッと少なくなります。

Kさんの担当医も同姓同名の医師が何人か見つかりました。
それでも専門分野は異なるので、
「病院名 氏名」あるいは「診療科名 氏名」を入力して検索すると、
その先生が、ここ数年の間に
医学専門誌へ寄稿した見出しが出てきました。
詳細までは調べていませんが、
新しい分子標的薬を使った化学療法に関するレポートで、
対象は乳がんでした。

次に、その診療科の「診療実績」「治療成績」なども
確認しておきたいところですが、
希少がんともなると症例が少ないため、公表している病院も少なく、
また、古いデータしか挙げていない病院もあるので、
ほとんど参考になりませんねぇ。
こういう場合は担当医に直接、
「この病院で私と同じ病気の患者の症例は
どれぐらいあるのでしょうか?
治療の実績も教えていただけませんか?」
というふうに確認するしかありません。

Kさんは先日、検査を受けた際、
担当医から以下のように説明されたそうです。
「根治は難しく、
病状の進行を抑えて寿命を延ばすことが今後の治療の目的となる。
抗がん剤治療の奏効率は20~30%」

Kさんは再発が遠隔転移で、
ステージとしてはⅣ(4)となるため、
お医者さんとしては
上記のような言い方しかできないのだろうと思うのですが、
私の考え方としては、まず、
「そもそも、がんの根治ってどんな状態なのよ?」
ということ。
単純な意味からすると「根治(こんじ・こんち)」とは
「病気などが根本から完全に治ること」ですが、
私なんて胃を3/4切ってますからね、
永遠に元通りにはならないわけです。

それでも外科だと、
がんを全部取り除くことを根治手術と言うのですが、
がんは微小転移するので、かたまりを取ったつもりでも
「これで100%、絶対に再発しないよ!」
なんて誰にも断言できないはずですよねぇ。
だから、ステージには関係なく
「がんの根治は難しい」のですから、
先生もいちいち言わなくてもいいんじゃない?
と思うんですけど~(笑)。

そして、私は
“がんとは死ぬまで共存”という考え方ですから、
「病状の進行を抑えて寿命を延ばすのが目的」も同じこと。
また、Kさんが言われた抗がん剤の奏効率も
私が乳がんのときに5年近く服用した
抗がん剤(抗ホルモン剤)と同様ですね。


ところで、肉腫についてネットで調べていると、
日本での第一人者と思われるお医者さんの名前を
あちこちで見かけました。

そのかたは「キュアサルコーマセンター」の代表理事で
「大阪府立成人病センター」部長の高橋克仁さん。
現在、「循環器内科」で週2日の担当(再診のみ)のようです。
この先生は
「大阪府立成人病センター研究所 病態生理学部門」
にも在籍なさっているようです。

かれこれ10年近くにわたって
肉腫に対する「標的遺伝子療法」を研究してきたそうで、
これは
「単純ヘルペスウイルスI型を改変した
肉腫・GIST・悪性中皮腫腫瘍溶解性ウイルスの開発研究」
だとか。
でも、直近の情報は見当たらないのですが、
いろいろ裏事情があったようです。

詳しいことを知りたいかたには、
このサイトが参考になると思われます。
●Cure Sarcoma
「肉腫の標的遺伝子療法を推進する会」の管理人が作るブログ
http://blog.livedoor.jp/curesarcoma/archives/51869338.html
(※’13年12月以降の記事はありません)

下記のサイトには高橋先生の名があり、
その右横に「Mail」という文字があります。
クリックすると高橋先生へメールが送信できるようです。

●「大阪府立成人病センター研究所 病態生理学部門」
http://www.mc.pref.osaka.jp/omc2/category/pathophysiology.html

サイトの説明をじっくり読んで理解を深めた上で、
自分の治療法を相談してみるのも良いかもしれません。

たとえばKさんの場合なら、
今の病院の主治医から治療方針の説明を受けた後、
自分なりに整理した上で、
決心がつかない場合や納得のいかない場合は
高橋先生にメールを出して意見を求めてみるのも一手ですよね。

ただし、お医者さんは多忙ですし、
希少がん専門でも第一人者ともなれば
全国に多くの患者を抱えていると思われますので、
返信がすぐもらえるとは期待せず、
自分の病歴と相談の内容は
相手が読みやすいように的確かつ簡潔に整理して
メールするようにしましょう。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 02:サルコーマ(肉腫)の情報を集めよう。 [医療・健康&がん関連]

「平滑筋肉腫」というキーワードでネット検索すると
検索結果の見出しに
“忘れられたがん”という表現を何件も目にしました。
たしかに、大人の軟部肉腫(軟部腫瘍)の患者は
がん患者全体の1%程度だそうですから、
当事者としては
「がんに罹るにしても、よりによって希少がんだなんて…」
と嘆くのも当然でしょうし、
「医療者も一般の人も関心が低い」
という状況にショックを受け、
ガッカリしている“がん友”も多いことでしょう(涙)。

それでも、情報は全くナシ、ゼロだ、というわけではありません。
非常に単純な発想ではありますが、
検索サイトのグーグルとヤフーでは
「平滑筋肉腫」で検索すると、それぞれ約136,000件がヒットし、
「平滑筋肉腫 闘病記」で絞っても約5,190件が出てきます。
もちろんダブっている情報などもあるので、
実際に有用な内容はもっと少なくなるのですが、
闘病のための何らかの手がかりにはなるのではないでしょうか。

そして、がんの種類は違っても私のような“がん友”仲間の皆さん、
家族や友人・知人などに、がん患者のいる方々、
また、がんには全く縁はないよと思っている人たちも、
今後とも絶対に希少がんには罹らないという保証はないのですから、
他人事(ひとごと)とは思わず、
「サルコーマ(肉腫)」の患者の皆さんのことも忘れないでください。
周りの人たちに「肉腫って、がんの一種だって知ってた?」
「サルコーマとは?」「希少がんと言うのはね…」
そんなふうに話題にするだけでもいいと思います。
知っている人を一人でも多く増やすことが大切なのです。


ひとまず、軟部肉腫の“がん友”の皆さんの
参考になりそうなサイトを集めてみました。

【支援団体のサイト】
●「キュアサルコーマ」(特定非営利活動法人 キュアサルコーマ/東京都大田区)
http://curesarcoma.jp/
成人の軟部肉腫の患者や家族を支援するNPOで、
今年5月に認証を受けたばかり。
肉腫の患者が中心となって10年以上にわたる活動を重ね、
成立させた団体のようです。

【患者のブログ】
’05年(?)の初発が「後腹膜平滑筋肉腫」で、
今月の18日に18度目の手術を受けたという女性のブログ。
●17度の手術克服「忘れられたがん=肉腫(サルコーマ)と闘う舞姫」吉野ゆりえの感謝&いきいき舞ログ『生かしていただいてありがとう』
http://ameblo.jp/yurieyoshino/

’11年に12.5cmの腫瘍や肋骨などを切除し、
再発・再々発・転移を経て、がんとの共存を目指す男性のブログ。
●眠多の闘病記
忘れられた癌「平滑筋肉腫」になった武道家の日々のつれづれと闘病記
http://ameblo.jp/nagawakizashi/

’11年に「平滑筋肉腫」が見つかり、抗がん剤治療を継続。
今年の初夏に肺の転移巣の手術を受け、仙骨への転移も発見された女性のブログ。
●心はいつも*笑顔日和*でありたいな
平滑筋肉腫に網膜色素変性症、ダブルの完治不能の難病ですが
-と-も×れば+、笑顔だけは忘れずに
闘病記録にエトセトラ
おばさんのつぶやきです
http://ameblo.jp/teku2-egaobiyori/

【専門医や医療機関のサイト】
以下に挙げた専門医や病院・クリニック、各種の療法などは
私の推薦ではありませんよ~(診察や治療を受けたこともナシ)。
あくまでも多様な情報の一つとして、ご覧くださいませ!

“がんもどき理論”の近藤医師や免疫療法を真っ向から批判している若手の先生。
●「腫瘍内科医 勝俣範之のブログ」(日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科)
http://nkatsuma.blog.fc2.com/

「虎の門病院 臨床腫瘍科(腫瘍内科)」の専門医によるコラム。
●「がんと向き合う ~腫瘍内科医・高野利実の診察室」
(読売新聞の医療サイト『yomiDr. ヨミドクター』2012年の連載)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=62927

抗がん剤の使用量を最小限で維持するという賛否両論ある療法。
●「がん休眠療法」(化学療法研究所附属病院)
http://www.kaken-hp.or.jp/clinic/dormant_treatment/index.html#pageTop
●「がん休眠療法(低用量抗がん剤治療)」(銀座並木通りクリニック)
http://ginzanamiki-clinic.com/kyumin.html

「がん休眠療法」の提唱者である腫瘍外科医・高橋 豊さんの説明。
●“がん休眠療法で、がんと共存・継続治療をはかる”
http://www.jafra.gr.jp/takahashi.html#up
※上記は「金沢大学 がん研究所 腫瘍外科」助教授のときの記事で、
現在は「千葉大学 大学院 医学研究院 がん分子免疫治療寄附講座」の教授のようです。

東洋医学の漢方と西洋医学を組み合わせる代替治療を提案。
●「肉腫・悪性黒色腫の補完・代替医療」(銀座東京クリニック)
http://www.1ginzaclinic.com/CAM/sarcoma.html

標準治療も「がん休眠療法」も各種の代替療法も
歯に衣(きぬ)着せず、バッサリ!(笑)。
患者一人ひとりに合わせた抗がん剤治療を提唱する
外科医・腫瘍内科医の梅澤 充さんのブログ。
●「現在のガン治療の功罪 ~抗ガン剤治療と免疫治療」(大塚北口診療所 腫瘍外来)
http://umezawa.blog44.fc2.com/

※「平滑筋肉腫」に対する免疫療法については、
以下の記事の最後のほうにあるリンク集を参照してください。
http://chie-relish.blog.so-net.ne.jp/archive/20140825

【海外のがん情報のサイト】
日本における西洋医学のがん治療は
ほぼアメリカを手本としており、留学する医師も多いですよね。
新薬の開発や臨床試験、認可なども
アメリカが先行するケースがほとんどですから、
定期的に情報チェックをしましょう。

●「PDQ[レジスタードトレードマーク]日本語版  成人軟部肉腫の治療」(米国国立がん研究所)
http://cancerinfo.tri-kobe.org/pdq/summary/japanese.jsp?Pdq_ID=CDR0000258102#

●「海外癌医療情報リファレンス」(日本癌医療翻訳アソシエイツ)
http://www.cancerit.jp/

●「テキサス州立大学 MDアンダーソンがんセンター(MD Anderson Cancer Center)」
http://www.mdanderson.org/
ここは世界でもトップクラスの専門病院で、
肉腫専門の「サルコーマセンター」も併設されています。
英文サイトなので、英語の得意な方々は目を通してみてください。
私はロクに理解できませんし~、
翻訳していると1年ぐらい掛かって、
その間に新薬が出ちゃうかもしれませんから(苦笑)、参考までに。
※自動翻訳サイトは、まだまだ精度が低いので利用はオススメしません。
特に専門用語の多い医療情報は意味の通じない誤訳だらけとなりそうです。

同センター内の「サルコーマセンター(Sarcoma Center)」のサイト
http://www.mdanderson.org/patient-and-cancer-information/care-centers-and-clinics/care-centers/sarcoma/index.html

「Soft Tissue Sarcoma(軟部肉腫)」のページ
http://www.mdanderson.org/patient-and-cancer-information/cancer-information/cancer-types/soft-tissue-sarcoma/index.html
「Treatment(治療法)」の説明には
手術・化学療法・放射線療法と並んで
「Proton Therapy(陽子線治療)」もあります。
日本で粒子線治療(陽子線・重粒子線)を行っている施設でも
軟部肉腫に対応している所があるようです。
ただし、自費で高額となりますし、
全般的に症例の蓄積もまだ少ない療法ですが、
ご興味のある方は「肉腫 陽子線」「肉腫 重粒子線」で検索を。

動画による『Treatment Guidelines for Adult Soft Tissue Sarcomas(成人軟部肉腫の治療ガイドライン)』の説明(2014年3月13日付/英語)
http://www3.mdanderson.org/streams/FullVideoPlayer.cfm?mediaID=0E017CB6-B38B-11E3-9BE6-60D819FC683C

現在、日本語のサイトで読める最新のガイドラインは’12年版の要約です。
●『軟部腫瘍診療ガイドライン2012』
(Mindsマインズ ガイドラインセンター/日本医療機能評価機構)
http://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 01:転移の手術後、3軒目の病院で再検査。 [医療・健康&がん関連]

“がん友”の女性・Kさんは「平滑筋肉腫(へいかつきんにくしゅ)」と診断されています。これは筋肉に発生するがんですが、自分の意思で動かせる「随意筋(ずいいきん=横紋筋 おうもんきん)」とは異なる「不随意筋(ふずいいきん)」が「平滑筋(へいかつきん)」です。
「平滑筋肉腫」は消化器(食道・胃・腸など)や子宮、血管、皮膚など、全身のあらゆる部位にある平滑筋の筋肉層に発生する場合があります。

肉腫のうち、骨以外の筋肉や脂肪、神経、血管など軟らかい組織に発生するものは総称して「軟部肉腫」「軟部腫瘍」とも呼ばれます。
今年の7月上旬、「国立がん研究センター」が「2014年で新たにがんと診断される人は88万2200人」と発表しましたが、軟部肉腫の患者は10万人に1~2人と言われるほど少ないのです。患者数が少ないにもかかわらず、軟部肉腫は30種類以上(50種類以上という説もアリ)に及ぶそうです。

症例数が少ないと治療に関する情報も手に入れにくく、専門医も少ない上、製薬会社も薬の研究・開発には力を入れません。そのせいで患者は手探りのような状況で治療法を模索することとなりがちです。

Kさんは「がんの方に少しでも情報が提供できれば…」と言ってくれたので、このブログで随時、Kさんの闘病の経過を報告していくことにしました。

そもそもKさんの病気について聞いたのは今年の4月のこと。3月に出た私の本を読んだというKさんから、「主治医への質問の仕方、超参考になります。」という感想をいただきました。それで、もしかしたら親御さんが病気に?と思って尋ねたら、自分が「平滑筋肉腫」というがんに罹ったのだと教えてくれました。

Kさんは、いつも明るく前向きで、カワイイ系の美人とあって優に10歳以上は若く見えます。なかなか会えないままだったのですが、あちらこちらへ積極的に出掛けている様子なので、2年前に発病して手術を受けていたとは全く思えませんでした。

これまでのKさんの経過は以下の通りです。

●2012年
5月下旬 おなかの右側に鈍痛。
6月初め 38℃の発熱、翌日も熱が引かず、右腹部の痛みも強まる。地元の医院の内科を受診し、翌日にCT(X線断層撮影)。担当医は、かかりつけの総合病院の名を挙げると紹介状とCT画像を渡してくれた。
6月上旬 総合病院(病床が約1000床、スタッフ約2000名の地域の基幹病院)の消化器内科を受診。担当医から「腹部にデキモノがある」と言われた。
6月中旬 同院でPET(陽電子放射断層撮影)検査を受ける。診断名は「右後腹膜腫瘤(みぎ こうふくまく しゅりゅう)」。

「後腹膜」とは大ざっぱに言えば、膵臓・腎臓・脾臓・副腎・尿管・膀胱・腸の一部、大血管(大動脈・大静脈)などが納まっている背側の空間ですが、私の説明などより以下のサイトの図なら一目瞭然です。

●「希少がんセンター 後腹膜の肉腫」(国立がん研究センターがん対策情報センター)
http://www.ncc.go.jp/jp/rcc/01_about/sarcome/sarcome07.html

「腫瘤」は「腫瘍」とは異なり、「できもの」の意ですが、Kさんは外科へ回され、PETの結果をもとに消化器外科の専門医(外科部長)から「腎臓の近くに4㎝大の腫瘍がある。悪性の恐れ。術後にしこりを調べて治療方法を決める」といった説明を受けました。

この時点で「腫瘍」という言葉に替わっていますが、「悪性」と断定されたわけではないようです。良性でも腫瘍は取ったほうがいいからと切除を勧め、術後の確定診断によって治療法を決めるという意味だと思われます。

9月下旬 入院、開腹による摘出手術。

手術後は担当医が2人の医員に替わり、うち1人が外来の検診などを担当しましたが、その後、転院したそうです。若手の医師に経験を積ませたいという病院の方針があるんでしょうけど、主治医がコロコロ替わるのは不安ですよねぇ…。

そして、術後1年6か月が過ぎた今年(’14年)の3月に、CT検査で肝臓の付近に転移巣が見つかりました。そのため、5月上旬に同じ病院で再手術を受けたそうです。腫瘍の大きさは38㎜でした。

「平滑筋肉腫」の標準治療では外科手術が第一選択。放射線療法、化学療法(抗がん剤)、免疫療法、温熱療法などを併用する方法もあるようですが、これが決め手という治療法は、まだ見つかっていません。

「軟部肉腫」は再発しやすく、また、多発するケースもありますが、何回どころか10回以上も外科手術を受けたという患者もけっこういます。転移の場合は化学療法を勧めるのが一般的のようです。

Kさんから肝転移して手術を受けたと聞いた直後、「国立がん研究センター」のサイト内に「希少がんセンター」というページが増えていることに気づきました。大阪の専門医を軸に設立された「キュアサルコーマセンター」というサイトも見つけました。それらと共に、免疫療法などを併用している医療機関の情報もKさんへ知らせました。

8月下旬の時点でKさんは、「現在の主治医に相談して、がん専門病院へ移ろうか」と考えたそうで、10月中旬には再発・転移性がんに関する講演会やシンポジウムにも足を運びました。

そして、11月14日に都内のがん専門病院を受診。18日にCT(X線断層撮影)などの検査を受けました。その結果を受けて28日に担当医から今後の治療方針について説明があるようです。基本的には抗がん剤治療になりそうだとのこと。

治療方針を聴く日までに主治医と抗がん剤について調べておきましょう。

それにしても、同じ関東地方とはいえ、Kさんのおうちから、がん専門病院までは片道2時間ほど掛かるんじゃないかなと思います。往復だけでも大変な労力を必要としますが、希少がんは専門家が少ないため、より良い治療法を求めるとなると患者の時間や精神的・経済的な負担が、どうしても大きくなってしまうんですよね…(涙)。

それでもKさんは通院のたびに病院の周辺エリアで喫茶を楽しんだり、あえて徒歩30分ほど掛かるターミナルまで歩いたりと、自分なりの楽しみを見つけて実践しているようです。
どうせ通院せねばならないのなら、暗~い気持ちで重~い体を引きずって行くよりも、Kさんのように“小さな楽しみ♪”を見つけるほうが気持ちも前向きになるし、足取りも軽くなって免疫力もアップすると思いませんか?

「平滑筋肉腫」については、このブログ内の2014年8月25日付の記事もご参照ください。「希少がんセンター」をはじめ、肉腫(サルコーマ)関連の参考サイトのURLも10本ぐらい挙げてあります。

●「希少がん」とは骨や軟部の肉腫、悪性の脳腫瘍、ほくろのがん、眼の腫瘍、小児がん等です。
http://chie-relish.blog.so-net.ne.jp/archive/20140825

Kさんが行ってきた講演会&シンポジウムの内容が要約してあります。
●「がんは再発・転移から始まる――再発・転移性がんの治療選択と治験」という講演会&シンポジウムが開催されたそうです。
http://chie-relish.blog.so-net.ne.jp/archive/20141013

私の本の巻末には主治医に確認したいことをまとめた質問シートが付いています。基本的には初発のがん患者向けですが、それをもとに工夫すれば自分なりの質問事項が整理できると思います。新書判で小さい文字ですから読みづらいかもしれませんが、拡大コピーするなどして、どんどん活用してくださ~い!
電子書籍(Kindle版)も発売中。

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書



がんと診断された私が生きるためにやったこと 角川SSC新書

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/05/08
  • メディア: Kindle版


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代々木八幡「吉富歯科医院」のWebサイト(ホームページ)が完成しました! [医療・健康&がん関連]

吉富01.jpg

私は子どもの頃から歯医者さんが大・大・大ッ嫌い!!でした。
小学生のとき、歯が痛くなって何とか歯医者さんの入口までは、たどりついても、あの「キィーーーン」という音が聞こえた途端、もうダメ(泣)。保険証を握りしめたまま走って帰宅し、祖母に「今治水(こんじすい)」という薬(歯痛剤)をつけてもらって痛みをひたすらガマンしました。
ズルズルと治療を引き延ばしていたら、中学時代には全校集会の最中に歯の激痛で倒れそうになり、早退したこともあります…(恥)。

その後、歯科クリニックには通算100軒ぐらい行ったかもしれません。いえいえ、全く冗談じゃないんですよ。古くから評判の良いという医院でも、最先端の治療を謳(うた)うクリニックでも、どこへ行っても治療が続けられませんでした。

病院慣れしている私でも歯医者さんでは、ひどく緊張する上、あの「キィーーーン」が聞こえてくると身がすくむんです。だから、いったん痛みが治まると、どうしてもイヤになって通院をやめてしまうのでした(←コドモか~?)。中には「なんでここまで放っておいたんだ!!」と怒鳴る医師もいました(号泣)。そんな所は怖くて二度と行けません。

将来、後悔するだろうなとは思っていましたが、本当に本当に歯は子どもの頃から、しっかりメンテナンスしておくべきですねぇ。今のトシになって、つくづくそう思います。世界中のどなたにでも忠告しますよ~(涙)。

それでも、兄貴分のOさんから「良い歯医者さんがいるよ!」と紹介され、生まれて初めて長く通えるようになったのが代々木八幡にある「吉富歯科医院」です。
Oさんは人一倍、歯の健康に気を使っている人で、吉富先生が別の歯科クリニックに勤めていたときに担当してもらって、すっかり気に入り、吉富先生が退職したときは、どこへ移ったのかと捜し回ったとか(←ストーカーかい!? 笑)。
そして、先生が院長として、ご自身のクリニックを開業したことがわかり、現在の所へ通院するようになったそうです。

私は歯の状態が限界だったので最初は仕方なく行ってみたのですが、先生の誠実な人柄と確かな知識と技術、さらには私の一番惹かれる“職人肌”の一人だわ~と思ったので、治療にも通院にも徐々に慣れていきました。

たとえば、噛み合わせの治療後に確認する際、何度も何度も紙をカチカチと噛ませられるのですが、ある日、あまりにもカチカチが終わらないときがあって、誠に勝手ながら~ウンザリしてきた私は、「せんせ~、何日か経てば落ち着いてくるんじゃないですか~?」と聞いたところ、先生からは「僕がイヤなんですよ。今、きっちり合わないと!」という答えが返ってきました。

私みたいな保険内の患者に時間を掛けるのは経営者としては、もったいないと思うんですけどねぇ、決して妥協しない歯医者さんなのです。
それに、ほかの歯科医師、歯科衛生士、助手、受付の女性スタッフの皆さんが明るく気さくで親切♪ メンテナンスを受けるときの歯科衛生士さんの施術もアドバイスも非常に丁寧です。そのおかげで長年の間、テキトーに磨いていたブラッシング方法も少しずつ上達してきました(…たぶん。笑)。

ようやく通い続けられる歯科医院が見つかったので、もう死ぬまで安心ですね~。良い歯医者さん探しは、がん治療や持病を診てもらう、かかりつけ医を探すのと全く同じでした。その後、吉富さんには何人もの友達が受診・通院するようにもなりました。

で、あるとき冗談で院長に「ホームページはリニューアルしないんですか? 私が作りますよ~♪(笑)」と言ったところ、本当に依頼していただくことに~。元は院長の手作りサイトだったそうです。
アレコレあって1年がかりとなったのですが、ようやく10月1日に公開の運びとなりました。ただし、ブログや問い合わせメールの設定が遅れたため、今になって、お知らせする次第でございます~。

クリニックの所在地は、小田急線「代々木八幡」駅・南口の改札を出た真向かいのビル。千代田線「代々木公園」駅・1番(八幡口)出口からも近いですね。

院長は吉富信幸(よしとみ・のぶゆき)先生、入れ歯(義歯)や噛み合わせ、インプラント、審美補綴が得意分野です。奥さまの吉富 桂(よしとみ・けい)先生は歯の矯正が専門。
2人の吉富先生は完全紹介予約制、ほかの先生も完全予約制なので、最初に受診できるまで日にちが掛かるかもしれませんが、同院のサイトをご覧になって共感できれば、相性の好い歯医者さんかもしれません。

私が通い始めた頃はビルの3階だったのですが、2階にも洗練されたデザインのスペースが増設されました。それらもサイトの写真でご確認ください。

●「吉富歯科医院」(東京都渋谷区)
http://yoshitomi-dental.com/

このサイトの制作スタッフは以下の通りです。
文章:吉富信幸(よしとみ・のぶゆき)院長
撮影:平松唯加子(ひらまつ・ゆかこ)
※ブログと症例の写真は医院スタッフによる撮影。
デザイン:富田麻衣子(とみた・まいこ)
Web構築:VEJ(ビジュアル アンド エコー・ジャパン)
ディレクション・編集・校閲・進行管理・雑用係など:広浜千絵

多くの医療系サイトの制作者は、あまり確認していないのでは?と思うのですが、我々は厚生労働省の『医療広告ガイドライン』と『医療機関ホームページガイドライン』にも、きちんと目を通した上で制作しております!!

