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京都&大阪で乳房再建と肺がんの治療法に関するイベントが開催されますよ~。 [医療・健康&がん関連]

関西エリアにお住まいの“がん友”の皆さんへのお知らせです~。

4月中旬に京都と大阪で乳房再建の手術について学べるイベントが行われるそうですよ。体験者の方々の話も聴けるようですが、それはとても貴重な情報だと思います!! 参加費は資料代として500円(税込)。
5月中旬には大阪で、肺がんの治療法に関する講演やシンポジウムが開催される予定です。こちらの参加費は無料。
いずれも申し込みが必要なので、参加しようかなと思う方はお早めに手続きしてくださいね~!

☆ 乳房再建全国キャラバン in 京都・大阪
「乳房再建手術ってどんなもの? どうなるの?」

【京都】
日時:4月18日(土)13:00~16:30(12:30開場)
会場:「ウィングス京都(京都市男女共同参画センター)」2階 セミナー室A・B、会議室1
http://www.wings-kyoto.jp/about-wings/access/
(京都市 中京区 東洞院通 六角 下ル)
参加費:500円(資料代)
定員:100名(※事前の申し込みが必要)
[申し込み専用フォーム]
http://www.e-bec.com/caravan/ok1504

【大阪】
日時:4月19日(日)13:00~16:30(12:30開場)
会場:「大阪市中央公会堂(中之島公会堂)」地下1階 大会議室・第4会議室
http://osaka-chuokokaido.jp/access/
(大阪市 北区 中之島1-1-27)
参加費:500円(資料代)
定員:80名(※事前の申し込みが必要)
[申し込み専用フォーム]
http://www.e-bec.com/caravan/ok1504

【主な内容(京都・大阪共通)】(※敬称略)
・講演「知っておきたい乳房再建の知識 ~オーダーメイド乳房再建~」
矢野健二(大阪大学医学部附属病院 形成外科)
・体験談:インプラントや自家組織による再建手術の経験者4~5名
・体感会:再建手術をした胸を実際に見て触れて
・展示:人工乳房、人工ニップル、手術後の胸に適した下着など

主催:NPO法人エンパワリングブレストキャンサー(E-BeC)
運営協力:「京都乳がんピアサポートサロン ~fellows~」
「mmp ~美原マザーズピンクリボンの会~」ほか
協賛:アラガン・ジャパン
(※アメリカで設立された医療機器の開発・販売の企業で、今年3月に国際的な製薬会社に買収されたばかり。
人工乳房の機器も扱っているので、このイベントのメインのスポンサーではないかと推測…)。
後援:NPO法人キャンサーネットジャパン
京都イベントの後援・助成:京都新聞社福祉事業団
大阪イベントの後援:大阪市・堺市

再建手術についてわかりやすくまとめられた冊子。手術費の目安等も書いてあります。
●『乳がん手術後に、もういちど乳房を取り戻す
乳房再建Hand Book』(NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー)
http://www.e-bec.com/wp-content/uploads/BR_handbook_High.pdf
(※PDFファイルが開きます)

☆ 「もっと知ってほしい肺がんのこと 2015 in 大阪」
http://www.cancernet.jp/16284
日時:5月16日(土)15:00~18:00(開場14:30)
会場:「グランキューブ大阪」12階 特別会議室
http://www.gco.co.jp/access/
(大阪府大阪市北区中之島5-3-51)
参加費:無料(※事前の申し込みが必要)
[申し込み専用フォーム]
https://ws.formzu.net/fgen/S69739286/

【主な内容】(※敬称略)
・肺がんの概要
中川和彦(近畿大学医学部 内科学講座 腫瘍内科部門)
・肺がんの外科治療
光冨徹哉(近畿大学医学部 外科学教室 呼吸器外科)
・肺がんの放射線治療
西村恭昌(近畿大学医学部 放射線医学教室 放射線腫瘍学部門)
・肺がんの薬物療法
山本信之(和歌山県立医科大学 呼吸器内科)
・医療者とのコミュニケーション(仮題)
田村恵子(京都大学医学部附属病院 がん看護専門看護師)
・肺がん治療と向き合って(仮題)
久光重貴(湘南ベルマーレ フットサル選手)
・Q&Aトークセッション
・シンポジウム「あなたにとって最適な肺がん治療とは?」
座長:中川和彦
パネリスト:光冨徹哉/西村恭昌/山本信之/田村恵子/久光重貴

主催:NPO法人キャンサーネットジャパン
後援:MBS(毎日放送)


…こういうイベントでは講演やシンポジウムのあとに、お医者さんへ質問できる時間が設けられている場合もあるのですが、質問したい内容を書いて事前に提出する際には「個人的な治療法などに対する質問は、お受けできません」などと司会者から注意されているにもかかわらず、ほとんどの質問者が自分や家族の治療に関することばかり聞こうとする、という場面をよく見るんですよ。

会場で初めて講演を聴くお医者さんたちは、自分の主治医でもないから、それまでの経緯も知りませんし、検査結果も全くわからないのです。そういう人を相手に「私は○年前に○○がんになって、ステージ○と言われて、手術をしたのですが、○年後に転移が見つかって、今度は抗がん剤治療を…、それで放射線が…、どうすればいいんでしょうか~?」等々、延々とダラダラ話し続けて司会者に途中で打ち切られる人もいるんです。

そういう患者を相手に「そういう症状なら分子標的薬の○○を使えばいいですよ~」なんて安易に答える医師がいたら、絶対に信用できませんよね? たいていのお医者さんは真面目な人が多いので、個人的なことしか尋ねない質問者が発言するたびに、先生方はみんな困った表情を浮かべているのが見て取れます。

個人に特定しない質問の仕方をしたほうが先生方も答えやすいので、あくまでも一般論として質問したほうが良いと思いますよ。
たとえば、「私の妻が肺がんのステージ○で、手術ができないと言われて…云々」という尋ね方をするのではなく、「たとえば、肺がんのステージ○で手術ができないと言われた場合、ほかにどのような治療法が考えられるでしょうか?」と一般論に落とし込んだほうが、お医者さんたちも答えやすくなるのです。

こういうことを言うと「広浜千絵は取材やインタビューに慣れているから」と言われてしまうし、それは確かにそうなんですけど、私の代わりに取材するつもりで質問してみてください。

がん患者本人や親族などのサポーターの皆さまは切羽詰まっているという事情もありますが、そういう感情や病状がわかればわかるほと、真摯に患者に対応してくださるお医者さんたちは返答に困ってしまうんだと思いますよ(まぁ中には箸にも棒にも引っ掛からない、どうしようもないヤブ医もいるわけですけど、そんなことは、どこの社会でも同じだと思います!)

たとえば、以下のような注意書きもあります。

●「NPO法人キャンサーネットジャパン主催のイベントについて ~注意事項とお願い~」
http://www.cancernet.jp/eventpolicy

明記されているのは「セカンドオピニオンを聞く場ではありませんので、個人的な質問はご遠慮ください。」ということ。そう言われても無視して個人的な質問に終始する人は、お医者さんだけでなく誰とでも上手にコミュニケーションが取れない人なんだろうな~と思います。中には、なぜか詰め寄るように質問する人もいて、会場全体がイヤ~な雰囲気となる場合もあるのですが、丁々発止の勝負じゃないんですから、お互いが人と人との良識をもって穏やかに質疑応答ができるよう心がけたいものですね。

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がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書


がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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がん患者で将来の妊娠・出産を望むなら、卵子の凍結保存と並行して闘病する? [医療・健康&がん関連]

先日、女優のアンジェリーナ・ジョリーが卵巣と卵管の予防切除をしたという話を書きましたが、女性の場合、卵巣を摘出すると、閉経と同様の状態になるので、ホルモンは副腎でわずかに生産される分以外は分泌されなくなるそうです。そのため、いわゆる「更年期障害」の症状が出現しがちとなります。

●「更年期障害」の症状の例
・ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、多汗、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息切れ
・口の渇き、のどのつかえ、知覚過敏、冷え
・肩こり、腰痛、関節痛、筋肉痛、しびれ
・便秘、下痢、尿失禁
・皮膚や粘膜の乾燥および萎縮
・骨密度の低下(骨粗鬆症)
・コレステロール値の上昇(高脂血症=脂質異常症)、動脈硬化、心血管障害、脳梗塞
・疲労感、エネルギー不足、イライラ、無気力、不安感、不眠、鬱状態
・性欲の減退、性交痛、膣炎

このような不快な症状を抑えるには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」を飲み薬や貼り薬で補う「ホルモン補充療法」を行います。ただし、エストロゲンだけを長期にわたって投与すると、今度は子宮体がんの発症リスクが高まるとか、乳がんの心配もやや上昇するなどと言われているため、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」も併用する方法が現在では主流となっているそうです。

私は乳がんの術後に抗がん剤(エストロゲンを抑えるホルモン剤)を5年弱にわたって服用したため、更年期障害の症状も少し出ました。その後、婦人科で経過観察をしてもらっていたのですが、「子宮内膜が少し厚くなってきた」という診断から「子宮内膜症」へと替わりました。これは抗エストロゲン剤の副作用と思われます。

さらには「卵巣嚢腫(のうしゅ)」だの「卵巣と子宮が癒着」だのとも言わるようになり、最近では「卵巣がんの疑いも?」と脅され(!?)、検査してみたら、ひとまず問題はなかったのですが~、ホルモン剤というのは面倒だなぁと体感した次第です。
(別の婦人科医の意見も聞きたくなったので乳腺の主治医にお願いし、新たな婦人科を紹介してもらいました。来月、受診する予定です~)。

まぁどんな薬にも主作用と副作用があるので、服薬を開始する前によ~く調べて、主治医の先生や薬剤師さんにもじっくり相談し、自分の心身にとってのベネフィット(メリット)とリスク(デメリット)を見極める必要があると思います。

アンジーは卵巣・卵管の切除後にエストロゲンやプロゲステロンを補充する前提だったらしく、事前に自分のホルモン量の計測もしておいたそうです。そして、エストロゲンを含んだ小さく透明なパッチ(貼り薬)を使い、「プロゲステロンIUD」を子宮内に挿入したとのこと。
後者はプロゲステロン添加の子宮内避妊器具で、最長5年間の効果が続き、本来は避妊率も高いものだとか。

アンジーは避妊の必要がなくなったのですが、子宮は残してあるため、エストロゲンによる子宮内膜の増殖をプロゲステロンで抑えようということかもしれません。アンジーが子宮も一緒に全摘しなかったのは、血縁者に子宮がんになった人がいないからだそうです。

ところで、卵巣を取ってしまうと卵子が生産されなくなるので妊娠も望めなくなるわけですが、遺伝性の乳がん・卵巣がんの発症リスクを減らそうと卵巣や卵管を摘出したいと考えている人が、妊娠可能な年齢で出産も望む場合はどうするのでしょうか?

あるいは、遺伝性ではなく、ほかの部分でも、がんに罹った患者が妊娠・出産を望む場合、抗がん剤や放射線療法などが卵巣に影響を及ぼし、子どもができなくなるかも?という不安に対処する方法はあるのでしょうか?

アンジーは自分の卵巣の手術に関する文章に「これ以上、子どもは望めなくなった」と書いていますが、彼女には実子3人+養子3人=計6人の子がいるので、うーん、それはしょうがないかもねぇ、自分で選んだ手術だし…。と、私は思ってしまうのですが、子どもがいなくて、どうしても自分の子が欲しい、産みたいと切実に思っている女性だと、事情も心境も全く異なることでしょう。

アンジーは自分以外の女性たちのために、主治医に聞いてみたそうです。そうしたら、以下のことがわかりました。
「卵管を切除しても卵巣を残す方法がある。そうすれば妊娠する力は保たれるし、更年期障害にもならない」

また、近年では、がんの治療を始める前に卵子を凍結保存するという方法もありますね。
たとえば、白血病の患者の将来の妊娠・出産に備え、卵子を凍結保存する研究に取り組む民間団体「日本A-PART」が3月19日までにまとめた報告によると、過去8年の間に154人の卵子を凍結保存し、そのうち2人が出産に至ったとのことです。

凍結保存の卵子による妊娠・出産の成功率は、まだ新しい技術だけに、そう高くはないようですが…。

乳がんの患者で将来の妊娠・出産を望む人たちを対象にしたものでは、抗がん剤の影響や生殖補助医療の利用などについて解説した診療指針を「厚生労働省研究班」が作成。

国内で乳がんに罹る女性は1年に約6万人いると言われ、その中の約4千人が妊娠・出産の世代と重なる40歳未満で、乳がん患者は増加しているとのことです。
抗がん剤などは卵巣の機能を低下させ、不妊に繋がる場合もあります。また、ホルモン療法は服薬が5~10年と長期にわたるため、年齢や体調などによっては妊娠のチャンスを逃す場合もあるのです。

卵子を凍結保存しておけば、将来、誰でも妊娠・出産できるわけでもありませんが、「どうしても…」と強く望む方々にとっては一つの選択肢となります。
がん治療の主治医と生殖医療の専門医には密に連携してもらい、両方の先生のアドバイスに耳を傾け、相談しながら、がん闘病と妊娠・出産を並行して考えていこう、そういうことも可能な時代となったのですね。

オカネに関しては、「卵子凍結保存 費用」というキーワードで検索してください。
たくさんの医療機関の情報も得られます。正しい知識とリスクについても学んでおきましょう。

[参考サイト]

患者が子どもを望む場合の乳がん治療の選択肢や、受精卵・未受精卵の凍結保存などについて解説。
●『乳がん患者の妊娠出産と生殖医療に関する診療の手引き』
(厚生労働省研究班/金原出版/B5判138ページ/3,456円)
※目次(金原出版サイト)
http://www.kanehara-shuppan.co.jp/catalog/detail.html?isbn=9784307203333
……ページ数の割に高額のような~??? 執筆したお医者さんたちのギャラが高かったのでしょうか~!?
ここの出版社が出している本は医学書がほとんどですが、お医者さん向けの専門書って本当に高いんですよねぇ。でも、厚労省の研究班が作ったのなら、患者も気軽に買える価格に設定してほしい! がん闘病+生殖医療の患者は物凄く医療費が掛かると思いますよ!! 政府主導の刊行物なら国費で専門の印刷所・製本所を設けてはどうでしょう? 余計な物事に税金を浪費している分をほんのちょっと回すだけで完成しますよ~。

わかりやすくまとめてある患者向けの冊子です。
●『乳がん治療にあたり将来の出産をご希望の患者さんへ』
平成24年度 厚生労働科学研究費補助金(第3次対がん戦略事業)
「乳癌患者における妊孕性保持支援のための治療選択および患者支援プログラム・関係ガイドライン策定の開発」班 編
http://www.j-sfp.org/dl/pb130626
(※PDFファイルが開きます)

妊孕性(にんようせい)温存の情報を提供するサイト。大学病院を中心とするネットワークのようです。
●「がん治療と妊娠 ~がん治療後の将来を見据えて~」
(NPO法人 日本がん・生殖医療研究会/事務局:神奈川県 川崎市「聖マリアンナ医科大学」内)
http://www.j-sfp.org/

民間の不妊治療クリニック同士の交流をもとに、より質の高い生殖補助医療(ART)を目指す学術団体だとか。
白血病など血液疾患の未婚女性を対象とする妊孕性温存の研究も続けています。
●「日本A-PART」
(事務局:東京都 新宿区「加藤レディスクリニック」内)
http://a-part.jp/

……「妊孕性(にんようせい)」は「妊よう性」と表記しているサイトもありますが、「孕」という字は「孕(はら)む」と訓読しますし、文字の形も、お母さんのおなかに「子」が入っているような?ということで、漢字で書くほうが良いと思います!

「妊」も「娠」も「みごもる」「はらむ」という「孕」と同じ意味の漢字。だったら「妊娠性」とでもすれば誰もが読みやすそうですが、意味が少し違うようですよ。「妊孕性」は「妊娠のしやすさ」「妊娠する力」という意味で、「妊娠性」とは「妊娠による…」という意(妊娠性貧血とか)。

でも、「妊よう性」というふうに平仮名を挟むと、なおさら意味が伝わりにくいですよねぇ。
こういう表記法は「分かち書き」といって、よく新聞で使われていましたが、私は大キライです~ッ!!
あ、脱線しちゃった~(汗)。

[このブログ内の関連記事]
●がん予防を目的に、アンジェリーナ・ジョリーが乳房切除だけでなく卵巣と卵管も全摘。(2015年3月24日付)
http://chie-relish.blog.so-net.ne.jp/2015-03-24

乳がん患者の妊娠出産と生殖医療に関する診療の手引き 2014年版

乳がん患者の妊娠出産と生殖医療に関する診療の手引き 2014年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 金原出版
  • 発売日: 2014/09/04
  • メディア: 単行本



がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書


がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/05/08
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がん予防を目的に、アンジェリーナ・ジョリーが乳房切除だけでなく卵巣と卵管も全摘。 [医療・健康&がん関連]

アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーが、
『The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』紙に寄稿し、
2013年の両乳房の切除・再建の手術に続いて
卵巣と卵管を全摘する手術を受けたことを明らかにしました。

アンジー(と便宜上、呼び名を統一します)の受けた
乳房の切除・再建手術については
このブログ内の記事に詳しく書いたことがあります。

●遺伝性(家族性)乳がん・卵巣がんの
「予防切除」と「費用」について考えてみよう。
(2015年1月17日付)
http://chie-relish.blog.so-net.ne.jp/2015-01-17

日本でも、乳房の片側にがんが発生し、
アンジーと同じく「BRCA1遺伝子」に変異があると判明した患者が、
健康な側の乳房も予防切除したというケースはあるそうです。
また、アンジーの乳房手術の話が広まって以来、
健康な乳房でも予防切除を検討する人も出てきたとか。
最近は、きれいに再建できるらしいので、
そういう方法を選ぶ女性が増えるのかもしれません。
(ただし、何の合併症もないとは誰にも断言できませんが)。


アンジーのお母さん(女優ミシェリーヌ・ベルトラン)は
乳がんに罹患したのち、49歳で卵巣がんをも宣告され、
2007年に56歳で亡くなったそうです。
また、母方のおばあさんと叔母のデビー(母の妹)も、がんで逝去。
叔母さんは乳がんを発症していて
卵巣の予防切除を行ったそうですが、
亡くなった原因は乳がんだったようです。

アンジーは乳房の予防切除の時点で、主治医から
「遺伝子変異による発症リスクは乳がん87%、卵巣がん50%」
と告げられ、そのリスクを回避するために
両乳房の切除を決意したわけですが、
いずれは卵巣の全摘も…と考えていたそうです

そして、2週間前(今年の3月上旬)の血液検査の結果によると、
卵巣がんに反応しやすい腫瘍マーカー「CA-125」の数値は
正常範囲だったのですが、主治医は
・早期のがんのサインでもある炎症が見られる。
・「CA-125」が早期の卵巣がんを見逃す確率は50~75%。
と説明したのだとか。

この結果をもとに
卵巣・卵管をそっくり取ってしまおうと決断するのは、
非常に難しいことだと思います。
現在39歳で閉経前のアンジーが卵巣を全摘すれば
強制的に閉経させるのと同じですから、
ホルモンのバランスが崩れて心身に大きな影響を及ぼし、
更年期障害が起こりやすくなるのです。


アンジーは乳房の手術後、西洋医学・東洋医学を問わず、
外科医やお母さんの主治医、自然療法医など
たくさんのお医者さんと卵巣がん予防の選択肢について話し合い、
代替医療に関しても調べたそうです。

そして、担当ドクターの面々から
「血縁の女性が、がんを発症した年齢から10年は前倒しして
予防手術を受けることが望ましい」と言われたことで、
お母さんが卵巣がんと診断されたのが49歳、
自分は今39歳だと思い返したそうです。
そして、
「子どもたちの成長が見たい、(将来は)孫たちにも会いたい」
それだけを想い、手術を受ける決心をしたとのこと。

腹腔鏡下による手術で両側の卵巣・卵管を摘出。
術後のPETとCT検査は何も問題なく、
摘出した卵巣には小さな良性腫瘍が見つかったものの、
悪性腫瘍は発見されなかったそうです。


アンジーは自分に「BRCA1遺伝子」の突然変異があり、
がんで亡くなった同性の親族が3人いることから、
多角的に検討した結果、手術を選択したと語っています。
そして、自分の選んだ方法が唯一ではなく、
ピル(経口避妊薬=ホルモン剤)で治療する人もいれば、
代替療法を試しながら
頻繁に検査を受けて経過観察する人もいるなど、
「対策は1つだけではない」と明言しています。

これは、以前の乳房切除のあと、
アメリカでは予防切除を希望する女性が増えて
“アンジー効果”と揶揄(やゆ)されたことや、
遺伝子検査の企業の広告塔だと
バッシングを受けたこともあったので、
予防線を張った文章かな、とも私は思いました。

アンジーは記事の中で、
自分の子どもたちが
「ママは卵巣がんで死んだの」と言うことは
永遠になくなったとも書いています。
そうですよね、臓器自体を切除したのですから
乳がんと卵巣がんに罹る心配はなくなりました。
それでも、ほかの部位に
がんが発生しないという保証は全くありません。

それはアンジーもよく理解しているようで、
以下のように思っているそうです。
「すべてのリスクを排除するのは不可能だし、
実際に、私はがんに罹りやすいままだから、
自分の免疫力を高めるための自然な方法を探します」