スタッフの皆さんが持ち回りで担当しているブログ。
●「吉富歯科医院」スタッフブログ
http://yoshitomi-dental.com/?cat=3
日を追うごとに、いろんな示唆に富む話や親しみやすい身近な記事も増えていますよ~。ぜひ、お読みくださ~い!

吉富02.jpg



[本日のオマケ]
●「家庭薬ロングセラー物語 新今治水」(日本家庭薬協会)
http://www.hmaj.com/kateiyaku/konjisui/

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いやはや久しぶりに、ひどい風邪を引いて寝込んだけど、食欲は旺盛! [医療・健康&がん関連]

なぜか、がんを患ってから風邪を引くことが少なくなったので、食生活の改善と共に冷え性の私は防寒に気をつけるようになったのが功を奏しているんだな~と悦に入っていたのですが、何年かごとに風邪をこじらせることがあるんですよ。

そういうときは、まず首の後ろ側にゾワワッという感覚が忍び入るように、やってきます。次に、のどが荒れてイガイガした感じがあり、こりゃマズイかも~と思っているうちにクシャミ連発&鼻水タラタラ~という事態に。
ここまでくれば完全に風邪ですわね。全身にゾクゾクと悪寒が走り、熱っぽくなって関節が痛みだす。体温計で測ると37度を超えています。子どもの頃の平熱は36.2度ぐらいだったのですが、大人になってから低体温となり、平熱35.5度ぐらいなので、37度を超えると、かなりつらくなるんです。

そんなわけで10月最終週は、ほぼ寝込んでおりました~。でも、私の唯一の長所は、どんなに体調不良となっても食欲だけは旺盛なこと!

冷蔵庫には高知の「山下農園」のおいしい野菜がたんとあるので、いろんな野菜を刻んでは具だくさんスープを作りました。豆乳ベース、鶏がら中国風、コンソメ味、味噌汁のほか、フレークタイプのカレーやシチューの素も使用。それだけで6種類のバリエーションが作れるわけです。

それと、体力・免疫力の低下は“ちょっとだけ糖質制限ダイエット”のせいで、エネルギーが足りないからかも?と思ったので、ご飯を炊いてモリモリ食べました。

体調としてはヨレヨレ状態でしたが、どうしても仕事をせねばならないこともあり、ボケた頭を叩きつつ原稿チェックをしたり業務連絡メールを書いたりもしたのですが、何とか生き延びられたのは食事のおかげだと思います~。

昔から言われることですが、「食べられなくなったらオシマイ」。それをヒシヒシと感じた1週間でした。
でも、そもそも風邪を引いた原因を思い起こすと、三連チャンで朝まで飲んだくれたせい?とSNSに書いたら、誰も同情してくれなくなりました~。とほほ(涙)。

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「がんは再発・転移から始まる――再発・転移性がんの治療選択と治験」という講演会&シンポジウムが開催されたそうです。 [医療・健康&がん関連]

11日のお昼に“がん友”のKさんからメールが届いていました。
「昨日の朝、ラジオで知って、永田町 砂防会館へ行きます。」
とだけ書いてあったので、
永田町? 砂防会館? 政治集会にでも参加するのかな~?
と私は一瞬、考え込みました(汗)。

というのは私の完全な思い違いで~、
「砂防会館(さぼうかいかん)」とは
「全国治水砂防協会」の本部のあるビルのこと。
各種の学会や講習会、パーティなどが行われる
いくつもの会議室もあります。

Kさんから追って送られてきたメールには、
「がんの講演会&シンポジウムが13時半~17時まで開催されます。
初めてなので、ちょっとドキドキ。」
とあったので、どんな内容のイベントなのかな?と
ネットで検索してみました。


主催はNPOの「がんサポートコミュニティー」で、
「第12回ペイシェント・アクティブ・フォーラム」というイベント。
このときのテーマが
「がんは再発・転移から始まる
――再発・転移性がんの治療選択と治験」でした。
定員300名で、参加費は無料。
こういう医療関係のイベントの例にもれず、
後援には製薬系の団体、協賛には製薬会社がたくさん付いていますが、
NHKと読売・朝日・産経といった主張の異なる新聞3紙も
後援に名を連ねているのは、ちょっと珍しいような???

「再発」「転移」を主軸に据える講演・シンポジウムは多くないので、
私も行きたかった~!と思ったのですが、
こういう情報は、がん関連のメールマガジンを読んでいても
なかなか得られませんね。
Kさんも偶然、ラジオで知ったそうですし、
私はKさんから当日、お知らせメールをもらいましたが、
二日酔いで爆睡中だったため(恥)、
いずれにしても行けませんでした~(涙)。

がんに関しては、さまざまな団体が
全国あちこちで多様なイベントを開催しているため、
そうした情報は拾い切れませんから、
患者としてはチェックするのも大変なんですよね~。


今回の主催NPOである「がんサポートコミュニティー」は、
医師や看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーといった
専門家による心理社会的なサポートを提供しているそうで、
以前は「ジャパン・ウェルネス」という名称でした。
元々は、外科医の竹中文良さんという先生(故人)が
がんに罹り、それがきっかけで設立されたようです。

講演会の講師は「がん研有明病院」(東京都江東区)の
医師・畠 清彦(はたけ・きよひこ)さん。
同病院のサイトで調べたところ、
以下の役職を兼任している方のようです。

化学療法科・血液腫瘍科 部長・輸血部長
がん化学療法センター 臨床部 部長
新薬臨床開発センター長
細胞療法研究室 室長
外来治療センター長
ゲノムセンター ゲノム薬剤反応性プロジェクト 臨床研究グループリーダー

いやはや、肩書がいっぱいで大変ですねぇ(驚)。
優秀な先生だから負担が集中しちゃうんでしょうか?
それとも、「がん研」は人手が足りていないのかな~?


さて、「がんサポートコミュニティー」のサイトを参考にしつつ、
Kさんの参加したイベントの内容を簡単に整理してみましょう。

今回は再発・転移してからの
治療選択と治験について学ぶ機会だったようです。
以下は私が勝手に要約しましたが、
かなりシビアなことを正直に伝えているという印象をもちました。

●がんには完治を保証する治療法はない。
●がんにも種類や進行状態によっては標準治療がある。
●再発・転移性がんに対しては、「転移した部位の切除」「放射線照射」などの局所治療と、全身に散ったがんのコントロールを目的とする「薬物療法(ホルモン療法、抗がん剤治療、分子標的療法など)」が行われる。
●がん細胞に特有の浸潤・増殖・転移を進行させる受容体にフタをするような物質、もしくは信号が受け取れないようにする物質があれば、がんの進行が食い止められる。その物質が「分子標的治療薬」。
●ただし、分子標的治療薬の対象となる患者の適用範囲は広くない。
●標準治療のないがんや進行がんは「治験」も治療の一環と捉える。
●薬剤の治験に参加する患者は新しい治療法が受けられる半面、実験的な新薬の副作用による不利益をこうむる恐れもある。
●再発・転移性がんの治療は一定期間で終わらないため、自分の望む生き方や経済的な負担、家族の状況など、患者の環境によって選択する治療は異なる。

Kさんの感想は、
「基調講演の畠医師の巧みな話術が
とにかく会場を和ませていました。
なかなか面白い講演会でした」
とのこと。

畠医師の経歴を見ると、化学療法の専門医ですから、
メインはあくまでも「薬物療法」となるわけです。
同じお医者さんでも個人によって見解は異なりますから、
抗がん剤を全否定する先生もいますよね。

私としては近年の薬物療法は
副作用も軽減される傾向にあるようですし、
その療法を受けている期間中は大変な思いをしても、
その後、元気に日常へ復帰した“がん友”も
たくさんいるという事実は私の本でも紹介していますから、
無闇に化学療法を怖がる必要はないかな……とも思う次第です。

何より、この畠先生という方の考え方は、私も本に書いた
「がんと共に生きる」ということを示唆しているので、
勝手に親近感を覚えました~(笑)。

最近では「完治」「治癒」「克服」「完全寛解」といった言葉を
安易に使うお医者さんが増えているように思いますが、
それでも再発・転移する患者がいるわけですから、
患者に期待を過剰に抱かせる文言を口にするよりも、
「完治が保証されなくても、自分の心身に合う薬の力を借りつつ、
明るく笑いながら仕事や家事、育児など
日常に支障のない程度の生活が送れればいいじゃない?」
と言うほうが、より現実的ではないでしょうか。
もちろん、自分に合う薬に出合えるまでには
慎重を重ねて検討する必要はありますけどね。


畠先生は、さらに厳しい発言をなさっています。

●自力で身の回りのことができず、家族など介助者の手助けが必須の患者は、残念ながら抗がん剤治療を受けること自体が、生命を奪う危険性をはらむ。
●欧米ではムダな治療はせず、患者自身が最期をどうするのかを考える。
●抗がん剤は有効性もある半面、毒物・劇薬なので、体力がないと抗がん剤投与の1回でも耐えられない。
●化学療法1回だけで効果の出る薬剤や治療法はなく、継続して決められた回数を行わないと、効果があっても一時的に過ぎない。
●1回の抗がん剤治療を受けるだけでも、それに耐えられるだけの体力が必要。
●患者に認知症や精神疾患、アルコール依存症、薬物中毒などがあると、化学療法を行いたくても本人が同意書すら記載できず、副作用も理解できないので危険だから、抗がん剤治療は行わない。こうした人々は勝手に服薬をやめてしまう患者も多い。
●重症の糖尿病や心臓・呼吸器・肝臓の疾患、透析を受けている腎臓病なども抗がん剤治療は適用とならない。
●抗がん剤治療をするほうが、しないよりも利益がある患者だけに勧める。
●抗がん剤は進歩が顕著で、できるだけ副作用が予防できるよう改善されている。

以上に加えて、
化学療法の現状に関する畠先生の見解は以下のような感じです。

●抗がん剤治療によって再発が防げるようになった患者もいる。
●新たな抗がん剤で寿命が延長し、QOL(生活の質)も向上した人もいる。
●年間6~7種類の新薬が承認されるようになった。
●化学療法を受ける前に、がん以外の持病の治療を済ませる必要がある。
●欧米に比べてドラッグラグ(新薬の承認までに掛かる期間)は2~3年程度の差があるので、日本は改善が必要。
●健康保険の適用ではない細胞治療や漢方薬など、あやしい治療は受けないこと。
●混合診療には毎月300万円前後が必要になることを覚悟し、治療できないときはあきらめて、身の回りの整理をきちんとする。

……うーん。これが現実なんでしょうけれど、
患者にとっては、かなりキツイ内容ですよねぇ。
化学療法を望むのなら、心身ともに
それだけの覚悟をせよということですよね。
同時に、信頼できるお医者さんなのかもね?
と私には思えるのですが、実際にはどうなのかな~?


Kさんの報告によると、
直腸がんの女性患者が
「抗がん剤治療をしている期間でも
365日、飲酒してたので良かった」
と発言したそうです。
Kさんは、そのコメントを聞いて、
「あ、千絵さんも呑んでる!って思っちゃいました。」と(笑)。
私はたいして、お酒は強くありませんし~、
飲んだくれのイメージが強いようですが、ウチに酒類は置いていないので、
お酒を飲むのは外へ出掛けたときだけなんですよぉ。
それも週に1回程度。品行方正でしょ~?(笑)。
まぁ、いったん外へ出ると楽しくて帰りたくなくなっちゃうので、
つい朝まで飲んだくれるケースが多いんですけどね……(汗)。


ところで、肺がんの男性患者(63歳)は
「副作用を伴う抗がん剤治療よりも、
苦しまない人生を過ごすことを選んだ」
と語っていたそうです。

それを聴いたKさんは、
「どうやって生きるか、どうやって死を迎えるか。
考える余裕が、がん患者にはあるのよね」
と再認識したそうです。

そうなんですよね。私の“がん友”のほとんどの人は、
がんを発症して強く「死」というものを意識したけれども、
思い悩みながら闘病するうちに、
自分には、まだまだ時間があるんだな、と悟るようになりましたね。

世の中を見渡してみると、
突然の不慮の事故で、自分が死ぬとも認識しないまま
命をなくした人もたくさんいます。
がん患者はシンドイことも多々あるにはあるのですが、
とりあえず、がんで即死はしないので
その後の生き方と死に方を自分で検討する余地があるのです。

Kさんは悪性腫瘍の中でも患者の少ないタイプのがんなのですが、
こんなことを伝えてくださいました。

「私ががんに対して度胸を据えていられるのは、
独りじゃないって事が大きいと思います。
千絵さんと、千絵さんの本に感謝してます」

いや~、本当にうれしい言葉です。感激します!
発刊以来、さまざまな方々から、いろんな感想を頂戴しましたが、
昨夏から今春まで取材と執筆を続けながらもアレコレあったので、
鬱病が再発するかも~(泣)とまで追い込まれましたが、
何とか頑張って書き上げた甲斐があったと実感します。

私の本は胃がん&乳がんという自身の体験だけでなく、
“がん友”の皆さん12名の体験談も載っています。
その本のコンセプトは、
がんと診断されたらどうするか、という主旨なので、
取材に協力してくださった皆さんの思いは、
がんの“先輩”として
新たな“がん友”となった人々の一助になれば……
ということなんですよね。

つい自著の宣伝もしてしまいましたが~(笑)、
Kさ~ん、これからも一緒に頑張りましょう!!


[参考サイト]

●「第12回ペイシェント・アクティブ・フォーラム」の案内ページ
(特定非営利活動法人 がんサポートコミュニティー)
http://www.csc-japan.org/12th_patient_active_forum_2014.html


医者が癌にかかったとき (文春文庫)

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  • 作者: 竹中 文良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1994/05
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がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
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がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 発売日: 2014/05/08
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いったい私は何歳ぐらいまで生理痛に悩まされるのか?(泣)。 [医療・健康&がん関連]

世間では40代後半で閉経した人たちもいますが、私は40代半ばから生理痛が、さらに重くなりました(涙)。
初潮は12歳の頃だったと記憶しているのですが、当時からずーーーーっと生理不順。子どもが欲しいと思ったことのない私にとっては排卵や生理なんて全く必要のない現象なので、早くなくなればいいのに~と思い続けていました(今も)。

そのため、たぶん冷え性などが原因かもしれませんが、30代後半の頃だったか、年に3回しか月経のなかった時期もこのまま上がっちゃうといいなぁと本気で思い、婦人科で治療を受けようとも思いませんでした。

ところが、’05年末に乳がんの手術を受け、翌年の放射線治療のあと、再発予防ということでホルモン療法を5年近く続けたのですが、服用した抗がん剤(抗エストロゲン剤)「ノルバデックス(一般名:クエン酸タモキシフェン)」の影響で生理が順調に来るようになったのです。

この薬は簡単に言うと、乳がんのエサとなる女性ホルモン(エストロゲン)を抑える役目なので、副作用として閉経期(更年期)のような症状が現れやすいと言われています。
生理不順(私のように増えるよりも減っていくほうが多い)をはじめ、無月経や性器からの不正出血が起こる人もいれば、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、頻尿、便秘、下腹部痛、腰痛、頭痛、めまい、貧血、動悸、息切れなどの副作用が出る人もいます。

私が服薬し始めた頃はホットフラッシュ(急なほてりや発汗)と異常な寝汗を経験しました。むくみや体重増加を訴える人もいます。私の過食と体重が増えたのも、月経痛や経血量の増加も、「ノルバ…」のせいかも~。きー!!

また、この薬は長期にわたる服用により子宮筋腫や子宮内膜症、子宮内膜ポリープなどを生じる恐れもあるとのこと。近年では同じ成分で「タスオミン」という名前の薬も処方されています。

私は乳腺の主治医に「ノルバデックスを飲み始めてから閉経するどころか生理が定期的に来るようになって、もっとひどくなってきたんですよ~」と伝えたところ、先生は「まぁホルモン剤だからね、そういう作用が出ることもあるよね」と説明されました。

生理痛は毎回2日間ほど下腹痛と腰痛がつらいのですが、それでも若い頃は寝込むほどでもありませんでした。
でも、「ノルバ…」服用後は生理が始まるたびに2日間ぐらいは「痛いよ~痛いよ~」と、うめきながら寝たり起きたりという状態。このトシになってまで、かわいそうだわ~、私って。
「ノルバ…」は予定の服薬期間が終わって、すでに2年以上も経つのですが、生理は相変わらず25~30日周期でやって来ます。

タモキシフェン系の薬は子宮体がん発症のリスクが増すと言われているため、婦人科の定期的な検診も欠かせないのですが、2年ぐらい前から婦人科の主治医には「子宮内膜が肥厚(ひこう)してきた」と言われました。文字通り、内膜の厚みが増してきたということです。

でも、その先生が言うには「年齢の割に卵子の形は真ん丸できれいだから、産みどきですよ」って……。
「やめてくださいよ~、先生、私をいくつだと思ってらっしゃるんですか!」、そう答えたのですが、ホントに冗談じゃないよ~ッ。

以下、私と婦人科の主治医の会話。

ちえ 「いつ頃、閉経するんでしょうねぇ?」
先生 「60歳ぐらいまで終わらない人もいますよ」
ちえ 「えーーーーーッ!!(驚)」
先生 「閉経したらしたでホルモンバランスが崩れるから、
それも大変なのよ」
ちえ 「でも~、還暦まで生理痛があるのもイヤですよぉ(泣)」

友達に愚痴ったら、「卵子の数って決まってるらしいよ」と教えてくれました。そこで調べてみると、ヒトが女性として生まれる場合、すでに卵巣の中には卵子のもととなる「原始卵胞」というものが存在し、誕生の時点では、およそ200万個の蓄えがあるそうです。しかし、男性だと精子は毎日、生産と排出が繰り返されますが、女性の原始卵胞は出生時が最大個数で、あとは減る一方。

この世に生まれてから思春期を迎えるまでに卵子はどんどん自然消滅し、20~30万個ほどに減少するとか。その後も1日につき30~40個が減っていき、約1か月の生理ごとに1000個ぐらいの原始卵胞がなくなるそうです。
月経のある女性のほとんどは一生で300~400個程度、排卵するとのことで、避妊用ピルを服用している人や
何人もの子どもを産んだ人の場合はもっと少ないとか。

女友達の何人かは「初潮の年齢が早くて生理も毎月きちんと来る人なら、定期的に排卵するから、早く閉経するんじゃないの?」と言っていました。

12歳で初潮の私が生理不順でなかったら年間12個排卵するとして、300個の場合は25年でなくなるから37歳で閉経、400個は約33年として45歳で閉経。

え~、早すぎませんか? 私の計算が間違ってる?(汗)。

私のように生理不順の場合、初潮12歳で年に6回しか生理がないとして卵400個のストックがあるとしたら、
400÷6=66+12=78

へっ!? 78歳まで月経が……。

バカみたいだから、こんな計算はやめます~(笑)。まぁ個体差がありますからね、単純計算でわかるものでもないでしょう。

世の中には不妊で悩むカップルも多いので、そういう方々にとっては深刻この上ない話ですが、生理痛から解放されたい私にとっては、下品な言い方をすれば「いったい、あと何個で打ち止めになんのよ~?」という気持ちなんですよ。

一般的には女性が誕生してから50年も経てば卵巣の中の卵子はほとんど存在しなくなるはずだそうで、
それが「閉経」ということなんですね。つまり閉経とは、卵巣内に卵がゼロの状態。

そして、ヒトの体というものは、自分だけが若い若いと勘違いしていても、モデルやタレントのように見た目だけがどんなに若かろうと、周りから「若いですね~!!」とお世辞の嵐を浴びせられている人だろうと、卵子は自分と同じトシ。だから、お肌や髪のスペシャルなエイジングケアを痛々しいほど頑張っている女性もいますが、卵子はちゃんと老化しているんですね。トホホな感じですが、まぁ仕方がありませんな。

そのため、最近では不妊治療の一環として「卵子凍結」という方法を利用する人たちもいますね。この技術は、子どもが欲しいけれども抗がん剤治療を始めねばならないという若い女性たちにも普及しつつあるようです。

また、自分の卵子が卵巣にどのくらい残っているかは血液検査でも、ある程度は推定できるようです。ご興味のある人は「AMH検査」でネット検索してみてください。
(※AMH:アンチ・ミューラリアン・ホルモン、抗ミューラー管ホルモン)

日本における自然妊娠の最高齢記録は60歳だそうです。稀ってことでもないんでしょうねぇ。私もまだ妊娠できるらしいし(汗)。
更年期世代には望まない妊娠による人工妊娠中絶を経験する人たちもいて、全国的な統計(平成23年/厚労省調べ)では45歳以上の中絶は、この10年ほど毎年1000件以上を数え、50歳以上でも二十数件はあるのです。

私は最近、婦人科の検診で、こんなふうに言われました。「子宮内膜症ぎみで、子宮と卵巣が癒着しているようだ」。これも「ノルバ…」のせい? そうニラんでいるんですけどねぇ。

内膜症や癒着をはがす手術とかホルモン療法は、もうイヤだなぁ。更年期症状が起こってもいいから、一日でも早く閉経すれば内膜症は治まるかなぁ。内膜症で死ぬことはないだろうけど、ほかの臓器まで癒着が広がるのは困るなぁ。

ネットで調べてみると、どうやら股関節の痛みも癒着が原因ということも考えられるとか。まだ手術は勧められてはいないのですが、もう腹切りはイヤだよ~(泣)。
前々から気になっている漢方を試すのも一手?とも考えている今日この頃なんですが、いずれにしても、さらに医療費を稼ぐ手段も考えないと~(汗)。

ともあれ、タモキシフェン系の薬を飲んでいる方は、主治医からも言われていると思いますが、定期的に婦人科も受診しましょう。

最近ではホルモン療法の期間についても長く継続するほうが効果的という意見があり、服薬期間が5年から10年へと延長するという話もあるようです。そうすると、副作用に対する処置がもっと重視されないことには続けたくても続けられない人も出てきますよね。

医師から「がんの再発予防に」と言われると、つい「薬を飲まなくちゃ」と思い込むものですが、その有効性はどこまで信用できるのか、日常生活に負担が増えるほど服薬する必要が本当にあるのか、製薬会社のデータの信憑性は等々、調べたり検討したりすべきことは山積みです……。

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[本日のオマケ]

生理痛などを軽減するツボ押しについて、鍼灸院の院長・橋添久昭さんが詳しく解説。
●「東洋医学のマメ知識 <自宅でできる簡単治療のツボ>」
(「癒久」札幌市)
http://yukyu-h.com/6_mame.html

生理痛には「血海(けっかい)」というツボが効くそうな。私は水分不足と冷えで、こむら返りをよく起こすのですが、
そのときにはツボ押しも実践しています。即効性はないのですが、痛みを少しでも忘れるための気休めでもいいかと。
ツボは押すと痛みを感じるので、場所がわかりやすいですよね。でも、ツボと書いてある部分はもちろん、どこを押しても痛いんですけど、私の体は大丈夫なんでしょうか~?(苦笑)。

『がんサポート』(エビデンス社)のサイトから乳がんのホルモン治療に関する記事をピックアップ。かなり前の日付のものもありますが、内容としてはさほど変わっていないので、参考までに。

●「ノルバデックスを服用中に子宮筋腫が悪化してきた」
http://gansupport.jp/article/qa/breast_qa/breast01_qa/4887.html

●「乳がんのホルモン療法による副作用『体重増加』をどう防ぐ?」
http://gansupport.jp/article/treatment/hormone/hormone01/3919.html

●「ホットフラッシュ、関節痛、うつに対処し、治療を完遂する方法
 ホルモン療法中のつらい副作用は、こうして乗り切る!」
http://gansupport.jp/article/treatment/hormone/hormone01/3912.html

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糖質控えめ、ゆるゆるダイエット続行中、1か月弱で1.2㎏減……だけど。 [医療・健康&がん関連]

8月の時点で56㎏あった私の体重は、9月11日には55.4㎏になっていました。そこから炭水化物を控えめにしたところ、10月1日には54.2㎏に。1200g程度、減ったわけですが、その間に私が実践した食生活は……。

普段、お米は3合ずつ炊いて冷凍するのですが、炊き立てのホカホカを9つに分けてラップで包み、冷めてから冷凍庫で保存します。湯気ごとラップで包むと、レンジ加熱したときに炊き立てのような仕上がりになるんです(ご飯が冷めてからラップで包んで冷凍すると、加熱したときにはパサパサに~)。

ともかく、1食分がお米1合を3等分した量ですから、よく食べる人の丼1杯分ぐらいが私の3食分というわけですね~。
食パンなら、本来は厚切り(1斤を4等分)にバターたっぷり~♪が大好き(マーガリンは元々、味が好きじゃないので買いません)。それを5枚切りか6枚切りの厚さに変更し、何も塗らない。代わりにサラダを主食のように多めにして、水切りヨーグルトを添える。

これから寒くなると生野菜は体を冷やしますから、蒸した温野菜がいいですね~。高知の「山下農園」の野菜を定期購入するようになってから、以前よりも野菜を食べる量がグンと増えたし、使う種類も増えました。毎週、送られてくる旬のものを適当に取り合わせるのですが、何が届くかわからないので、それがまた面白いんですよ~。

ほかには、こんにゃくを野菜と一緒に炒めたり煮たり。生協(私は「パルシステム東京」の会員)で販売しているピリ辛ソース付きのソテー用こんにゃくなども使って手抜きします(笑)。お豆腐も毎週の購入リストに加わりました。

麺類も大好きなんですけど~、焼きそば・うどんは買うのを少し控えるようになり(お蕎麦は食べるとしたら外食のみ)、スパゲティなどのパスタ類、そうめんは茹でるときの量を少し減らし、野菜の種類と量を多めにする。小麦の麺の代わりに春雨やビーフンも取り入れてみようと思っています。

パスタなら味付けは塩かペペロンチーノ風で、野菜たっぷり。ソースで和えるだけの料理は作りません。クリーム系が食べたくなったら豆乳で似たような感じに作る。今の時季なら、きのこ&色とりどりの野菜の豆乳ソースとかね♪

胃を切ってからはラーメンを食べる機会も減りましたねぇ。スープとも全部たいらげられないから、申し訳なくてラーメン屋さんにも行かなくなったし(涙)。でも、痩せないと嘆く人の多くは、飲み上がりにラーメン屋さんに寄る人が多い気がしますよ~(笑)。

私はウチで揚げものは一切しないのと、ハンバーガーなどのファストフード店にも滅多に行かないので(打ち合わせや待ち合わせなどで指定されたときぐらい。でも、数年に1度あるかどうか?)、必然的にカロリーは抑えられますね。

最近では菓子類など甘いものも、さほど食べたいと思わなくなりました。今年の夏なんてアイスクリームを口にしたのは9月上旬に「菊うら」のコース料理で出された「ミルクアイス」(スプーン2口分ぐらい)だけです。果物もゴールデン街のお通しで出たときに、いただく程度。

食べ方として実行しているのは、
・いったん口に入れたら箸やフォークなどを置き、咀嚼して(よく噛んで)飲み込むまで箸を持ち続けない。
・50回ぐらいは噛む。
・私は右利きなので、フォークやスプーンの場合は左手を使ってみる(使いづらいので食べるのも遅くなる)。
・食べることに集中すると早食いになりがちなので、行儀が悪いけどテレビやパソコンの画面を眺めながら食べる。

私は子どもの頃から食べるペースは遅いのですが、こうすると、どうしてもゆっく~り食べるようになるので、おなかがいっぱいになった気がして暴食しなくなります。食事の作法には適(かな)っていないので、自宅で一人のときに限りますね。マナーを身につける段階の子どもたちの前では、できませんから、ご家族やお子さんのいる人は、誰もいないときにどうぞ!(笑)。

自宅での食事を粗食にするとストレスも溜まりますから、外食のときは全く気にせず、好きなものを食べます。だいたい糖質を本気で制限する気なら、お酒を飲むこと自体がNGでしょ~(笑)。

私は貧血治療をしているので、定期的に血液検査も受けていますが、血糖値の指標「ヘモグロビンA1c」は、ずっと正常値です。こういう人は極端な糖質制限はしないほうが良いと思います。
そして、胃を3/4切除した私は胃が全部ある人に比べると低血糖症状を起こしやすいので、これまた糖質を制限するのもイカンと思うのです。

当初は「年末までに50㎏」を目標にするつもりでしたが、これまでダイエットをしたことがなかったので、急に体重を落とすと貧血が悪化する恐れもあるし、うまく脂肪だけが落ちればいいのですが、減量すると筋肉から減っていくらしいので、そうなると運動不足で筋力のない私の体は、ますます弱っちゃいますよね~。

このところ、体がだるいのと眠気が抜けないのも更年期だしな~と思っていたのですが、糖質制限のせいで、そういう症状が出る人もいるようです。

中には、ご飯や麺類などを完全に断って、肉類などたんぱく質が中心の食生活というハードな糖質制限を続けたところ、減量には成功したけれど筋肉量も落ちて体力が低下したとか、骨粗鬆症になったというケースもあるそうです。
また、肉料理に偏った揚げ句、高脂血症になったり、コレステロールの増加で血管が詰まって、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まったり、という人も。

……お肉を食べているのに筋肉が減るの~?

これは糖から作られるエネルギーが足りなくなると、私たちの体は自身の筋肉を分解してアミノ酸に変えて補完しようとするからだそうです。

ふーん、なるほどねぇ。
結局のところ、昔から言われるように、「バランスの良い食生活」が大事ということのようですね。

私はこの1年の間に太ったことで体調が良くなった部分もあるんです。たとえば、
・おなかを下しにくくなった。
・食事中や飲酒中に昏睡するように寝てしまう頻度が低くなった。
・血液検査のヘモグロビン(赤血球)の数値が上がってきた。
・手足が氷のように冷たくなるのが、少し緩和した。

それに加えて、
・以前よりも、お酒の量が飲めるようになった。
・たくさん飲んでも、さほど酔っ払わなくなった。

ん~? これはイイことなのかな~!?

ともあれ、ウエストと太ももが以前のサイズに近くなれば、着られなくなった洋服も入るようになるので~、不経済防止のためにも認知症予防のためにも、「野菜中心」「朝とお昼は糖質もバランス良く摂る」「夜中に炭水化物は避ける」「できるだけ夜食はガマン」、この程度は続けてみようと思います~。

ところで、私は「糖質=炭水化物」と思い込んでいたのですが、「炭水化物=糖質+食物繊維」だそうですよ。

「糖質制限」という言葉が広まったのは、医師の江部康二さんの影響です。ご自身が糖尿病になったことで勉強した成果をもとに診療の場でも活用してみたら、効果があったという患者も出てきて、著作もベストセラーを連発するようになったわけですが、私は昔々、この先生に取材したことがあるんです。

一度だけ健康雑誌の仕事を請けたことがあり、そのときのテーマがアトピー治療ということで、京都の「高雄病院」まで取材に伺ったのですが、そこは“江部兄弟”の漢方治療で有名な所でした。
江部康二さんの2歳上のお兄さまが江部洋一郎さんで、今ではそれぞれ別のクリニックも経営し、お兄さまは漢方の生薬による治療を続けているようです。

「高雄病院」までは京都駅からバスで1時間近く掛かったので、えらく遠かったな~という記憶が残っていますが、同時に、明るい笑顔の患者が多かったのも覚えています。
ひと目で重症のアトピーだとわかる人や、よその病院で処方されたステロイドの副作用でムーンフェイス(満月様顔貌)になった人もいましたが、江部兄弟の「アトピーじゃ死なないから大丈夫。漢方でゆっくり治していけばいいんだよ」という考え方が浸透しているようでした。

このとき取材した他の医療機関には、アトピー患者の弱みに付け込むような商法の所やエビデンス(科学的根拠)の全くない実験のような療法を積極的に勧めている所もあったので、私は「高尾病院」に行ってホッとした気分になりました。まぁ20年以上も前の話ですから、現在の病院の状況や江部兄弟先生については何もわからないのですが。

私はその健康雑誌に掲載された怪しげな療法やクリニックに関しては批判的な文章も書いてしまい~(汗)、また、うさんくさい民間療法の片棒を担ぐ気もなかったので、月刊のレギュラーになれるはずだった仕事を降りてしまったのでした。ああ、根っからの貧乏性なんだわ~(泣)。

[本日のオマケ]

糖質制限食は是か非か? いろんな意見に耳を傾けてみないことには判断もつきませんよね~。最終的にどうするかは自分で選ぶ。がん治療と一緒! 参考になりそうなサイトの一部を挙げておきます。

江部康二さんのブログ。
●「ドクター江部の糖尿病徒然日記」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/

管理栄養士さんの意見。
●「最近の食事に関する話題、糖質制限食の功罪」
(林 京子/「和田内科医院」京都市)
http://wada-naika.jp/nagomi/index.cgi?no=1350341272

「日本糖尿病学会」の推奨派と慎重派の議論。
●「m3.com 医療維新 臨床賛否両論 DMの糖質制限食、薦めるか 学会提言から1年の変化は?」
(m3.com編集部 酒井夏子)
https://www.m3.com/open/sanpiRyouron/article/219260/
※上記のサイトで続きが読めないときは、
「DMの糖質制限食、薦めるか」で検索してみてください。

TV番組の内容が文字と写真で把握できます。動画も視聴OK。
●「クローズアップ現代 糖尿病の“常識”が変わる」
(NHK/2012年8月30日放送)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3239_all.html


[追記:2016.7.6]
……結局、意志の弱い私にダイエットなんて続くわけがないのです~。現在、梅雨時で蒸し暑いにもかかわらず、食欲モリモリ~!! 好きなものをおいしく食べないと、生きてる甲斐がないも~ん♪

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ご飯やパンなど「糖質控えめダイエット中」の私ですが~、なかなか落ちないねぇ。 [医療・健康&がん関連]

さて、体重が増えると本当に乳がんは再発しやすくなるのでしょうか?
(※前日の続きです。9月10日の記事も、ご参照くださいまし )。

今年の5月下旬、「米国臨床腫瘍学会(ASCO)」は
「ステージⅠ(1)~Ⅲ(3)のホルモン受容体(HR)陽性乳癌患者への
補助内分泌療法に関する診療ガイドライン」を更新しました。

乳がん患者の中で最も多いのが「ホルモン受容体(HR)」陽性のタイプ。
患者全体の60~75%が「エストロゲン受容体(ER)」陽性で、
その中の65%が「プロゲステロン受容体(PgR)」も陽性です。

「エストロゲン」とは「卵胞(らんほう)ホルモン」のことで、
女性の思春期から主に卵巣で作られ、わずかに副腎皮質でも作られます。
乳房がふくらみ、生理が始まるといった第二次性徴は、このホルモンの作用によるもの。
「プロゲステロン」は「黄体(おうたい)ホルモン」のことで、
卵巣の黄体や胎盤より分泌され、妊娠の維持などに関連する作用があります。

いずれも乳がんの発生や増殖とも関係の深い女性ホルモンです。

「ホルモン受容体」とは「ホルモンレセプター」とも呼ばれるもので、
ホルモンと結合する受容体タンパク質のこと。
いわばホルモンをキャッチするアンテナのようなものです。

乳がん細胞の表面には
「エストロゲン受容体(ER)」と「プロゲステロン受容体(PgR)」があり、
それぞれたくさんあると、エストロゲンやプロゲステロンがキャッチしやすくなる、
つまり、乳がんのエサをいっぱい取り込んでしまうことになるわけですね。

受容体が一定数より多い場合を「陽性」と言うのですが、
「ER」も「PgR」も陽性だと乳がん発生のリスクはもとより、
ひと通りの治療後の再発リスクも高くなると言われています。
しかし、「ER」や「PgR」が陽性の場合は、
ホルモン療法によって再発リスクを低減できる効果が期待できます。


私も含めて乳がんでホルモン療法を受けた“がん友”たちは、
主治医から「あまり太らないようにね」と指導されています。
と言うのも、体重が増えると女性ホルモンの働きも活発になる、
要するに、乳がんの再発リスクも高くなると言われているからです。

がん関連の製薬会社のスポンサーがたくさん付いている
情報サイト『がんナビ』(運営:日経BP社)の記事は、
いつも薬に関する内容が多く、それも専門性が高くて理解しにくいのですが、
6月に掲載された乳がんに関する記事をザッとですが説明してみますね。

結論から書くと、
「早期の乳がんで、閉経前である(卵巣機能が維持されている)
エストロゲン受容体(ER)が陽性の患者だけは、
手術のタイプやグレード(異型度・悪性度)、腫瘍の大きさ、
リンパ節やHER2(がん遺伝子)の状態、
化学療法やホルモン療法の有無には関係なく、
太ること自体が乳がんの死亡率に明らかに影響する」
ということのようです。

・早期(Tis期=非浸潤がん/0期=しこりなし/I期=2㎝以下でリンパ節に転移なし)
・閉経していない
・ER陽性

……私はこの条件に完全に当てはまるので、
今の“ぽっちゃりさん”状態は危険ということですねぇ。うーむ。


この場合の「肥満」の定義は
WHO(世界保健機関)によると「BMI≧30kg/m2」だそうです。
まず自分のBMIを計算してみましょう。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
※BMI:Body Mass Index(肥満指数)

性別に関係なく、以下のように判定されます。
BMIが18.5以上25未満→「普通体重」
BMIが25以上→「肥満」

私の場合(身長は切り下げにして計算)
BMI=体重56kg÷身長1.66m÷身長1.66m=20.322…
昨年の夏までは
BMI=体重50kg÷身長1.66m÷身長1.66m=18.144…

これだと「痩せぎみ」から「普通体重」になっただけじゃないか~、
と言われそうですが、
数値だけで判断して安心するのではなく、
ここ15年ぐらい変化のなかった体重が急激に増加したことによって
乳がんに影響を与えるホルモンが活性化すると、
なんともないよ~ということはないんじゃなかと思うんですよねぇ
(これは医学的な根拠は全くなくて、独自の見解に過ぎませんが)。

ま、がんが再発するとか転移するとかは
一つの要因だけではないでしょうし、
周りの“がん友”を見渡しても、
進行がんで見つかろうと再発・転移しようと
元気な人は元気!なんですよね~。
こればかりは個々人の「生命力」としか言いようがありません。


ともあれ、今年の8月は戦争に関する独学月間ということもあり、
在宅期間も長くて散歩すらしなかったのですが(暑かったし~)、
「ご飯・パン・スパゲティ・マカロニ・そうめん」等の量を減らしてみました。
野菜3:肉・魚介1:炭水化物(糖質)1といったバランスです。
フルーツや菓子類なども、口にするのは外食時のみ。
私は自宅にお酒を置いていないので、うちに居るときは1滴も飲みません。

ではでは、9月に入ったので体重を測ってみましょ~!

……55.4㎏。うっ、600g減っただけかぁ(泣)。

ダイエットって大変なんですねぇ。
ああ、もう夏の服もほとんど着ないまま秋になったな~。
年末までに5㎏の減量を目指しますッ!


[参考資料]

●『がんナビ――肥満が乳癌死に独立した影響を与えるのは閉経前エストロゲン受容体陽性患者のみ、70試験8万例の解析で明らかに』
(2014年6月2日付/医学ライター・中西美荷さん/日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/201406/536735.html

乳がんの既往症があると、
「エストロゲン(卵胞ホルモン)」「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が
主成分のピルは処方されなくなるそうですが、
乳がん患者でなくても、生理不順や無月経などの治療用として
「高用量ピル」を服用している場合は、以下の記事も読んでみてください。

また、日本では避妊用なら、ほとんど低用量のピルを処方するはずですが、
もし中用量や高用量のピルが処方されているなら、
主治医と相談の上、見直しを検討したほうがいいかもしれません。

●『がんナビ――高用量のエストロゲンなどを含む経口避妊薬を過去1年以内に使用した女性で乳癌のリスクが上昇する可能性』
(2014年8月4日付/医学ライター・森下紀代美さん/日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/201408/537798.html

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胃がんの私は太ると褒められ、乳がんの私は太ると叱られる~。 [医療・健康&がん関連]

この1年の間に体重が50㎏から56㎏に増えた私は、久しぶりに会う人たちから「太った?」「ぽっちゃりさ~ん♪」「ふっくらしたねぇ」などと声を掛けられるようになりました(汗)。

昨年の初夏から、がん本の取材と原稿書きが続き、晩秋からはレシピ本の制作に追われていたので、引きこもり期間が非常に長くなったんですよね~。たっぷりストレスも溜まった分、夜中に、ご飯やパン、パスタなど炭水化物を食べまくっていました。糖質の摂り過ぎのツケは、ちゃ~んと回ってくるんですね…(涙)。

それ以前にも乳がんのホルモン療法の薬の副作用(体重増加)に加え、再離婚前には鬱になって過食・過眠に陥った影響もあるので、さまざまな心身の状態の結果が「6㎏分の脂肪」というわけですわ。私は台所に立って調理する時間だけが運動(?)なので、筋肉が増えているとは全く思えませんし。

ということはですよ~、霜降りどころか赤身もなくてアブラ身だけ6㎏も付いたって……想像してみるとコワイよ~、ひぃ~!!