私の血縁には、がんに罹った者が4人います。
膵臓に肝臓、大腸、悪性リンパ腫、
そして、私が胃と乳房。
バラエティに富んだ、がん家系ですねぇ(呆)。

私の場合、すでに2つのがんになったので~、
今さら遺伝子検査を受けたいとも思いませんが、
遺伝性の乳がん・卵巣がんも含めて
いわゆる“がん家系”は「家族性腫瘍」とも言います。

「家族性腫瘍」の特徴
・若年発症(一般のがんよりも若い年代で発症しやすい)
・多重がん(同じ臓器にいくつもできたり、いくつもの臓器に別々に発生したりする)
・両側がん(左右など両側に1つずつある臓器では両方に悪性腫瘍が発生しがち)

あ、アタシだアタシだ~!!
胃がんは35歳のときなので「若年性がん」の上限。
乳がんにも罹ったので「多重がん(重複がん)」の患者です。
……ということは、もう一方の乳房にも
発生する確率は高いってことで、
2つある卵巣がんにも注意ということかなぁ。
でも、長年の間、大腸ポリープも、たくさん飼ってたし~。

などとアレコレ思い悩んだところで、しょうがないのです。

乳がんに卵巣がん……「女って大変だなぁ…」と
同情してくださる優しい男性の皆さま、
男性も、希少ですが乳がんに罹る場合もあるんですよ。
また、「BRCA1」「BRCA2」遺伝子の突然変異をもつ男性もいます。

自分のお母さんや奥さん、カノジョが、お嬢さんが、女友達が、
乳がんや卵巣がんに罹ったら、どのようにサポートできるのか。
大切に思う女性が
「遺伝性が強いから予防切除をしたい」と言ったら、
どのように答えるのか。
日頃から考えておくことも重要なことだと思います。

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[参考サイト]

アメリカの新聞『The New York Times
(ニューヨーク・タイムズ)』の特集ページに掲載された
アンジェリーナ・ジョリー・ピットさんの寄稿文。
●「Angelina Jolie Pitt: Diary of a Surgery」
(『The New York Times』MARCH 24, 2015/※英文)
http://www.nytimes.com/2015/03/24/opinion/angelina-jolie-pitt-diary-of-a-surgery.html?_r=0

●「日本家族性腫瘍学会」(事務局:兵庫県 加古川市)
http://jsft.umin.jp/

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書


がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/05/08
  • メディア: Kindle版


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大阪周辺の皆さま~、18日までですが、「西淀川図書館」に私の本が展示されているとか。 [医療・健康&がん関連]

ビジネス誌の書評に載った本展.jpg





















今年の1月から展示されていたのに知らなかったので、
18日(水)で終了しちゃうんですけど、
大阪の「西淀川図書館」で行われている
「ビジネス誌の書評に載った本」展に
『がんと診断された私が生きるためにやったこと』
(角川SSC新書215)
も展示していただいているようです。

これは「大阪市立図書館」所蔵のビジネス誌『週刊東洋経済』の
2013年9月7日号~2014年8月30日号に
紹介・書評された本を集めて展示・貸出しているのだとか。

私のがん本は昨年3月の発売でしたし、
新書なんてベストセラーやロングセラーにでもならなければ
あっと言う間に本屋さんの棚から姿を消しちゃうのです~(涙)。
でも、こういう紹介のされ方もあるのなら、
『週刊東洋経済』のインタビューも
受けてヨカッタ!ということでしょうね。
ハイ、誠にありがたいことでございます~!


●平成27年3月18日(水)まで
●西淀川図書館(大阪市西淀川区御幣島1-2-10)

図書リストは以下のページにある
http://www.oml.city.osaka.lg.jp/index.php?active_action=multidatabase_view_main_detail&block_id=4928&page_id=0&content_id=1856&multidatabase_id=48
「ビジネス誌の書評に載った本展.pdf」をクリックしてください。
PDFファイル(11ページ分)が開きます。

上記の図書リストによれば、私の本は
「書誌ID:0012924823」「分類:494.5」のようですね。
展示は終了しても、そのまま図書館には置いてもらえるのかな~?


もちろん、全国の他の図書館でも貸し出している所があり、
「図書館で借りて読んだ」とか「図書館にリクエストした」という
読者の方々もいらっしゃいました。

拙著を読んでくださった方々の中で
「アマゾン」のアカウントをお持ちの場合は、
ひと言でもうれしいので
カスタマーレビューを書いていただけないでしょうか。
褒め言葉はもちろん大喜びしますけどね~(笑)、
キツイご意見でも物書きにとっては今後の参考になりますから。

今、「アマゾン」に書かれたレビューの中には
「がん患者です。お金を出して買うほどの内容ではなかった。
宣告されたばかりの人にはいいかも。」
というコメントもあるのですが、
一瞬、営業妨害かと思いましたよ(苦笑)。
そもそも、この本は
「がんと診断されたときに、どうするか」という
実用的な内容を企図したものなので、
担当編集者も商品説明に、そのようなことを書いていますし、
「アマゾン」には「なか見!検索」という機能があり、
それを見れば目次と最初の章の一部も読めるので、
まさに「宣告されたばかりの人」を対象とした本だということが
おわかりになるんじゃないかと思っていたんですけどねぇ。

まぁでも、人それぞれ、感性や考え方などに違いはありますから、
こちらの意図が全く通じない方々もいるのは
どうしようもないことですなんですよね……。

以前、インタビューした漫画家の槇村さとるさんに、
「読者によっては、こちらの想いが何も伝わらず、
曲解しちゃう人もいますよね。
ワケのわからない批評に苛立つことはありませんか?」
と伺ったところ、槇村さんは
「自分の作品は世の中に出た瞬間から読者のものなのよ。
中には全く違うふうに捉えられているな~という場合も
たくさんあるけど、そこはもう関知しないこと」
とキッパリ!
槇村さんは元々、潔くカッコいいかたなんですが、
今、思い返して「なるほどなぁ」と得心した次第であります。

何はともあれ、長らく構想していた本が
日の目を見たこと自体、ありがたいことですし、
取材に協力してくださった12名の“がん友”の皆さんや
サポートしていただいた友人・知人に改めて感謝しつつ、
一人でも多くのがん患者とサポートする方々の役に立てば、
もうヘロヘロで死んじゃうかも~(泣)と思いつつ
書いた甲斐があったというものです。

『がんと診断された私が生きるためにやったこと』には
私や“がん友”が罹患した胃がん・乳がんのことだけでなく、
大腸がん(直腸がん)・肺がん・中咽頭がん・膵臓がん・喉頭がんの
方々の闘病についても書いてあります。
新書サイズでページ数も限られていますから、
それぞれのがんにページが大きく割いてあるわけではありませんが。

また、私がどうしても知りたくて、
ほかの本などには、ほぼ見当たらなかった事柄
(紹介した“がん友”の闘病に掛かった費用、
加入していた生命保険などの具体例、
お医者さんへの謝礼について等々)にも
具体的に言及してあります。

あとはですね~、巻末にある
主治医への質問シート(コピーして応用できる)、
セカンドオピニオンが受けられる医療機関の例、
がん闘病の参考になりそうなサイトの例などは
とても実用的ではないかと自負しております~。

というわけで、今日は宣伝ばかりですが(汗)、
まだ、お読みになっていなくて
ご興味を持ってくださるかたがいらっしゃれば、
どうぞよろしくお願い申し上げます~!!


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[本日のオマケ]

『週刊東洋経済』のサイトに
まだインタビュー記事が載っていました~。

●「広浜千絵氏(フリーランスライター)に聞く
がんと診断された私が生きるためにやったこと」
がん患者になったらどう生活すればいいのか。
「多重がん体質」の著者は、
がんと主体的に共生する生き方を選ぶ。
(2014年3月27日)
http://toyokeizai.net/articles/-/33703
↑ クリックすると“オバチャン顏”が出てきます(…ううっ。涙)。

……この記事は質問が敬体(です・ます調)で
回答が常体(だ・である調)なんですよね。
なんだか私はエラソーで不遜な女という印象が~(笑)。
「医者」って書いてあるけど
「お医者さま」とか「お医者さん」って言ってたのに~。

文中に「乳腺婦人科」とありますが、
そういう診療科があるのでしょうか~?
私は「乳腺外来クリニック」って言ったはずなのに!
まぁすでに出ちゃったものは、しょうがありませんね。

乳がんの不安のあるかたは、
「乳腺外来」「乳腺専門」「外科(乳線疾患)」
「乳腺・内分泌外科」などの診療科を探しましょう。
近年では乳がん患者が増加したことで
「乳腺科」「乳腺外科」「乳腺センター」
と標榜する診療科も増えてきました。
くれぐれも「婦人科」「産婦人科」の領域ではない、
ということを覚えておいてくださいね~。

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書


がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/05/08
  • メディア: Kindle版


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膵臓がん闘病を公表していた坂東三津五郎さんが、21日未明に逝去という訃報が…。 [医療・健康&がん関連]

歌舞伎俳優の坂東三津五郎(ばんどう・みつごろう)さん。私などは、いまだに若い頃の名の「八十助(やそすけ)さん」のほうがしっくり来る感じですが、歯切れ良く爽やかな口跡(こうせき)で端正な芝居をする人という印象がありました。

’13年の夏以来、膵臓(すいぞう)がんの闘病を続けていたそうですが、2月21日の午前2時過ぎに亡くなったとのこと。
一部の報道では「急死」という言葉も使われていますが、難治性がんとも言われる膵体部がんで、昨年9月には肺への遠隔転移が見つかっていたそうですから、ご本人も身近な方々も、治療を続けて一縷の望みを抱きながらも
、ある程度の覚悟はなさっていたのではないかと思います。

私の母方の祖父も膵臓がんでした。非常に我慢強く、不調を訴えることがなかった人だそうで、痛みに耐えかねて病院へ行ったときには、すでに末期の状態。60歳で亡くなりました。

その当時に比べれば治療法も何もかも、ずいぶん可能性が広がったとは思いますが、それでも膵臓がんは難しい病気なので、三津五郎さんが最初は「膵腫瘍で入院」と公表したときは、私と同様に、「実際は膵臓がんで、経過も厳しいだろう」と思った人たちも多かったのではないでしょうか。

消化器のがんの中でも膵臓が大変と言われるのは、以下の理由によります。
●おなかの中でも最も背中に近い側にある臓器なので、検査がしにくく、早期発見が難しい。
●症状が出にくく黄疸などの症状が出たときには、がんが進行しているケースが多い。
●腫瘍が2cm以下の大きさでも周りの臓器に浸潤したり、リンパ節・肝臓などに転移したりしやすい。
●ほかのがんに比べて増殖スピードが速く、悪性度が高い。

ネット上で公開されている新聞や週刊誌の記事から、三津五郎さんの闘病の経過と周りの出来事を整理してみました。

●2012年
12月5日 同じ年で幼馴染みの中村勘三郎さんが食道がんで亡くなる(享年57)。

●2013年
2月3日 市川團十郎さんが長年にわたる白血病で逝去(享年66)。
7月 健康診断で膵臓の膵体尾部(すいたい びぶ)に腫瘍が見つかる。
8月 『八月納涼歌舞伎』の公演中に体調不良を訴え、公演の終了した26日に「松竹」を通じ、「膵臓腫瘍の治療のため、『九月大歌舞伎』の舞台は降板」と発表。月末に都内の病院へ入院。
9月3日 膵臓の悪性腫瘍と脾臓(ひぞう)の切除手術(約4時間)を受ける。以後、療養のために休みを取る。

膵臓は肝臓に近い「膵頭部(すいとうぶ)」、膵臓の中央あたりが「膵体部(すいたいぶ)」、胃・大腸・左の腎臓などに近い「膵尾部(すいびぶ)」に分けられます。膵頭部のがんは黄疸が出やすく、膵尾部のがんは黄疸が出にくくて発見も遅れやすいと言われています。

膵臓の背面は腸から肝臓へ血液が流れる太い静脈の「門脈」が半ば埋まっているような状態で、その門脈より左の部分が「膵体尾部」です。

三津五郎さんの受けた手術は以下のいずれかの方法ではないかと思われます。
・膵体尾部切除術:膵臓の門脈から左側の全部を摘出。
・膵尾部切除術:膵臓の左部分のさらに半分ほどの範囲を切除。

脾臓も一緒に切除するのは、膵体尾部の背面に脾臓へ繋がる動脈・静脈が埋まるように走っているため、膵尾部と脾臓を分けて切除するのが難しいからだとか。

膵臓がんは発見されたときに手術できない状態であることが多いと聞きますが、三津五郎さんは手術適応だったわけですよね。がんが見つかった7月の時点で、すぐに手術を受けていたら、もしかすると、その後の経過も少し違ったかもしれないのに…。
でも、がん発見の直後に上演が決まっていた『八月納涼歌舞伎』は、故・中村勘三郎さんと立ち上げた企画だttだけに、自分の病気が理由で中止というのは、どうしても避けたかったのかもしれません。

●2014年
2月 「日本舞踊協会」の公演に出演。
3月 会見で「酒や煙草は断ち、毎朝ラジオ体操」という生活の変化や、「セブ島でシュノーケリング」「沖縄でゴルフ」など療養生活について語った。肌が浅黒くなったことについては「抗がん剤のせい。ゴルフ焼けやセブ島焼けもあるかな」と答えた。
4月 「歌舞伎座」新開場1周年記念公演『鳳凰祭四月大歌舞伎』昼の部の演目『壽靱猿(ことぶき うつぼざる』で約7か月ぶりに歌舞伎の舞台へ復帰。「5月から新たな治療のため再び休みに入る」「まだいろいろな治療がある」「今は仕事より体を治すことが最優先」「8月の舞台出演を目指す」などとコメント。
7月 ゴルフコンペ主催(ゴルフ合宿は恒例だそうで、三津五郎さんを『お兄ちゃん』と慕う、いとこの女優・池上季実子さんも参加)。
8月 「歌舞伎座」公演『たぬき』で柏屋金兵衛・『勢獅子』で鳶頭を演じ、テレビドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)にも出演。
9月 日本舞踊の坂東流家元として九州などで舞踊講習。20日に舞踊会に出演。27日に、12月に予定していた「こまつ座」公演の主演舞台『芭蕉通夜舟』の降板を発表。
10月13日 8月末に亡くなった俳優・米倉斉加年(まさかね)さんの「お別れの会」に参列。27日に「国立劇場 小劇場」での田村会「小唄演奏会」の『田村』『髪結新三』に出演。
11月 お城の番組のロケで滋賀県や愛媛県へ。

昨年9月の時点では、「検査の結果、がんの再発・転移はないが、医師から加療の必要があると診断された」と説明したそうですが、実際には定期検診で肺への転移が見つかっていたようです。5月から受けたらしい「新たな治療」「いろいろな治療」が、どのような内容だったのかが気になります……。

●2015年
1月22日 日本の城に関するインタビューを受ける。23日に59歳の誕生日を迎える。月末にインフルエンザに感染、肺炎も併発し、都内の病院に緊急入院。
2月6日 一時外出の許可をもらい、都内での「日本舞踊 坂東流」の名取試験に立ち会う。
2月7日 NHK BSプレミアム「美の壺」(27日放送)のインタビュー収録を自宅で行った。
2月17日 容体が急変したが、その後は安定した状態を保つ。
2月19日 池上季実子さんが見舞い、「じゃあね、またね」と手を握って挨拶。
2月21日02:03 妹や息子・娘ら家族が見守る中、息を引き取った。前日(数時間前)まで意識があったという。

勘三郎さんの弔辞を読んだときの三津五郎さんの言葉
「肉体の芸術って、つらいねぇ。そのすべてが消えちゃうんだもの」

[放映予定]
2月27日(金)19:30~20:00
NHK BSプレミアム『美の壺――粋を持ち歩く、印伝』
三津五郎さんは鹿皮の工芸品「印伝(いんでん)」を使った江戸小物の魅力についてインタビューを受けたそうです。
案内役:草刈正雄、語り:木村多江
(草刈正雄さんも先日、息子さんが事故死したばかりですね…)

坂東三津五郎さん オフィシャルサイト
●「十代目 坂東三津五郎」
http://www.kabuki.ne.jp/mitsugoro/

池上季実子さん オフィシャルブログ
●「お兄ちゃん 十代目坂東三津五郎」
http://ameblo.jp/ikegami-kimiko/entry-11993442621.html

[参考サイト]

私のがん本の取材に協力していただいた膵臓がんの“がん友”Gさんは、当時67歳だった’08年11月にステージⅢのがんが見つかり、3か月後には肝臓への転移も判明しました。いったんは余命数か月と言われたそうですが、抗がん剤・免疫療法・代替療法などを続けた結果、昨年には肝臓の転移がんが消失したとか……。
73歳の今も治療は継続しつつ、病状は安定しているそうです。ただし、たいへん高額となった医療費はほとんど自費のようです。

膵臓の切除術がイラスト入りでわかりやすいページ。
●「膵臓の病気 膵腫瘍」(日本消化器外科学会)
http://www.jsgs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=17

●「膵癌」(神戸大学医学附属病院 肝胆膵外科)
http://www.med.kobe-u.ac.jp/hbps/shinryou/suig.html

●「がんの種類と診療科 膵臓がん(消化器科・外科)」(大阪医療センター)
http://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/suizos.html

●「『腹腔鏡下膵体尾部切除術または核出術』についての説明」(東北大学病院 肝胆膵外科)
http://www.surg1.med.tohoku.ac.jp/patient/disease/h-10.html#TOP

三津五郎さんの化学療法に使われた薬物名はわかりませんが、これまで膵臓がんの治療に使われてきたのは
以下のような抗がん剤です。

●「商品名:ジェムザール/一般名:ゲムシタビン・ジェムシタビン」
https://www.lilly.co.jp/lillyanswers/data/patient/GEM-A-P067%28R1%29.pdf
●「商品名:タルセバ/一般名:エルロチニブ」
http://chugai-pharm.jp/hc/ss/pa/sf/tar/index.html
●「TS-1(ティーエスワン)」
http://ts-1.taiho.co.jp/

’13年末に「治癒切除不能な膵癌」を対象として、「FOLFIRINOX(フォルフィリノックス)療法」に使用するオキサリプラチン、イリノテカン、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウムの併用が新たに承認されました。
この療法はゲムシタビン単剤の治療と比べ、奏効率・全生存期間で大きく上回ったとされていますが、強い副作用が確実に出るとも言われています。

●「FOLFIRINOX療法(治癒切除不能な膵癌) 適正使用情報」(監修:日本膵臓学会)
https://www.medicallibrary-dsc.info/safety/topotecin/folfirinox/pdf/TOP7AT1601.pdf

●「FOLFIRINOX 療法を受けられる患者さんへ」(監修:国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科・薬剤部・看護部/2014.01作成)
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/pdf/FOLFILNOX.pdf

「大塚北口診療所」の梅澤先生は、この療法に対して否定的でブログで警告を発しています。
●「現在のガン治療の功罪 ~抗ガン剤治療と免疫治療~ 地獄への案内人FOLFIRINOX」
http://umezawa.blog44.fc2.com/blog-entry-2909.html

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 25:四ツ谷で26日に「サルコーマセミナー」開催。 [医療・健康&がん関連]

2月26日(木)に「サルコーマセミナー」が開催されます。
午前中から夕方まで
治療法などに関する9名の専門医の講演があり、
夕食会(参加費は別途5,000円)も付いているので、
患者同士の情報交換もできると思います。

ただし、参加を希望する方は2月24日(火)までに
メールによる事前登録が必要だそうです。
それに加え、ちょっと理解しにくい条件なんですけど、
「キュアサルコーマセンター」の
2014年度の会員登録が必要だとか。
(※詳細は以下に書きます)


●「第10回 サルコーマセミナー」
日時:2月26日(木)10:00~18:00
会場:持田製薬(株)本社ビル内「ルークホール」(136名収容)
東京都新宿区四谷1-7
・同社の周辺地図
http://www.mochida.co.jp/company/map.html
対象:医療者、肉腫の患者・家族、企業関係者
主催:「キュアサルコーマセンター」
共催:「特定非営利活動法人(NPO法人)キュアサルコーマ」

当日のプログラムと講演者名など。
●チラシ「第10回 サルコーマセミナー イン 東京」
http://curesarcoma-center.org/news/pdf/20150226_10thSeminar.pdf
(※PDFファイルが開きます)

会員登録・問い合わせ用のメールのリンクがあります。
●「キュアサルコーマセンター おしらせ」
(大阪府大阪市中央区森之宮)
http://curesarcoma-center.org/

●共催の「NPO キュアサルコーマ」のセミナー案内。
http://curesarcoma.jp/article/date/2015/02


「キュアサルコーマセンター」というのは、
「大阪府立成人病センター」の医師である
高橋克仁さんが代表理事を務め、薬剤師・研究員の山村倫子さん、
患者グループの代表、公認会計士といった方々で設立した、
治療支援を目的とする組織体だそうです。

会員登録には会費が必要ですが、その金額が
個人会員20,000円/年
団体会員50,000円/年
(会計年度:4月1日~翌年3月31日)

セミナー1回ごとに参加費を徴収するのではなく、
会員登録しないとセミナーには参加できない仕組み。
しかも、年会費がバカ高くて私はビックリしました。

がん関連の患者会などは全国にたくさんありますが、
一般的に年会費は3,000円~5,000円ぐらいに
設定している団体が多いようです。
中には、たくさんの製薬企業を
スポンサーに付けている団体もありますが、
「サルコーマ(肉腫)」は患者数自体が少ないため、
寄付金なども集めにくく運営も大変だろうとは思います。

だけど、患者が会費として
年に2万円も払わねばならないというのは、
どうなんでしょうねぇ???
患者は医療費が掛かるんですから、
2万円もあればCTやMRI検査が何回か受けられるし、
もしくはPET検査代の1回分にも充当できますよ。


「キュアサルコーマセンター」のサイトには
「会員の特典」として以下のことが挙げてあります。
http://curesarcoma-center.org/member/index.html

●サルコーマセミナーへの参加は会員を含め、2名まで無料。

セミナーの開催は年に2回程度のようです。
今回の会場は製薬会社のホールで、使用料はタダです。
「持田製薬」は医学関連の団体を対象に
ホールを無償で貸し出しており、
研究会・講演会・研修会などに活用されているとか。

講演する先生方が地方からもいらっしゃるので、
交通費や遠方の方なら宿泊費も掛かりますよね。
それらを会員費から支払っているんでしょうか。
予算がないならセミナー後の懇親会の場所も
1人5千円じゃなくて、もっと安い所を探せばいいのでは?
参加する患者は都内在住だけじゃないでしょうから、
会場との往復の交通費がけっこう掛かる人もいることでしょう。

●個人会員や家族からの肉腫(サルコーマ)・GISTについての相談に応じる。

これは医療相談などが何度でも無料ということでしょうか?
まぁ、最初にメールで相談しても、
結局は大阪まで交通費を掛けて
診察・検査へ通うことになるような?
もちろん、その医療費は自腹となりますしね。

●個人会員または家族、主治医の依頼に応じ、
「キュアサルコーマボード」への橋渡しを行う。

優先的に専門医を紹介してもらえるということ?
「キュアサルコーマボード」の先生方はサイトに掲載されているので、
自分でチェックし、現在の主治医に紹介状を書いてもらって
受診することもできますよね。
でも、希少がんも対象とする専門医同士ということで、
スムースに連携しやすいという利点はあるでしょう。

「NPO キュアサルコーマ」でも会員を募っていますが、
入会金や会費が必要かどうかは明記してありません。
詳しいことは
入会希望のメールを送らないと教えてもらえないようです。
また、このサイトには以下の文言があります。
「※会員となることで、優先サービスを受けられるなど、特別な待遇を得られることはございませんので、ご承知おきください。」
http://curesarcoma.jp/members-individuals


私の理解が浅いので、よくわからないのですが、
「キュアサルコーマセンター」は患者会ではなく、
研究や治療法の向上などを目的とする団体という位置付けで、
「NPO キュアサルコーマ」が患者会の役割のようですね。

何にせよ、会員を集めて運営していくには
手間の掛かる事務作業なども多々ありますから、
実務の経費として会費を募るのは理解できるんです。
それでも、できるだけ患者の負担になりにくい
金額の設定が必要だと思います。

もちろん、「医療費はいくら掛かっても構わない」という
患者もいるのですが、
「1円でも多く治療費のために取っておきたい」という
患者もいるわけです。
それに、セミナー等の機会を設けるなら、
一人でも多くの患者や家族が参加できるよう
門戸を広げるべきではないでしょうか。
会費を支払っている会員だけを対象とするのではなく、
当日のみの参加費を徴収すればいいと思うのです。

……まぁ何らかの事情があるんでしょうけどねぇ。

ともあれ、2月下旬の今となって
2014年度の1年分の会費を全額支払わないと
セミナーには参加できないというような
ムチャなことは言わない団体だと思いますので、
会員以外で参加したい方は
問い合わせてみてはいかがでしょうか。


参考までに、
当日の講演を担当する先生方のリストを作成しました。
☆印は「キュアサルコーマセンター」のサイト内の
「キュアサルコーマボード」「共同治療連携病院」の
医師として掲載されている先生です。(※敬称略)

☆寺岡 慧(てらおか・さとし):「国際医療福祉大学 熱海病院」名誉病院長、「国際医療福祉大学」教授・常務理事/静岡県熱海市
http://atami.iuhw.ac.jp/doctor/ishokugeka/
・野守裕明(のもり・ひろあき):「亀田総合病院」呼吸器外科 顧問/千葉県鴨川市
https://www.kameda.com/medi_services/staff.php?d=12&s=966
☆小池幸宏(こいけ・ゆきひろ):「関東中央病院」消化器内科 部長/東京都世田谷区
http://www.kanto-ctr-hsp.com/patient/department/shokaki-naika.html
☆高橋克仁(たかはし・かつひと):「大阪府立成人病センター」内科、「大阪府立成人病センター研究所」病態生理学部門 部長/大阪府大阪市
http://www.mc.pref.osaka.jp/omc2/category/pathophysiology.html
☆大野烈士(おおの・やすお):「渕野辺総合病院」外科 部長/神奈川県相模原市
http://www.sowa.or.jp/fuchinobe/departments/surgery/
☆波多江 亮(はたえ・りょう):「新山手病院」消化器外科 医員/東京都東村山市
http://www.shinyamanote.jp/department/detail.html$/cid/7/
※同院のサイトの「外来担当医表」には波多江先生の名前は載っていません。
☆矢嶋 淳(やしま・じゅん):「国際医療福祉大学 熱海病院」移植外科 准教授/静岡県熱海市
http://atami.iuhw.ac.jp/doctor/ishokugeka/
☆楢原啓之(ならはら・ひろゆき):「兵庫県立西宮病院」化学療法担当部長、内科・消化器内科部長、腫瘍内科部長(科長)、化学療法センター長/兵庫県西宮市
http://www.nishihosp.nishinomiya.hyogo.jp/ippan/syoukaki/syoukaki_index.html
http://www.nishihosp.nishinomiya.hyogo.jp/ippan/naika/naika_index.html
・小山隆文(こやま・たかふみ):「亀田総合病院」腫瘍内科 部長代理/千葉県鴨川市
https://www.kameda.com/medi_services/staff.php?d=18&s=463
・大山 優(おおやま ゆう):「亀田総合病院」腫瘍内科 部長/千葉県鴨川市
https://www.kameda.com/medi_services/staff.php?d=18&s=99

高橋先生のスタッフで研究員・薬剤師さん。
☆山村倫子(やまむら・ひさこ):「大阪府立成人病センター研究所」病態生理学部門 主任研究員/大阪府大阪市
http://researchmap.jp/read0002085/


[参考サイト]

「NPO キュアサルコーマ」の設立までの活動や
過去のセミナー等に関する記事が掲載されています。
●「Cure Sarcoma
『肉腫の標的遺伝子療法を推進する会』の管理人が作るブログ」
http://blog.livedoor.jp/curesarcoma/
※2005年7月~2013年12月の記事。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 24:ただいま、肝臓は元気に再生中! [医療・健康&がん関連]

Kさんは1月下旬に、
退院後1回目の診察を外来で受けてきたそうです。
手術で切除した腫瘍の写真を一緒に見ながら、
主治医のB先生は
「問題なく取り切れてます」
と、おっしゃったとか。

薬を飲む必要もなくなり、貧血もないと言われ、
Kさんは免疫力が衰えていないと実感したそうで、
「私ってすごいな~!」
と思ったとのこと。頼もしいですね♪

また、入浴はシャワーだけでなく、
湯船に浸かってもOKと言われたことも
うれしかったそうです。
寒い時季だけに、お風呂でゆったりと温まれるのは
何よりの喜びでしょう。
しばし入院生活を送ると
それまでの日常の当たり前のことが
ありがたく感じられるものですねぇ。


退院後、しばらくシャワーのみと言われたのは、
メスを入れた傷あとが落ち着くまでは
温めて血流を促さないほうが良いということでしょうか~?
とKさんに確認したところ、
「患部は石鹸の泡で洗い、
強めのシャワーでよ~く流してということでした。
接着剤のようなものを使ったかららしいです。
バイ菌が入らないように、しばらくシャワーだけだったのでは?」
という答えが返ってきました。

接着剤って何なの~!?

ハイ、「皮膚表面接着剤」と言って、
もちろん医療行為の専用品です。
外科手術の場合はメスを入れた箇所の真皮を縫合すると共に
皮膚表面接着剤を使うようです。

イラスト入りで、わかりやすく解説されているページ。
●「ジョンソン博士のやさしい医療講座
傷あとを目立ちにくくする治療法」
(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカル カンパニー)
https://www.jnj.co.jp/jjmkk/general/dr/skin/skin_2.html

●やや専門性が高い内容ですが、詳しく理解しやすい説明文です。
「血漿分画製剤のいろいろ 組織接着剤について」
(日本血液製剤協会
http://www.ketsukyo.or.jp/plasma/fibrin-paste/fib_01.html

ネットで検索してみると、驚くことに
医療用ではない一般の瞬間接着剤を使って
切り傷をふさごうとしたり
歯のかぶせものが取れたのをくっつけようとしたり、
と信じられない話がチラホラ……。
どんな商品でも医療用以外なら
人体には使うなという注意書きがあるはず。
それでも無茶なことをやってしまうバカな人は
傷などが悪化したり、極端なことを言えば死んじゃったりしても
文句は言えませんよね。私は同情もしない。


さて、すこぶる順調に回復しているKさんですが、
右利きで、家事でも右手を使い過ぎるせいか、
「腰の右側あたりが疲れる」
と言っています。
主治医の先生に伝えると
「開腹したのだから」
と言われたそうです。

腰の右側なら、切除した肝臓の裏側あたりではないでしょうか。
でも、肝臓は再生能力のある臓器ですから、
今、せっせと再生している途中ですよね~。
ガンバレ、肝臓!!(笑)。

元々、肝臓の機能が低下している状態だと
切除後も再生ができず、
肝臓が疲弊して肝不全となってしまう場合もあるそうです。
Kさんは肝臓に腫瘍が発生していましたが、
肝臓の機能自体は問題ありませんでした。

肝臓の再生について、
いろんな病院の見解をチェックしてみましたよ。

●「正常な肝臓であれば、手術前の25%程度の肝臓が手術後に残っていれば数ヶ月で再生し、ほぼ元の大きさに戻ります。」
(東京医科歯科大学 肝胆膵・総合外科)
●「肝臓の再生能力はすばらしく、肝予備能が十分なとき肝臓全体の8割近くの切除を耐術し、肝再生能力によりその大きさは1年あまりで元に戻ります。」
(鹿児島厚生連病院)
●「肝臓は高い再生能力をもつ特殊な器官であり、その事象は物語としてギリシャ神話にも登場します。部分肝切除などによる肝障害が起こりますと、肝臓を構成する肝細胞が、あたかも眠りから覚めるように瞬時に増殖を開始し、肝臓組織を再生します。この肝細胞の増殖は一過性であり、再生シグナルに応じた増殖の開始と停止が見事にコントロールされています。」
(九州大学 生体防御医学研究所)
●「肝臓はきわめて再生能力が高い臓器であり、障害の種類や程度に応じて異なる様式で再生することが知られている。例えば、臓器移植などの際に、その一部を外科的に切除すると、残存部分の肝細胞(肝臓の大部分を占め、実質的な機能を担う細胞)が肥大や増殖をすることで、短期間の内に元の臓器の大きさにまで回復することが可能である。」
(東京大学 分子細胞生物学研究所)
●「肝臓は再生する臓器であり,正常な肝臓では約70%までの切除が可能ですが,肝硬変など肝機能が低下している場合は可能な切除量は減ります.」
(富山大学付属病院 消化器腫瘍総合外科)

以下は、スライド形式で解説した講演の記録なので、
説明も短く、わかりやすいと思います。
●第26回「肝寿会」肝臓教室 講演1:肝臓手術の最前線(2013.12.7)
講師:松井恒志(富山大学付属病院 消化器腫瘍総合外科)
http://www11.plala.or.jp/nosan/kanjyukai/kyo26/kyo26-1/kyo26-1.html
上記のページには
「手術後の肝再生は体の大きさに合った肝容積へ回復する。
大きな肝臓を小さな子供に移植すると、
肝臓は体に見合うように小さくなる。」
とも書いてあります。
大人の肝臓を子どもにも移植できるだけでなく、
サイズも自在に変化して適応するとは……。
人体の機能とは、なんて素晴らしいのでしょ~!!


Kさんは主治医の先生に
「今、私の肝臓はどんな状態ですか?」
と聞いてみたそうです。
先生は
「再生してます」
と答えたとか。
Kさんは肝臓あたりが
「時々、ゴロッと動くんですよ」
と言います。
一瞬、え~ッ!?と思いましたが、
肝細胞がイキイキと活発に増殖している感覚なのでしょう。

私も含めて、がん患者・がん体験者は
「増殖」という文字に対し、なんとなくイヤ~な
イメージを持っているんじゃないかと思うのですが、
健康な細胞が増殖するのは喜ばしいことです! 大歓迎!!

Kさんは退院して2週間目に
地元の新聞社主催の講演会に参加するため、
会場まで車で往復したとのこと。
距離にして70kmぐらい離れた場所で、
片道1時間半から2時間のドライブのようです。

運転免許証は持っているだけ、という私なんかより
ずーーーっと運転は慣れていて、お手の物だとは思いますが、
開腹手術から1か月も立っていないのに
同じ姿勢で座りっ放しだなんて
おなかに負担が掛かりそうですよねぇ。
でも、癒着を防ぐためには
ジッとしているより動いたほうが良いそうですよ。

Kさんは別の日にも
国際交流のイベントにボランティアとして参加。
チャイナドレスをカジュアルに愛らしく着こなした写真が
SNSにアップされていて、みんなに大好評でした♪
たくさんのお友達からのエールが続々と届いていて、
とても励みになっているそうです!

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 23:肝転移の腫瘍の切除手術後の処方薬。 [医療・健康&がん関連]

Kさんが1月中旬の手術後から退院時までに
処方された飲み薬のリストを送ってくれたので、
それらについて調べました。

●カロナール錠300mg 1回2錠 毎食後30分と就寝前
・解熱鎮痛薬(主成分:アセトアミノフェン)
市販の風邪薬にもよく使われている成分で、
熱を下げたり痛みを軽減したりするために処方されます。
「アスピリン(アセチルサリチル酸)」に
アレルギーのある人にも使われます。
ただし、「アスピリン」「イブプロフェン」等のような
炎症に対する効果はないそうです。

薬には上記のような主作用と共に副作用もありますし、
飲み合わせの悪い薬や食品、持病への影響なども
知っておいたほうが安心です。
「お医者さんが処方してくれた薬だから大丈夫」と
思いがちですが、
自分の体内に取り込むものですし、
体調によっては薬の影響が強く出る場合もあるので、
基本的なことは調べておきましょう。

[検索の一例]
・「おくすり110番 ハイパー薬事典」
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1141007.html
・「goo ヘルスケア くすり検索」
http://health.goo.ne.jp/medicine/search/115_1/ka/0/indexdetail.html
・「医薬品 医療機器情報提供 ホームページ」
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1141007F1063_3_07/

薬について調べられるサイトは、たくさんありますが、
検索窓に「カロナール錠300mg」と入力しても
ヒットしないこともあります。
その場合は「カロナール300」とか、
「カロナール」だけで検索してみましょう。


●クエン酸第一鉄Na錠50 1回1錠 朝・夕の食後30分
・鉄剤(主成分:クエン酸第一鉄ナトリウム)
鉄欠乏性貧血の治療に使われます。
一般名の「クエン酸第一鉄」では検索できず、
商品名の「フェロミア」ならヒットするサイトもあります。
病院で処方される薬には「一般名」と「商品名」があり、
最近では「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」も増えたので
製薬会社によっては両方の名が同じ製品もあるのですが、
自分に処方された薬の一般名と商品名は覚えておきましょう。

●ファモチジン錠20mg 1回1錠 朝・夕の食後30分
・消化性潰瘍治療薬(主成分:ファモチジン)
商品名が「ガスター」と聞けば、
ご存じの方も多いのではないでしょうか。
「H2ブロッカー」とも呼ばれる胃薬です。
Kさんは看護師さんから
「肝臓の手術をすると胃の動きが悪くなることが多いので」
と説明されたそうです。

●アスパラカリウム錠 1回1錠 毎食後30分
・カリウム補給剤(主成分:L-アスパラギン酸カリウム)
何種類もの薬を併用していると、副作用として
「低カリウム血症」が現れることがあるそうです。
カリウムが減ると筋力の低下や便秘などが起こりやすくなるため、
補給剤が処方されます。
Kさんによると、
「排便時に、おなかに力を入れなくて済むようにと、
自分からお願いして出していただきました」
とのこと。前回の肝臓手術のときに処方され、
自分の体質に合う薬だと思ったそうです。

●マグミット錠330mg 1回2錠 毎食後30分
・制酸・緩下剤(主成分:酸化マグネシウム)
胃酸を中和する働きがあり、便通も促します。


退院するときに処方された薬
●頓服 カロナール錠300mg 1回2錠
・解熱鎮痛薬(主成分:アセトアミノフェン)
「痛むときに飲む、服用は8時間以上あける、1日3回まで」と
指導されたそうです。

「頓服(とんぷく)」とは1日に何回か服薬するのではなく、
症状が出たときに1回分の量を服用するということです。
「頓(とん)」という文字には
「一回」「一度」という意味もあるので、
1回+服用ということで
「頓服」という熟語が生まれたんでしょうね。


ネットで検索した医薬品の情報については、
内容が保証されているわけではありません。
軽い症状であっても、薬を飲んで気になることがあったら
ネットで調べて安心したり心配したりしないで、
信頼の置けるお医者さんや薬剤師さんに相談してくださいね~!

[参考サイト]
・「goo ヘルスケア くすり検索」(運営:NTTレゾナント)
・「おくすり110番 ハイパー薬事典」
(運営:ファーマ フレンド/NPO 医薬品情報研究会)
・「医薬品 医療機器情報提供 ホームページ」
(医薬品医療機器総合機構)

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3月14日に大腸がんの啓発イベント(体験談・講演・映画鑑賞付きで無料)が都内で開催。 [医療・健康&がん関連]

先月中旬、アメリカのサンフランシスコで行われた
「消化器がんシンポジウム
(2015 Gastrointestinal Cancers Symposium)」において、
猪股雅史 教授(大分大学 医学部 消化器・小児外科)を
中心とする「大腸がんグループ」が、
「大腸の進行がんで手術を受けた患者の5年生存率が
開腹・腹腔鏡(ふくくうきょう)どちらも90%を超えた」
という調査結果を発表したそうです。
この高い生存率は「国際的にも誇れる成績」だとか。

[調査の内容]
・研究の主体:「JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)」
(※「国立がん研究センター」主導で
がん治療を多く手掛ける全国の約190の医療機関が参加)
・目的:腹腔鏡手術と開腹手術の長期成績の比較。
・がんの対象と進行度:結腸および直腸の一部にできたがん。
ステージⅡ(腸壁の筋肉層を越えているが、リンパ節転移なし)
ステージⅢ(腸壁の筋肉層を越えており、リンパ節転移あり)
・調査期間:2004~2009年
・対象の患者:「JCOG」参加の30病院で受診した1057人
(開腹528人、腹腔鏡529人)。
Ⅲ期の患者には抗がん剤治療も行い、5年間追跡。

[調査結果]
・術後の5年生存率:開腹90.4%、腹腔鏡91.8%
・術後、再発なしの5年生存率:開腹79.7%、腹腔鏡79.3%
・過去の国内研究(開腹+腹腔鏡の5年生存率):
ステージⅡ 約80%、ステージⅢ 約70%

私が調べられたのは以上の内容程度なので、
同じ5年生存率とはいえ、
術式で比較したものと
病期別の過去データが並べてあっても、
単純に比べられないじゃないの~!?と思いますよね?
でも、おそらく過去データは
腹腔鏡が今ほど普及していなかったので、
現在の調査結果と比較しようがないのかも。


私の胃がんのときは開腹手術でしたが、
当時(17年ほど前)は腹腔鏡で胃袋を切るなんて技は
ほんの一部の病院が着手し始めた程度に過ぎず、
人体実験みたいだわ~と思ったものです。
大腸がんの腹腔鏡手術も約15年前から導入されたそうですが、
今では初発なら9割以上が腹腔鏡で、という病院もあります。

学会で発表した猪股教授は
「大腸がんは熟練した医師が手術を行えば、
開腹でも腹腔鏡でも同等の
高い生存率が得られることが確かめられた」
とコメントしています。
この猪股先生や「JCOG」は腹腔鏡推進派なのかもしれませんが、
出血量が少なく傷あとも小さい手術が主流となっていくのは
当然だろうと思いますし、患者としてはうれしいことですよね。

しかしながら、決して忘れてはいけないのが、
猪股先生の「熟練した医師が…」という言葉通り、
腹腔鏡手術には高度な技術が重要だということです。

昨年までに判明した医療事故のうち、
「群馬大学病院」で8名が術後4か月以内に死亡、
「千葉県がんセンター」で11名が手術当日~術後9か月の間に死亡、
いずれも腹腔鏡手術を受けた患者でした。
前者の執刀医は40代の助教、後者は大部分の手術を
ベテランと言われる医師が担当したそうです。
とはいえ、もちろん開腹手術でもリスクはありますよね。
本当に本当に難しいことなのですが、
病院・お医者さん選びと治療法の検討こそが
闘病の要(かなめ)だと、つくづく思います。
(がんだけじゃなくて、どんな病気でも同じですけどねぇ…)。


さて、病気と付き合っていくには
やはり少しでも多くのことを学ぶ姿勢が大切でしょう。
ここ数年の間に、私の“がん友”のうち3人が
直腸がんの手術を受けましたが、
ストーマ(人工肛門)は一時的に設けるだけで、
その後、排泄口は閉じて通常に戻すという
タイプもあることを知りました。

また、「大腸がん」と一括りにされがちですが、
大腸は伸ばすと2mぐらいある臓器なので、
盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がん、下行結腸がん、
S状結腸がん、直腸S状部がん、直腸がん等と
どこにでも発生しますし、
部位によって治療法や後遺症などが違ってくる場合もあります。
一昨年の夏には私も、がんになりやすいという腺腫の
大腸ポリープを3個、摘出しましたからねぇ。
多重がん患者としては3つめのがんに罹らないうちに
ちょっとは勉強しておかなくちゃ~、とも思います。

来月には都内で大腸がんの啓発イベントがあるそうですから、
ご自分や大切な人が大腸がんと診断された方、
大腸がんや大腸ポリープ等の治療を受けた方、
大腸がん患者の闘病を支えている方、
血縁に大腸がん患者がいて不安だという方、
がん全般に興味がある方など、
最新情報を得る機会として利用してはいかがでしょうか。


■「もっと知ってほしい『大腸がん』のこと 2015 in 東京」
日時:2015年3月14日(土)10:00~16:15
場所:東京医科歯科大学 M&Dタワー2F
   鈴木章夫記念講堂(東京都文京区)
http://www.tmd.ac.jp/outline/campus-map/
(キャンパスマップ:「湯島キャンパス」の12番の所です)
参加費:無料(定員500人)
※3月8日(日)までに申し込みが必要とのこと。お早目に~!