ストレス、食生活の偏(かたよ)り、肥満は、がんだけでなく、いろんな病気の誘因となりますよね。あ、だから私は大腸ポリープもできたのかなぁ。

私は年齢の割には背が高いほうなのと(167㎝弱です)、周りのほとんどの人は私のがん体験を知っているので、
「前は痩せ過ぎだったよ」「トシ取ったら太ったほうがいいんだよ~」「健康的でいいじゃん!」などと慰めてくれるのですが~、何といっても生まれてこの方、最大の体重なので、おなかと背中と太ももがタプタプと波打って音がするような感覚だし(泣)、二の腕はタルタルで振袖状態。

去年までのノースリーブやピタッとしたニットは体中の脂肪がボコボコと立体的に見えるから着られやしないし(涙)、スカートやパンツも全く入らなくなって同じ格好ばかりしているから哀しいし、今のサイズに合わせて新しい服を買うのはシャクだし、何よりも不経済だし~!!!!!(号泣)。

しかし、胃がんで胃を3/4切った術後には47㎏まで落ちたので、それを考えれば太れるなんて大歓迎!のはずなんですけど、その後、乳がんにも罹った私としては太ると再発率が高くなる……そうなんです、リスクが大きくなると言われているんですよ~。
主治医からも「体重が増えるのは、ちょっとね……」と注意されました(もちろん乳がんなら全員が全員そうというわけではありませんが)。

親しい人たちが「太れて良かったね~♪」と喜んでくれたときには、あえて余計な説明をして「そうだったんだ~、ごめんね…」と気を使わせるのも申し訳ないので、「たはは~」と笑い返すだけですが(時には、きちんと説明もしますが)、気の合わない人、からかい目的の人から「おっ、太ったな!」とか「体重何キロになった?」などとニヤニヤうれしそうに言われたときには、以下のように言い返します。

「私は乳がん体験者でホルモン療法の薬の副作用で太ったんです。乳がんの場合、体重増加は再発リスクが高まるので、『太った』と、からかわれると不安になる人もいるから、女性には見たままを口にしないほうがいいですよ! だいたい女に年齢とか体重を聞くなんて失礼でしょうが。だからモテないのよ~!(笑)」

相手が誰であろうと無礼な言い方をされたときには、私ならいくらでも言い返しますが~(100倍返しだッ!)、とっさには何も言えなくて傷つくだけのがん患者もいるんですよね。だから、これもまた“一人啓蒙活動”の一環なんです。

だけど、これは女性も男性もゲイの“がん友”も同じ話なんですが、がん患者で「自分は周りから傷つくようなことを言われがちだな~」と思う人は、少しずつでいいから言い返す強さを身につけていきましょうよ! それは同時に、病気をはねのける強さにも繋がると思うのです。

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書


がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/05/08
  • メディア: Kindle版


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乳がん友の皆さ~ん、治療中&治療後の日常生活に関する情報です~。 [医療・健康&がん関連]

近年、日本では「乳がん」と診断される女性が増えています。とは言え、がんの中でも長く生きる人の多い種類のがんでもありますよね。だからこそ、これから治療に臨む人はもちろん、今、治療中の人や、ひと通りの治療を経た人も、日常生活を少しでも快適に過ごせないか、できるだけ、がんに罹患する前の暮らしに近い状態で毎日を送りたい、そんなふうに思うのは当然です。

特に乳がんは女性患者が大多数の疾患なので(※稀ですが男性の乳がんもあります)、やはり病中だろうが病後だろうが、ファッションは気になるもの。
「大病なんだから、そんなことに構ってらんないわよ!」と思う人もいるでしょうけど、帽子やカツラ(ウィッグ)、下着だけでも気分転換になったり、前向きに闘病する気持ちが生まれたりすることもあると思いますよ。

私のがん体験本にも登場する、抗がん剤の副作用で脱毛した乳がんのBさん(取材当時56歳)は、髪が抜けるということが非常にショックで恐怖と絶望を感じましたが、「カツラを作ったからこそ、つらい治療も乗り越えられた」と話しています。

Cさん(当時49歳)は入院前にロングヘアからショートにした画像を送ってくれ、脱毛してからは「ハゲた私もカワイイよ~!」とメールに書いてきました。
彼女の主治医は40代半ばの男性ですが、頭頂部がけっこう薄くなっているので、脱毛することを気にするCさんに対し、「抗がん剤の脱毛は、また生えてくるんだから僕よりいいよ~(泣)」という慰め方をしてくれたそうです。良い先生ですよねぇ(笑)。

Jさん(当時43歳)の場合は「気になるほどは抜けなかった」と言っていました。脱毛するタイプの抗がん剤だと髪だけでなく眉・まつ毛、ほかの体毛のすべてが抜けると言われていますが、体質にもよるのでしょうか。

私の乳がんのときは抗がん剤で脱毛するものだと覚悟していたので、長年、親しくしてもらっている美容師さんに頼み、入院の直前に長かった髪をバッサリ切って手入れのしやすいショートにしてもらい、その後の脱毛に備えたのですが、主治医から「あれ?切っちゃったんですか? 脱毛する抗がん剤は使いませんよ~」と言われました(驚)。

だったら先に教えてよ~ッ!!!(怒)

と言いたいところなんですけど、実際は術後に摘出したがん細胞を病理医に診てもらい、どういうタイプのがんなのか「確定診断」が出ないことには術後の療法や薬物の内容も決められないんですよね~。だから、主治医が先に言えないのは、しょうがないんです。

入院中は頻繁に洗髪できないので、ショートヘアのほうがラクですよ。でも、がんの先輩で経済的に余裕のあるオバサマは、入院先の病室にも毎日、美容師さんを呼んでシャンプー&ブロウをしてもらっていました。
こればかりはヒジョーに、うらやましいのですが~、そういうことが可能な人は病室の設備自体も違うんですよね。
私のように自分で洗髪するしかない人は入院前に短くカットするか、ドライシャンプー(洗い流さないシャンプー、水のいらないシャンプー)を持参するといいでしょう。

新聞社のWebサイトで、がんや脱毛症の患者専門の美容室を営む美容師さんが紹介されていました。三田果菜(さんだ・かな)さんという30代の女性で、10代後半のときに家族が抗がん剤で脱毛した姿を目の当たりにした経験が、専門のサロンを立ち上げるきっかけとなったようです。個室で施術が受けられる上、カウンセリング(相談)料は無料だとか。

化学療法で脱毛する場合は、毛髪がどのように抜けるのか、髪が抜けるとどうなるのか(見た目の変化やお手入れの方法など)、脱毛期間には何が必要なのか(帽子やカツラ、便利なグッズ等)といったことが事前にわかりませんし、一般の美容師さんは、がんに関する勉強はしていないので、専門性の高い美容師さんにアドバイスやケアをしてもらえるのは心強いと思います。

●「美容室Ccure(クキュア)」(京都府)
http://www.happybp.net/
●「〈ハタラク〉をデザインする salary編――がん患者のための美容室で笑顔を生む」(『朝日新聞デジタル』2014年8月8日)
http://www.asahi.com/and_w/life/SDI2014072516311.html?iref=andwtop_timeline
●ウィッグ販売「ヘアサプライピア」(静岡県)の商品を取り扱う全国の連携店&取扱店
http://team-peer.com/network
※ほとんどが美容室。カウンセリング自体は無料だそうです。上記の「美容室Ccure(クキュア)」もリストに入っています。

脱毛で変化する頭のサイズに合わせられるオリジナルデザインの帽子を手作りし、販売しているサイトもあります。運営は山崎仁美(やまざき・ひとみ)さん。
●「ハンドメイドハット」(神奈川県)
http://www.netstyle.org/hat/

“しめつけない帽子が快適な帽子”というのがコンセプトのようですね。治療前・治療中・治療後と変化する頭のサイズに対応する上、季節に適した素材選びにも、こだわりが感じられます。
でも、ここのサイトの説明文は非常に細かくて、ちょっと読みづらいレイアウトなのですが~(泣)、誠実なモノづくりをしている所だろうと思われます。商品は都内など首都圏でも見たり試着したりできる所(病院など)もあるようです。
http://www.netstyle.org/hat/shop.html

頭をすっぽり覆うタイプの帽子を使う間は、服や靴などもカジュアル系かナチュラル系にしないとバランスが取れなくなりますよね。私なんかはカジュアルな感じがほとんどだから合わせやすいのですが、普段、カチッとしたスーツまたはフェミニン系スタイルの人は手持ちの衣類に合わなくて困るかも……。

でも、この機会にカジュアルなファッションも楽しんでみよう! そんなふうに発想を切り替えては、いかがでしょう? コーディネートのセンスを磨くチャンス♪と思うことにするとか。

仕事でどうしてもスーツ着用が必須の人なら帽子は難しいですよねぇ。その場合、仕事の現場ではウィッグ、プライベートは帽子または付け毛のある帽子と使い分ける方法も。ファッションに迷う人は美容師や帽子デザイナーの方々にアドバイスを求めるのもいいと思います。

それから、来年に発売予定の商品の話なんですが、「がん研究会」と「東レ」が乳がん患者向けの「ケアウェア(患者用衣料)」を共同開発中だそうです。
これは放射線療法によって引き起こされる「放射線皮膚炎」に悩む患者のために、体を締め付けず、肌への刺激も低減し、患部の保護もしやすいという下着で、現在、「がん研有明病院」の乳がん患者らに試着を依頼し、改良を進めているようです。

私は乳がんの術後の放射線療法で通院中~治療後しばらくは、放射線を当てた右側の乳房の患部周辺が日焼けしたような薄茶色に、肌はカサカサになりました。ほかは少しかゆみが出た程度でしたが、中には照射したあたりがグジュグジュに爛(ただ)れてしまい、痛みや患部からの浸出液による下着の汚れに悩む人もいるのです。

ある“乳がん友”の一人は今年の初夏に温存手術を受けたのですが、術創(切開した傷口)が化膿してしまい、「下着が肌に当たるだけでも痛くて……」と困っているようでした。「放射線皮膚炎」と同様、患部には軟膏を塗り、ガーゼを貼って保護するのが一般的ですが、それを覆う普通のブラジャーやキャミソール、タンクトップなどでは皮膚への刺激が強く、また、塗り薬が付着してシミになってしまう、といった問題があります。

●「乳がん患者向けケアウェアの共同開発」(東レ プレスリリース/2014年7月10日)
http://www.toray.co.jp/news/fiber/detail.html?key=E10A29203433AEA149257D12000DEB3C

上記のプレスリリースに試作品の写真が載っていますけど、ひと昔前のスポーツブラのような形状です。こうした専用アイテムってオシャレじゃありませんよね~。それに女性向けというと、なんでいつもピンクなの!? まぁ、あくまでも試作品で来年の販売時には生地の色も替わり、デザインも洗練されるかもしれませんが……。

私は「外科手術のあとは専用のブラが必要なんだ」と、これまた当時は思い込みが激しかったようで、入院前に「ワコール」の術後専用ブラジャーを用意したのですが、実際には一度も着用しませんでした。だってノーブラのほうがラクなんですもん! ま、私の場合は入院期間が年末の真冬だったということもあるのですが、1週間ほどの入院中、ブラジャーを着けた記憶はありません。

●「術後の胸にやさしいブラ」
http://www.wacoal.jp/remamma/item/bra01.html
私が入院したのは’05年末なので当時の製品は薄いピンク1色だけでしたし、さらに改良が重ねられていると思いますが、私としては「ムダな買い物をしちゃったな~」という後悔のみ(笑)。
でも、乳房の形が崩れるのは少しでも防ぎたいと思う人や術後のむくみを軽減したいという人などは、こうした専用のブラジャーやカップ付きキャミソール&タンクトップ、弾性着衣などを試すのもいいかもしれません。

(※以下のサイトは、ほんの一例です)
●「ワコール リマンマ」
http://www.wacoal.jp/remamma/
●「ユコー」(東京都荒川区)
http://www.yukor.co.jp/
●「ブライトアイズ」(長野県)
http://www.be-japan.com/
●「アン」(神奈川県)
http://inner.in/

ところで、製薬会社「エーザイ」が乳がん患者の日常生活をサポートする、さまざまな情報を集めたサイトを開設しました。ビタミン剤「チョコラBB」、胃薬「サクロン」等でおなじみの「エーザイ」は、抗がん剤も開発・販売している会社です。乳がん関連の製品は「ハラヴェン静注(一般名:エリブリンメシル酸塩)」。これは手術不能または再発乳がんの治療薬として使用されています。

乳がん患者向けのサイトのキーワードは「おしゃれを楽しむ」「旅を楽しむ」「食事を楽しむ」「心身の疲れをとる」だそうで、それぞれに関する情報は「温泉」「美容室」「洋服屋」「レストラン」「フィットネス」「本屋」「病院」などのカテゴリに分けて検索しやすい構造となっています。

一部、まだ完成していないページもあるようですが~、自分に必要な情報が見つけやすいかも♪

●わたしらしい暮らしを楽しむ乳がんの方のためのサイト
「BreCare Garden(ブレケアガーデン)」(運営:エーザイ)
http://brecaregarden.jp/

……それにしても私のような職種だと、どうしても気になる言葉があります。最近では用字用語集でも「洋服屋」「本屋」のような「○○屋」と呼び捨てする表現は避けるように気を配り、「八百屋」は「青果店」、「魚屋」なら「鮮魚店」、「洋服屋」だと「衣料品店」「アパレルショップ」とか(ひと昔は「ブティック」とも)、もしくは「洋服屋さん」などと書くのですが、「エーザイ」のサイトのような表記を見るとドキッとしますね~(笑)。

脱毛中に使用する医療用ウィッグ(カツラ)に関しては、メーカーもたくさんありますし(金額はさまざま)、リサイクル品を無料または安い料金で貸し出すNPOもあります。また、傷あとをカバーするメイク用品や失った肉体の一部をシリコン等で再現する人工ボディなどのメーカーも。

以上のことは私の本の巻末に載せた「闘病生活に役立つウエブサイト」(P.196~197)で紹介していますので、それらも参考になさってくださいまし。

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
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“がん友”の皆さん、患者会に参加したことはありますか? [医療・健康&がん関連]

NHKの福祉番組「ハートネットTV」で
がん患者の会の富士登山の様子が紹介されました
(9月2日20:00~20:30放映)。

この患者会は静岡県の東部を中心に活動しており、
毎夏、富士山に登るイベントを催しているそうです。
今回は11回目だそうで、7月下旬に42名が参加。
がん患者は7名で、ほかの人たちはサポーターのようです。
頂上を目指して山道をたどる人もいれば、
体力的に難しいため、ふもとから仲間の登山を見守る人もいるとか。

患者会としては山の頂きを極めるのが目的ではなく、
参加者それぞれが「自分の頂上」や「挑戦」に対して日頃から意識し、
目標を持つことで「免疫力の向上」も期待しているとのこと。

また、がん患者の事情や体調などは一人ひとり異なるわけですが、
富士登山という一つの目標に協力しながら向かうことで、
患者会としての結束も強まるのかもしれませんね。

この番組は、来週のお昼頃に再放送されますよ~。
●9月9日(火)13:05~「ハートネットTV」(NHK Eテレ)
「共に一歩 ~がん患者が目指すそれぞれの頂~」

番組に登場した患者会のサイトです。
●「静岡県がん患者の会 一歩一歩の会」
http://www.ippoipponokai.com/
・ブログを読むと交流サロンやハイキングなどの企画もあるようで、
とても活発なコミュニケーションを図っている患者会という印象です。


がん患者会は全国各地にたくさんありますし、
病気の種類別の会も多いので(特に乳がんの会が多いですね)、
ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょう?

私の独断ですが、以下のような人が患者会に向いていると思います。

・病気について話しやすい“がん友”がいると心強いのにな~と思っている。
・周りの健康な人たちが気遣ってくれるからこそ、不安や愚痴がこぼしにくい。
・闘病の不安があり、身近な人に八つ当たりしがちで、周りも疲れている様子。
・本やネットでは得にくいナマの情報や体験談を聴きたい。
・生きていくことや闘病などについて、励まし合える仲間が欲しい。
・自分の病気や治療法、暮らしぶりなどの話を誰かに聴いてほしい。
・がん患者、がん体験者として日々を過ごしていること自体がストレスとなっている。
・病気のことを一人では抱え切れないので、誰かや何かに頼りたい。
・周りの人には弱っている自分を見せたくないから、いつも元気を装っている。


私は以前、全国的な規模の患者会に関わる方から
広報誌の制作を頼まれ、デザイナーのとみちゃんと一緒に
できるところまでは…と手伝ったことはあるのですが、
ちょっと手間が掛かり過ぎるので
数回で辞退してしまいました。
まぁ患者会に限らず、どんな団体でも
人が多く集まれば集まるほど
いろんな問題も発生しがちですよね~(苦笑)。

でも、中にはチームワーク(?)の良い患者会もあって
そこでの交流や活動が
生きがいの一つとなっている人たちもいるようです。
自分に合う会が見つかればいいな、という気持ちで
“お試し”参加するのもいいかもしれません。
もちろん、そこで親しくなった闘病仲間が先に逝ってしまう、
という経験をすることもありえますよね。
それは患者会での交流以外でも、
人生には、ごく普通にある出来事です。

私なぞは自分勝手なマイペース人間なので、
そもそも団体行動が大の苦手ですし、
性格的に“仕切りたがり屋”なので、
誰かの作った会に参加するくらいなら
自分で企画して会を作りたいという
タイプなんですよねぇ。たはは~。
だから、どこの会にも所属したことはないのですが、
「おいしいもの大好き!な“がん友”の会」なんて、どうでしょ?(笑)。
毎月、会員オススメの店の食べ歩きをする……
うーん、それじゃ単なる食事会かぁ。


ずいぶん前に一度だけ
患者会の総会(着席のパーティ形式)に交ぜてもらったことがあります。
そのときのテーブルで隣り合った女性(50~60代?)が
遠隔転移のあるステージⅣ(4)と自己紹介したので、
聞いた直後は、どう答えていいか迷ったのですが、
その女性はニッコリ笑って
「主人が本当に良くしてくれてるから感謝してるの~。幸せだわ~」
と、うれしそうに話しました。
その姿を前にして、
私のステージⅠなんて大したことないなぁ…と、つくづく思い、
また、深刻な病状でも前向きに生きようとする笑顔を見て、
凄いなぁ…と感心もしました。

患者会ですから、そこに集まるのは、みんな“がん友”。
ご家族など支える人々も参加することもありますが、
基本的には全員が、がん患者ですから、
「つらいのは自分だけじゃない」
「がんに罹ったのは自分一人だけじゃないんだ」
と気がつく。
そういう場に身を置くのは、とても気がラクになる、
という人は多いんじゃないかな~と思いますよ。


【患者会の例】

●「患者会・患者コミュニティサイト リスト」(いいなステーション)
http://www.e7station.com/html/kanja-kai/index.html
・最終更新が2013年5月22日となっているので、
割と新しい情報だとは思いますが、リンク切れがあるかもしれません。

●『がん!患者会と相談窓口全ガイド』(三省堂/2007年)
http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/gan_kanjakai.html
・全国のがん患者会のガイドブックとして発刊されたもの。
上記のサイトには患者会の名称も載っていますが(リンクなし)、
発行年が古いので継続していない会があるかも。

●免疫細胞療法を中心とする先端的治療を求める患者の会。
http://www.momi-noki.com/

ほかにも、ネットで「○○がん 患者会」というふうに
自分の病気の名称を入れて検索すると
いろんな会のサイトが見つかります。
ただし、ネットには古い情報もたくさん残っているのと、
患者会を装って高額なアヤシイ商品の販売サイト等へ
誘導するものもありますから、
探すときは、くれぐれも気をつけてくださいね~!

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肺がんの“がん友”&ご家族などの皆さん、都内で肺がんに関する無料講座が開催されますよ~。 [医療・健康&がん関連]

期日が迫っていますが、今週の9月6日(土)に「NPO法人 胸部腫瘍臨床研究機構」と「NPO法人 キャンサーネットジャパン」の共催による肺がん関連の市民講座が開催されるそうです。
会場は「秋葉原」駅もしくは「末広町」駅に近い多目的ホール。参加費は無料。

●もっと知ってほしい「肺がん」のこと2014
 ~肺がんにかかっても「自分らしく」過ごすために~
日時:2014年9月6日(土)13:00~16:30(開場12:30)
場所:秋葉原UDXシアター4F(東京都千代田区)
http://www.udx-t.jp/access.html

参加希望者は「メール」「FAX」「往復はがき」のいずれかで申し込みが必要ですが、はがきでは間に合わないので、参加したい方はメールかFAXのほうがいいですね。

私は今朝になってから『がんナビ』(日経BP社)のメールマガジンで知り(以前のメルマガに書いてあったのを見落としていたんですが~)、170名限定とのことですが、もし、まだ空きがあるようなら勉強のために参加しようと思い立ち、申し込みメールを送ってみました。

今朝9時40分にメールしたら、1時間後には返信が届きました。その時点で私の受付番号が「106」でしたから、まだ空きはあるかもしれません。とりあえず無料ですから、最新情報を得る一手段として、こういう機会を利用してみるのもいいかなと思います。

●申し込みに関する「キャンサーネットジャパン」の案内ページ
http://www.cancernet.jp/13972

上記の講座のプログラムの内容は以下の通り。抗がん剤(化学療法)と放射線療法の話が中心のようですね。
●『がんナビ』(日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/info/201408/538041.html

名古屋でも9月20日(土)に開催されるようです。
●「もっと知ってほしい肺がんのこと2014 in 名古屋」案内ページ
http://www.cancernet.jp/13446

仙台では11月8日(土)に開催予定。
●「もっと知ってほしい肺がんのことin仙台」
http://www.cancerchannel.jp/posts/2014-08-27/23916.html

[今回の市民講座の共催団体]
●「NPO法人 胸部腫瘍臨床研究機構(TORG)」
http://www.torg.or.jp/

●「NPO法人 キャンサーネットジャパン」
http://www.cancernet.jp/

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「希少がん」とは骨や軟部の肉腫、悪性の脳腫瘍、ほくろのがん、眼の腫瘍、小児がん等です。 [医療・健康&がん関連]

7月下旬、「京都大学医学部附属病院」で女性患者(60代)の胸部にできた肥大化した難治性の肉腫(にくしゅ=悪性腫瘍)の摘出に成功したそうです。この肉腫の大きさは縦12cm・横21cm・奥行き10㎝というもの。

「肉腫」とは英語で「サルコーマ(sarcoma)」と言い、がんと同じく悪性腫瘍ですが、「癌腫」「肉腫」に大別されます。一般に「がん」と呼ばれるものは、私の罹った胃がん・乳がんのように「上皮性組織」から発生するもの。

……これじゃわかりませんよねぇ。「上皮(じょうひ)」というのは、私たちの体の臓器(器官や腺など)の表面を覆(おお)っている薄い層のような組織のことで、ほとんどの悪性腫瘍(がん・癌腫)は上皮から発生し、広がっていくそうです。

「肉腫」とは上皮ではない(=非上皮性)組織から発生する悪性腫瘍のことで、骨や筋肉、血管、心臓、脾臓、骨髄、脳などにできるもの。「骨肉腫(こつにくしゅ)」「脳腫瘍(のうしゅよう)」などの名称は聞いたことのある人も多いと思います。
この「肉腫」の患者は非常に少なく、悪性腫瘍全体の約1%。(※全国骨腫瘍登録・全国軟部腫瘍登録/2006年~2010年)

患者が少ないということは、難病と同じように治療方法や患者データの蓄積も少なく、それを専門とする医療者も少ないため、闘病しようにも手探り状態となってしまうのです。

京大病院で治療を受けた女性患者は、「平滑筋肉腫(へいかつ きんにくしゅ)」でした。肉腫が平滑筋(心臓以外の内臓に分布する筋肉)に発生したもので、腫瘍は左右の肺・心臓・食道・肝臓に囲まれたあたりに広がり、下大静脈を取り囲み、肝静脈の近くにまで及んでいたそうです。

通常、外科手術で対応できる肉腫は5~10cm程度だそうで、最大幅21cmという大きさは胸部の平滑筋肉腫としては、これまでの報告のうち、最も大きな腫瘍だとか。

同じ「平滑筋肉腫」でも位置が違えば、さらに大きな腫瘍もあるようです。「最大径24cmの非常に巨大な腫瘤を形成した胃の平滑筋肉腫の1例を経験した」という1999年の報告がありました。

●「山梨医大誌――胃巨大平滑筋肉腫の1切除例」(山梨医科大学第2外科)
http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~ymj/pdf/nl/20140612114528_268.pdf
(※PDFファイルが開きます)

京大のサイトでは、胸部の肉腫のあった位置が図解されています。なんと患者のコメントまで掲載。珍しいですね。
●「京都大学 プレスリリース――医学部附属病院において、5科が協力して巨大(21㎝大)胸部肉腫の摘出術に成功しました」(2014年8月22日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2014_1/140822_2.htm

この患者は当初、ほかの病院を受診したのですが、そこでは摘出できないと判断され、京大病院の呼吸器外科へ紹介してもらったそうです。同院では、呼吸器外科・心臓血管外科・肝胆膵(かんたんすい)移植外科・消化管外科・麻酔科の5部門の連携による約15名の医師チームで摘出方法を検討したとか。

腫瘍が広がって影響している各臓器の専門医と、手術時に重要な麻酔の専門医が関わったというわけですが、
こういう事例こそ専門医を集めた病院の存在価値があると思います。

治療の困難なケースほど大学病院を頼る患者も多いので、一般の総合病院よりはデータの蓄積も多いはず。病気の種類によっては、それに特化したクリニックのほうが得意という場合もありますが、京大病院は「がんセンター」も併設しているので、悪性腫瘍の全般に対応できる専門家が多いのかもしれません(というのは私の憶測に過ぎませんから、くれぐれも鵜呑みにはしないでくださいね~)。

●「京大病院がんセンター」
http://www.cancer.kuhp.kyoto-u.ac.jp/

今回の手術のときは各科の医師が交代で執刀し、肉腫と下大静脈、右肺・心膜・横隔膜の一部も取り除いたそうで、京大病院は「腫瘍を完全に切除することができました」とコメントしています。約11時間にも及んだ大手術でした。

手術ができなければ腫瘍が血管や心臓を圧迫して危険だったらしいのですが、患者の女性は順調に回復し、8月20日に退院したそうです。深刻な合併症もなかったようで、無事に退院とは何よりですね!
ただし、臓器の一部を切除したことによる後遺症の出方が気になります。手術の直後は「命が助かっただけでも!」と思うものですが、60代の人なら、まだこれからの生活や人生の楽しみも充実させたいでしょう。

国内外に前例のないことなら、平滑筋肉腫の患者にとっては、なおさら術後の体調についても関心は高いと思うのですが、病院サイドが今後の定期検診ごとに経過を報告してくれると、ほかの患者のためにもなるので非常にありがたいと思います。

私の“がん友”にも平滑筋肉腫で闘病中の女性がいます。少しでも的確な情報を集めて、信頼できる医師を探したいですね。

平滑筋肉腫を含め、筋肉に発生する悪性腫瘍は「軟部肉腫」と言います。これに加えて骨の肉腫、悪性脳腫瘍、皮膚のメラノーマ(悪性黒色腫=ほくろのがん)、眼腫瘍、小児がんなど、発生の“まれながん”を総称して「希少がん」と呼びます。

今年の6月には、「国立がん研究センター」の中に「希少がんセンター」が開設されました。

●「国立がん研究センター 希少がんセンター」
http://www.ncc.go.jp/jp/rcc/index.html

希少がんの患者と、その家族が電話相談もできます。
●「希少がんホットライン」
直通電話:03-3543-5601
・平日9:00~16:00
・相談自体は無料、通話料は掛かります。
※電話を掛ける際は、くれぐれも番号を間違えないよう気をつけましょう。

……とここまで書いた時点で、日経BP社のサイト『がんナビ』に詳しい記事が掲載されました。

●「希少がんホットラインで患者・家族の不安を解消
国立がん研究センターが希少がんセンターを開設」
(『がんナビ』8月26日付
医療ライター・福島安紀さん/日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201408/537896.html

[参考サイト]

「肉腫」に関する知識を深めるために。
●「各種がんの解説(部位・臓器別もくじ)」(国立がん研究センター がん対策情報センター)
※このページ内の「骨・筋肉」という項目を参照。
http://ganjoho.jp/public/cancer/

●「骨軟部組織の悪性腫瘍(肉腫)」(大阪府立成人病センター)
http://www.mc.pref.osaka.jp/utility/ttiryoujis/kotsunanbugan.php

大阪府立成人病センター部長が代表理事の治療支援の組織だそうです。
※まだサイト内のあちこちが完成していない様子ですが~。
●「キュアサルコーマセンター」(大阪府)
http://curesarcoma-center.org/

●「肉腫中皮腫先端治療研究センター」(大阪府)
http://smtrc.org/

●「患者の少ないがん(1)平滑筋肉腫 肺に多数転移」
(「読売新聞 ヨミドクター 医療大全」2012年9月28日付)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=66261

以下は、免疫療法を行っているクリニックの一例。

●「平滑筋肉腫」(東京ミッドタウン先端医療研究所)
http://www.midtown-amc.jp/everycanser/smooth_muscular_kind/

●「平滑筋肉腫」(花園クリニック/広島県)
http://www.hanamk.jp/ganchiryo/smoothness_muscle.html

●「がん免疫療法 症例報告(平滑筋肉腫)」(北斗病院/北海道)
http://www.hokuto7.or.jp/patient/treatment/immunity/report/case01.php

●「平滑筋肉腫の患者様、ご家族の方へ」(クリニックサンルイ/京都府)
http://www.cslk.jp/p_letter/leiomyosarcoma.html

※上記に挙げた医療機関は私が推薦しているわけではありません。
あくまでも情報の一つとして、ご覧ください。

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「なんくるないさ」の本当の意味――縦隔腫瘍・白血病・難病と闘った青年を支えた言葉。 [医療・健康&がん関連]

TVドラマ『生きてるだけで なんくるないさ』(日テレ系)の主人公・玉元栄作さん(ドラマでは石嶺栄作)は、25歳のときに悪性の縦隔腫瘍(じゅうかく しゅよう)に罹りました。胸の痛みと血痰によって異常を自覚し、受診したときには腫瘍が7cmの大きさとなっていたそうです。

玉元さんの著著はアマゾンの「なか見!検索」を利用すれば、彼の家族写真や序文、あとがきに加え、巻末の「闘病記録」も閲覧できます。それによると、入院の回数が5年4か月の間に21回も……。

以下、ザッと時系列で彼の病歴をたどってみます。

・都内の病院の呼吸器外科で治療を開始
・外科手術の前に化学療法(抗がん剤)
・腫瘍と肺の一部、周辺の臓器の一部を切除する手術(約5時間)
・術後の抗がん剤
・8か月後に再発
・化学療法(抗がん剤)
(パートナーの妊娠がわかり、婚姻届を提出)
・再発した腫瘍と周囲の臓器を合併切除する手術(約11時間)
・心臓バイパスの再手術(約2時間)
・放射線治療
・化学療法(抗がん剤)
(奥さんの出産、愛娘の誕生)
・抗がん剤の変更
・肺炎(アスペルギルス症)
・「急性骨髄性白血病」を発症
・同じ病院の血液内科で治療開始
・化学療法(抗がん剤)
・都内の他病院でセカンドオピニオン
・「サイトメガロ腸炎」や肺炎などにも罹る
・難病指定「腸管アミロイドーシス」に罹患
・消化器内科で治療

……20代後半のほとんどの時期、これがすべて自分の身に起こったら、耐え切れるだろうか。
その後も、さまざまな治療が続いたわけですから、単に同情して済むような話では全くないな…と思いました。私もがんの治療以降、何らかの別の症状が出るたびにウンザリしますが、その程度では比較しようもない病歴です。

ドラマでは縦隔腫瘍の「再発」という説明を受け、患者が主治医に食ってかかるなど、半ばパニックのような状態を見せる場面がありました。悪性腫瘍なのに再発を全く予期していなかったのかな?と思って、玉元さんのブログを読んでみると、以下の記述がありました。

「昔から病気を検索するのが嫌いだった。縦隔腫瘍や白血病。肺炎、腸閉塞、サイトメガロ。どれも、詳しい事はしらない・・・調べるとヘコんでしまうだろうと・・・」

なるほど……。私は自分の闘病時はもとより、友人・知人に対しても「病気については徹底的に調べること!」を強く推奨していますが、玉元さんのような考えや性格の人たちもいるんですね。

この本の編集を担当した人も医学的な知識は乏しかったのか、さほど調べないまま勢いに任せて書いたのか、アマゾンに掲載されている説明文には「完治するものの翌年、再発」「一度は完治するも再発」「再発したガンも奇跡の完治」「白血病の宣告をされるも、壮絶な闘病の末に完治」といった文言が躍っています。

悪性腫瘍である以上、最低でも5年以内だと医療者は「完治」という言葉を口にしないと思うのです。「寛解(かんかい)」なら、まだわかるんですけどね。また、乳がんや甲状腺がんなどの場合は10年を経ないと「完治」とは言われませんし、どんながんでも、治療後、何年であろうと再発する恐れは常にあるのです。

まぁ最近では気安く「完治」と言うお医者さんも増えていますが、そう信じ込んだ患者は再発したときに、ひどくショックを受けるわけです。「100%完治しましたから、もう一生、がんには罹りませんよ~」などと安請け合いする医療者がいたら、私は「この人は100%、信用できないな」と判断しますし、断言しておいて訴えられたらどうするんだろう!?とも思います。

だから、私の場合は「がんとは死ぬまで“共生する”と割り切る」という考え方なのですが。
実際、がん患者ではない健康な人の体内でも毎日、がんが発生し、免疫の力で死んでいるんですからね。

でも、いろんなことを調べ過ぎると、抗がん剤の投与期間に子どもを持つという選択は、しにくいかもしれません。
たいていは、性行為自体を控える患者が多いようですし、また、病前と同様に性生活を維持しても、避妊だけは徹底するという患者も多いことでしょう。
ドラマでの印象に過ぎませんが、玉元さんカップルは悲愴感を抱きながら出産に臨むのではなく赤ちゃんができた~♪ うれしいね、幸せなことだね!!という感じに見えました。

がん患者が子をもつことについては賛否両論あると思いますが(特に重い病状の場合、子どもが小さい頃に片親となってしまうケースもあるため)、それでも結局は夫婦の意志が尊重されるべきで、外野がとやかく言うことではないと思います。それだけの重い責任を覚悟しての決断でしょうから。

ドラマでは抗がん剤の副作用の吐き気の苦しさや脱毛のショックに加え、治療費によって家計が逼迫(ひっぱく)し、奥さんが日中の仕事だけでなくバイトも並行するとか、患者である夫が家族に対し、情けなく申し訳なく感じ、
生きていていいのかと思い悩む様子も描かれており、それなりのリアリティが感じられました。

玉元さんが治療を受けた病院は「国立国際医療研究センター」(東京都新宿区)です。ドラマでは「国立中央医療センター」という名称で登場し、ロケ場所は別の病院のようでしたが、私は同院の血液内科に’08年から通っており、玉元さんは’09年に血液内科へ転科したらしいので、もしかしたら院内で、すれ違ったことがあったかもしれません。

再放送のドラマの終わりには、玉元さんが昨年、亡くなったことを伝える文章が流れました。10年近くにわたる闘病、35歳という若さでの死。

彼のブログに奥さんからのメッセージが載っています。
●玉元栄作さんのブログ
http://ameblo.jp/slow-life39/

奥さんの美香さんは中学の同級生だそうで、高校1年生から付き合い始め、闘病を物心両面で支え、結婚・出産と、共に生きてきました。今は愛娘そらちゃんを大事に育てている様子が伝わってきます。
●美香さんのブログ
http://ameblo.jp/tenpa-mika/

本のタイトルに使われている「なんくるないさ」とは、玉元さんのおばあさんの住む沖縄の方言(島言葉)。沖縄ブーム以来、見聞した人も多いフレーズではないでしょうか。
たいていは「どうにかなるよ」という楽観的な感覚で捉えられていますが、本来はニュアンスが異なるようです。

「なんくる」とは「自然に」「ひとりでに」という意味で、定型表現(決まり文句)として「まくとぅそーけー、なんくるないさ」というフレーズがあるとか。

「まくとぅ」は「真(誠)」を指し、「まくとぅそーけー」は「正しいことをしていれば」、あるいは「誠意をもって事に当たれば」といった意で、それを受けて「なんくるないさ」という言葉が来るそうです。「懸命に努力し続ければ、結果もついてくるよ」といったところでしょうか。
ことわざで似た意味のものだと「人事を尽くして天命を待つ」「天は自ら助くる者を助く」などが挙げられます。

それに、「なんくるないさ~」は自分で、つぶやくような言葉ではなく、目上や周りの人たちが、頑張っている人に対して励ましたり慰めたりするために掛ける言葉だとか。

沖縄、かつての琉球王国は第二次世界大戦では県民の4人に1人を失うという非常に大きな犠牲を払わされました。ヤマト(日本)にもアメリカにも振り回され続け、紆余曲折の歴史をたどる中で、沖縄の人々は
「なんくるないさ」という言葉で励まし合い、労わり合って命を繋げてきたのかもしれません。

そう考えると、ドラマで沖縄の“おばあ”が闘病する孫に伝えた「生きてるだけで、なんくるないさ」という言葉も、
これまで以上に重みがあり、同時に、じんわりと温かく感じられるのです。

[参考資料]
●「腫瘍性肺疾患 縦隔腫瘍」(日本呼吸器学会)
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=28

●「病気を知る 肺と気道の病気 縦隔腫瘍」(慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト)
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000258.html

●「シリーズ呼吸器外科 2 縦隔腫瘍・胸壁腫瘍 ①」(中頭病院/沖縄)
http://www.nakagami.or.jp/nakagami/shinryouka/contents/2014/02/08_125547.html
※画像が多くて非常にわかりやすいのですが、手術で摘出した腫瘍の写真もあります。生々しい画像を見るのがが苦手な人は、ご注意を。

●「わかりやすい白血病の話」(JALSG/日本成人白血病治療共同研究グループ)
・急性白血病(急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病)
・慢性骨髄性白血病
・慢性リンパ性白血病
・成人T細胞白血病/リンパ腫
・骨髄異形成症候群
http://www.jalsg.jp/leukemia

●「アスペルギルス症について」
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/aspergillus1.html
●「サイトメガロウイルス感染症について」
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/cytomegalo1.html
(横浜市 健康福祉局 横浜市衛生研究所 横浜市感染症情報センター)

●「アミロイドーシス」(難病医学研究財団 難病情報センター)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/45

●「コラム『南風』 なんくるないさ」(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-201485-storytopic-64.html


生きてるだけでなんくるないさ

生きてるだけでなんくるないさ

  • 作者: 玉元 栄作
  • 出版社/メーカー: メディア・パル
  • 発売日: 2009/07/16
  • メディア: 単行本


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「がん」と「悪性腫瘍」は別もの!?――病気のドラマのセリフ設定は難しい。 [医療・健康&がん関連]

先日、たまたま観たTVドラマが
『生きてるだけで なんくるないさ』(日本テレビ系)という作品で、
悪性腫瘍(あくせい しゅよう)の患者を主人公としたものでした。
(※2011年8月放映分の再放送だったようです)。

セリフの中に、やたらと「悪性腫瘍」という言葉が出てくるので、
単純に「がん」としたほうが視聴者にもわかりやすいのに、
なんでだろ~???と思いました。

「腫瘍」とは「腫」が「腫(は)れもの」のことで、
「瘍」は「できもの」を意味しますから、
似た意味を重ねた熟語です(漢語には、よくありますね)。

ドラマの主治医は患者に対し、
病気について以下のように説明しました。

「厳密には、がんと違いますが、悪性腫瘍です。病名としては
悪性縦隔胚細胞腫瘍(あくせい じゅうかく はいさいぼう しゅよう)
と言いまして、通常は睾丸にできることが多いんです」

えっ!? がんと違う悪性腫瘍ですって~???
私は悪性腫瘍=がんと捉えていましたし、
これまで何度も調べて
自著などにも書いたのですから腑に落ちません。

もう一度、きちんと調べてみましょう。

「悪性腫瘍」という見出し語で検索すると、
以下のような解説が見つかりました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【デジタル大辞泉(小学館)】
腫瘍のうち、細胞が変異して限りなく増殖を続け、周囲の正常な組織を破壊するもの。癌腫と肉腫とに分けられる。悪性新生物。癌。

【大辞林 第三版(三省堂)】
増殖力が強く,周囲の組織を破壊・浸潤して全身に転移し,生体に致命的な害を与える腫瘍。癌腫(がんしゅ)と肉腫をいう。

【ブリタニカ国際大百科事典(ブリタニカ・ジャパン)】
一般に発育が速く,周囲の組織を破壊し,血液やリンパによって他の場所に転移しやすい腫瘍をいう。上皮系の皮膚,粘膜,腺などから発生するものが癌腫,非上皮系の結合組織,骨,軟骨,リンパ節などに発生するのが肉腫で,両者を合せて一般的に癌と称し,人口動態統計では悪性新生物ともいう。

【栄養・生化学辞典(朝倉書店)】
悪性新生物,がんともいう.増殖,浸潤,転移などを特色とし,宿主に害を与え,多くの場合死に至らしめる細胞群.
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「国立がん研究センター がん対策情報センター」の情報ページも
「悪性腫瘍(がん)とは」という大見出しですから、
通常は「悪性腫瘍=がん」という認識で問題ないようですね。

「国立国語研究所」の調査(平成20年=’08年8月実施)によると、
私たち医療を受ける側で
「悪性腫瘍」という言葉を知っている人は98.6%、
この言葉の理解率も88.6%と高いそうです。

しかし、10%の差があるため、
お医者さんから「悪性腫瘍です」と告知をされた場合、
「自分(または家族)は、がんなんだ」と、わかる人は9割で、
「言葉は知ってるけど、結局、何のこと!?」
という人が1割はいるわけですね。

中には「腫瘍はあるけど良性ですよ」と言われても、
「がんだから死んじゃうんだ!」と誤解する人もいるらしく、
また、「悪性腫瘍は、がんより危険性は低い」と勝手に思い込み、
治療を遅らせたせいで進行していたというケースもあるとか。

まぁ上記の調査から6年も経っている現在では、
認知度も理解度も、さらに高くなっているだろうと思いますが、
もし周りで腫瘍に関する話題が出ることがあれば、
ぜひ言葉の意味を確認し合ってください。
病気に関しては
正しい情報と認識をもつことが非常に大切ですから。


ところで、ドラマのセリフに出てきた
「厳密には、がんと違う悪性腫瘍」とは何なのでしょうか?

病名の「悪性縦隔胚細胞腫瘍」は
「縦隔悪性胚細胞腫瘍」という言い方もするようです。

「縦隔」とは文字通り、縦(たて)に隔(へだ)てるという意味で、
胸の中央あたりの位置です。
胸膜によって隔てられた(挟まれた)部分、
つまり、左右にある肺の間の部分を指し、
この縦隔内には心臓や大動脈、気管、食道、
胸腺、リンパ節、神経節などの臓器があります。

「縦隔腫瘍」とは、この部分にできる腫瘍の総称で、
一般的に言う「肺がん」とは異なります。
良性もあれば悪性もあり、
患者の年齢層も子どもからお年寄りまでと幅広いようです。


そして、「胚細胞腫瘍」とは
元来、卵子・精子になるはずだった細胞から発生するもので、
女性なら卵巣、男性なら精巣(睾丸)に
腫瘍ができやすいのですが、
体の中心線上である頭蓋内(中心部の松果体の付近)、
胸の奥(縦隔)、おなか(膵臓・腎臓・腸の一部などが存在する
後腹膜や胃)、おしり(尾骨の先端あたり)などにも発生するようです。

歌手の吉田美和さん(DREAMS COME TRUE)の
前夫(事実婚)で、末田 健(すえだ・たけし)さんという
映像ディレクターが2007年9月に33歳という若さで早逝した原因も
胚細胞腫瘍だそうです。

先のドラマには、胚細胞腫瘍が
「縦隔にできるのは10万人に1人もいないほどの珍しい病気」
というセリフもあったのですが、統計の数字は確認し切れませんでした。

原作の本にも「十万人に一人」と書いてあるのですが、
日テレの該当ドラマのサイトには「数十万人に一人」とあります。
どんな根拠をもとに原作の数倍になったんでしょうねぇ???
いたずらに数字を煽(あお)るのは、
健康体の視聴者にはインパクトが大きくて効果的かもしれませんけど、
実際の患者には不安が増大するだけなんですよねぇ……。
だから、日テレとしては、きっと、
しっかり確認した数字なんでしょうね。
たぶん。おそらく。……そう願いたい(汗)。


ドラマの主治医のセリフの
「厳密には、がんと違いますが、悪性腫瘍です」というのは、
「一般的な肺がんとは違いますが、
肺の周りにできた悪性腫瘍です」とでもすれば、
より正確で、視聴者にもわかりやすかったかも?と思いました。
でも、セリフの長短やテンポも考慮せねばならないでしょうから、
専門用語の多いドラマの脚本は難しいんでしょうね。


[本日のオマケ]

病気に関する用語の理解を助けるサイトです。
●「『病院の言葉』を分かりやすくする提案」
(国立国語研究所「病院の言葉」委員会)
http://www.ninjal.ac.jp/byoin/

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ロビン・ウィリアムズが教えてくれた、クラウンドクター“パッチ・アダムス”。 [医療・健康&がん関連]

8月11日に自宅で亡くなったという、俳優・コメディアンのロビン・ウィリアムズさん。自死という報道には驚きましたが、重度の鬱状態だったと言われているようです。しかし、それが直接の原因かどうかは、わかりません。自分の命を絶つ理由は本人にしかわからないものでしょうし、その時々の精神状態や精神薬のコントロール状況(服薬していた場合)によっては、本人ですら明確な意志をもたぬまま命を失ってしまうこともありうると思うのです。

彼は若い頃に薬物(コカイン)とアルコールの依存症で治療を受けた経験があり、20年の間、断酒できていたのに、この10年ほどは飲酒を再開してしまったようでした。また、’09年には心臓疾患により大動脈弁置換・僧帽弁再建・不整脈改善の手術も受けたそうです。3時間以上かかった手術は成功しましたが、一度でも大病に罹ると、健康不安は死ぬまでつきまとうことでしょう。

先月には飲酒しない状態を維持するため、リハビリ施設に入所していたという報道もありました。依存症の治療については以前から本人も公言していたようです。そのリハビリ施設とは、私の読んだ記事が正しければ「ヘイゼルデン依存症治療センター」(米国ミネソタ州)という所で、ここは、いわゆるセレブリティ向けの医療機関というわけではなく、患者はホームレスも資産家も含めて幅広い層で、1949年から、さまざまな依存症や機能不全家族(家庭内の虐待や暴力など)に対する総合的な治療および回復プログラムを提供している施設です。

同センターはキメ細かいケアを実施しており、患者の帰宅後も定期的に連絡し、生活状況の確認もするらしいのですが、ロビンは、その狭間で死へと向かう行動を起こしてしまったのかもしれません。

人を楽しませることに心を砕き、豊かなサービス精神を発揮しながら芸の完成度の高さを追求し続ける…。ふと、落語家の桂 枝雀(かつら・しじゃく/二代目)を思い出しました。枝雀も重い鬱病を患い、’99年に自死で亡くなりました。享年59。

ロビン・ウィリアムズという俳優の名を知ったのは、映画『ポパイ』(1980年)でした。私は子どもの頃、アニメーションのポパイが大好きで、当時は食べ物の好き嫌いが多かったにもかかわらず、ほうれん草が好物になったのは、まさしくポパイのお蔭です。
好きな漫画やアニメの登場人物が実写版となると、そのイメージの違いにガッカリすることも少なくありませんが、ロビンのポパイは、また違う魅力がたっぷりでした。

そして、次の出演作である『ガープの世界』(1982年)では、グレン・クローズやジョン・リスゴーという芸達者な人々と共演。原作自体が非常にユニークな内容でしたし、その映像化は若かった私には衝撃的な作品として記憶に残っています。

ほかにも代表作と呼ばれるものはたくさんありますが、医療の現場の“常識”に一石を投じた『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー(原題:Patch Adams)』(1998年)は、日本での公開が'99年で、私が最初のがん(胃がん)の手術を受けて1年後だったこともあり、いろんな意味で印象的、かつ考えさせられる作品でした。