[主な内容(※敬称略)]
●特別挨拶
  渡邉聡明(東京大学 腫瘍外科・血管外科/大腸癌研究会 事務局長)
●大腸がんの体験談「口腔癌治療医が進行大腸癌に罹って」
  山本悦秀(金沢大学 名誉教授、城南歯科医院 理事長)
●基調講演
・「大腸がん/大腸ポリープの診断・検査の実際」
  石黒めぐみ(東京医科歯科大学大学院 腫瘍外科学)
・「大腸がんの外科的治療とその後の生活」
  板橋道朗(東京女子医科大学 第二外科)
・「大腸がんの薬物療法(抗がん剤・分子標的薬)」
  篠崎英司(がん研有明病院 消化器センター 消化器内科)
●パネルディスカッション
「がんになったらどうする? お金と情報のこと」
●がん相談支援センター活用のすすめ
●各団体の出展ブース紹介
(協賛の製薬会社とか保険会社の宣伝コーナーでしょう)

●映画『ぼくたちの家族』上映
父(長塚京三)・母(原田美枝子)・社会人の息子(妻夫木聡)・大学生の息子(池松壮亮)という一見ありふれた家族。母に脳腫瘍が見つかると同時に余命1週間の宣告。母を死なせまいと父子が奮闘、家族の再生を描く物語……のようです。
ほかの出演:鶴見辰吾、板谷由夏、市川実日子、黒川芽以、ユースケ・サンタマリア等
http://www.bokutachi-kazoku.com/
※予告編あり。

……予告編を観てみたんですけど~、
余命1週間なのに、とても元気そうなお母さん。
脳腫瘍で余命1週間だと言語障害や麻痺、けいれん発作や
意識障害などを起こして寝たきり状態かと思っていたのですが、
亡くなる前日まで元気だったのに
急変するというケースもあるんでしょうね。
余命の期間は主治医の単なる見立て間違いもありますし、
お医者さんは往々にして最悪の事態を想定し、
余命は短めに伝える傾向がありますものね。

それにしたって~、創作なんだから
余命1週間じゃなくて1か月に設定すれば
もう少しリアリティが出るんじゃないの?と思うんですけど。
まぁ“がん友”の皆さんなら、よくおわかりですが、
闘病系のドラマや映画って
ツッコミどころ盛りだくさん!ですもんね~(苦笑)。
でも、こんなふうにイチャモンつけるんじゃなくって~、
“家族愛”に着目して鑑賞いたしましょ。
私は原田美枝子・鶴見辰吾・板谷由夏に注目します♪


乳がんの啓発カラー「ピンクリボン」のように
大腸がんは「ブルーリボン」だそうです。
イベント当日にはブルー系の何かを身に着けて行くと
粗品がもらえるそうですよ~。
ネットの案内ページには、
洋服、帽子、メガネ、イヤリング、ピアスなどと書いてありますが、
今の季節ならマフラーとかストール、手袋でもいいですよね。
バッグとか靴でもいいのかな。ハンカチは~?(笑)。
でも、せっかくブルーのアイテムを身に着けていっても、
粗品というのが製薬・保険会社のカレンダーとかだったら
ものすご~くガッカリしそう……(泣)。

イベントのプログラムの詳細&申し込み先
●「NPO法人キャンサーネットジャパン」
http://www.cancernet.jp/15864
過去のイベントの動画も観られます。
・「がん情報ビデオライブラリー」
http://www.cancernet.jp/video


[参考サイト]

●「大腸癌研究会  一般の皆様へ」(大腸癌研究会)
http://www.jsccr.jp/forcitizen/
図解が豊富で、わかりやすいページです。
・「大腸癌治療ガイドラインの解説
ガイドラインを理解するための基礎知識」
http://jsccr.jp/forcitizen/comment02.html

●「大腸がんを生きるガイド」(日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/cancernavi/daicho/

●「大腸がん情報サイト」(ヤクルト本社・ヘルスクリック)
http://www.daichougan.info/

●「がん情報サービス それぞれのがんの解説 大腸がん」
(国立がん研究センター がん対策情報センター)
http://ganjoho.jp/public/cancer/colon/

●「がんに関する情報 がんの種類について 大腸がん」
(がん研有明病院)
http://www.jfcr.or.jp/cancer/type/colon.html

内臓や腫瘍の写真が多く掲載されているので
苦手な人は見ないほうがいいかも……。
●「がん診療について 大腸がん」(福岡県済生会 福岡総合病院)
http://www.saiseikai-hp.chuo.fukuoka.jp/cancer/h_daichogan.htm#hpb-container

専門性が高く文章量も多いので読むと疲れますが、
治療法を模索しているときには
ほんの1行がヒントになる場合もありますね。
●「大腸がん治療ガイドライン
Ⅱ 治療法の種類と治療方針の解説」(日本癌治療学会)
http://jsco-cpg.jp/guideline/13.html

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入院中のスケジュール表「クリニカルパス(入院診療計画書)」のメリット。 [医療・健康&がん関連]

近頃では、入院することになったら、入院日から退院日までの予定表を渡す病院が多くなりました。このブログ内で闘病の様子を紹介している「平滑筋肉腫のKさん」が、先月、入院して肝転移した腫瘍の切除手術を受けたときも、「肝疾患(肝切除)の手術を受けられる患者様へ」と題した文書が病院から渡されたそうです。

これは「クリニカルパス(clinical path)」と呼ばれるもので、「入院診療計画書」と同一とする病院が多いようです。日本語のほうが、ずっとわかりやすいんですけどね~。診療スケジュール表をもとに患者の治療全般を管理する方法といったところでしょうか。

[クリニカルパスの一例]
●「肝切除術の入院から退院までの予定表」
http://www.tmd.ac.jp/grad/msrg/liver/pass.html
(東京医科歯科大学 肝胆膵・総合外科)

元々は製造業の分野で使用されてきた「クリティカルパス」のことで、すべての工程の業務の効率化・標準化を図ることと作業の分析・管理のために生み出された手法です。それをアメリカの看護師のカレンさんが、医療の現場に応用したいと開発のきっかけを作ったそうです。
標準的な治療の予定を基にスケジュールを組んで一覧表にすることで、医療者と患者が情報を共有できる上、多くのメリットがあります。

●全体の治療の流れが理解しやすくなる。
●入院中、どんな検査や処置、看護ケアが行われるか、食事や入浴などの予定、退院後の注意点などが把握できる。
●予定されていることが一つ一つ実行されていくことで、心配や不安が少しずつ減っていく。
●退院までの目標が明確になり、闘病への意欲が湧きやすい。
●忙しい医療スタッフを呼んで説明してもらったり、何度も確認したりせずに済む。
●主治医などに聞きたいことがある場合、質問が整理しやすくなる。
●治療に関わる医療スタッフ間の連携が取りやすくなる。
●服薬を忘れるなどのチェック漏れが防ぎやすい。
●入院中にサポートしてくれる親族などとも情報が共有できる。
●外出や外泊の許可を取るときも予定が組みやすい。
●退院後は地元のかかりつけ医のもとで経過観察する場合も、入院・手術をした病院での治療内容が伝えやすい。

特に、初めて入院・手術を経験する人には、退院までこんなふうに過ごすことになるんだな、と具体的にイメージできるので、安心しやすいと思います。

私が胃がんで入院した胃腸専門病院でも乳がんのときの大学病院でも、当時は「クリニカルパス」が導入されていなかったので、いきなり検査室へ行けと言われたり、出かけようとしたら採血や点滴に来られたり、術後に目が覚めたら管がいっぱい繋がっていたりで、「次には何をされるんだろう?」と、なんとなく落ち着かない感じでした。

「クリニカルパス」は従来の受け身の治療から、治療に対して積極的に臨むというふうに、患者の意識改革にも繋がるのではないかと思います。
実際には個々人によって病状は違うので、予定通りには進まないこともありうるのですが、おおよそのスケジュールが想定できるのは安心ですし、主治医や看護師さんに細かいことは聞きづらいとか、いちいち確認するのは面倒という点も解消されますね。

クリニカルパスは入院中、確認のために何度も何度も見るものですから、親しみやすく、ひと目で理解しやすいイラスト入りのタイプが増えています。フォーマットを利用して作成したものもあれば、医療スタッフの誰かが手描きしたらしい素朴な絵柄が使われているものも。一部の病院ではカルテと同様に電子化する所も出てきました。

自分の入院する病院には、まだクリニカルパスが導入されていないという場合は、ネットで公開しているサイトがありますから、参考にできそうなクリニカルパスをダウンロード&印刷して入院時に持参するのも一案ですね。

●「クリニカルパス 診療科別」(兵庫医科大学病院)
http://www.hosp.hyo-med.ac.jp/admission/clinical_pathway/clinic.html
194種類のクリニカルパスを使い分けているそうで、診療科別にクリニカルパスの例を公開。

がん患者用のクリニカルパスのデータベースもあります。
●「医学情報 パスデータベース 基本パスを探す」
http://ganjoho.jp/professional/med_info/path/search_basic.html
(国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報サービス)

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モデル・女優の雅子さんが罹患した「肺動脈肉腫」は、がんのサルコーマの一種です。 [医療・健康&がん関連]

1月29日にモデル・女優の「雅子(まさこ)」さんの訃報を目にしました。「肺動脈肉腫(はいどうみゃく にくしゅ)」が原因の多臓器不全のため、50歳で亡くなったそうです。

私の記憶ではバブル期にファッション誌等でよく見かけて、透明感のあるきれいな人だな~と思っていました。
その後の女優としての活動は知らなかったのですが、映画『リング』シリーズの山村貞子の母を演じたとは……。
私は怖がりなのでホラー映画はほとんど観ないのですが、『リング』第1作は2人の友達と自宅のビデオで観た記憶があります。でも、あまりにも怖かったのでギャーギャー騒いだだけ、貞子のお母さんも覚えておらず~(泣)。

雅子さんをご存じのない方は、所属事務所のサイトをご覧ください。最近のモデルや女優は“近所のオネーチャン”風の人が多いな~と思うのですが、雅子さんの美しさは別格です。
●「MASAKO 雅子」(テンカラット モデル事業部 Plume)
http://tencarat-plume.jp/models/details/masako.shtml

このブログ内の医療関連のカテゴリーで「平滑筋肉腫のKさんの闘病記」を書いているのですが、雅子さんの病気も希少がんの「サルコーマ(肉腫)」の一種でした。
彼女の病歴をネットのニュース等で調べてみたところ、せきが止まらなくて’13年5月頃から入退院を繰り返し、8月頃に手術を受けて約1か月の入院生活を送ったそうですが、11月になってからサルコーマであることが判明したようです。
そして、昨年(’14年)の秋に転移が見つかり、再入院したとのことでした。亡くなる前日には、お友達とランチを楽しんだそうですが、直後に容体が急変したらしいのです。

昨夏に初めての著書『雅子 スタイル』が出版されたそうで、本当に残念なことに最初で最後の本となってしまったのですね……。

雅子 スタイル

雅子 スタイル

  • 作者: 雅子
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/07/11
  • メディア: 単行本

サルコーマにも、さまざまな種類があるのですが、肺の血管に発生する肉腫は希少がんの中でも、さらに希少かつ深刻なものだそうです。
ネットで検索しても肺動脈肉腫の情報はなかなか見つからないのですが、私が検索できる範囲で何とか集めた情報はいずれも希望の持ちにくい見解ばかりでした。

参考までに、いくつかの例を挙げてみます。

「肺動脈肉腫は極めて予後不良な稀な肺悪性腫瘍であり、放射線療法や化学療法の感受性も低く、手術症例でも多くは1年以内に死亡すると言われている」(高知大学 医学部 血液・呼吸器内科学)

「肺動脈原発の肉腫は稀とされており、その臨床症状、胸部単純X線写真の所見は多彩であるため診断は極めて困難である」(信州大学 医学部 付属病院)

「肺動脈肉腫は、慢性肺動脈血栓症に類似した臨床像を呈し、手術時や剖検時に初めて診断されることが多い
きわめて稀な腫瘍である」(山梨医科大学 第2外科)

「血管肉腫は全肉腫の2%を占める稀な腫瘍」(順天堂大学 医学部付属 順天堂医院 呼吸器内科)

「原発性肺動脈肉腫は稀な疾患であり、現在までにその報告は250例にも満たないとされている。外科的切除を行わない場合の予後は1.5カ月ともいわれる極めて予後不良の疾患である」(筑波大学 医学医療系 心臓血管外科・呼吸器外科・診断病理学)

「肺動脈肉腫」と診断された患者には酷なことばかり書いてあります。罹患する年齢層は45~50歳が多いそうで、特に女性の罹患率は男性の2倍と言われているとか。その理由は全くわかっていないわけですが、病気が判明するまでの主な症状も、せきや血痰、体重の減少、発熱などのため、風邪の延長だろうと自己判断する人も多いと思われます。

また、希少がんは、お医者さんでも実際に診た人が少ないので、「肺塞栓」「肺高血圧症」「肺がん」などと誤診される場合も多いと言われます。

こうまで書くと「肺動脈肉腫」の患者の皆さんは絶望的な気分に陥ると思います。実際、抗がん剤や放射線療法でも、あまり効果は望めないと言われるようですが、「外科的切除により治癒の可能性がある」という見解もあります。
たとえ、どんな治療法でも個人差があるので、私のような素人では何とも判断はつかないのですが、「人生、あきらめが肝腎」などとは全く思いませんよ! ほんの少しでも参考になるかもしれない学術的な報告と希少がんに関するサイトを以下に記しておきますね。

[参考サイト]

●「第163回 日本肺癌学会 関東支部会 当院で経験した肺動脈肉腫の1例」(2012年3月10日/順天堂大学 医学部付属 順天堂医院 呼吸器内科ほか)
http://www.haigan.gr.jp/journal/shibukai/kantou_163/2012_0346_02_022.html
症例:44歳の女性。呼吸困難を訴えて受診、肺動脈内に腫瘍の陰影が指摘され、肺動脈腫瘍摘出術を施行。術後に化学療法。

●「日本呼吸器学会誌 切除手術により長期生存しえた原発性肺動脈肉腫の1例」(高知大学 医学部 血液・呼吸器内科学/平成18年5月11日)
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/045010065j.pdf
症例:39歳の男性。左大量胸水のため入院後、結核性胸膜炎として治療し退院。9か月間の治療で胸水は消失。2か月後、左肺門部付近に3.3cm大の悪性腫瘍が見つかり、左肺全摘除術を行い、原発性肺動脈肉腫の確定診断。術後は経過観察。

●「日本呼吸器学会誌 術前診断しえた肺動脈肉腫の1例」(山梨医科大学 第2外科/2001年1月18日)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/haigan1960/41/3/41_3_237/_pdf
症例:70歳の男性。胸部の不快感と持続する右胸部痛のため受診し、右肺梗塞の診断で治療したが軽快せず、CTとMRI検査で右主肺動脈がほとんど閉塞する腫瘍を発見。転移はなく、右肺全摘術と共に縦隔リンパ節隔清術を行い、術後10か月の時点で再発の徴候なし。

上記の文献には海外の例も取り上げてあり、手術をしなかった症例に比べ、手術をした患者は1.5か月の生存期間の延長が認められ、手術が有用との見解。また、手術を行った22例のうち、5年生存率は69%でしたが、完全切除できた場合の5年生存率は83%という報告もあり、遠隔転移などが見つからない段階では積極的に完全切除を目指すべきという意見も記載されています。

●「日本血管外科学会雑誌 肺動脈原発血管内膜肉腫に対する外科治療の経験」(2014年/筑波大学 医学医療系 心臓血管外科・呼吸器外科・診断病理学)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsvs/23/3/23_13-00061/_article/-char/ja/
症例:62歳の女性。せきと血痰の症状で受診し、造影CTで肺動脈肉腫の診断。左右の肺動脈が腫瘍に占拠され、突然死の恐れも高いと判断して手術。一時は心停止となるも、腫瘍を完全に摘出。術後の化学療法は選択せず、36か月を経ても再発はなく外来で経過観察中。

●「心臓原発肉腫および肺動脈原発肉腫の臨床病理学的検討」(国立がん研究センター中央病院)
希少がんの中でも心臓と肺動脈を原発とする肉腫は世界的にも症例が少なく、病態や治療戦略が確立されていないので、情報を集積・検討して治療法や治療効果を探索・検証しようという試みが始まっているという報告。
http://www.ncc.go.jp/jp/about/rinri/study/kadai_h24/2012-050.pdf

●「病態生理学部門」(大阪府立成人病センター研究所)
病理医の高橋克仁先生が「大阪府立成人病センター」の内科で肉腫(サルコーマ)外来を担当。
http://www.mc.pref.osaka.jp/omc2/category/pathophysiology.html

上記の高橋先生の主導で設立されたサルコーマ専門の機関です。
●「キュアサルコーマセンター」
http://curesarcoma-center.org/

●「希少がんセンター」(国立がん研究センター)
http://www.ncc.go.jp/jp/rcc/index.html

●「サルコーマセンター」(がん研有明病院)
http://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/disease/sarcoma/index.html

当ブログ内の「マイカテゴリー」の「医療・健康&がん関連」にも「平滑筋肉腫のKさんの闘病記」を書いています。
現在22本の記事があり、今後も不定期で継続していきます。

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 作者: 広浜 千絵
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: 新書


がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川マガジンズ
  • 発売日: 2014/05/08
  • メディア: Kindle版


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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 22:摘出した肝転移の組織の分析と標本の作製期間について。 [医療・健康&がん関連]

先々週に手術を受けたKさんは
術後すぐに「大塚北口診療所」の梅澤先生へ、
先月のセカンドオピニオンのお礼と共に
手術が無事に終わったことを報告しました。
そして、「また転移した場合の治療方法は、
そのときに、ぜひまた相談させてください」と
お願いもしておいたそうです。

“梅ちゃん先生”からは、
A病院に今回の切除病巣の標本を作製してもらい、
執刀医から大阪の「府立成人病センター」の
高橋先生へ送って分析を依頼し、
今後、もし抗がん剤を使うことになった場合は
Kさんに合う薬剤があるかどうか、
どの薬なら、がんの抑制効果が高いと思われるかなど、
“可能性”を確認してもらってはどうか、
というアドバイスをいただきました。

そこで、Kさんが主治医のB先生に
組織標本(プレパラート)の作製や送付について聞いてみると、
「落ち着いたら。2月、3月頃に。
直接、送るのではなく(Kさんに)取りに来てもらう」
と回答されたそうです。


標本を作るのは、そんなに時間が掛かるのかな?
年明けで病理の先生も忙しいということでしょうかねぇ。
あるいは、A病院の病理科は慢性的な人手不足なのか。

「病理診断科」等のある病院のサイトで
標本の作製日数を明らかにしている所を調べたところ、
●速(すみ)やかに固定・標本作製を行い、手術から3~7日程度で報告を出す。
●手術標本は大きいので、固定・標本作製には数日~1週間ぐらい掛かる。
●検体採取から診断報告まで早くて5日間、平均で1週間。
●病理組織標本を作製する場合、所要日数は1~2週間程度。
などと記してあります。

一般的な病院では臨床検査技師が標本を作製し、
病理医が顕微鏡を覗いて診断を行います。
細胞検査士、臨床病理技術士、電子顕微鏡技術者といった
資格をもつ人たちが在籍する病院もあります。

地方の小さな病院だと
常勤の病理医のいない所もあるのですが、
最近では検査の画像データや電子カルテ等が
インターネットで送受信できるようになったので、
「遠隔画像診断」も可能となりました。
特に山深い地域や離島などで診療にあたるお医者さんや、
そこに住んでいる人たちにとっては心強いことと思います。
東京でも個人のクリニックなら、検査会社へ依頼しますよね。
ネットで検索すると、病理診断センター、検査センター、
病理研究所といった名前の民間会社がたくさん出てきます。


Kさんの通院しているA病院は地元の基幹病院で、
診療科も30近くあり、病床数も都内の大学病院と変わりません。
常勤の病理医3名に非常勤の病理医が15名以上、
検査技師10名、ほかの資格者も数名いるそうで、
とても充実した状況と言えるでしょう。

しかし、よく考えてみると、
病理の先生には院内のたくさんの診療科から
組織や細胞が届いて診断に追われる上、
術中の迅速診断も担当しますよね。
手術で摘出した臓器や組織も調べねばなりませんし、
病理解剖も業務の一つです。
非常勤の先生は交替制でしょうから、
もしかしたら毎日、人手が足りなくて
てんてこ舞いなのかもしれません(汗)。

事実、A病院のサイトには
組織診断が年に1万件以上、細胞診断が1万8千件近く、
術中迅速診断は350件以上、
病理解剖は毎年200件前後で国内最多とあります。
やっぱり……。
病理科のページには
常勤の病理医や研修医の募集も載っています(涙)。

そういう状況をよく知っているからこそ、
B先生も急ぎではない標本を早く作ってくれとは
病理科に頼みにくいので、
「2月か3月に」とおっしゃったのかもしれませんね。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 21:退院後の経過と肝臓手術の切開部分について。 [医療・健康&がん関連]

Kさんは退院の翌々日に初詣へ出掛けたそうです。
「家内安全をお願いしました」とのことですが、
体力ありますよね~!!
私なんて開腹手術の退院後1週間ほどは
うちでダラダラしているだけでしたよ~。
(退院直前に外出許可をもらい、当時、付き合っていた人と
ナイショで居酒屋へ行ったことはありましたが……たはは)。

Kさんが退院5日目の体調について知らせてくれました。
術後は微熱が出たり下がったりしていたそうですが、
退院後は「熱はないと思って測っていない」とか。
……それでいいのか~???(汗)。
ま、微熱程度なら気合で下がる!
という感じなのかもしれませんね~(笑)。
(※もちろん、高熱が出た場合は病院へ来るようにと
主治医の先生から言われたそうです)。

ほかには、
「貧血はまだ少しありますが、
立ちくらみするほどひどくはないです」
「退院後も生活上、毎日1時間ほど車を運転してますが、
負担にはなりません」
「歩いているときは、おなかのキズがまだ少し痛いので、
前かがみになってしまいます」
とのことでした。

術創(じゅつそう=手術でメスを入れた傷あと)の痛みが
しばらく続くのは仕方がありませんよねぇ。
私は胃の切除後、おなかに力が入ると
傷口がパカッ!と開きそうな気がして怖かったので(笑)、
立ったり座ったりするときも、そーーっと動いていました。
主治医には「そんな簡単に開かないよ~」と笑われましたが。


Kさんは退院6日目から職場へ復帰しました。
通勤の車の中ではブルース・スプリングスティーンのライブ盤を
ガンガン鳴らしてノリノリで出勤したようです♪
以前からのボランティア活動にも復帰し、
地元の国際交流協会のイベントで抽選係を担当したり、
写真の同好会の展覧会にも出品したりと、
あっと言う間に精力的な日常生活へ戻った感じですね~。

自治体の長を囲む新年の集いにも参加したそうで、
そこで出会った厚労省に関係する国会議員の方に、
希少がんについて、より深く認知してもらい、
国を挙げて取り組んでほしいと、お願いしたそうです。
本当に大切なことですよね。
患者みんなで声を挙げていかないと、国政には届きません。
罹患者の数が少なければ少ないほど、
後回しどころか、見て見ぬフリをされるだけ。
希少がんが「忘れられたがん」と言われるのは、
そういう意味もあるのです。


Kさんは、おなかの術創の写真も送ってくれたのですが、
まだ傷あとのラインが赤黒くて痛々しく見えるのと、
淑女のセミヌード(!?)ですからね~(笑)、
ここに掲載するのは見送って、
代わりに図を載せることにしましょう。

A病院の主治医B先生が、手術の説明をするときに
書いてくださったメモのようです。
‘14年5月の最初の肝転移の手術のときに、
メスを入れた部分に沿って切開したそうです。
Kさん切開部分の図.jpg
上半身の右側に
逆L字形のラインが
入っていますね。
Kさんは
術創の長さも測って
教えてくれたのですが、
両乳首の間あたりから
縦に13cm、
おへその上5cm
という位置で、
そこから横方向の
斜め上へ向かって
16cmだそうです。

私の場合は
胃切除だったので、
アンダーバストを測る胸囲の中央から
おへそのすぐ上あたりまで、
縦にまっすぐ15cmの術創が残っています。
魚の骨のように横に11針縫った線も入っていました。
縦のラインの右下あたり、ラインから横に5cmの位置には、
ドレーン(排液管)の入っていた孔(あな)のあとが
1㎝幅の線として刻まれています。
術後17年近くなる今では、肌の色に同化して
たいして目立たなくなったな~と思います
(自分が見慣れただけかもしれませんけどね。笑)。

肝臓は内臓の中で最も大きな臓器で、
位置は右半身の肋骨の下から右側の腹部にかけて。
●「図  肝臓の位置」(『家庭医学館』/小学館)
https://kotobank.jp/image/dictionary/igakukatei/image/1529_1.jpg

●「転移性肝がんについて  肝切除における皮膚切開  開腹」
(横浜旭中央総合病院 外科)
http://www.ims-yokohama-asahi.jp/med-dept/geka/pdf/tenisei-kangan.pdf
3ページ目に図解があり、Kさんの場合は
「逆L字切開」に該当することがわかります。

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遺伝性(家族性)乳がん・卵巣がんの「予防切除」と「費用」について考えてみよう。 [医療・健康&がん関連]

乳がん・卵巣がんの罹患数について最新のデータを調べてみました。
私が乳がんの手術を受けた2005年と比較してみましょう。

●「部位別がん罹患数(2005年)」
乳がん… 50,695例
卵巣がん…8,304例

●「部位別がん罹患数(2010年 全国推計値)」
乳がん… 68,071例
卵巣がん…9,918例

●「予測がん罹患数(2014年)」
乳がん… 86,700例
卵巣がん…9,900例

・1年の間に、がんと診断された数。患者の数ではなく、多重(重複)がんは1種類ごとに診断年でカウントします。
・2014年分は予測で、正確な数は数年後の公表となります。
※出典:「がん登録・統計」(国立がん研究センターがん対策情報センター)

他の臓器に比べても乳がんの増え方が
突出しているのが気になりますけど~、
直近の罹患数は1位でも死亡数は5位。
つまり、乳がんに罹っても
長く生きる人も多いというわけです。
卵巣がんは、ここ数年だと横ばいのようですが、
発生する場所が乳がんのように体の表面近くではないので、
早期では発見しにくいという側面もあります。


乳がん・卵巣がんのうち5~10%は
遺伝的な影響が強いと考えられており、
’13年にはアメリカの女優
アンジェリーナ・ジョリー(当時37歳)が、
乳がんの発症の予防を目的として
健康な両方の乳腺を切除し、
乳房再建の手術を受けたことを公表。
世の中に大きな衝撃を与えました。

これは「BRCA1遺伝子」「BRCA2遺伝子」という遺伝子の変異が
乳がんや卵巣がんの発症リスクを高めると言われており、
アンジーも遺伝子検査の結果、
87%というハイリスクの数値が出たため、
予防切除に踏み切ったそうです。
また、将来的には卵巣がんの発生を予防するために
卵巣・卵管の摘出術も受ける予定という報道もありました。
※BRCA=Breast Cancer(乳がん)の略。

それを受けて日本でも
遺伝性(家族性)の乳がん・卵巣がんの発症を恐れて、
検査や手術を希望する女性が少しずつ増えてきました。
しかし、アンジーの主治医も
「すべての女性に正しい選択とは限らない」と明言しており、
また、人体にメスを入れるということは
予想外の合併症や後遺症が発生する場合もあるので、
検査で遺伝子変異が見つかっても
マメに検診しながら経過観察し、
早期発見で対処すればいいのではないか、という考えもあります。


「HBOC(遺伝性の乳がん・卵巣がん)症候群」の
診断のための遺伝子検査は、
健康保険が適用されないので全額が自己負担。
一般に費用は20~30万円と言われています。

アンジーの受けた手術は以下のような内容でした。
乳房の目立たない箇所の皮膚を切開して
「ダブル・マステクトミー(両乳房切除術)」を行い、
組織を広げるために
「ティッシュエキスパンダー(皮膚拡張器)」を挿入し、
生理食塩水を注入して乳房を膨らませる
(ここまでで約8時間)。
3か月後(日本の場合は一般的に半年後ぐらい)、
皮膚が充分にのびたところで
人工乳房(シリコン・インプラント)と入れ替える
「乳房再建術」を実施。

現在、国内で同じ手術を受けると
費用は両側で約150~250万円だそうです。
金額の幅は検査費用も含むかどうかもありますが、
施設によってアレコレと差もあるからでしょう。
これに加えて入院費も必要ですね。

一方の乳房に悪性腫瘍があって
手術をするなら健康保険が使えるのですが、
予防として、もう一方(健康な側)も
一緒に切除・再建したいという場合は、
混合診療が認められていないために
両方の費用が自費となってしまいます。
卵巣・卵管の予防切除を受ける場合も、
保険適用外で100万円ぐらい掛かるそうです。


しかし、忘れていけないのは、
乳房や卵巣・卵管を切除することで
「予防ができた!」と思っても、
ほかの臓器にがんが発生しないという保証は全くないということ。

乳房を切除することで乳がんのリスクは低減できますが、
決してゼロになるわけではなく、
アンジーも依然として5%以下の発がんリスクはあるそうです。
「日本乳癌学会」は予防切除によって
「乳がんによる死亡が減る可能性はあるが、
科学的な根拠はまだ不十分」
という診療指針を発表(’13年6月)。
がんの発生する乳腺を完全には取り切れないし、
卵巣がんに罹るリスクもあるため、
死亡率を下げるまでには至らないという見解です。

卵巣がんは予防切除することで
死亡率も乳がんのリスクも低くなるそうです。
ただし、アンジーには3人の実子がいますが(養子も3人)、
子どものいない人で出産を希望し、妊娠可能な年齢の場合、
予防のために卵巣・卵管を摘出してもいいのでしょうか?
(事前に卵子を凍結保存する方法もありますが)。

また、閉経前の人が卵巣を切除すると、
ホルモンのバランスが崩れ、更年期障害に似た症状が起こります。
その治療のために「卵胞ホルモン」によるホルモン補充療法を
長期にわたって行うと、子宮体がんのリスクが高まり、
それを抑えるために「黄体ホルモン」も補充すると、
乳がんのリスクが高まってしまうという弊害もあるとか。

私の周りでは、乳がんの“がん友”で再建した人が、
自家組織を移植するか
シリコンのインプラントを使うか迷って、
最終的にシリコンを選びました。でも、
「コンクリートみたいに重たく感じる」
「ヒヤッとして冷たい」
「シリコンが半回転してしまった」
などの違和感や問題が生じました。
また入院し、つらい思いをして再手術を受けるのか、
術創も増えるし、新たに費用も嵩(かさ)むし……と悩んでいます。

私なんて単純に
「温存で形が崩れるより再建のほうが良かったなぁ」とか
「術後に放射線を浴びちゃうと、皮膚がのびにくいらしい。
再建できる人は、うらやましいな~」
などと思っていましたが、
私の罹患した9年前は、まだ再建どころか
温存手術が普及し始めた頃でしたし、
いつ、どんな治療法を選んでも何らかのリスクはあるのです。


そして、あえて、さもしい話をしますが~、
アンジェリーナ・ジョリーがブラッド・ピットとの結婚に際し、
取り交わした婚前契約書に記された2人の総資産額は
4億2500万ドル(約455億2281万円)との報道でした。
【内訳】
アンジー :1億8500万ドル(約198億1267万円)
ブラピ  :2億4000万ドル(約257億 268万円)

これだけの資産家ですから、
「アンジーも予防切除したことだし」と
同等に考えるのは間違いではないでしょうか?
彼女は自分の医療に必要とあれば
数億円でも数十億円でも使える人なんですよ。
最先端の非常に難度の高い形成手術だろうと
何回でも何十回でも好きなだけ受けられますし、
アンジー専用の治療ユニットでも開発できるでしょう(笑)。

あらぁ、私の資産はアンジーと変わらないわ~、
という人なら、お好きにどうぞ~♪
と思いますが、
オカネを湯水のごとく使える人ほど
いろんなことが試せるので、
自分の治療方針が定まりにくいということも、ありえます。


いずれにしても、予防切除を検討する場合は、
できる限り信憑性の高い情報を集めた上で
自分にとってのメリットとデメリットを
冷静に見極めることが大切ですよね。
外科医に聞けば予防切除を勧められるでしょうけど、
がんに侵されていない健康な乳房や卵巣を取ってしまう、
ということが精神的ダメージとなる性格の人もいるかもしれません。

情報収集の一環として
16日の記事で紹介したような
シンポジウム等に参加するのもいいでしょうし、
最近では「遺伝相談」「家族性腫瘍相談」
といった外来を設けている医療機関もあるので、
相談に行ってみるのも良いかもしれません。

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[参考サイト]

詳しい説明と再建時や合併症などの写真、費用が載っているので
理解しやすいと思います……が、ショッキングな写真もアリ。
●「乳がんと乳房再建」(ブレストサージャリークリニック)
http://www.iwahira.net/saiken.html

●「『がんサポートWeb』  乳がん 再建の検索結果」(エビデンス社)
http://gansupport.jp/?s=%E4%B9%B3%E3%81%8C%E3%82%93%E3%80%80%E5%86%8D%E5%BB%BA&post_status=all&post_type=article&article_category=
※いろんな関連記事が読めますが、閲覧できるのは途中までで、
全文を読むには会員(ユーザー)登録が必要です(登録は無料)。

●「臨床ニュース  米国女優、『予防的乳房切除』の影響は?」(m3.com)
https://www.m3.com/open/clinical/news/article/188524/

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1月24日(土)に遺伝性(家族性)の乳がん・卵巣がんのシンポジウムが開催されます。 [医療・健康&がん関連]

がん専門誌&がん情報Webサイトの
『がんサポート』(エビデンス社)のメールマガジンに、
乳がん・卵巣がんの市民公開シンポジウムの案内が載っていたので、
勝手に補足して、お知らせいたします~。

今回のシンポジウムは
「第3回 日本HBOCコンソーシアム学術総会」
(国立病院機構 四国がんセンター 乳腺外科 大住省三 会長)
の関連セミナーとして開催されるそうです。

「HBOC」とは「Hereditary Breast and Ovarian Cancer」の略で、
「遺伝性の乳がん・卵巣がん症候群」
という意味で用いられています。
「日本HBOCコンソーシアム」はNPO(特定非営利活動法人)で、
理事長は「昭和大学病院ブレストセンター」の
センター長・乳腺外科教授の中村清吾さん。
同NPOの事務局も中村先生の教授室に設けてあるようです。
※コンソーシアム(consortium)=「共同体」「協会」「連盟」等の意。

「日本HBOCコンソーシアム」の活動は
乳がん・卵巣がんの中でも「遺伝性」に特化したもので、
今回のシンポジウムでは
専門家がそれぞれの立場から「HBOC」について解説し、
アメリカの乳がん患者団体の代表2名による
現地での診療体制や患者活動のレポートも。

都内での開催なので、
首都圏在住の“がん友”の皆さんが対象となりますが、
遺伝性の乳がん・卵巣がんの当事者やサポーターの方々、
血縁者に家族性のがん患者がいて不安を感じている方、
がん情報の一環として興味があるという方も、
無料で予約も不要ですから、こういう機会を利用して
最新の情報を得るのも一案だと思いますよ~。


●「いま知りたい『遺伝性乳がん卵巣がん』」
日時:1月24日(土)13:30~16:30(開場は13:00)
会場:東京医科歯科大学 M&Dタワー2F 鈴木章夫記念講堂
・キャンパスマップ
http://www.tmd.ac.jp/outline/campus-map/
※「M&Dタワー(医歯学総合研究棟/II期棟)は
マップ内の湯島キャンパス(湯島地区)「12」の建物です。

【プログラム】
・「HBOCとはどんな病気? 日米での診療体制の違い」
山内英子(聖路加国際病院 乳腺外科部長・ブレストセンター長)
・「米国でのHBOC診療と遺伝カウンセラー」
田村智英子(認定遺伝カウンセラー/日米)
・「米国での患者支援活動とHBOCとの関わり」※同時通訳あり
ステイシー・ルイス(「Young Survival Coalition」副代表CEO)
・「FORCEの発足から今までの活動状況」※同時通訳あり
スー・フリードマン(「FORCE」代表)
・「患者目線で見た日本のHBOC診療」
桜井なおみ(「キャンサーソリューションズ」代表)

定員350名・入場無料・事前の申し込みは不要。
※同時通訳用のイヤホンレシーバーは
希望者に用意するため、事前に申し込むこと。

【問い合わせ先】
日本HBOCコンソーシアム事務局
〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
昭和大学医学部 乳腺外科 教授室内
TEL/FAX:03-3784-8707
E-mail:hboc-office@mopera.net


[参考サイト]

●「日本HBOCコンソーシアム」
http://hboc.jp
・「役員名簿」(2014年1月19日現在)
http://hboc.jp/officer_list/
首都圏の大学病院・がん専門病院の勤務医や研究者が多いようですが、
地方の病院の先生方の名前も載っているので、
相談できる医療機関の目安となるかもしれません。

私たち一般人は学会には潜入できませんが~、
プログラムに掲載されている内容や発表者は参考になるかも。
●「第3回 日本HBOCコンソーシアム学術総会
テーマ『HBOC診療を日常診療にするために』」
・プログラム
http://hboc.jp/meeting/pdf/meeting_program_20150108.pdf
(※PDFファイルが開きます)。

医療機関での遺伝カウンセリングの際に使用しているパンフレットを
一般向けに改訂したもの。
●『遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)をご理解いただくために Ver.2』
(2014年10月修正/特定非営利活動法人 日本HBOCコンソーシアム広報委員会)
http://hboc.jp/downloads/pamphlet.pdf
(※PDFファイル28ページ分です)。

「HBOC」の概要と検査の流れなどの説明。
●「家族性がん第4弾『遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)』」
(「慶應義塾大学 医学部 産婦人科」青木大輔 教授/市民のためのがん治療の会)
http://www.com-info.org/ima/ima_20140827_aoki.html

GBOCの患者・当事者の交流サイトがFacebookに設けられています。
●「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群 HBOC患者・当事者会
クラヴィスアルクス Clavis Arcus」
https://www.facebook.com/hbocpatients

●『がんサポート』(エビデンス社)
http://www.evidence-inc.jp
●『がんサポートWeb』(エビデンス社)
http://gansupport.jp/


がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)


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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 20:術後1週間で退院決定~予定より早く帰宅♪ [医療・健康&がん関連]

Kさんからの術後5日目~退院日の報告メールです。

【術後5日目】
背中の麻酔が取れて、点滴は1つだけになりました。
一時的に点滴を止めてシャワーが可能に。
ようやくシャワーが使えて洗髪して小綺麗になれそうです (^0_0^)

退院は術後9日目か10日目の予定でしたが、
今朝、「早ければ明後日」と言われました。
迎えの車は週末に予定してるので、
もう少しこの部屋で粘りたい (^0_0^)

前回の肝臓手術のときは7泊8日だったかな、
やはり今回のほうが、ちょいと長い。
でも、本当に順調に回復したのには看護師さんたちもびっくりで、
何しろ術後から普通に歩いていたので驚いたようです。

時々、37.2度ぐらいの微熱は出ますが、
これはやはり開腹手術の影響では?
血糖値や酸素の数値は問題なしです。
20時に点滴は外れたのですが、尿を溜めています。
病院食以外は全く食していません。
排便が苦しまずに毎朝あります。

主治医のB先生に
「コーヒーはいつから?」と聞いたら、「退院してから」と。
明日、退院後の注意点を聴く予定です。
重いものを持たないことは
前回の術後と同様かと、わきまえてます。
疲れやすいだろうなと思います。
ひとまず微熱が治まれば違うでしょうかね。


……Kさんはスイーツ系が好物なので、
病院の食事以外に何か食べているかと確認したのですが、
優等生の患者ですね~。
もちろん消化器系の手術ですから
飲食には細心の注意を払うべきでしょう。
私なんて胃を切っても、その状態が自覚できなくて、
尾籠(びろう)な話で申し訳ないのですが~、
退院直前の時期には、お見舞いでいただいた
プリンやチョコレートなどを
むさぼるように食べては吐くか下すかという状態で、
エライ目に遭いました~(自業自得なんですけど。涙)。


【術後6日目】
食事は特に制限なし。
B先生に「ゴルフができるのは?」と聞いたら、
「中の壁がまだだ」と。
「○○ヘルニアになる恐れがあるので
半年ぐらい激しい運動は控える必要がある。
重いものを持たないこと。
微熱ではなく高熱が出たら教えて」
と言われました。