ロビンは『レナードの朝』でも白衣を着た医師を演じましたが、『パッチ・アダムス』は実在のお医者さんの半生記のような内容です。ロビンの演じたパッチ・アダムスとはニックネームで、本名はハンター・キャンベル・アダムスというアメリカ人。「治療にはユーモアが必要」という自説を実践し、大きな赤い鼻を付けた「クラウンドクター」として活動を始めます。

※「クラウン(clown)」とは英語で「道化師」のことで、「ピエロ(pierrot)」はフランス語。

映画を観て、ホントにこんな医者がいるの!?と驚きましたし、私のような患者の立場の人間だけでなく、医療スタッフの一員として働く人々にも与えたインパクトは大きいものだったと思います。「笑いが心身を癒す・免疫力を高める」ということは、今では一般的に言われるようにもなりましたが、この映画の影響も多大だったのではないでしょうか。

映画『パッチ・アダムス』でロビンと共演したフィリップ・シーモア・ホフマンも、今年2月に自宅で遺体となって発見されたそうです。彼も薬物やアルコールの依存症で治療を受けた経験があり、死因はヘロインなど薬物の過剰摂取によるものと発表。まだ46歳でした。

『ガープの世界』のテーマ曲はビートルズの「When I'm Sixty-Four(64歳になっても)」でしたが、ロビンは先月、63歳になったばかりで逝ってしまいました。

ロビンの出演映画の予告編などが観られます(※一部、表示されない作品アリ)。
●「ロビン・ウィリアムズの映画」(The Huffington Post)
http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/11/obin-williams_n_5670124.html?utm_hp_ref=japan

映画のあらすじと動画の一部を公開しているサイト。
●『ガープの世界』
http://movie.muryo-eiga.info/article/396017288.html
●『グッドモーニング・ベトナム』
http://movie.muryo-eiga.info/article/403461314.html

パッチ・アダムス医師のロビンの死を悼むコメントが掲載されています。
●「パッチ・アダムス&ゲズントハイト・インスティテュート」
Facebookページ
http://ja-jp.facebook.com/pages/%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%B9/131788563558640

ハンター・アダムス医師の病院。一見、医療機関とは思えない作りのサイト。(※英語表記)
●「「パッチ・アダムス&ゲズントハイト・インスティテュート」」
http://patchadams.org/

日本でも医療の現場でクラウンが活躍しています。
●「日本ホスピタル・クラウン協会」
http://www.hospital-clown.jp/

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モンスター患者のせいで、医療者と一般患者との信頼関係まで損なわれる弊害が…。 [医療・健康&がん関連]

8月7日10時半頃、札幌市内の病院の診察室で殺人未遂事件が起こりました。消化器内科の男性医師(50歳)が、肝臓病で通院していた患者の男(67歳・無職)に包丁で背中や右肩、腕、腹などを切りつけられ、重傷を負ったそうです。容疑者は凶器を持ったまま軽乗用車で逃走しましたが、10時間後に石狩市内で逮捕されました。

容疑者は当日9時前に来院していたそうで、「殺すつもりで刺したが、殺せず後悔している」と供述。診察室には医師と男だけで、突然、襲いかかったようです。容疑者は患者として何らかの不満を抱えていたと思われる供述ですが、札幌は北海道で一番大きな都市なのですから、医療機関もたくさんあるはず。治療や担当医に不満があるなら、なぜ転院しなかったのでしょう? もしくは、容疑者には精神的な問題があり、妄想などが高じたための犯行とも考えられますが……。

教育の現場では“モンペ”などと略される「モンスター・ペアレント(ペアレンツ)」、つまり、過剰なクレームをつける保護者らが問題となっていますが、医療の現場にも“モンペ”が増えています。こっちは「モンスター・ペイシェント(患者)」ですが、医師や看護師、療法士、検査技師、事務員などに暴言を吐くどころか暴力を振るう事例も多くなっています。果ては、病院やクリニックの中で殺人にまで至る例すらあるのです。

近年の病院内での事件を調べてみました。

●2014年7月/千葉県
総合病院内の多目的ラウンジで、座っていた女性医師(30歳)に男(37歳・無職)が後ろから近づいて背中をナイフで刺し、女性医師は全治約3週間のけがを負った。2人に面識はなく、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された容疑者は「なぜ刺したのか、自分でもわからない」と供述。

●2013年8月/北海道
総合病院の精神神経科での診察中、外来患者の男(55歳)が男性医師(53歳)の左胸などを包丁で切りつけ、男性看護師らに取り押さえられた。薬物に頼らない療法を推進していた医師は間もなく死亡。患者は入退院を繰り返していたそうで、心神喪失状態として不起訴処分に。

●2012年5月/福岡県
大学病院に「明日、朝に爆発させるぞ」「お前、お礼参りするぞ」などの爆破予告の電話がかかり、翌朝まで警察署員と病院の職員らが不審物を探し回った。病院とトラブルになっていた男(45歳・無職)が浮かび、威力業務妨害容疑で逮捕。容疑者は「診察を拒否されたので電話をかけた」と供述。

●2011年11月/沖縄県
大学病院の耳鼻咽喉科の診察室で、通院中の患者の男(70歳・無職)が男性医師(36歳)の左脇腹を包丁で刺して軽傷を負わせ、現行犯逮捕。受診の受け付けを済ませず診察室へ入り、担当医を無言で刺したという。容疑者は「治療に不満があった」と供述、病院側は「治療に関するトラブルはなかった」としている。

上記のような患者らは極端な例だと考える人たちもいますが、「突然キレる」という人間たちが増殖しているように思える現在では、普段の診察の場でも患者に対し、警戒心を持つ医療スタッフも多くなっているのではないでしょうか。そのために両者の信頼関係が育みにくくなるという弊害があります。

最近、病院内で「院内暴力」に関するポスターを見かけますが、この「院内暴力」とは、医療スタッフが患者やその家族から受ける「暴言」「身体的暴力」「セクハラ(性的暴力)」などを意味します。

東京にある私大病院に特化した調査ですが、11施設に勤める回答者2万2千738人のうち、1万人余りにあたる44.3%が、過去1年以内に何らかの院内暴力を受けたという結果が出ています。
※出典:「都内私立大学病院本院の職員が患者・患者家族などから受ける院内暴力の実態」
(私大病院医療安全推進連絡会議 共同研究/2011年に調査、2013年7月発表)

理不尽なことなど全くしない一般の患者が医療スタッフに信頼を寄せようとしても、医療側が警戒するあまり、患者すべてに距離を置こうとすれば、診察室でもビジネスライクなやり取りとなりがちです。一部のモンスター患者のせいで、医療側だけでなく我々ごく普通の患者も迷惑をこうむるわけですよね(怒)。

私は今年、初めて受診した整形外科の若いお医者さんの様子を見て、なんとなく腰が引けているな~と思うことがありました。こちらは限られた時間内に治療について、できるだけ多くの情報を得ようと愛想よく質問したつもりでしたが、その先生は明言を避けるような話しぶりの上、処方されることになった外用薬について、「それって日光に当たると、かぶれやすいって言われているようですけど、実際にそうなんですか~?」と聞いたら、私の質問には答えず、即座に「じゃ、違う薬にしましょう」と別の外用薬を選んだのです。

その先生が「この薬がベスト」と考え、そう説明されれば素直に納得するのになぁ…と思ったのですが、もしかしたらクレーマー予備軍かと警戒されたのかもしれません(涙)。

医療機関ではモンスター患者やクレーマーに対応するマニュアルを作成し、元警察官を雇い入れたり、警備員を立ち合わせたりと、さまざまな対策を講ずるようになりました。医療専門の弁護士や経営コンサルタントなどをアドバイザーとして迎える病院経営者も増えているようです。

昔から「精神科のスタッフは命懸け」などと言われてきましたが、もはや精神科だけの問題ではなくなっています。
そのうち病院の玄関口にも空港のように金属探知機のゲートが設けられるかもしれないな…と思って調べてみると、精神病院の閉鎖病棟の中には金属探知器で身体や手荷物のチェックを実施している所もありました。

でも、一般の病院の玄関にまで防犯性を高めようと金属探知機ゲートを設置したら、ステンレスやチタンなど金属を使った人工関節の患者や、骨折した部分を固定する金属が体内にある患者は、アラームが鳴ってしまうかもしれませんよね。
ピアスやネックレスなどのアクセサリー、腕時計、ベルト、金属製のボタン、バッグ、金具の付いた靴、携帯電話など、いちいち外したり脱いだりしないと出入りできなくなります。そうするとX線の手荷物検査装置も導入することに???

私の胃がん手術の箇所にも小さな金属のボタンが留まっているそうですが、それは空港などで引っ掛かったことはありません(意識したこともなかったのですが~)。

患者からのセクハラに関しては、看護師だった知人女性(当時30代前半)が、「患者さんからのセクハラなんて日常茶飯事。本当にエロオヤジが多いんですよ~! 中にはボケてるフリしてナースの体を触ろうとするジジイもいるし!」と非常に憤(いきどお)っていました。
口の悪い表現かもしれませんが、彼女はいつも患者の身になって発言する優しい人でしたし、もっと罵(ののし)っても構わない悪行(あくぎょう)だと思います。

女医さんも上司や同僚、患者からセクハラされるケースがあるようです。日常の現実的な話が綴られているブログがありました。
●「ある脳神経外科医の毎日」(by decoppati)
http://decoppati.exblog.jp/4118793/

どこの現場でもセクハラは言語道断!!ですが、医療行為に対するクレームは医療過誤(ミス)と紙一重の場合もあり、判断の非常に難しい事例もあり得ます。
また、近頃では常識と思っていたことが通じなくなり、非常識な人が良識ある人を非常識呼ばわりする事態もあるので、世間では、さまざまな行き違いがたくさん発生していますよね。

そのため、本来なら苦情や不安を伝えるべきケースでも、「クレーマーと勘違いされるかもしれない」と躊躇し、口に出せずにいる良心的な患者も少なくないと思うのです。病気の場合は、そのうちに悪化してしまう恐れもあるわけです。

医療スタッフと一般患者の信頼関係を揺るがせるモンスター患者に対しては、医療機関で暴言・暴力の現場を目にしたら、すぐに医療スタッフや警備員に知らせる、といった行動以外に、何かできることはないのでしょうか。

…もちろん世の中には残念なことに“モンスター医療者”も存在しますよね。それについては後日、改めて書くことにします。

[さらに深く知るための参考資料]

●『医業経営情報レポート 発生メカニズムを知り組織で取組む患者トラブル対応ポイント』(関総研)
http://www.sekisoken.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2013/10/report201310_2.pdf
(※PDFファイルが開きます)。

●「医療安全推進者ネットワーク――医療安全をとりまく動向ここに注目! 医療安全のカギ握る医師の報告行動 名大医学部が国立系で初の専任教授」(日本医師会 医事法・医療安全課)
http://www.medsafe.net/contents/recent/153nagao.html

年400件以上の医療機関トラブルの相談を受けているという「大阪府保険医協会」事務局 次長の尾内康彦(おのうち・やすひこ)さんの著書。
●『患者トラブルを解決する「技術」』

患者トラブルを解決する「技術」

患者トラブルを解決する「技術」

  • 作者: 尾内康彦
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2012/07/19
  • メディア: 単行本


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中間報告:「パーセプチン」の件、テレビ朝日から回答が届いたのです、が…。 [医療・健康&がん関連]

過日、テレビ朝日で放映されたドラマ『ママが生きた証』に登場した
抗がん剤(分子標的治療薬)の名称に関して疑問を呈した記事を書いたところ、
たくさんの反響がありました(アクセス解析の閲覧数も突出していました)。
私と同様に、「あれ!? どうして?」と思った方々が多かったんでしょうね。

※詳しい話を知りたい方は、
このブログの7月5日(土)付の記事をお読みください。

ドラマの放映は夜でしたが、同じ日の夕方には
『ある家族の感動実話“ママが生きた証”全記録』という
ドキュメンタリー番組も放映されたそうです
(私は放映自体を知らなかったので、観ていません)。

ドキュメンタリーもドラマも観た“がん友”の話では、
前者の番組では「聖路加国際病院」「MDアンダーソンがんセンター」という医療機関も
聖路加の担当医も「ハーセプチン」も全部、実名で紹介されたそうです
(まぁドキュメンタリーだと基本的にはそうですよね)。

ドラマ放映の数日後、私は
「テレビ朝日へのご意見・ご感想、お問い合わせ」というページの
入力フォームを利用して、以下のメールを送りました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
件名:ドラマスペシャル『ママが生きた証』(7月5日放映)について

お忙しいところを恐れ入ります。私はライターの広浜千絵と申します(胃がん・乳がんの体験者でもあります)。

上記ドラマのセリフのうち、分子標的治療薬「ハーセプチン」が「パーセプチン」、抗がん剤「タキソール」が「タキトール」と発音されていましたが、その理由を教えていただけないでしょうか?

いずれの薬も、がん患者なら非常によく見聞する薬の名称ですので、原作者で奥さまの闘病をサポートなさった小松武幸さん(古舘プロジェクト所属)や脚本担当の尾崎将也さん、医療監修の堀エリカさん(オーケープロダクション所属)といった方々が、お間違えになるはずはないだろうと存じます。

また、御社の同番組の紹介ページには「ハーセプチン」と正しく表記されていますので、ドラマの中だけは、あえて名称を変えたということがわかります。
http://www.tv-asahi.co.jp/mamaiki/

これは、番組のスポンサーの中に該当の薬の開発・販売企業とは異なる製薬会社があり、その会社に対する配慮が必要だったため、と理解すればよろしいのでしょうか?

番組の終わりに「……薬名等、実在とは変えて…」といった断り書きも流れたようですが、闘病をテーマとする作品で薬の名称を実際とは変えるケースは、あまり存じませんし、病院名は「せいろか」という実在の医療機関の名がセリフに反映されていました(聖路加は正式には「せいるか」ですが、「せいろか」が通称として知られていると存じます)。
さらには実話をベースにした作品ということで、このドラマを観たという、がん患者・がん体験者の方々から私のもとにも、薬の名前に関する問い合わせや確認・相談などが届いております。

お手数をお掛けいたしますが、ご回答いただけると本当にありがたく存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

広浜千絵 拝

[参考:2種の薬の正しい名称]
●分子標的治療薬「商品名:ハーセプチン(Herceptin)/一般名:トラスツズマブ(Trastuzumab)」(中外製薬)
●タキサン系抗悪性腫瘍剤「商品名:タキソール(Taxol)/一般名:パクリタキセル(Paclitaxel)」(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)

…………………………………………………………………………………………………………

上記のメールに対し、「テレビ朝日 視聴者センター」の名で
7月10日(木)に私の個人アドレス宛、以下の返信を頂戴しました。

…………………………………………………………………………………………………………
Re:番組へのお問い合わせ [#3379535#]

広浜千絵様

いつもテレビ朝日をご覧いただきありがとうございます。

劇中には「パーセプチン」と「タキトール」という2種類の医薬品が登場しています。治療する場面では主に「パーセプチン」が使われています。
この医薬品名は架空のものです。
(現実には「ハーセプチン」「タキソール」という医薬品が存在します)
「ママが生きた証」は実話をもとにしたドラマですが、あくまでも創作された部分も含むフィクションです。したがって医薬品名を架空のものに設定しました。
(なお劇中に登場する医療行為は事実に基づき、専門家による医療監修のもとで撮影をおこなっています)

今後ともテレビ朝日およびテレビ朝日の番組をよろしくお願いいたします。

    テレビ朝日 視聴者センター

…………………………………………………………………………………………………………

とのことでした。
でも、これでは話が通じていないと私は感じたのですが…。

おそらく視聴者センターから製作会社へ問い合わせが回され、
製作会社のスタッフの人が、また誰かに確認して、というふうに
伝言ゲーム状態となって話がズレてしまったのかな???

ともあれ、釈然としないので、
テレ朝には恐縮ではありますが~、
さらに質問を重ねてみました。

以下は7月11日(金)に送信した内容です。

…………………………………………………………………………………………………………
テレビ朝日 視聴者センター御中

早々のご返信をありがとうございました。

当方の質問の意図が、あまりご理解いただけなかったようですが、
ドラマの中では「聖路加病院」等の医療機関は実名で登場しているのに対し、
医薬品名は架空のもの(と言っても一部のみ変更)にしたのは
どういう事情によるものかを伺いたかったのですが……。

周囲のがん患者・がん体験者の方々から私のもとにも
「薬品名はハーセプチンじゃなくてパーセプチンなのか?」
「なぜドラマではハーセプチンを混同しやすいパーセプチンと表現したのか?」
といった疑問が寄せられておりますので、
単純に理由を知りたいだけなのです。
(くれぐれも、決してクレームではないことをご理解くださいませ)。

もしくは、「製作協力」とクレジットされていた
「(株)タイズブリック」へ問い合わせたほうが、
明確なご回答をいただけるのでしょうか?

たびたび申し訳ありませんが、重ねてご回答いただけると有り難く存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

広浜千絵 拝

…………………………………………………………………………………………………………

で、本日は7月20日(日)となりましたが、
新たな回答は届いていません。

その間、ネット上にアップされていたドラマの最後の部分だけを見て、
断り書きのテロップ(字幕)と
クレジット・タイトル(出演者・団体などの名称)を確認しました。
断り書きは以下の通り。

「このドラマは『ママが生きた証』の原作を基にしたフィクションです。劇中に登場する団体名・個人名・医薬品名等は一部架空のものがあります。」

確かに「ドラマは作り物だから」と言ってしまえば、それまでの話ですよね。
しかし、番組宣伝を兼ねたドキュメンタリー番組では
該当の薬が「ハーセプチン」という正しい名称で登場し、
ドラマでは「パーセプチン」という1字違い、
しかも半濁音の違いだけという書き換え方をしたために、
紛らわしいと思ったり勘違いしたりした視聴者がいるわけでしょう。

どうせなら、全く印象の違う名前にすれば良かったのかも……。

クレジットの中で医療に関係する個人名と団体名には、
前述した「医療監修 堀エリカ」さんのほか、
「医療協力 松浦眞彦」(まつうら・まさひこ)さんという名前もありました。
この方は「日本大学医学部附属 板橋病院 産婦人科 産科科長」のようです。
また、「医事指導 内ヶ﨑西作」(うちがさき・せいさく)さんも
「日本大学医学部附属 板橋病院 医療安全管理室 副室長」で、
日大医学部の法医学の診療教授の方だと思われます。

堀エリカさんという方はテレビ番組等の監修なども行う
医療コーディネートの会社を経営しているので、
日大系は、そのネットワークによるものかもしれませんね。

撮影協力は
「聖路加国際病院」(東京都中央区)
「久里浜医療センター」(独立行政法人国立病院機構/神奈川県横須賀市)
「神奈川県立がんセンター」(神奈川県横浜市)
「パシフィック・ホスピタル」(医療法人社団 聖ルカ会/神奈川県横須賀市)

そんなことはどうでもいいのですが~、
「パーセプチン」問題は結局、どなたに確認すればハッキリするんでしょう?

まぁいくつかアプローチする問い合わせ先はあるので、
ある程度、納得できる回答が得られるまで調べてみることにします。
闘病中の方々に緊急を要する話題でもありませんから、
どうか“がん友”の皆さんも気長に報告をお待ちくださいまし~。


[本日のオマケ]
「MDアンダーソンがんセンター」とは
アメリカの「テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター」のことで、
がんの研究・治療などにおける世界有数の医療機関です。
私のがん本の巻末リストでも紹介しましたが、同センターのサイトは
“がん友”の皆さんや患者をサポートする方々の参考になると思います。
コラムは古い日付もあるのですが~、掲示板からは最新情報が拾えますよ。

●「チームオンコロジー.Com」(MDアンダーソンがんセンター)
www.teamoncology.com/

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[注記]
テレ朝からのメールの転載については、メール文を著作物と見なすかどうかによりますが、たとえ著作物だとしても著作権法の第32条に基づき、正当な範囲内の「引用」であり、利用可能と判断しました。

●「著作権法」(公益社団法人 著作権情報センター)
http://www.cric.or.jp/db/domestic/a1_index.html#032
(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

●「著作権について」(テレビ朝日/2006.9.25改定)
http://www.tv-asahi.co.jp/rights/
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浴衣の日に下駄ずれができたので~(泣)、自己流の「湿潤療法」を試したら……。 [医療・健康&がん関連]

子どもの頃、ぶつかったり転んだりして
ひじ・ひざをすりむいたり、切り傷をつくったりすると、
患部に「赤チン」というものを塗られました。

これは「赤色のヨードチンキ」の略で、
殺菌・消毒剤のマーキュロクロム液のことなのですが、
本来の沃素(ヨウ素=ヨード)を使った「ヨードチンキ」とは
配合成分が異なるようです。

赤チンを塗られた暗赤色の部分は、
角度によってはギラギラ光る虹色にも見えました。
マーキュロクロムの語源はマーキュリー(mercury)で、
これは「水銀」という意味です
(大文字から始まるMercuryは「水星」のことで、
ローマ神話の神マーキュリー
=ギリシャ神話の神ヘルメスの意も)。

実際のところ、赤チンは有機水銀を使っていたので、
水銀による公害が取り沙汰された時期に大きな問題となり、
製造会社は’70年代前半に激減したそうです。

事典によっては
「国内では製造中止」と書いてあるものも見掛けましたが、
今も製造している会社は数社あるようで、
「アマゾン」等でも販売中。
最近では飼育している金魚の傷に使う人もいるとか。
なるほどね~。

主力製品ではなくなっても赤チン製造を続けている会社が
東京・世田谷区内にあるようです。
●三栄製薬(株)
http://www.e-expo.net/information/cosme_oem/

ともあれ、私の子どもの頃は
傷ができたら、すぐに水で洗い流し、
消毒をして(赤チンや「マキロン[レジスタードトレードマーク]」を塗って)、
ガーゼを当てるか包帯をする、
そして、かさぶたができるように
=早く傷が乾くようにケアしたものです。

ところが、近年では
・傷を乾かすと治りが遅くなる。
・傷から出るジクジクした液は回復に有効なので乾かさない。
・生きている細胞は乾燥すると死ぬから、傷は乾かさない。
・消毒やガーゼは、かえって悪影響。

といった考え方の
「湿潤(しつじゅん)療法
(モイスト・ヒーリング)」が推奨されているとか。
昔から、軽いすり傷などは
「そんなもん、ツバつけときゃ治るよ」
なんて言われたものですが、
そのように自然治癒力を働かせようとする療法だそうです。

傷のできた患部を
文字通り「湿(しめ)らせる」「潤(うるお)す」方法で、
家庭で行う場合は、患部に「白色ワセリン」を塗って
食品用のラップフィルムで覆うだけ。
最近では市販の湿潤療法用の
絆創膏(ばんそうこう)も増えていますよね。

家庭での湿潤療法というものが気になっていたところへ、
浴衣を着た日に、ちょうど(と言うか何と言うか)
下駄ずれ(鼻緒ずれ)になったので、
その傷に湿潤療法を試すことにしました。