私の場合、つい無理をしてしまうので、
今回は退院しても
しばらく気をつけるようにしようと思いました。

実際は少し歩いたあとも疲れます。
今朝、尿を採るのが終了しました。
明日のお昼に退院することが決まりました。


……「ゴルフ」という文字を見て、
なるほど、運動の好きな人は、
そういうことも大切なのね~!と気がつきました。
私は運動音痴の上、スポーツは観る一方ですから、
「体を動かす」という発想が出てこないんです。
胃の主治医からは
「術後に体力を高めるには水泳がいいよ。
水の浮力があるからラクだし、
左右均等の運動だから体のバランスが取れる」
とアドバイスしてもらいました。
泳ぐのが好きな人、水に浮くだけでも楽しい人には
良いかもしれませんね~。

私は何度かスイミングスクールや
スポーツクラブに入会はしましたが、
オカネだけ払って通わなくなる……の繰り返し。
水中ウォーキングすら好きになれなかったし。
というわけで、いまだにカナヅチです~(恥)。
元々、基礎体力のある人は、回復も早い印象がありますね。

「中の壁がまだ」というのは、
肝臓などの内臓が納まっている腹腔を覆っている
「腹壁(筋膜・皮下脂肪・皮膚)」の術創が
くっつくまで少し時間が掛かるということでしょうか。
開腹手術後に腹壁が断裂したり緩んだりして
そこから内臓の一部が飛び出てしまう
「腹壁瘢痕(ふくへき はんこん)ヘルニア」を発症すると、
また手術が必要となるケースもあるようです。


【術後7日目=退院日】
今朝8時にB先生が様子を見に来られて、
「次は外来で」と、おっしゃっていかれました。
9時半頃に採血がありました。
その後は看護師さんから外来の日程について説明があり、
次回の外来の受診日は今月の下旬(退院後12日目)に決定。

「退院後に注意していただきたいこと」という
A4サイズの文書1枚をもらいました。
以下の内容が書いてあります。

1. 入浴について → お風呂は×で、シャワー可能。
手書きで「創部を石鹸でやさしく洗って下さい」と添えてあります。
2. お薬について → 服用を続ける。
3. 今後注意していただきたいこと。
4. 今後の治療について。

次回の指示票と退院患者向けのアンケート用紙も渡されました。

今は貧血がちょいとキツイかな~って感じがしてます。
“シャバ”は、とにかく寒いです。気をつけます。
軽く寝て、時間が来たら会計を済ませて退院です。


……というわけで、Kさんは自宅へ戻りました~!!
退院おめでとうございま~す♪
ヽ(^。^)ノヽ(^。^)ノヽ(^。^)ノ

順調な(と言うか驚異的な)回復で何より!
術後の貧血については、しばらくは仕方がないかもしれません。
手術中に失われた血液のほか、
肝臓に含まれる血液は体全体の10~14%もあるらしいので、
部分切除でも血液を失うこととなります。
胃の場合は切除によって鉄分が吸収しにくくなり、
ビタミンB12も不足するので鉄欠乏貧血となりがちです
(私は何年も継続して貧血治療中)。
肝臓は胃と違って再生する臓器なので、
これから徐々に再生されると共に
貧血も改善されるのかな~と思うのですが、
鉄剤なども処方されたそうなので、
とにかく飲む時間を守って忘れずに服用することが大事ですね。
(さもないと私のように、
なかなか正常値に戻らなくなります~。泣)。


KさんのSNSには退院して5日後から
「ボランティア活動や職場に復帰する」
と書いてあったので、ちょっと心配です。
できるだけ意識して静養に努めたほうがいいと思いますよと
伝えましたが。

私のように気ままな一人身なら
退院後も自宅で好きなだけ寝ていられますけど、
Kさんは公私にわたって役割がたくさんある上、
頑張り屋さんなので、
おうちでゴロゴロすることもできないと思うんです。
病室に居れば看護師さんが体調を確認・管理してくれるので、
あなた任せでいられるんですけどね。

私は胃を3/4切除した術後1か月ほどは
ヨロヨロ動くたびに「イタタタッ」と
おなかを押さえて、うめいていました。
乳がんのときは
腫瘍を摘出した温存手術の翌日から
病院内のランドリーで洗濯をしましたけどね。

どうしてそんなに違うのかと胃の主治医に聞いたら、
「おなかにメスを入れる手術は筋肉を切るから痛い、
乳房は皮膚と脂肪の切開だから、
それほどの痛みはないんだよ」
と教えてくれました。

もちろん、日々の役割や先々に目標があるのは
活力アップに繋がるものですが、
せめて今月いっぱいぐらいは
大人しくしていてほしいですよね~。
Kさんは私より多く手術を経験しているし、
腫れ物に触るように労わられるのもイヤだと思いますが、
「無理は禁物!」「頑張り過ぎちゃ、ダメよダメダメ~!」と
自分に言い聞かせるようにしてくださいねと伝えました(笑)。


いったん、がんに罹った以上は、
手術して退院すればOK!
ということにはならないものですが、
Kさんも
「経過を小まめに観察しながら、
免疫力を極力失わず、延命していく方法」
を考えていきたいと語っています。

私は、ほかの“がん友”にもよく言うことですが、
がん患者はみんな
全身にちらばっている微小な転移があるだろうから、
それらが悪さをしないよう監視しつつ、
今後も共に生きていく、ということですよね。
たまに大きくなるヤツが出てきたら、そのつど退治する、
という感覚でいればいいかな~と思っています。
再発・転移していても、
日常生活に支障のない程度で体調をキープする治療法を考える。
実際、そうして暮らしている“がん友”たちもいますから、
初発でも再発でも再々発でも、基本的には同じことなんです。
(能天気すぎますかね~? 笑)。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 19:手術の翌日から報告メール、3日目に腹腔ドレーン抜去。 [医療・健康&がん関連]

手術の翌日の夜に
Kさんから経過報告のメールが届いていました。

【術後2日目のメール】
今朝8時頃に痛み止めの
「トレフューザPCA system 3mL」を1プッシュして、
痛みがすっかり感じられなくなったのですが、
5時間ほどしてから脱力感があるので看護師さんに言うと、
強い半面の副作用だろうと。
この痛み止めは背中に繋がっています。

今もまだ少し気分がすぐれないので
(音楽を聴くとかTVを見る気になれないんです)、
この副作用云々とは関係なく
C先生が出してくれた「カロナール錠300mg」を
夕方から飲み始めました。
痛みを抑えたり熱を下げる薬とあります。
毎食後30分と寝る前に2錠服用します。


……実に律儀なレポーターですよねぇ(笑)。
手術したばかりなんだから、休養してくれればいいのに~。
翌日に音楽やテレビって……(汗)。
私は開腹手術(胃がん)のときなんて
術後3日ほど痛みで苦しみ続けましたよ~(号泣)。

でも、具体的な情報は“がん友”の皆さんにとって
非常に有益だと思います。
そして、がんはがんでもKさんと同じ
“サルコーマ仲間”の皆さんの治療に役立ちたいからこそ、
Kさんは気がついたことを細かく知らせてくれます。


上記のメールにある「トレフューザ」というのは
痛み止めの薬剤の名前かなと思って調べてみたら、
医療用具で「加圧式医薬品注入器」のことでした。

●「ベセルフューザー(麻酔用)/愛称:トレフューザー[レジスタードトレードマーク]
(オーベクス/東レ・メディカル)
http://www.toray-medical.com/medical/masui/detail.html?id=9FEC0F0F440A0DE949257B940021EDCA

術後の疼痛などの治療用で、
体内に痛み止めを投与するための注入器だそうです。
ボタンを押すと薬液の出るワンプッシュ式で、
ディスポーザブル(使い捨て)です。

「PCA」とは「自己調節鎮痛法」のことで、
患者が痛みを感じたときに
自分で鎮痛薬を投与できるようにしたもの。
Kさんが使った装置のように、
「少し痛みが増してきた」と感じたときに
注入器のボタンを押せば鎮痛薬が体内に入るので、
激痛でナースコールをして処置されるのを待つ
というストレスがありません。
(私が胃の手術をした’98年当時は
ナースコールしか手段がありませんでした~。涙)。


Kさんが注入器でプッシュした中身は
「アナペイン」と「フェンタニル」という薬の混合だそうです。
「アナペイン(ロピバカイン塩酸塩水和物)」は
術後の鎮痛に用いられる薬剤で、
「フェンタニル(フェンタニルクエン酸塩)」は
麻薬に指定されているオピオイド鎮痛薬。
「モルヒネ」と同じような作用とのことですが、
痛みを抑える効果は約200倍も強く、その分、毒性も強いとか。
(3日目は「アナペイン」だけとなったそうです)。

「強い半面の副作用」とは、
薬の効果が大きい分、副作用(この場合は脱力感)も
強く出るという意味でしょう。

「痛み止めは背中に繋がって」というのは
「硬膜外麻酔」のことと思われます。
脊髄を覆(おお)っている硬膜と
その外側を囲む脊柱管の間にある
硬膜外腔(こうまくがいくう)に細いカテーテルを留置し、
薬剤を持続的に注入する方法。
この局所麻酔によって鎮痛する方法は
全身にオピオイド鎮痛薬を投与するよりも
腸管運動の回復を早め、排便・排ガスも促すとか。

点滴は、ほかに「ソリターT3号G輸液500ml」を1日3回。
これは水分や電解質の補給・維持のための補液製剤です。

「カロナール錠300mg」は比較的、安全性が高く
小児から大人まで使用可能とされる解熱鎮痛剤。
主成分は「アセトアミノフェン」で、
これは風邪のときに、よく処方される「PL配合顆粒」や、
市販薬の「タイレノール」「パブロン」「ベンザエース」
「セデス(ピリン系・非ピリン系)」「サリドンエース」
「ルル」などにも含まれる成分です。

ただし、「カロナール」は
他のアセトアミノフェン製剤と併用すると
肝機能障害が発生する恐れもあるそうです。
となると、肝臓手術の直後の患者に出すのは?
と思うのですが、
Kさんの残っている肝臓の機能が正常に働いているのと、
指示された服薬量は成人の最大限より、ずっと少ないので、
心配はないというC先生の判断なのでしょう。


そんなの病院が出してくれるんだから、
いちいち知らなくても大丈夫でしょ~?
と言う人もいるのですが、
ごく一般的な生理食塩水の点滴でも、
投与する量が多かったり滴下速度が速かったりすると
血中濃度が上がって副作用が出る人もいるそうです。
現に、私のがん本の取材に協力してくれた人の中には、
入院中に点滴の輸液を間違えられて
一時的に体調が悪くなったケースもありました。

かく言う私も胃がんと乳がんの入院中は、
点滴の薬液や錠剤の名前とか色なんて
チェックしていませんでしたからねぇ(汗)。
オモテに出ない単純な医療事故は日常茶飯事。
Kさんのように確認するに越したことはありません。


【術後3日目のメール】
今日はかなり楽になりましたよ。
尿管と血液が溜まっていた管と、
右の腹に入っていた管が抜けました。
点滴は「ソリターT3号G輸液」と、
痛み止めは「アナペイン」だけに。

午前中に排便もあったのでホッとしました。
今は結構おなかがゴロゴロしてガスがよく出ます。
血糖値は7時頃に114で、11時頃に140でした。
血圧は相変わらず低いですが
数値に問題はないようです。
あと、指先の計測も異常なしです。


……ドレーン(排液管)が抜去できたということは、
・術後の排液の量が一定以下となった。
・おなかの中の出血が治まったので
排液に血液が混じらなくなった。
・胆汁が混入していないので胆汁漏の心配もない。
・術後の合併症もない。
ということだと思われます。

ただし、肝臓の部分切除だけの場合は
手術の翌日にドレーンを抜去する例もあるようです。
また、欧米では肝臓や胆嚢などの切除術の場合、
ドレナージ(排液法)は不要という考え方が主流で、
ドレーンを挿入しても早期の抜去を勧めています。
いずれにしても、
ドレーンが外せないと退院も延びるので
Kさんの経過は良好!ということだと思います。

「血糖値」は術後、高めとなるそうです。
一般的に空腹時の基準値は73~109mg/dLですが、
手術によって体は傷や炎症などのストレスを受けて
特定のホルモンや物質の分泌が増えるため、
一時的に血糖の上昇を抑えるインスリンの働きが弱まるので
血糖値が高くなるとのこと。
術後の血糖値は140~180mg/dL程度に
コントロールするよう推奨されているようです。
Kさんには他の持病はありませんが、
糖尿病の患者の場合は注意が必要ですし、
病院側も細かくフォローしてくれるはずです。

「指先の計測」とは
指先を挟む洗濯ばさみ形の
「パルスオキシメーター」という医療機器を使って、
指の先の動脈に含まれる酸素量と脈拍数を
測定・モニタリング(監視)すること。
この機器には赤色LEDの光源とセンサーが内蔵され、
光を爪に当てて計測できるので、
採血する必要もないわけです
(入院中は頻繁な注射もストレスになりますからねぇ)。
でも、マニキュアを厚めに塗っている爪は測定しにくいそうです。
爪は体調の変化も反映するものですから、
普段、ネイルアートやマニキュアを楽しんでいる人でも、
入院予定のある場合は事前に落としましょうね~。


ところで、
開腹手術の術創(メスを入れた傷あと)についてですが、
Kさんの腹部の切開部分には、
前回の術後だとプラスチックテープが貼ってあったそうですが、
今回は何もなかったとのこと。
私が胃を切った頃は縫合も溶ける糸ではなく、
テープも使われず、術創はイソジンで消毒されたものです。
近年では消毒しないほうが
傷の治りも早いと言われているようですね。

体質にもよるそうですが、
術創が赤黒く盛り上がるケロイドとか
肥厚性瘢痕(ひこうせい はんこん)などにならないようにと、
「メディカル(医療用)テープ」や
「サージカル(外科用)テープ」等と呼ばれるものが
使われています。

私のおなかには11針分の術創がタテに入っていますが、
退院後に「シリコンジェルシート」というものを購入してみました。
(17年ほど前で1万円ぐらい)。
私は肌がかぶれやすいのですが、
シリコンは人体に親和性が高いと言われていましたし、
洗って繰り返し使えるタイプだったのですが、
おなかに貼って寝ると、朝には行方不明になっているんです~。

まぁ私の寝相が悪いせいなんでしょうけど~(苦笑)、
しばらく使い続けても何の効果も感じられなかったので
泣く泣く捨てる羽目に。
私の場合は1万円をムダにするくらいなら
おいしいものに使うほうが
傷の治りも早かったんじゃないかと思うんですよね~。

医療用テープは、いろんな市販品も出ているようですが、
手軽なお値段なので試しやすいかも。

(※現在ではシリコンで肌がかぶれる体質の人も
けっこういることが知られています。
シリコンジェルシートの効果は人それぞれのようです)。


[参考サイト]
●「検査の参考基準値表(主要検査項目のみ)」
(平成27年1月 改訂/東京大学医学部附属病院 検査部)
http://lab-tky.umin.jp/patient/ketueki.pdf
(※PDFファイルが開きます)

[参考文献]
●『看護師のための看護基礎知識事典』(秀和システム)
村中陽子・川西千恵美・渡邉亜紀子 著

看護学の専門家3名の共著で、発行は2010年9月
やや専門性の高い部分もありますが、
全般的には平易な解説と豊富なイラストで
医学に親しみやすく&理解しやすくなると思います。
専門書が374ページで1,836円だなんて
安いんじゃないでしょうか~?

クリックしたページに「なか見!検索」があります
(※無料で十数ページ分が閲覧できます)。

看護師のための看護基礎知識事典


[本日のオマケ]

●「傷あとを目立ちにくくする治療法」(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
https://www.jnj.co.jp/jjmkk/general/dr/skin/skin_2.html

医療用テープの一例。
はがすときに皮膚の角質層まで一緒に取れないタイプだとか。
●「優肌絆(ゆうきばん) プラスチック」(日東メディカル)
http://www.ntmed.co.jp/medical/personal/yuki/yuki_pla.html

アマゾンだと25mm×4.5mのタイプが429円(税込)。
退院後の術創ケアにも手軽に使えそう。
●「優肌絆 肌にやさしいテープ プラスチック 太幅 25mm*4.5m」

優肌絆 肌にやさしいテープ プラスチック 太幅 25mm*4.5m

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  • 出版社/メーカー: ニトムズ
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品


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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 18:肝臓の腫瘍の切除手術は無事に成功! [医療・健康&がん関連]

年末から完全な昼夜逆転生活となってしまい、
Kさんの入院から手術の日までも
アレコレ何かしながら夜通し起きていました。

これが自分自身のことなら何も気にならないのですが、
親しい“がん友”が手術を受ける日となると、
シミュレーションするかのように、
ああ今頃は病室に看護師さんが迎えに来たかな、
手術室までは歩いていくのかな、ストレッチャーかな、
もう手術は始まったかな……などと想像しながら、
なんとなく、その場に立ち会っているような感覚で過ごします。

心配とか不安という気持ちとも違うのですが、
Kさんの手術の日も、そんな感じで時間が過ぎていきました。

全身麻酔による手術というものは、
麻酔を打たれた~、なんだか効いてきた~
と思った次の瞬間には、すべてが終わっているので、
一度、経験すると2回目以降は不安も恐怖感も何もありません
(私の場合ですけどね)。

Kさんは私よりも経験値が高いし、
医療スタッフの皆さんにも信頼を置いているし、
元来、明るく元気な人で
私やNちゃんと同じく能天気なところもあるので(失礼! 笑)、
特に緊張することもないだろうと思っていました。

ただし、高齢の親御さんや2人の子どもたち、
入院中、家族の生活をサポートしてくれる親戚の方々、
発病以来、励まし続けてくれている旧友の方々、
余計な心配を掛けても…と病気のことを伏せてきた
友人・知人の皆さんに対しては、
さまざまな想いがよぎったのではないか、
などと私は勝手に想像していたのです。

Kさんの平滑筋肉腫のことを知ったのは
昨年の4月以降のことで、私のがん本の発刊がきっかけでした。
具体的な話を聴いたのも最初の肝転移の手術のあとだったので、
初発のときに知っていれば、もっと何かできたかな?
いや、私の手伝える範囲は今と変わらないかも?……等々、
ブツブツと、ひとり言をつぶやくように考えていました。

でも、大学生の息子くんと高校生のお嬢ちゃんが
しっかりサポートしてくれるのは何よりです!
私は2人が小学生のときに会ったきりですが、
もうそんなに大きくなって~、
しかも、おにいちゃんは主治医の説明を聴いたり、
手術の日にも立ち会ったりと頼りがいもありますね~!!


さて、手術当日&翌日の報告代わりとして、
前日に引き続き、メールのやり取りを転載しましょう。

【ちえ → Kさん】
愛情ビーム発射中[黒ハート]
おはようございます~!
今朝は平熱に近づきましたかねぇ?

息子くん、頼もしいですね。
立派な青年に成長してエライわ~!!
安心してイケメンEちゃんの麻酔にかかれますね(笑)。
ではでは、行ってらっしゃ~い!
(ご返信は不要ですよ~)。

【Kさん → ちえ】
おはようございます (^0_0^)
ありがとう~! 平熱に近くなりました。
下剤が全く効かず困ってましたが、
C先生が、腸の手術じゃないから大丈夫ですよ~と。
今、B先生が来られて「今日は頑張りましょう」と。
今、息子到着。
頑張ってきま~す (^0_0^)
明日の昼頃に部屋に戻る予定なので、そしたらメールしますね。

【Nちゃん → ちえ】
どうかなぁ~お目覚め。痛いかなぁ~
今回読んだKさんについて
すごいオブザーバーしてますね!
それについて意識できるKさんもすごい!
気持ちが安定してるから、
免疫力低下させることなく治療ができるね。
なんだか今ね、ホッとしてる。Kさんもそうだと良いな。
偉そうなコメントで、ごめんなさい(≧∇≦)

【ちえ → Nちゃん】
Nちゃんのコメントは、あったかくて勇気づけられるよ~♪

【Kさん → ちえ】
予定通り! お陰様で~ (^0_0^)

当日8時半に手術室の手前の部屋に入り、
名前を確認してから手術室へ。
麻酔科のイケメン君は補佐で、
大先生が、まずは背中に痛み止めの麻酔を入れました。
その後に全身麻酔を点滴で。
2、3分で意識がなくなりました。
看護師さんが2名、C先生とB先生。室内には6名でした。

私が意識を戻したのは16時30分頃にICU(集中治療室)で。
息子がそばにいて手術の経過説明を受けました。
肝臓の腫瘍は5㎝大1個だけ、胆嚢も取り、
嚢胞も3個ほど、つぶして焼いたとのこと。
「予定通りだったが、癒着部分に30分ほど手間取った」と。
まずまずでしょう。

翌朝の9時半、病室に戻ってきました。
お昼前に看護師さんの付き添いのもと、歩行してきました。
血圧が元々低いのですが、45-90だったり、顔が白いといわれ、
少しボーっとしてます。
痛み止めが優れもので、ベッドの上り下りも
おなかは痛くなく、歩行時も我慢できる痛みです。
ひとまず、こんなところ。
愛情ビームをありがとう~ (^0_0^)
しっかり効きました!!

※ちえ註:
「癒着部分に手間取った」というのは
腸と腹壁、または腸管と腸管がくっついている箇所を
はがしながら進めるので時間が余計に掛かったということ。
おなかを切る手術を受けたことのある人は
必ず癒着が起こるそうです。
私も胃がん手術のあとの癒着があって、
日常には支障のないのですが、
大腸の内視鏡検査のときには痛みが強い~(泣)。


【ちえ → Kさん】
素晴らしい回復ぶりですね~!
すでにSNSもチェックしているようだし(笑)。
それにしても昨日、手術した人とは思えない文章量ですね。
手術室でも冷静な観察です。素晴らしいレポート!!
腫瘍も1個で無事に取りきれたようで何よりです♪

翌日から歩かされるんですねぇ。
最近はどこの病院でもそうだとは聞きますが、たいへん!(汗)。
ともかく、一安心しました~!
今夜は爆睡します!!(笑)。
ではでは、ゆっくり休養して、
退院後の毎日のためにエネルギーをチャージしてくださいね~!

※ちえ註:
全身麻酔による手術後、すぐに歩かせられるのは、
肺炎など呼吸器の合併症の予防や
静脈の血液循環を促して血栓ができないようにする、
精神活動を活発にする、寝たきりになるのを防ぐなど、
たくさんのメリットがあるからだそうです。


【ちえ → Nちゃん】
一緒に心配に巻き込んで、ごめんね~。
どうもありがとう!!

【Nちゃん → ちえ】
よかったよ~(≧∇≦)
安心しました *\(^o^)/*
今日は乾杯するね♪


……というわけで、手術は無事に完了!! わ~い♪
私は調子に乗って出先で飲んだくれてしまい、
翌日の夕方まで目が覚めませんでした~。たはは。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 17:手術の前日、若いイケメン麻酔科医にルンルン♪ [医療・健康&がん関連]

Kさんは入院後の体温が37度台後半~38度で、
インフルエンザの疑いもあり、検査したそうです。

発熱は心配ですね。
熱は精神的な状況によっても高くなりやすいので、
入院および手術が直前ということにストレスを感じ、
普段より体温が高めになりがちの人もいると思います。
でも、Kさんや、ほかの“がん友”も私も
たいていは“病院慣れ”しているので
さほど緊張はしていないんじゃないかと……(笑)。

ただし、微熱どころか38度前後という高温はツライですよね~。
Kさんも私も平熱が低めの35度台後半なので、
37度を超えただけでもシンドイのに~(涙)。
インフルじゃないといいのですが、
そうでなくても平熱を超えていると
手術は延期となってしまうでしょうから、
とにかく熱が下がるのを待つしかありません。

手術は朝の8時半から開始で、6時間の予定だそうです。
メスを入れる箇所は
前回(昨年5月)の肝臓手術のときと同様だとか。


以下に、手術の前日のKさんやNちゃんとの
メールのやり取りを転載しますね。
全員、「トシを考えろ~!」と
突っ込まれそうな部分もありますが~(笑)、
Kさんの病室からの現場レポートと
“がん友”ネットワークのエールの様子ということで。

※ちえ註:
Nちゃんは拙著にも登場してくれた
乳がんの“がん友”(富山在住)で、
本には「Hさん」の名で紹介しています。


【ちえ → Kさん】
今、Kさんの体内の免疫が頑張っているので、
それを応援しましょう。
「病は気から!」ですよ~!!
熱が下がるよう祈っています!

【Kさん → ちえ】
インフルエンザじゃなく、今朝は37.0℃でした。
ほっとしました (^0_0^)
明日の手術は午前8時半からで、今日の食事は3食出ます。
14時と21時に下剤服用です。
C先生とD先生、そのあとにB先生が、
様子伺いに病室に来られました。

イケメン先生にドキドキ。
麻酔科のE先生、おそらく20代、
『イルカにのった少年』の城みちる ぽくて、
それ以上 (^0_0^) ルンルン♪

※ちえ註:
お若い方々はピンと来ないと思いますが、
城みちる(じょう・みちる)とは
’70年代の男性アイドル歌手です~。
可愛らしい顔立ちの中性的な魅力で人気がありました。
『イルカにのった少年』は大ヒットしたデビュー曲。
知りたい方は「イルカにのった少年」「城みちる」で
検索してくださいな~(笑)。


【ちえ → Kさん】
イルカに乗ったイケメン麻酔医? ヤッホー♪
城みちる、デビュー当時は私も好きでしたよ。
懐かしい!!(笑)。
Eちゃん先生が麻酔をかけてくれるんでしょうか?
無意識下でもルンルンして眠っている間に手術が終わりそう。
ヽ(^。^)ノ
私はこれまでの病院ライフの間、
好みのイケメンに出会ったことはありません。
いいな、いいな~♪

とにかくインフルじゃなくて本当に良かったですね!
安心しました。
37度ぐらいなら手術もOKなんでしょうか?
明朝は平熱まで下がっているといいですね。
担当の先生方が皆さん、顔を出してくださったんですか~。
キメ細かな心遣いをしてくれるチームのようですね♪
ともあれ、くれぐれもお大事に!
明日は気持ちだけですけど、朝から術後まで
Kさんのそばに付いていますね~。

【Kさん → ちえ】
部屋に戻るのは、あさっての昼頃らしいので、
癒着しないように歩行をがんばります。

【ちえ → Kさん】
お疲れさまで~す!
術後は回復室で一休みするんですね。
すぐに歩くのはツライけど~、頑張ってくださいまし。
私は胃がんの術後3日目に
立ち上がろうとしただけでクラクラと目まいが~(汗)。
でも、主治医が
「隣の部屋のおばあちゃんだって歩いてんのにねぇ」
とからかうので、
アタマに来て歩き始めたんですよ(笑)。

A病院のゴハンは、おいしいですか?
私は乳がんで入院したK病院のとき、
朝食メニューが
ごはん・お味噌汁・さつま揚げ(小)の煮付け2切れ・
ヨーグルト、以上!
という日があって、わびしくて涙が出ました~(笑)。

【ちえ → Nちゃん】
明日は富山からエールを送ってね~♪

【Nちゃん → ちえ】
了解でーす *\(^o^)/*
成功しますとも!
お祈りしてます。
ちなみに私も梅ちゃんですから…ムーミン?

※ちえ註:
Nちゃんは“梅ちゃん先生”の体形が
ムーミンに似てるということらしく……(笑)。

【ちえ → Kさん】
富山の応援団からもエールが届きましたよ♪
「ムーミン仲間の“がん友”」ということで、
明日は私たちが付いていますからね~、
一緒に頑張りましょう!
返信は気にしないでくださいね。
ゆっくり休んでくださ~い。
Eちゃん先生の夢をみるかも?(笑)[黒ハート]

【Kさん → ちえ】
Nちゃんへ、よろしくお伝えください。頼もしいです。
明日は千絵さんやNちゃんの
愛情ビームを感じながら手術にあたります。
ありがとうございます。

K病院の食事、ショボいんですね。
ここは2種類から3食を選べます。
味付けはやはり薄いですが、まあまあですよ。

前回は痛み止めをうまく利用して あまり痛くなく歩けたのを
麻酔科のイケメン先生や担当の先生に話しておきました。
前々回はベッドから起き上がるのも痛くて大変でした。
前回は、その痛みがほとんどなくなり、よく歩きました。

昨日の主治医の説明の立ち会いも、明日も、
息子一人だけにしました。高齢の父は疲れちゃうので。

今、下剤を飲みました。
手術に携わる看護師さんが、私がjazzも好きと言うと、
手術室で流してくれると。
麻酔ですぐに眠ってしまうにもかかわらず、
少しでも私がリラックスできたら良いと。
有り難いですよね。

【ちえ → Nちゃん】
手術室で好きなBGMを流してくれるって、いいよね~♪
Kさんは当日8:30には手術室に入り、
術後は回復室で過ごして、
自分の病室には明日の午後に戻れるそうです。
ではでは、今日も楽しく頑張りましょ~♪♪

【Nちゃん → ちえ】
うんうん! 優しい病院だね~。素晴らしいよ。

「切ることは優しさだ」と梅ちゃんも言っておられました。
摩訶不思議な病気ですね。
まだまだ気は抜けませんが、
梅ちゃんの話を聞いて光が見えたならいいなぁ
そんな患者さんを診ただけで、
いっぱいいっぱいになる医者は多いと思う。

まだまだ大丈夫って思える気持ちが大事だよね。
やりたいこと出てくるしさ。
もらった寿命をまっとうしよう。
もちろん楽しくね♪♪

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 16:年明けに入院し、検査結果と手術の説明を聴く。 [医療・健康&がん関連]

Kさんは昨年12月下旬の5日の間に
手術前の検査としてPET、MRI、CTを受けました。
あわただしい時期に3回に分けての検査だなんて大変ですよね。
でも、どれか一つの検査だけでは万能ではなく
補完し合うものなので、
手術の直前だからこそ、A病院の主治医の先生も
念には念を入れてチェックしておきたいということなのでしょう。

年末年始のKさんのSNSページを覗いてみると、
地元のボランティア活動で忙しい様子や
おいしそうなクリスマスケーキ、
仕事納めの日の通勤風景、
三段重の豪華なおせち料理、
お嬢さんと福袋を買いに出かけたショッピングモールなど、
いろんな写真がアップされていました。
引きこもりの私より、ず~っと活動的です(笑)。

好きな音楽アーティストのコンサートのチケットも
予約で取ったという報告も載っていました。
3月に観に行くそうですが、
先々に楽しいイベントや目標があると、
さまざまなことを乗り越える励みとなりますね♪


そして、自宅で家族とお正月を過ごしてから、
松の内が明ける前に入院。
当日さっそく主治医から検査結果の説明があったそうです。

肝臓の右下の部分に5cm大の腫瘍があり、
平滑筋肉腫の転移の疑い。
これは昨年11月のCT検査で見つかったもので、
ほかに新たな腫瘍は見られなかったようです。良かった~!
ただし、おなかを開けてみて
別に小さい腫瘍があったら切除するとのこと。

手術の際は一緒に胆嚢(たんのう)も取り、
そばにある嚢胞(のうほう)も
内容液を抜いて皮を焼くと説明されました。

「胆嚢は取っても問題ない」と言われたそうです。
私の周りで胆嚢を摘出した人は
「術後、脂っこいものを食べると、もたれるようになった」
という人がチラホラいます
1割程度の人は術後に腹痛を訴えたという統計も見ました。
でも、20年前や30年前に胆嚢を取ったという方々には
「後遺症は何もない」と言う人も多いようです。

嚢胞は臓器の中に“水風船”ができるようなもの。
肝臓に水の溜まった袋状のものが生じれば「肝嚢胞」と呼びます。
大きいものでは50cmもの嚢胞の手術例を見かけましたが、
がん化することはなく、何も支障のないサイズなら
放置して経過観察というケースが多いようです。
ただし、嚢胞は中身の水分を抜いても再発しやすいので、
今回は肝切除と同時に嚢胞も処置しておきましょう
ということだと考えられます。

手術は「肝部分切除術」、
合併症についての説明もあったそうです。

肝切除の術式について、わかりやすい図が載っています。
合併症に関する説明などもアリ。
●「肝臓の病気 Q&A」
(東京慈恵医科大学 外科学講座 肝胆膵外科)
http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/hpb/hepat/hepat-ca/hepat_qa.html


Kさんの治療に関わるA病院の先生方について
ネットで調べられる情報はないかとリサーチしてみました。

主治医のB先生(男性)は主任医員というポジション。
隣県の中核病院の外科でも診療に当たっているようです。
都内の大学病院の肝胆膵外科の出身で、
その病院は肝臓手術だと全国1~2位の数をこなしているとか。
B先生は「日本外科学会」の認定医なので、
その認定条件である350例以上は
手術の経験があるということがわかりました。
また、専門分野の学会での発表(筆頭者)や多数の論文、
外科専門誌への寄稿などもあります。

担当医はC先生(女性)とのことですが、
手術の際はB先生が監督役で執刀はC先生かもしれません。
C先生は外科のシニアレジデント(医員)です。
後期研修医のことで、外科なら手術も担当するそうです。
現場での経験をどんどん積み重ねる時期のドクターでしょう。
C先生はB先生の所属していた大学病院のメンバーと共に
学会で肝臓手術に関する発表もしていて、
筆頭に名前が挙がっている文書もありました。
A病院のサイトには
C先生の海外研修のレポートも載っています。

Kさんに
「C先生って細面(ほそおもて)で
メガネを掛けた女性ですよね~?」
と確認したら、
「いやみのない、笑顔の素敵な女性でした」
という答えが返ってきました。

もう一人、若いD先生もいるそうですが、
A病院の外科医リストには名前が見当たらないので、
ジュニアレジデント(前期研修医)として
新しく医局に入ったドクターかもしれません。
サイトの更新が間に合っていないのかも???
あるいは、ほかの病院からの出向、
もしくは医学生の研修とか?
まぁこのへんは私の憶測ですから全く不明です。

ともあれ、ネットである程度まで調べられるのは
同姓同名の少ないドクターだけですね。
上記のB先生もC先生も、そんなに多くないお名前なので、
姓名で検索した結果から派生する情報をたどるのですが、
同姓同名が多いと、それも難しい。
それに、ネットで何らかの情報が得られても、
本当に正しいのかどうかを見極めるには、
さらに詳しく検索して調べる必要もありますね。
先生方にすれば知らないところで
アレコレ調べられるのは不快かもしれませんが、
患者側は少しでも多くの情報が欲しいんですよ~。
(私は特にシツコイのかもしれませんけど)。


いずれにしても、Kさん自身が
先生方に信頼を置いていて、
「今回は、何も心配してません」
と言っているので、私にできることなんて
あとは手術の成功を祈るのみ!

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頭皮マッサージで抜け毛とシワ・たるみが予防できるんですって~。 [医療・健康&がん関連]

美容室でシャンプーをしてもらっている最中に、
こういう頭皮マッサージ機があればいいのになぁ
と思いながら、
頭皮が硬い・軟らかいというのは
発毛・育毛にも影響するのかと
美容師のオニイサンに聞いてみました。

彼の答えは、
「こんなこと言っちゃイケナイんですけど、
ハゲてる人って頭皮が硬いんですよ」
「あ、やっぱり、そうなの?
じゃあ、ハゲの兄貴分たちの
アタマを触らせてもらって確認してみるね(笑)」

頭に両手の指の腹を当てて
小刻みに揺らしてみると
グニグニと動きますが、
頭皮が硬いと張り詰めたような感触なのかも。


つねにストレス過多で
緊張を強いられている状況だと
肩凝りのように頭も凝るのだとか。

以前、頭痛持ちの知人がいたのですが、
その人はお金持ちだったので
私には到底、受けられない高い料金の
「脳ドックで調べてみたら?」と言ったところ、
検査を受けてきたそうです。
そして、頭痛の原因は「筋肉痛」と判明。

その知人は「高かったのに筋肉痛だなんて!」と
くやしがっていましたが、
深刻な病気じゃなくて良かったじゃないですか~。

おかげで、アタマも筋肉痛になるのね、
と学べたのですが、それまでは
頭皮と頭蓋骨の間は筋肉なんだと
意識したことがありませんでした。
普段から頭皮マッサージを習慣づけると
そういう類の頭痛にはなりにくいそうです。


美容師のオニイサンが
頭皮マッサージの方法を教えてくれました。

両手の指を広げ、
左右のこめかみから後頭部にかけて
指の腹を置いて
押し上げるようにマッサージします。
強く押すと痛いので
優しく、ゆっくりと揉む感じで。

こうして血行を良くして新陳代謝を促すことで
発毛・育毛にも役立つそうです。
また、頭皮は顔の皮膚と繋がっていますから、
顔全体も少し引き上げるつもりでマッサージすると
シワやたるみの予防にもなるとか。

ただし、爪を立てたり
力を入れてグイグイ揉んだり、
長時間マッサージしたりすると、
かえって頭皮を傷めてしまい、
抜け毛が増えることもあるそうですから、
自分が気持ちいいと感じる程度に。
時間はテレビでも観ながら数分ぐらいでしょうか。

私は習慣づけするのが苦手なので
すぐ忘れてしまうのですが、
パソコンに長いこと向かって疲れたときに
頭のあちこちを触ってみると、
ずいぶんボコボコしているんだな~とか、
痛みを感じる部分が、この前と今日とでは違う、
というふうに、
体調のバロメーターにもなる気がします。

私の場合、季節の変わり目ともなると
ずいぶん抜け毛が多くなりますし、
トシを取るごとに毛量もかなり減ってきました~(涙)。
特に髪が薄くなった人、スキンヘッドに近い人は
くれぐれも力を入れ過ぎないように、とのことです。


“がん友”の皆さんのうち、抗がん剤治療中の人は
頭皮マッサージは厳禁だそうですよ。
脱毛すると一日でも早く、1㎜でも多く髪を伸ばしたい!
と焦る気持ちになると思いますが、
抗がん剤の投与が終わって1~2か月ぐらい経ってから、
頭皮に問題がなければマッサージもOKだそうです。

●「治療中の頭皮ケア」(スヴェンソン)
http://www.katsura-ladys.com/kaiketsu/tohicare/

●「乳がん患者に必要な“外見ケア” Vol.2
乳がん治療に伴う脱毛期は頭皮の清潔を保ちながらウイッグや帽子を上手に利用して快適に過ごしましょう!」(『がんナビ』医療ライター・渡辺千鶴さん/日経BP社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/t011/201203/524140_4.html

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“がん友”から、Merry Christmas! [医療・健康&がん関連]

平滑筋肉腫の“がん友”Kさんから、
サンタのマカロン♪

全国の“がん友”の皆さま、
来年も一緒に頑張りましょうね~!

Kさんからサンタのマカロン♪.JPG

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 15:梅澤先生のセカンドオピニオンその2。 [医療・健康&がん関連]

外科医でありながら腫瘍外来で実践している梅澤先生の治療法は、抗がん剤(錠剤)を個々人の病状や体力などに合わせて用量をできるだけ抑えて使いつつ、延命を図ろうというもの。
だから、患者によっては同じ薬でも1日4錠の人もいれば1錠だけの人もいるそうです。現状維持や再発予防のために抗がん剤を何年にもわたって飲み続ける必要があっても、副作用が日常生活に支障の出ない程度であれば、習慣化して過ごせるのではないかという考え方のようです。

そして、この先生は抗がん剤の中でも点滴(注射)で投与するタイプの薬剤は「細胞毒」と呼んで使用しません。
特に古くから使われている抗がん剤のうち、「アルキル化剤」と総称されるタイプはドイツで開発され、第一次世界大戦で使われた毒ガス「マスタードガス」の応用です。代表的なものは「商品名エンドキサン/一般名シクロホスファミド」等。

ただし、ネット上で「抗がん剤は絶対に使うな!」と警告どころか口汚くののしるように書いてあるものには、抗がん剤は全部、毒ガスから作られているなどと勘違いしている無知な記述も非常に多いので、一様に怖がる必要はありません。私は無視します。

標準治療の化学療法では、こういう種類のがんだから、この抗がん剤を使って1週間に1本の点滴を何クールとか、1日何錠ずつ何年間というふうに用量と服用期間が定められます。一人ひとりの実情というものは、ほとんど考慮されません。
だから、標準治療を勧める医療者に聞けば、梅澤先生の方法は「必要十分な用量を使わないのだから推奨できない」と言われることが多いでしょう。

また、標準治療は「エビデンス(科学的根拠)」を最重視するため、とにかく数字(データ)で実績を読み取ろうとします。それも大事なことで説得力もあると思いますが、梅澤先生の治療法を求めるような患者は、標準治療には納得できなかった、あるいは難しい病状などで標準治療に見放されたという人たちが懸命に調べた結果、たどり着いたのだと思うので、一般の医療機関とは違って初発の患者が少ないのではないでしょうか。
だから、単純に標準治療の実績とは比較できないだろうと思うのです。

(以下、先生のコメントは箇条書き)

【抗がん剤】
●抗がん剤は強いも弱いもない。どんな薬も同じ。
●卵巣がんや肺小細胞がんなどには、よく効くのもある。標準量でも当たる確率は8割。
●卵巣がんの場合、手術ではミクロレベルは取り切れない。半年間の抗がん剤治療中はつらいけど、その後の無治療期間が長くなる。
●平滑筋肉腫に使える抗がん剤は非常に少ない。つまり、健康保険の適用範囲も狭いということ。術後の再発予防にも使える薬はない。
●希少がんは患者さんが少ないので、製薬会社は平滑筋肉腫の薬を開発しても儲からないと考えている。
●点滴の抗がん剤は投与している最中はなんともない。その夜か翌日から体調がおかしくなる。すでに体内に注入してしまったら加減できない。細胞毒だと死亡確率が1%はある。抗がん剤は博打(ばくち)のようなもの。お金を失うだけならまだしも、命まで失っては意味がない。
●乳がんなら、うちの患者さんに「ノルバデックス」を10年以上、飲み続けている人もいる。
★ちえ註:「商品名ノルバデックス/一般名タモキシフェン」は私も乳がんの術後に5年近く服用した抗ホルモン剤で、「商品名タスオミン」をはじめ、たくさんの種類のジェネリック(後発品)が出ています。
私が服薬した当時('06年~)は5年間が推奨期間でしたが、最近では10年間の服薬期間が推奨されるようになりました。ただし、「タモキシフェン」も副作用が強く出る人もいます。私が子宮内膜症になったのは、この薬の副作用のせいじゃないかとニラんでいるので、長期間、飲める薬があればいいというものでもなさそうです。