両足の甲の鼻緒が当たる部分の表皮が、
所々むけてヒリヒリしています~(泣)。

白色ワセリンは化粧品などにも使われる素材で、
安全性の高いものだとされていますが、
どうも私は
「石油から精製した化学物質だし…」という拒否感があり、
(まぁ石油自体も有機の化石燃料という説もあるんですけど~)、
代わりに、うちにあった
「馬油(バーユまたはマーユ)」を使うことにしました。

馬油はスキンケアに使おうと思って買ってみたのですが、
とにかく私は、においがダメでした。
それに顔に塗った量が多かったのか、白ニキビも出たので、
ほとんど使わずに放ってあったのです。
聞くところによると、
ヤケドや手荒れなどに馬油を使う人も多いようですね。

お風呂上がりに馬油を下駄ずれの部分に多めに塗り、
その箇所の大きさに合わせてラップを切って、ペタッと貼りました。
するとヒリヒリした感じがなくなったのです♪

これはいいかも~!!と思ったのですが、
翌日には足にラップのくっついているのが鬱陶しくなり、
また、何度も、はがしたり塗ったり貼ったりするのが面倒なので
3日目には止めてしまいました~。

というわけで、今ではしっかり“かさぶた”ができてしまいました……。
そのまま傷あとが少し残りそうです。

実験は挫折したので、湿潤療法の効果は判断不能となりましたが、
馬油は傷に塗る分には良さそうですよ~。
私のように、においが合わない人には、おすすめしませんが。
(最近ではバニラとか
人工的な香りを付けた馬油も出ているようですが、
私は人工的な香料はもっと苦手)。


湿潤療法について調べていたら、
理解しやすく説明してあるサイトを見つけました。

●「湿潤療法で早く、痛くなく、きれいに傷を治す」(神戸逓信病院)
http://www.hospital.japanpost.jp/kobe/health/advice/kizu.html
この病院には「傷の治療(湿潤療法)専門外来」もあるようです。

日本で湿潤療法を提唱し始めたのは
夏井 睦(なつい・まこと)さんという形成外科医だそうで、
このお医者さんが’01年に開設したというサイトがあります。

●「新しい創傷治療」(夏井 睦さん)
http://www.wound-treatment.jp/
「消毒とガーゼ」撲滅宣言、なんて書いてありますよ(笑)。
各ページの背景が楽譜の模様で、ヒジョーに読みづらいのですが、
情報はビッシリ(個人的な趣味のページもあるようです)。

夏井先生は従来の傷の治療法を最善とする学会を相手に、
ずっと闘っていらした様子。
現在は「練馬光が丘病院 傷の治療センター」(東京都練馬区)
という医療機関に勤務なさっているようで、
病院のサイトには
’90年代後半から湿潤療法の普及に努めてきたと記してあります。
(※この病院は元「日本大学医学部付属 練馬光が丘病院」で、
日大と区との間のゴタゴタした問題を経て、
2年前に日大が運営から手を引くまでの経緯が話題となったことが…)。


しかしながら、この湿潤療法に対し、
警告を発している機関があります。

NPO「創傷治癒センター」のサイトに掲載されている論文の要約。
●「不適切な湿潤療法による被害 いわゆる“ラップ療法”の功罪」
http://www.woundhealing-center.jp/whatsnew/110406.html
(※腰部の大きな傷口の生々しい写真も載っているので、
苦手な人は見ないほうがいいかもしれません)

上記の論文の要約をさらに要約すると、
・傷を湿らせたままにするのは、
治りやすい半面、細菌も繁殖しやすい。
・傷口からの浸出液が多かったり
傷口に壊死した組織があったりする場合は、
ラップで覆うと細菌が爆発的に繁殖してしまう。
・糖尿病などで免疫力が低下している人も同様に危険。

うーむ、どう判断すればいいんですかねぇ?

周りに子どものいない私は、
日常的な傷・かゆみなどの皮膚疾患に関することは、
子育て中の友人・知人に聞いてみることにしています。
小さな子どもたちは
すり傷・切り傷なんてしょっちゅう作っていますから、
そのケアに長けているのは親、
もしくは、それに類する存在の人たちだと思うからです。

元気な男の子2人のママである、とみちゃんに聞いてみました。
すると、やっぱり湿潤療法についても、よく知っていました。
とみちゃんが皮膚科のお医者さんの意見も聞いた上で
子どもたちの傷のケアの目安としているのは、
「傷が浅い場合は市販の湿潤療法の『キズパワーパッド[トレードマーク]』などを貼って、
傷口が深いようであれば、お医者さんで手当てをしてもらう」
とのことです。

私は今年の夏、できるだけ浴衣を着てみようと思っているので、
次回また下駄ずれができたら(痛いから予防はしますがね~)、
今度は市販の湿潤療法の絆創膏を使ってみようと思います。

……下駄を履く前に
あらかじめ絆創膏を足に貼っておくのは
見た目にカッコ悪いかなぁ……???
私の周りには着物を粋に着こなす方々が多いので、
そういう方々に見られないよう画策しなくちゃ(笑)。

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坂本龍一さんの中咽頭がんは、私の本に登場した先輩女性も経験したのですが…。 [医療・健康&がん関連]

音楽家の坂本龍一さん(62歳)が
「中咽頭(ちゅういんとう)がん」の
治療に専念することを公表しました。

中咽頭とは、口を大きく開けると奥のほうに
いわゆる“のどちんこ”が見えますよね?
その周辺を指します。

※「のどちんこ」は「口蓋垂(こうがいすい)」の俗称で、
「懸壅垂(けんようすい)」という呼び方も(口蓋垂の旧称)。
俗称には、ほかに
「喉彦(のどびこ・のどひこ)」「上舌(うわじた)」など。

「のど」とは
「咽頭(いんとう)」+「喉頭(こうとう)」のことで、
咽頭は鼻の奥から食道の入り口までを指し、位置によって
鼻の奥から左右の耳に通ずる部位を上咽頭(じょういんとう)、
のどの奥から舌の付け根あたりを中咽頭と言い、
その下の食道の入り口までが下咽頭(かいんとう)と分類されます。

※咽頭の位置(「構音器官」gooヘルスケア)
http://health.goo.ne.jp/medical/data/150103000_07.html


中咽頭は呼吸のための空気の通り道で、
食物を嚥下(えんげ)する(=飲み下す)、
言葉を正確な音で発するなど、
私たちにとって非常に重要な機能に関わる部分です。

中咽頭がんの自覚症状としては、
食べ物を飲み込むときに違和感があった、
のどがしみる感じがした、という人が多いようです。

症状が進むと、のどの痛み、飲み込みにくい、しゃべりにくい
などと訴える人も出てくるのですが、こうした症状だと
「風邪かな? そのうち治るだろう」と思って、
市販薬を飲むだけで放っておく人も多いのではないでしょうか。

また、口の中の症状はほとんどないのに、
首の一部が腫(は)れているなと思って病院へ行ってみたら、
中咽頭がんが頸部のリンパ節へ転移したものと
判明する場合もあるのです。

この中咽頭がんも含めて、首から上に発生するがんを総称して
「頭頸部(とうけいぶ)がん」と言います。
病院では耳鼻咽喉科や頭頸科、頭頸部外科などの領域ですが、
脳や脊髄、眼窩内(眼球)は別の専門の診療科が担当します。

【国際分類による頭頸部がんの種類】
口唇(こうしん)がん、口腔(こうくう)がん、舌(ぜつ)がん、
咽頭(いんとう)がん、喉頭(こうとう)がん、
鼻・副鼻腔(ふくびくう)がん、
唾液腺(だえきせん)がん、甲状腺(こうじょうせん)がん、
耳・頭蓋底(ずがいてい)がん、
食道がん(首の位置にあるもの)など。


私の罹った胃がんや乳がんは、
がんの中でも患者数はかなり多いのですが、
頭頸部がんの発生は、がん全体の約2%と少なく、
中咽頭がんは、その頭頸部がんの中でも10%前後と、
非常に少数だそうです。
(※「国立がん研究センター がん対策情報センター
がん情報サービス」更新日:2013年3月14日の情報より)

一説によると中咽頭がんは
・50代~60代に多い。
・男性に多い。
・日本では九州や沖縄など南の地域に住む人に多い。
・世界ではインド、東南アジア、フランス、イタリア、ロシアなどに多く発生する傾向。
・強い酒や飲酒量の多さ、飲酒期間の長さ、喫煙などが原因ではないか。

とも言われていますが、
私のがん本に中咽頭がんの体験者として登場してくださった
文筆業の先輩女性「Eさん」は、
昔からお酒もほとんど飲まず、煙草も吸ったことのない人で、
生まれも育ちも現在のお住まいも東京です。

ただし、ご本人は
「長年勤めた職場に喫煙者の男性が多く、
その副流煙が原因だと思っている」と話していました。

がんの原因については、発症してから過去の生活態度を振り返り、
あれこれ後悔してはクヨクヨする人も多く、
また、「人一倍、健康的な生活を送ってきて
何も思い当たらないのに、なんで!?」と憤慨する人もいますが、
病気が判明してから原因を探ってもしょうがないのです。
(発症していない人で飲酒・喫煙の習慣のある場合は、
リスクとして気に留めておいたほうがいいでしょうけどね)。

考えるべきことは、
今、これから、どうするか、ということ!


Eさんが中咽頭がんだとわかったのは
’05年秋のことで、同時期に私は乳がんの診断を受け、
医療機関を探し始めたところでした。

Eさんは首にしこりがあるのに気づき、
近所のかかりつけ医を受診したところ
「扁桃炎(へんとうえん)」と診断されたのですが、
別の大病院で診察・検査を受けてみたら
中咽頭がんと首のリンパ節2か所の転移も判明し、
ステージⅣ(4)と告知されたのです。当時60歳でした。

入院し、外科手術を受ける前に、
首の腫瘍を少しでも縮小できないかということで、
抗がん剤(点滴)と放射線の照射を受けることとなりました。

化学療法と放射線療法の相乗効果があったようで、
がんは縮小し、それから手術を受けました。
術後も再発予防として抗がん剤(錠剤)を1年間、服用。
さらに、自費で免疫細胞療法も受けたそうです
(自費診療分は約210万円)。

詳しいことは私の本に書きましたが、
Eさんは治療による多くの副作用や後遺症に悩まされ、
長い間、つらい日々に耐えねばなりませんでした。

私は子どもの頃、よく扁桃腺を腫らしては
高熱で寝込むこともありましたが、
風邪や気管支炎などで、のどが痛むときは
それだけでも不快ですよね。

がんの治療で、のどに放射線を照射すると、
のどが焼けて黒くなり、一種のヤケドのような状態となるため、
ツバを飲み込むことすら非常に痛くて大変だったそうです。
しばらくの間、口にできたのは流動食だけ。
味覚障害も3年ほど続いたとのことで、
飲むこと食べることが生きがいの人には拷問のような(泣)。

また、手術や放射線療法の影響で唾液の分泌が減ったため、
いつも口の中が乾いて飲料水が手放せなかったり、
口内炎になって飲み込みにくくなったり、
骨髄炎で口腔外科に入院して歯を抜く事態にもなったそうです。

Eさんは今、がんと診断されてから9年が経ち、
69歳となりました。
元々ポジティブで活動的な方ですが、
小柄で華奢なのに本当にパワフルで、私は驚くばかりです。

頭頸部のがんは
首のリンパ節に転移しやすいという傾向はあるのですが、
かつてステージⅣと言われた進行がんの患者でも
実際に元気を回復したお手本となる方が、私の身近で活躍中♪♪
という事実をお伝えしておきます!


Eさんの場合は、抗がん剤・放射線・手術という
標準治療のフルコースに加え、免疫療法もプラスしたわけですが、
中咽頭がんの早期の場合は
放射線療法のみを行うケースもあるようです。
副作用は伴いますが、治療効果は手術と同等で、
手術よりも中咽頭の形態や
機能上の変化は少ないとも言われています。

坂本龍一さんの病期(ステージ)は公表されておらず、
治療は居住地のアメリカで行うそうですから、
まだ具体的な治療方針は確定していないのでは?と思うのですが、
一部のスポーツ紙には、
坂本さんが反原発運動にも関わってきたことで、
「反原発の立場から
主治医に放射線治療は拒否する考えを伝えた」
という内容の記事が載りました。

私はそれを読んだ直後、思わず
「ウソでしょ~!?」
と声が出ましたが、
ホントにデマ記事だったようです(怒)。

「デマ(デマゴギー)」とは
「根拠・確証のない噂」という意味ですが、
「政治的効果を狙って意図的に流される虚偽の情報」
という意味もあります。
それを踏まえると、記事のネタ元は原発推進派か!?
……と私は想像したのですが、
そのスポーツ紙の系列の新聞社の論調は脱原発のようだし???

だいたい、この記事が出た時点で
坂本さんの主治医って誰だか、わかっていたのかな?
「拒否する考えを伝えた」と断言できる根拠は?

ともあれ、ウソ記事は
すぐにネット上に拡散してしまいました。
記事をそのままブログ等に
無断で転載している人もたくさんいるようです。
坂本さんも本当に迷惑なことだろうと思いますが、
がん患者にとっても大迷惑です。

大震災での原発問題以降、
「放射線は怖い」というイメージをもつ人が増えたことから、
放射線が効果的とされるがんに罹っても、
ほかの治療法を希望する患者が増えていると聞きます。

もちろん、どんな治療を選択するかは
個人の自由と意志に基づくべきですし、
生き方も死に方も本来は自分で決めるべきことですから、
放射線治療がイヤなら拒否しても誰も困らないのですが、
医療としての放射線療法を原発問題と混同するのは、
はたして、どうなんでしょうねぇ。
(↑ これは一部の患者に対する心配)
思想の傾向と原発問題と治療法を一緒くたにして
ワケのわからん記事を書くのも、どうなんでしょうねぇ。
(↑ これはイヤミ)


私は特に坂本さんのファンではありませんが、
同じがん患者・がん体験者としては、
治療の始まる直前は心身共にストレス満タンなのに、
こういうデマが飛ぶこと自体、
さらに負荷が掛かりそうだなと思い、同情します。

もし私が坂本さんの立場なら、
その新聞社に乗り込んで記事を書いた記者を探し出し、
情報提供者が誰なのかを
徹底的に追及するかもしれませんねぇ。

坂本教授は大人なので~、
そんな記事など、さして相手にもせず、
記事が出た日のうちに所属事務所と
坂本さんご自身のコメントもWebサイトに掲載されました。

●「音楽家 坂本龍一に関するお知らせ」(2014.07.10)
http://www.commmons.com/whatsnew/artists/sakamotoryuichi/201407101307.html

がん治療のために
長く関わってきた芸術祭やコンサートの仕事も
断念せざるを得なくなった……という無念と闘病への決意は、
業種や業務のスケール、思想などには何も関係なく、
仕事や家事・育児などに頑張っている“がん友”の皆さんなら、
実感できると同時に、深く共感もできるのではないでしょうか。

私も二度のがん治療に入る直前に
担当していた仕事から外されました。
命が最優先だから仕方のないことなんだ、
そう自分に言い聞かせながらも、
自分の状況が口惜しくてなりませんでした。

まぁでも、それで治療に専念したからこそ、
元気な“今”があるんでしょうね♪


[頭頸部がんについて、もっと知りたい方は…]

●「頭頸部外科って何でしょう?/頭頸部がん(癌)とは?」
(日本耳鼻咽喉科学会)
http://www.jibika.or.jp/citizens/topics/toukeibu.html

●「知っておきたいお口と喉の病気――口腔・咽頭の腫瘍」
(日本口腔・咽頭科学会)
http://www.jssp.umin.jp/guide/qa_2.html
※口の中の腫瘍の画像が載っていますから、
生々しい写真が苦手な人や飲食しながら閲覧している人は
見ないほうがいいかもしれません。

●「放射線治療Q&A
――咽頭がんに放射線治療は効きますか。」
(日本放射線腫瘍学会)
https://www.jastro.or.jp/customer/detail.php?eid=00026&faq_type=2

●「頭頸部がん専門医名簿」(日本頭頸部外科学会)
http://www.jshns.umin.jp/senmoni/senmoni_meibo.html

●「頭頸部がん暫定指導医名簿」(日本頭頸部外科学会)
http://www.jshns.umin.jp/senmoni/senmoni_meibo_zantei.html

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書


がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/05/08
  • メディア: Kindle版


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東海地方でのテレビ放映は、実年齢の2歳上の表示だった模様ですぅ~(泣)。 [医療・健康&がん関連]

東海テレビの「スーパーニュース」という番組で
がん特集の取材を受けた分が、
6月4日(水)に放映されたそうです(東海地方以外では視聴できない)。

録画のDVDは角川の編集担当Uさんから送ってもらったのですが、
そのうち確認しようと思ったまま、封筒も開けずじまいでした
(Uさん、スミマセン! 汗)。

でも、先日、乳がんの定期検診をお願いしている
「平松レディースクリニック」の予約が取ってあり、
院長の平松秀子先生にはテレビの撮影にも協力していただいたので、
録画を観ないで行くわけにもいかないだろうと思い、
出掛ける直前にザッと観ました。

特集は全体が15分ぐらいで、私に関する内容は7~8分でしょうか。
3月に出した、がん本の表紙がアップで出てきたのは
ありがたいな~と思いましたが、
決定まで一悶着あった肩書「がんライター」と
名前の「広浜千絵」も大写しになったのには苦笑しました。

もう一人、がん体験者の男性と私のことを中心に、
「がんと診断されたら、どうすればいいか」というテーマで
番組は進行していました。

名古屋から取材にいらしたメインキャスターの中村昌秀さんからは、
上記のテーマで特集を組もうと企画を考えていた時期に、
『がんと診断された私が生きるためにやったこと』という
タイトルの私の本が刊行されたので、
これはタイムリーだ、この著者にも話を聴こう、
という話になったのだと伺いました。

インタビューを受けた際、
私の話はあちこちに、とっちらかったのですが~(汗)、
全体的には、うまくまとめてくださったと思います。
同時に、書籍の編集も大変な作業だけれども、
テレビ番組の編集もまた、細かな作業の積み重ねなんだなぁと……。

しか~し!
病院と仕事の現場も撮影したいと言われたため、
東海テレビの視聴者の方々は私の顔を観たって面白くもないだろうと思い、
お世話になっているクリニックの院長と日本料理店の女将という
才色兼備のお二人にもお願いして登場していただいたわけなんですが、
なぜか平松先生のお顔がほとんど映っていないんです……。
そりゃ美人を紹介する特集じゃないんですけど、
せっかく撮影したのに出さないのは、もったいないし、
先生に失礼だとも思う~(泣)。

日本料理「菊うら」1階でのシーンには
女将みきちゃんと仕事の打ち合わせをしている“フリ”をしたのですが(笑)、
これまた遠景で、美人女将のお顔も、あまり見えないのです。

なんてことを書くと、“がん友”の皆さまの中には
「マジメな報道番組なのに不謹慎な!」
と怒る方がいるかもしれませんけどねぇ、
私としては、お二人には忙しい時間を割いていただいたことだし、
尊敬しているカッコいい女性たちだから紹介したかったんですよ~。

えっ、番組の構成上、本末転倒?
んー、まぁそうなんでしょうけどねー。

その後、「菊うら」へ行った日に、みきちゃんにDVDをお貸ししました。
以下は私たちのメールのやり取りです~。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
★みきちゃん
「お借りしましたDVD見ました!
千絵さん53歳でしたっけ?!
数字で表記されると改めてビックリですね。
全然オバチャンじゃないですよ♪」

★ちえ
「あたちは51歳なんでちゅ~(泣)。
DVDで自分が出た瞬間、しみじみ『老けたなぁ…』と思いました(汗)。
で、年齢のテロップを観てビックリ。2歳も上になってるしぃ!!(泣)。
あたしゃ達ニィの1つ上だけなのに~。
まぁでも、このトシになると
5歳上や10歳上と言われても、どうでもいいような(笑)。
しかし、がん本の表示と違ってくるので、
ブログにTV局のいい加減さについて書いてやろうと思います。ふははっ。」

★みきちゃん
「そうですよねー、そんなに年上じゃなかったですよねー。
失礼しちゃいますね!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

というわけで、みきちゃんに慰めてもらったのですが~、
なんで年齢を間違えられたのかなぁ?
テレビは書籍と違って校閲が入りませんからね、
だから、ほかの番組でも
字幕には誤字や用字用語の間違いが、よく目に付きます。

平松先生は、お忙しくて、まだご覧になっていなかったそうです。
今回の検診(マンモグラフィとエコー)の結果は、
「石灰化はあるけど、以前と状態は変わらないし、問題ないでしょう」
という診断で、次回の検診は来年の1月となりました。

先生のクリニックは常に予約がいっぱいで、
新患で受診できるのは3か月待ちの状況と聞いていましたが、
改めて先生に伺うと、
「今すぐ受診したいというのは難しいかもしれないけど、
再診の患者さんの間に予約が入れられる場合もあるから、
電話で状況を確認していただければ、対応できるときもありますよ」
とのことでした。

セカンドオピニオンも受けられるので、
治療法について迷っている方、不安に思っている方は、
連絡してみるのもいいかもしれません
(確実に予約が取れるかはわかりませんし、先生との相性もあるので、
一概に「絶対オススメ!です」とは断言しませんが、
私は心から信頼しているお医者さんです)。

クリニックの受付には2人の女性がいます。
テキパキとした仕事ぶりで、非常にしっかりした真面目な人たち、
という印象は、私が最初に行ったときから変わりません。
同院の開業は’05年で、偶然、私はその年の秋に初めて受診したのですが、
スタッフの方々が10年近く変わらないというのは、
患者としても安心できますよね。

マンモグラフィの撮影を担当する技師も女性です。
その技術レベルの差は、がんの発見に大きく関与するということを
私は身をもって体験しました(詳しいことは本に書いてあります~)。


平松先生については、以下のサイトの記事が参考になると思います。
●『ドクターズ・ファイル』
平松レディースクリニック 平松秀子院長
http://doctorsfile.jp/h/18251/df/1/

●乳腺外来「平松レディースクリニック」(渋谷区広尾)
http://www.hiramatsu-clinic.jp/

女将みきちゃんのお店♪
このブログの7月4日付の記事でも紹介していますよ~!
●日本料理「板前心 菊うら」「達 菊うら」(新宿区西新宿)
http://www.kikuura.com/

今回のテレビ取材のきっかけとなった拙著です。
●『がんと診断された私が生きるためにやったこと』(角川SSC新書)842円(税込)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書



●『がんと診断された私が生きるためにやったこと』(Kindle版=電子書籍)620円(税込)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/05/08
  • メディア: Kindle版


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パーセプチン? タキトール? がんの薬の名を変えてドラマ放映した理由をテレビ局に確認中。 [医療・健康&がん関連]

偶然、がん闘病をテーマとするテレビドラマ
『ママが生きた証』(テレビ朝日)を観ました。
主人公の女性は妊娠5か月のときに
左乳房に10cmの腫瘍が見つかり、すでに肝臓に転移し、
ステージⅣ(4)との診断。
余命は1~2年と言われる状況の中、
薬による闘病を続けながら出産をするというストーリーです。

原作は放送作家・小松武幸さん(古舘プロジェクト所属)が
奥さまのことを記した実話で、講談社から本も出ているようです。

俳優陣は中堅どころからベテランまでと、安心できる顔ぶれ。
がん患者が主人公のよくある陳腐な作品のように
お涙頂戴的な印象はなかったので、
しばらく集中して観ていられたのですが、
がん治療に用いるポピュラーな薬の名前が
少し変えて使われているのを耳にした瞬間、
私の聞き間違い!? 俳優の言い間違い!?とビックリしました。

分子標的治療薬の「ハーセプチン」が「パーセプチン」、
抗がん剤「タキソール」も「タキトール」と聞こえました。
おかしいな…???
薬名が出るたびに注意して耳を傾けても、
乳がん患者である妻と、その夫のセリフはもとより、
医師らのカンファレンス(症例検討会)の場でも「パーセプチン」。
明確に「ハー」ではなく「パー」と発音している、
つまり、脚本で統一されているということでしょう。

「ハーセプチン」は点滴で投与するタイプの薬で、
現在、乳がんと胃がんの一部の患者に使用されています。

私が胃がんの手術をした’98年の頃は、
胃がんに効果のある抗がん剤はないと言われており、
術後は何も処方されませんでした。
乳がんの治療を受けた’05~06年当時は、
「ハーセプチン」の使える患者は
「HER2過剰発現の進行・再発乳がん」に限定されていました。

「HER2(ハーツー)」とは細胞の表面などにあるタンパク質の一種で、
細胞の増殖を促す受容体(レセプター)を指します。
※「HER2」は「human epidermal growth factor type 2」の略。

「ハーセプチン」を販売している「中外製薬」のサイトに
わかりやすい解説文があるので、それも参考にしつつ説明しますね。

「HER2」とは、がんの増殖に必要な栄養を取り込む“手”のようなもので、
手を持たない細胞に比べ、栄養をせっせと取り込もうとするため、
がんの増殖スピードも速くなる傾向があります。

がん細胞に「HER2」が、たくさんある状態を「過剰発現」と言い、
乳がんの場合、「HER2」の有無は「陽性」「陰性」に分け、
過剰発現の度合いは「+」「++」「+++」の3段階で表します。

「HER2」が「3+」の「強陽性」の患者だと
増殖が速く転移しやすいがんと判断されるわけですが、
私の乳がんのタイプが、これに該当します。

「ハーセプチン」という薬が作用する仕組みは、
がんに栄養を取り込む“手”の自由を奪う“手錠”のような働きによって、
がん細胞を飢餓状態にし、活性化を阻止します。
「HER2」にピンポイント攻撃を仕掛けるようなものですから、
「分子標的薬」とも呼ばれるわけですね。

私は進行乳がんではなかったので、
発症時は「HER2」の強陽性でも「ハーセプチン」は使えませんでした。
強陽性ってイヤだなぁ、不安材料が大きいなぁと感じた私は、
当時から「ハーセプチン」は効果が高いという情報が多かったので、
「使える人はいいな~」と単純に思ったものですが、
現在では早期の乳がんでも術前・術後に使用されています。
また、胃がんの場合は、「HER2」過剰発現であると共に
手術のできない進行・再発がんが対象となるようです。

いずれも使用するにあたっては細かい条件があり、
副作用も伴いますので、
「HER2」強陽性のがん患者の方は
主治医の説明をしっかり聴くようにしましょう。

もう一つ、ドラマのセリフに登場した抗がん剤「タキトール」は
「商品名:タキソール/一般名:パクリタキセル」のことだと思われます。
さまざまながんに用いられている薬なのですが、
この「タキソール」と同じ系統の薬には
「タキソテール」「ワンタキソテール」「アブラキサン」といった商品もあり、
「タキなんとか」という商品名だけ聞くと非常に混同しやすいのです。

なぜ、わざわざ、ややこしい別名を付けて放映したのでしょうか?

テレビ朝日の同番組の紹介ページには
「ハーセプチン」と正しく表記されています。
http://www.tv-asahi.co.jp/mamaiki/

原作の方は、がん患者を支えた当事者でもありますから、
奥さまに使われた薬の名前は、よく記憶なさっているでしょうし、
脚本を担当した尾崎将也さんという方も、
ご自分で書いた原稿は責任をもって確認なさったでしょうから、
薬の名を間違えたまま表記を統一するとは考えられませんよね。

医療監修は堀エリカさん(オーケープロダクション所属)という方のようです。
看護師の資格を持ち、ドラマや映画の医療監修などの会社も経営。
まぁ実際の監修は医療系の資格を持つ社内スタッフに任せたのだとしても、
ご自分の名前が出るわけですし、看護師として働いた人なら、
これまた薬の名称を勘違いすることはないと思います。

私はどうにもセリフの「パーセプチン」という響きに違和感があり、
ドラマの出演者らの熱演には惹かれつつも
リアリティに欠けるので白けた気分になってしまい、
観るのは途中で止めてしまいました。

あとからネットで調べてみると、
番組の終わりには
「……団体名・個人名・医薬名等は一部架空のものが……」
といった断り書きが流れたようですが、
セリフには「せいろか病院へ転院…」というものもありました。

多くの視聴者がパッと聞いて「聖路加病院だな」と捉えると思います。
実際、病室のシーンは同院で撮影をしたようにも見えました
(以前、中村清吾さんが聖路加にいらした時期の
ドキュメンタリー番組に出てきた病室に似ていたので)。

築地にある「聖路加国際病院」(東京都中央区)は、
正式には「せいるか」と読むそうです。
英名が「St. Luke's International Hospital」であるように
キリスト教の精神に基づく医療機関で、
「聖路加」とはキリスト教の聖人の「聖ルカ」のことだとか。
東京周辺に住む人の多くは「せいろか」と呼び、
その通称が定着していると思うので、
なぜ病院名だけは実名なのか?という疑問も湧きました。

まぁ、テレビという媒体の特性を考えると、
番組のスポンサーの中に
該当の薬の開発・販売企業とは異なる製薬会社があり、
その会社に対する配慮が必要だった、ということではないでしょうかねぇ。

私も広告屋なので実情は理解したいところですが、
一企業(=オカネ)のために配慮したことが、
がん患者・がん体験者を動揺させたり不信感を与えたり
……といったことに繋がりかねないのです。
現に、ネット上でブログ等を書いている乳がん患者の多くが
今回のドラマの薬の名について言及しています。

でも、憶測だけで物を言ってはいけませんよね。
わからないことは放っておかずに確認しましょう!

テレビ朝日のWebサイトを調べたら
専用入力フォームによる問い合わせのページが設けられているので、
それを利用し、上記の疑問点を整理した上で送信してみました。
「必ずしも返信をお約束するものではありません。」と書いてあるので
回答がもらえるかどうかは不明ですが、
もし回答が届いたら後日のブログでお伝えします。


[追記]
7月8日(火)付の新聞記事に、「聖路加国際病院」が
「妊娠5か月以降であれば、
抗がん剤治療をしても赤ちゃんの健康には影響がなかった」
という報告を「日本乳癌学会」の学術総会で発表するという報道がありました。
もしかしたら、そのタイミングに合わせて
ドキュメンタリー番組とドラマの放映があったのかな?
と、私なぞは穿(うが)った見方をしているところです~。


[より詳しく知りたい方は…]

●分子標的治療薬(抗悪性腫瘍剤)
「商品名:ハーセプチン(Herceptin)/一般名:トラスツズマブ(Trastuzumab)」
※「ハーセプチン[レジスタードトレードマーク]」は「ジェネンテック社」(アメリカ)の登録商標。
・ハーセプチンの治療を受ける患者さんへ(中外製薬)
http://chugai-pharm.jp/hc/ss/pa/sf/her/index.html

●タキサン系抗悪性腫瘍剤
「商品名:タキソール(Taxol)/一般名:パクリタキセル(Paclitaxel)」
・タキソールの患者向け医薬品ガイド(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)
http://www.bms.co.jp/patient/phtx/index.html
※PDFファイルで閲覧できます。

「商品名:アブラキサン(Abraxane)/一般名:パクリタキセル(Paclitaxel)」
・アブラキサン(大鵬薬品工業)
http://abraxane.jp/

「商品名:タキソテール(TAXOTERE)/一般名:ドセタキセル水和物(Docetaxel Hydrate)」
「商品名:ワンタキソテール(ONE TAXOTERE)/一般名:ドセタキセル水和物(Docetaxel Hydrate)
・医療関係者向け 製品情報サイト(サノフィ)
http://e-mr.sanofi.co.jp/non-member.php

●聖路加国際病院ブレストセンター
http://www.luke-bc.net

●聖路加国際病院
http://hospital.luke.ac.jp/
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婦人科と血液内科の定期検診で、11時から16時まで病院で過ごしました~。 [医療・健康&がん関連]

病院の予約が11時だったのですが、
明け方まで起きていたせいで(W杯サッカーは観ていませんよ~)、
ハッと気づいたら10時10分! アワワワ(冷汗)。

一瞬、キャンセルするしかないかな~と諦めかけたのですが、
予約を取り直すのも面倒なので、とにかく急いでみることにしました。
婦人科の検診もあるからシャワーも浴びていかないと~。
パパッと顔面塗装工事を済ませ、電車とタクシーを乗り継ぎ、
病院へ駆け込んで受付機にカードを差し込んだのが11時6分。

遅刻は遅刻なんですが、
実際には予約してあっても婦人科は1~2時間待ち、
血液内科は2~3時間待ちが通常のようになっているので、
毎回、半日仕事となる覚悟で病院へ向かうのです。

定期的な病院通いも十数年にわたるので、
待つのも慣れてはいるのですが、
自分が呼ばれるまで院内で自由に過ごせるよう、
携帯メールと連動して呼び出してもらえるようになるといいのにな~。
(乳がんの手術をした大学病院ではポケベルを貸し出していましたが、
予約してあっても乳腺外科の検診は3時間待ちでした~)。

婦人科検診と貧血治療で通院している新宿区内の国立病院は大規模なので、
以前から食堂風のレストランやカフェ、コンビニはあったのですが、
長い間、増築・改装工事をしていて、今回2か月ぶりに行ったら、
3階まで吹き抜けのアトリウム(元は古代ローマの前庭の意で、
現代建築では屋内の中庭風のスペースといった意味合い)に、
無料の広い休憩スペース(テーブル&椅子あり)が設けられ、
患者図書室やカフェに併設の図書コーナーも加わりました。
私のような職種なら、原稿や企画書の下書きをするには
うってつけの環境に~♪
病院のアトリウム.JPG
婦人科で呼ばれたのは12時半も回ってからでした。
それまで待合室でケータイのSNSで遊んでいようかな~と思ったら、
圏外エリア(泣)。だから、ボーッと待っていただけです。
いろいろ検査をして痛い思いもしつつ、結果は8月に聞くことに。

その後、13時頃に血液内科へ行ったら、
主治医はまだ午前の予約が詰まっている状態でした。
丁寧に診てくれる先生なので、毎度、待つのは仕方がないと割り切っています。
だから、受付の看護師さんに
「まだ1時間ぐらいは大丈夫ですよね~? お昼ご飯を食べてきてもいいですか?」
と確認して、新装なったレストランへ向かいました。

アトリウムを通ると、コンビニでお弁当やサンドイッチなどを買った人が、
無料スペースで食事をしていました。
だだっ広い空間なのに、テーブルと椅子が足りない模様。
利用している人たちを見渡すと、新宿区内にあるだけに国際色も豊かです。
病院のアトリウム02.JPG
レストランに入ると、見たことのあるパートのオバチャンたちが
生き生き&キビキビと立ち働いていました。
やっぱり環境が一新すると気分も変わるから、動作も変わるのかな~。
改装前と同じパートさんたちなのに、みんな若返った印象♪

メニューも増えていて、日替わりが10種類ぐらいありました。
私は入り口前の手書きのメニュー看板を10分くらい眺めていたかも。
で、さんざん迷ったあげく、和風ハンバーグランチに決めてから入店しました。

出てきたのは、見た目はおいしそうで、まぁそんなに悪くない味なんですが、
つなぎの多そうな軟らかいハンバーグ(業務用の冷凍でしょうね)に、
繊維の多い大根のソテー、その上に蓮根、しいたけ、
周りには、にんじん、ごぼうと根菜類でヘルシーな感じはします。
ソースは醤油ベースの大根おろしソースなんですが、
私には“しょっぱ~い!(涙)”。
ご飯の炊き方は私の好みの硬めで良かったのですが、
塩気のキツイのは食べるほどに体が重く、だるくなっていく感覚があるんです。
でも、メインとご飯、お味噌汁、小皿にきんぴらごぼうが付いて税込み850円。
この値段なら文句は言っちゃいけないんでしょうね~。
病院のレストランの日替わりランチ.JPG
でも、味覚というものは千差万別ですよね。
隣の席で私と同じものを食べていたおばあさまは、
向かいに座った病院仲間のおじいさまに
「薄味でおいしいわ~!」と言っていたのでビックリ。
どんな高級レストランでも、コンビニめしでも、
100人中100人が皆「おいしい!」と言うものは存在しないからこそ、
料理は難しいのだと、つくづく思った次第です。

タラタラ食べたあと、患者図書室(まだ蔵書は少ない)を見学しているうちに
14時半となり、血液内科へ戻りましたが、まだ5人待ち。
私が午前中の予約だったから、午後からの予約の人が帰れるのは
おそらく17~18時頃となるでしょうね、といった状況でした。

血液内科の診察室に入ったのは15時半を回っていました。
主治医のH先生は、いつも本当に申し訳なさそうに
「お待たせしてスミマセン~(泣)」と、おっしゃるので、
こちらが恐縮してしまうほどです。

待合室にはせっせと編み物をしている女性もいました。
具合の悪い人は長椅子に寝そべっていましたが、
とりあえず検診だけで元気な人は、
何か仕事や趣味に関するものを持っていくと
待ち時間を有効活用できるのでイライラせずに済むと思います。
私のように院内探検するのも面白いと思いますよ~。

血液内科で10分足らずの診察後、会計も済ませて16時。
ついでだと思って院内の探検を再開しました。

「資料室」というものが新たにできていたので入ってみたら、
増改築前は地階のほの暗いスペースに置いてあり、
気がつかない人も多かったに違いない
森 鷗外(もり・おうがい)の机がありました。
軍医・森鷗外の机.JPG
文豪と呼ばれる鷗外は東京帝國大学で西洋医学を学び、
ドイツ留学もした陸軍軍医(軍医総監)でもありました。
小説書きに熱中するあまり、一時は九州へ左遷されたこともあったようです。
私の通院している病院は、かつての陸軍病院だったそうで、
鷗外がそこに勤務していた当時の机が残っているわけです。
とても素敵な立派な机! こんな机が自分のものだったら、
私も素晴らしい小説が書けるかもね~(笑)。

資料室には「第五福竜丸」(1954年に米軍の水爆実験による
放射性物質を浴びた遠洋マグロ漁船のことで、
乗組員は同病院で治療を受けた)の模型や、
明治~大正期の漢字・カタカナのみのカルテのほか、
脳外科の手術用顕微鏡も展示してありました。
カールツァイスの手術用顕微鏡.JPG
その顕微鏡のメーカーのロゴを見ると、
「Carl Zeiss(カールツァイス)」と書いてあります。
私のような撮影現場を知っている職種や写真好きな人なら、
ドイツのカメラレンズの老舗の名だと、すぐにわかるのですが、
あとから調べてみると、
「カールツァイス」の1846年の創業時(日本は江戸時代後期)は
一流の顕微鏡の製造を目指して起業したのだそうです。
その副産物としてカメラのレンズも手掛けたらしいんですね。へぇ~!

私が顕微鏡を眺めているところへ、
80代ぐらいのおじいさんとおばあさんも入ってきたのですが、
おじいさんは「おっ、潜望鏡があるよ!」と叫んでいました。
う~む、おじいちゃ~ん、病院に潜水艦はないと思いますよ~(ほのぼの。微笑)。
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“がん友”の皆さん、働き続けるための参考となる(かもしれない)サイトが開設されましたよ~! [医療・健康&がん関連]

6月24日(火)に
「がんと共に働く  知る・伝える・動きだす」
というサイトがオープンしました。

主旨は
「がんになっても働き続けられるように、
みんなで知恵を出し合って
解決策を考えたり、仲間を増やしたりして、
サポートの輪を広げていくことを目指したサイト」
だそうで、プロジェクトの運営は
「国立がん研究センター」と「日経BP社」です。

このサイトは日経BP社の
「日経ビジネスオンライン SPECIAL」内に設けられたもので、
欄外には
「日経BP社経営情報広告部が
企画・編集しているコンテンツです。」
と記してあり、企業からプロジェクトへの協賛も
日経BPの経営情報グループが窓口のようですから、
医療面は「がんセンター」が監修し、
オカネの面は日経BPが担当するということだと思います。

日経BPは以前から「がんナビ」というサイトも運営しています。
ここには19社の協賛企業名が列記してありますが、
ほとんどが抗がん剤などに関わる製薬会社です。

……と、ひとまずバックボーンを把握しておいて、
「がんと共に働く 知る・伝える・動きだす」を見てみましょう。
http://special.nikkeibp.co.jp/as/201401/work_with_cancer/

内容は、まだまだ薄いのですが、
これから徐々に充実するのだろうと期待するしかありませんね。
何より、がんを経験しながら働いている人は多いのに、
就労問題は横に追いやられてきましたから、
国内のがん治療を主導する「がんセンター」の名のもと、
こうしたサイトが増えるのは非常に良いことだと思います。

現在、「がんと共に働く サポーター会員」を募集中です。
会費は無料なので、私は6月4日の時点で登録してみました。

会員の対象は……
●がん患者本人(サバイバーを含む)&家族
※サバイバーというのは、がん体験者のことです(私はキライな言葉ですが)。
●がん患者と共に働いている企業・組織・団体などに勤務する人
●がん患者をサポートする医療従事者、行政・地域などに関わる人
●その他、このプロジェクトに関心のある人

だそうで、結局、希望する人は誰でもOKということですよね~(笑)。

会員の特典は……
●サイトからのお知らせなどを掲載したメールマガジン(月1回発行)の無料購読。
※「がんナビ」のメルマガの場合は、冒頭に協賛の製薬会社の名称がズラズラと並び、抗がん剤の情報がてんこ盛りです。
●関連する意見交換会やシンポジウムへの出席。
※7月7日(月)18:30~20:30に「第1回 意見交換会(大企業事例編)」が開催される模様。会員になれば参加できるようです。
●サイト内でのコメントやアンケートへの参加。
※これって“特典”なんでしょうかねぇ?(笑)。
●『がんと仕事のQ&A』『がんと就労白書2014』印刷版の送付。
※今のところ、ウチにはまだ届いていません。

「利用規約」に目を通すと、さらに以下のことがわかりました。
特典として挙げてあるメルマガは受信が必須で、
メール購読を停止すると退会させられます。
まぁ製薬会社などの広告媒体にしたいんでしょうね。
サイトやメルマガの制作・運営などにはオカネが掛かりますから、
スポンサー企業に援助してもらわないことには……。
私も広告屋なので、そのへんの事情は充分に理解できます。

「利用規約」の「第8条(個人情報等の取り扱い)」には、
取得した個人情報を協賛企業に提供する場合があると書いてあります。
ただし、利用する際は、あらかじめ会員の同意を得るそうです。
イヤなときは拒否できるということでしょうか。

また、イベント等で撮影・録音・録画した場合は、
それらをサイトや広報・宣伝用のポスター、パンフレットに
会員の了承ナシで掲載することもあると記載。
これは、プロジェクト側が
肖像権の侵害で訴えられないよう警戒しているわけですね。
イベントには参加したいけど、
自分の顔が何かの媒体に出るのはイヤだという人は、
会場に帽子&マスク着用で行くなど工夫すれば良いと思いますよ。

以上のような条件を踏まえた上で、
会員に登録しようかなと思う方のために、
登録フォームの内容もお知らせしましょう。

必ず入力せねばならない項目は、
名前、ふりがな、資料送付先(自宅または勤務先・部署名)、
住所、メールアドレスです。
電話番号や性別は任意で、
年齢は20歳未満から70歳以上まで10歳刻みで選択。

「従業員規模」という項目があり、
「10人未満」から「5000人以上」まで7つの選択肢と
「勤めていない」から選びます。
私のようなフリーランスは
ほかの従業員もいないし、会社に勤めているわけではないから
「勤めていない」を選びそうになるのですが、
それだと「無職」とも受け取れるので、迷うんですよねぇ……。

「がんと共に働く」という名のサイトではありますが、
たいていは会社員を対象としているので
自営業・自由業・専業主婦などは、
はじかれてしまう場合も多いのです。

実際、登録フォームの「役職」という項目に挙げられているのは、
社長・会長・理事長・病院長など
役員
部長クラス
課長クラス
係長/主任クラス
一般社員
契約・派遣・嘱託など
勤めていない
その他

私などは「勤めていない」と「その他」のどちらなんでしょう?
(登録時には「その他」にしておきました)。

さらに、必須項目として
「がんとの関わり方(複数回答可)」という欄もあります。

本人
家族
企業・組織・団体などの勤務先関係者
医療従事者
行政
その他

私は6月4日の朝に送信したのですが、数分も経たないうちに、
差出人「がんと共に働くプロジェクト」の名で、
件名「がんと共に働くサポート会員ご登録ありがとうございます」
というメールが届きました。
内容は以下の通りです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
広浜 千絵様
この度は「がんと共に働くサポート会員」にご登録いただきありがとうございます。
今後はメールマガジンでも、「がんと共に働くプロジェクト」に関するお知らせをご案内します。
下記のアドレスをご登録いただきましたので、ご確認ください。
●●●@×××.△△△.jp
※万が一、当メールにお心当たりない場合、お手数ですがgan-tomoni@ncc.go.jpまでご連絡ください。
--------------------------------------------------------------
国立がん研究センター
がんと共に働くプロジェクト事務局
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

その後、20日に第1回意見交換会のお知らせメルマガが届きました。

基本的には会社勤めのがん患者が対象ですが、
サイト内の「お役立ち資料」には
実用的(と思われる)ハンドブックやマニュアル等もありますから、
会社員ではない人でも、それらのファイルをダウンロードして
必要な部分は活用できるかもしれません。

それにしても、サイト名が長過ぎますねぇ。
ネーミングを考えるときに略称も考えなかったんでしょうか……。


[本日のオマケ]

がんや治療の基礎知識を得るなら
●「がん情報サービス」(国立がん研究センターがん対策情報センター)
http://ganjoho.jp/public/index.html

がん患者・家族向け情報サイト
●「がんナビ」(日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/cancernavi/
・「がんと一緒に働こう」という連載もあり(ただし、記事は2010年の日付のみ)。
・メルマガ『がんナビ通信』(無料)

医師や医療従事者のための総合医療情報ポータル
●『日経メディカル』(日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/

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