【治験】
●がん専門病院で提案された「イホマイド」も細胞毒。
●治験で用いる新薬「TH-302」は低酸素状態で活性化するもの。従来の細胞毒より副作用は少ないかもしれないが、基本的には細胞毒のアレンジ。
●治験というものはデータだけの話で、目の前の患者に対し、どうするかという視点が欠けている。
★ちえ註:
がん専門病院の腫瘍内科医の説明でも、新薬の「TH-302」は「商品名アドリアシン/一般名ドキソルビシン」と「商品名イホマイド/一般名イホスファミド」系という話でした。「イホスファミド」は「シクロホスファミド」と同じく毒ガス由来の「アルキル化剤」です。

【分子標的薬】
●同じ抗がん剤でも分子標的薬は細胞毒とは認識が違う。
●錠剤の抗がん剤は副作用が少しずつ出てくるので、自分で飲む量が調節できる。体に合う種類と量がわかれば、10年以上、飲んで共存している人もいる。
●手術を受ける前に抗がん剤を使えば、腫瘍が縮小すると、その薬が効くということがわかる。抗がん剤によって“眠っている子どもたち”=微小転移の芽が死滅させられることもある。
●「GIST(ジスト:消化管間質腫瘍)」の患者さんに使う分子標的薬「グリベック」は、元は白血病の薬だが胃の平滑筋肉腫にも用いられるようになった(自由診療)。
●胃の平滑筋肉腫の患者さんで肝転移2~3回の人が通常なら4錠飲むところを1錠にして、10年以上、「グリベック」を飲んでいる。以前はアメリカで買って送ってもらっていた。
●「大塚北口診療所」と同じグループの「東京北部病院」(足立区)に入院中の患者さんが小腸の平滑筋肉腫で肝転移もある。消化器なので「グリベック」が効くと思う。
●肺がんのステージⅢ・Ⅳの患者は(余命が)「12か月」なんて言われるが、うちの患者さんは「36か月以上」の生存者ばかり。細胞毒ではない抗がん剤を服用しているから。
★ちえ註:日本では「商品名グリベック/一般名イマチ二ブ」は慢性骨髄性白血病とGISTに対して承認されています。「グリベック」が効かなくなったGIST患者向けに「商品名スーテント/一般名スニチニブリンゴ酸塩」という新薬も登場しています。

【薬の値段】
●「グリベック」は1日1万円ほど掛かる。標準量は1日4錠なので1錠2,700円×4錠=10,800円。発売当初はもっと高かった。「ゾロ」だと半額ぐらいになるので、1錠1,300円として1日1錠なら1か月4万円ほどで済む。
●薬は発売後10年経つと後発品がソロゾロ出てくるから、後発品のことを「ゾロ品(ひん)」とも言う。
●高額療養費の限度額までは使ったほうがトク。それまで健康保険料を払ってきたんだから、大手を振って使ってやれと考えればいい。

【術後の経過観察】
●Kさんは術後3か月ごとにCT検査を受ける予定だが、もっと検査の頻度を多くしたいと思っても、CT検査が健康保険で認められるのは月に1回。検査の頻度は、その施設の患者数や機械の台数によって決まることが多い。
●次の検査とその次の検査の間が短くなっても情報(検査によるデータ)は多いほうがいい。
●ただし、検査の頻度が多くなると経済的な負担が増える。CT検査は放射線による医療被曝への不安が生じる人もいる。
●乳がんで平成元年に温存手術+放射線療法を受けた患者さんは放射線の二次被曝が2%の予想だったが、
実際には1%もなかった。
★ちえ註:3.11の福島の原発問題を機に医療被曝についても、さまざまな説が取り沙汰されるようになりましたが、不確かな情報に踊らされている人が多い気もします。私もよく理解できていないので再度、調べてみないと…。

【サプリメント】
●免疫力を高めるのにサプリメントを使うのは、別に悪くないけどフトコロを圧迫する。
●精神的な効果は値段と比例するが、効果は値段と比例しない。
●きのこ・海藻・ヨーグルト等で免疫活性は簡単に上がる。でも、がんを抑制するかは全くわかっていない。
●「アガリクス」という商品は仕入れ値1円、売価1万円と言われたもので、暴力団の資金源となっていた。
●月に10万円もサプリを飲んでいる人もいる。何か飲んでいないと気が済まない人とか、家族に飲ませたいという人。
●「AHCC」は前立腺がんの患者を対象に「四国がんセンター」が臨床試験を行った例がある。
★ちえ註:「AHCC(活性化糖類関連化合物)」とは日本で開発されたもので、シイタケ属の担子菌から抽出した
α-グルカンに富むという植物性多糖体の混合物だそうです。「四国国立がんセンター 泌尿器科」が補完代替・補助療法を検証する「厚生労働省がん特別研究班」のプロジェクトの一環として臨床試験を実施。現在、健康食品として販売されていますが、けっこう高価。

【その他のコメント(雑談から)】
●がんは宿っている人間をいじめればいじめるほど元気になる。
●胃がんで肝転移のある場合、切除手術をすることで、ちらばっているがんが活気づくことになる。
●がん治療はキリがない、経済的にも。
●2~3年に1人はナンボでも金を使っていいという患者がいる。金さえ掛ければ治るだろうと、いろんなものに手を出す。スティーブ・ジョブスは、なんで移植に手を出したのか。何億円も掛かっただろうに命を縮めただけ。
●大阪の高橋先生は病理専門、顕微鏡で診る人。どういう薬が効くかを読んでもらうために、今までにも何人か送った。

梅澤先生は自分の患者に対し、「ネットなんて見ないほうがいいよ」とアドバイスをしているそうです。ネット上には余計な情報ばかり膨大にあるので、ほとんどの人は確かな情報を選ぶ眼を持っていないため、ムダな情報に振り回されやすくなるから、ということのようです。
ただし、先生に「今回、伺ったことを整理して私のブログに記事として載せても構わないでしょうか」と尋ねたら、了承していただけました。

私は実際に“梅ちゃん先生”とお会いしたことで、基本的な考え方や人柄に惹かれましたが、それは人それぞれの印象によって異なるものですし、がんの病状は個々人で千差万別ですから、梅澤先生の治療法がオススメ!とも何とも言えません。
乳がんで再発・骨転移した“がん友”Nちゃんは先生を信頼して治療を継続しており、SNSを通して彼女の様子を見るたびに「私より元気で活動的だわ~」と感心するのですが(笑)。

平滑筋肉腫の患者にとっては、自由診療でもOKという人なら手術を受ける前に「グリベック」等の抗がん剤を試して腫瘍が縮小するかどうかを確認してみる、というのはも一つの手かもしれません(縮小しないで副作用だけ強く出るというリスクも含みますが)。近年では標準治療でも行われている方法ですね。

Kさんは基本的に私と同じく「健康保険の範囲で治療法を探す」という経済事情と考えなので、今後、たとえ再発を繰り返すことがあっても「切れるうちは切れるだけ切る」というふうに決心したようです。

これまで、いろんな治療法や医療機関などを調べては検討を重ねてきましたが、結論として「手術」を自分で選択したことで、Kさんも迷いなく年明けの入院が迎えられるのではないでしょうか。

でもまぁ腫瘍と一緒に年を越すのは気分的にイヤなものですよね~。
私は乳がんのときには12月のクリスマス直後に手術して大晦日に退院したので、よくわかる気がします。
でも、私なんて乳がんの治療後になってから、「放射線だけで縮小したかもしれない?」とか「再建を前提にしたら
放射線治療は受けないほうが良かったかも?」等々、いまだに「もっと調べれば良かった」という後悔もあるんですよ。
当時は温存手術が少しずつ増えてきたばかりで、標準治療に「再建」という前提もなかったのですが。

「絶対100%後悔しない治療」なんてありませんが、ここまで調べて検討し尽くせば自分でも納得できるよね、と考えられればOK!だと私は思うんですよね~。

ともあれ、Kさんとは「寒さも厳しくなってきたことだし、くれぐれも風邪を引かないように気をつけましょうね~!」と言い合いました。
熱が出ると手術も延期となっちゃいますからね。体力が低下していると合併症のリスクも高くなります。術後には少しでも早く日常のペースに戻れるように体力をつけておかなくちゃ!
というわけで、矛盾した言い方ですが、入院するにも体調を整えておくことと体力づくりが必要なんですよ~。

[参考サイト]

●「薬物療法(化学療法)」(国立がん研究センターがん対策情報センター)
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy.html
※更新日が「2006年03月15日」とあるので、最新の情報ではないということを念頭に置きながら、基本的なことを学ぶには良いと思います。

●「メルクマニュアル医学百科 家庭版  化学療法」
(Merck & Co., Inc., White house Station,N.J.,U.S.A./MSD)
http://urx2.nu/g6Np
(※短縮URL)

●「グリベックなび」(ノバルティス ファーマ)
http://www.glivec.jp/glivecnavi/

●「スーテント ウェブサイト」(ファイザー)
http://www.sutent.jp/

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 14:梅澤先生のセカンドオピニオンその1。 [医療・健康&がん関連]

Kさんが「大塚北口診療所」の腫瘍外来の梅澤先生にセカンドオピニオンをお願いすることにしたので、予約を入れた当日、一緒に話を伺ってきました。

梅澤先生のブログを読めば、おわかりになると思いますが、何でもズバッとストレートに言う(書く)方です。だから、「ちょっと怖い人かも~?(汗)」と私はビクビクしていました。
私の本に登場してくれた「Hさん」こと“がん友”Nちゃんも梅澤先生にお世話になっているので、事前に心構えを聞いてみることにしました。

ちえ 「梅ちゃん先生に会いに行くことになったけど、コワモテかなぁ? ドキドキ~」
Nちゃん 「千絵ちゃん、わからないことは間髪入れず聞く。先生は独り言みたいに大事なこと話すからね~
(≧∇≦)」

なるほど、会ったことのある人じゃないと絶対にわからないアドバイスですね。ありがたや~♪ 先生のお話を聞き漏らさないように気をつけなきゃ!

というわけで、Kさんができる限り積極的に質問し、私はメモを取りまくるという役割分担にしました(でも、実際には途中から私が出しゃばって、質問を繰り出す格好になってしまいましたが~)。

さて当日、Kさんは挨拶しながら「梅ちゃん先生にお会いできて……」と言ったので、私はヒヤッとして心の中で焦りながら(Kさんッ、“梅ちゃん”は私たちの間でのニックネームだから、ご本人の前で「ちゃん付け」はマズイんじゃないの~ッ!?)と叫んだのですが、聞こえるはずもなく~(汗)。
チラッと梅澤先生のお顔を見ると、マスクを着けているので口元はわからないものの、目には不快な反応もないのでホッとしたのですが、Kさんも無意識でポロっと出ちゃったのでしょう。そう呼んだことすら覚えていないかも(笑)。
Nちゃんなんて体形からの連想で先生に「ムーミン」という愛称を付けています。私たちのこういう感覚は学校の先生に、あだ名を付けるのと同じですねぇ。でも、梅澤先生なら面白がってくれそうです。

先生は椅子に深々と座り、こうおっしゃいました。「ハラ出して座ってますけど、エラぶってるわけじゃないですよ。腰が痛いんでね~」

私の予想に反し、先生は決してコワモテではなく、ユーモアを含んだ穏やかで丁寧な話し方をなさいます。医学の知識が希薄でも理解しやすいように平易な言葉を使って説明してくださるので、先生のお話は非常にわかりやすく頭に入りましたし、雑談も含め、いろいろ話すうちに、患者に対して思いやりの深い温かな人柄だと感じました。
全般的には、これまでの経過をもとに、さまざまな治療法について再確認するという流れとなりました。

Kさんは12月初旬にセカンドオピニオンを依頼するメールを送った時点では、「今後の治療法について右か左か真っ向から迷っていた」そうです。初発の平滑筋肉腫の手術を受けたA病院の外科医は、「モグラ叩きのように腫瘍ができるたびに切って取ればいい」という考え方だったので、今度はがん専門病院の希少がんの窓口を頼ってみたら腫瘍内科医の診断を仰ぐこととなり、治験を勧められました。

このときKさんは、「自分の体を使って新薬に貢献できるなら、これも運命かと思いながら病院をあとにしましたが、抗がん剤の副作用で元気もりもりの細胞まで侵され、私らしい生活ができなくなるのはイヤなので、『腫瘍ができたら切って取る』を選択したほうが今、元気な細胞も元気なままでいられる。ああ、どうしようと迷っていた」とのことでした。

こうした経緯とともにKさんから梅澤先生へ最初に送ったメールには、以下のことも書き添えてありました。
●生年月日(年齢)、職種、身長・体重、持病の有無
●家族や日常生活について
●病歴(時系列で詳しく書いたもの)

先生には「年明けにA病院に入院して肝転移の切除手術を受ける」と伝えた上で、Kさんは「両親を看取るまでは延命治療を希望します。あと5~6年かと思うのですが…」と話したら、先生は「ご両親がもっと長生きするかもしれないでしょ?(笑)。思い通りにならないことも多いんですよ」と答えました。

がん体験者ではない方々だと、こういうときには「そんなこと言わないで長生きを目指そうよ」とか「絶対に大丈夫だから、自分で期限を切っちゃダメ」とか「必ず完治するから頑張ろう!!」などと、あれこれ励ましや慰めの言葉を掛けてくれるのですが、それはあまり必要ないかもしれません。

……てなことを言うと、すぐ感情的になるある女性から「じゃ、いったいなんて言えばいいのよッ! キーッ!!」というふうに叱られたこともあるんですけど(汗)、特別な言葉はいらないと思うんですよね~。
私自身は「完治なんて目指すのは精神的にも肉体的にも疲れるだけだから、死ぬまでがんと、ゆるゆる共生していけばいいんじゃないの~」という考え方ですし。周りの“がん友”も皆、「普段と同じように接してもらうのが一番ラク」と言っています。

さて、梅澤先生はKさんの持参したCT検査(11月下旬)の画像データを見ながら、各治療法の適・不適について説明してくださいました。
(以下、先生のコメントは箇条書き)

【肝臓の腫瘍について】
●腎臓と肝臓に嚢胞(のうほう)があり、膵臓は大丈夫。肝臓に嚢胞ができやすい体質なのだろう。腫瘍の隣にある小さい嚢胞が気になるが、手術の切除範囲に含まれる。
★ちえ註:「嚢胞」は液体の入った袋状のもので、肝臓のほか腎臓・膵臓・脾臓などに発生する場合もありますが、内臓に障害が発生する恐れのないものなら経過観察でOKとのこと。袋の中に個体が入っているものは「嚢腫(のうしゅ)」。

【血行性転移】
●血液は心臓から動脈を通して100送られると、静脈を通じて100戻るというふうに全身を循環しているが、すべての血液は、いったん必ず肝臓に流れ込む。だから、血行性転移のがんは肝臓に発生しやすい。

【がんの増殖スピード】
●単純に比較すると膵臓がんは「すさまじく速い」、胃がんは「速い」、大腸がんは「遅い」。
●Kさんの肉腫は初発から2年だと考えると、増殖スピードはそんなに速くはないと思う。
●がんの増殖は免疫の力にもよるので、増殖スピードは均一にならない。

【外科手術】
●肝臓の腫瘍は右下の部分にあるが、取りにくい場所ではないからザクッと切っちゃうことは可能。
●手術では腫瘍の周りを2㎝ぐらい切る。血行性の転移で蒔(ま)かれた種は同心円状に広がっていくので、切除するのは5㎝の腫瘍+マージン2㎝。
●とりあえず手術してスッキリしてしまうこと。悪い言い方をすれば「モグラ叩き」だが、そうしている間に新しい薬が出てくる可能性もある。分子標的薬の開発競争は激しいから。
●たとえ1㎝の腫瘍でも肝臓の門脈や肝動脈といった太い所に巻き付いている場合、切断したら肝臓全体が死んでしまうので、少しでも絡んでいると手術はできない。大動脈・大静脈は下半身全部に血液を運ぶ重要な役割。
●肝臓で作られる胆汁が漏れる恐れもある。胆汁は十二指腸へ流れて、白いものばかり食べても胆汁の色が着いて便の色になる。腹腔内(おなか)に漏れると塞ぐためのチューブを一生、入れる必要がある。
★ちえ註:胆汁は消化液で、肝臓手術の合併症として切断面や太い胆管から胆汁が漏れることがあるそうです。
通常は自然に治りますが、胆汁漏の量が多いとか細菌感染などの場合は排出のための胆道ドレナージ術が必要となる場合もあるとのこと。

・胆道ドレナージ術(日本消化器病学会)
http://www.jsge.or.jp/cgi-bin/yohgo/index.cgi?type=50on&pk=D42

【ラジオ波治療】
●ラジオ波は腫瘍の中心に電極針を刺して周りに熱を発生させ、電子レンジの要領で焼く方法。
●ヒトの肝臓はブタの肝臓の組織とよく似ていて、薄い膜に包まれている。Kさんの腫瘍の位置は被膜に近いので、ラジオ波だと被膜を破っちゃう恐れがある。
●外科手術でも局所はラジオ波や電気メスを使って何十秒か焼くこともある。
●ラジオ波と手術の実績が同程度かはわからない。治験のような同数のトライアルは行われていないから。
★ちえ註:ラジオ波を推進している医療機関のサイトには以下のような説明が多く見受けられます。

「肝癌においては既に広く行われており、手術と遜色のない成績が報告されています。」
・「肝、肺、腎、骨軟部腫瘍に対するラジオ波治療」(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 放射線医学)
http://www.ok-radiology.jp/clinical/radio_html

[参考サイト]

●梅澤 充先生のブログ
「現在のガン治療の功罪 ~抗ガン剤治療と免疫治療」
http://umezawa.blog44.fc2.com/

●梅澤先生の「セカンドオピニオンについて」
http://blog-imgs-34.fc2.com/u/m/e/umezawa/second-opinion.html

●「大塚北口診療所」(東京都豊島区北大塚2-6-12)
http://www.keiseikai-group.com/ootsuka_kitaguchi/
※サイト内に「アクセスマップ」というページはあるのですが、現在、リンクさせているグーグルの地図はアフリカ大陸を表示しています(苦笑)。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 13:入院&手術日が確定したところへ、梅澤先生から返信が。 [医療・健康&がん関連]

Kさんが梅澤先生へ
セカンドオピニオンの予約を依頼するメールを送ってから
10日以上が経ちました。
Kさんは
「毎日マメにブログの更新をしている先生なのに、
まだ返事がないのは、私の文面が不服だったのかしら」
と思ったそうです。

でも、ほかのメール予約が
たくさん溜まっているせいだとも考えられますね。
もしくは、平滑筋肉腫の専門医ではないから、
的確なアドバイスができるかどうかも含めて
ご自分なりに調べているとか?

Kさんが梅澤先生へ宛てたメールで
ちょっと気になった点は、
「私に合った治療法を教えてください。」
という一文でした。

この先生は、ご自身のブログの記事
(ずいぶん古い日付ですが)に
以下のメッセージを書いています。

「ご自分の病気です。
ご自身の命に関わる病気・治療です。
面倒でも、他人任せにすることなく
しっかり考えて下さい。」

先生の考え方は現在も変わらないと思います。
要するに、医師を頼って任せるのではなく、
治療法を決めるのは患者本人であるということ。

セカンドオピニオンとは
医師に治療方針を考えてもらうことではなく、
こちらが提供する材料をもとに、
あくまでも客観的にどう思うか?と意見を求めることであり、
それらも踏まえて最終的には自分で決断する、
自分が自分の闘病について責任をもつ、
ということだと思います。

そのような話を梅澤先生は
ブログを通じて繰り返し発信しているので、
もしかしたらKさんのメールを読んで
「僕の方針を理解していない人なのかな?」と思い、
返信するのを躊躇していたとも考えられます。

……などと私たちが思いあぐねている頃、
梅澤先生から返信が届いたとKさんが知らせてくれました。


最初の一文が、
「はじめまして、間違いだらけの梅澤 充です。」

このフレーズ、いいなぁ(笑)。
2行目には
「ご病気に対する心労お察しいたします。」
と患者を思いやる言葉も添えられていました。

そして、セカンドオピニオンに関して、
以下のことが明記してありました。
●場所(大塚北口診療所)
●曜日(月曜・水曜・土曜)
●時間(予約外来の診療終了後の15時以降)

さらに、現時点で空いている日時が
2つ挙げられていました。
直近で4日後、その先が6日後です。


ところが、Kさんは梅澤先生に
「今回はセカンドオピニオンを見送る。
手術の経過を見て、改めてお願いします。」
というメールを送ったそうです。
その直前にA病院でのスケジュールが
決まったというタイミングだからでした。

今月のクリスマス前後にPETとMRIの検査、
大晦日の直前にCT検査。
年明けの約1週間後に入院し、
手術は入院の2日後ということが決まりました。

KさんはA病院の主治医から、
以下の回答をもらってきたそうです。

●入院の期間は1週間~10日。
●肝臓に腫瘍が1つだけでなく、もっとあった場合は、それも切除する。
●3か月後にまた肝臓に腫瘍ができても、再び手術をする。
●3㎝までの腫瘍の場合、ラジオ波治療が適用となるかどうかは腫瘍のできている場所による。
●今回も術後の服薬はない。

そして、Kさんは
「年内は遊べるぞ~!って感じ!」
と、いったんは気分的に解放された様子でしたが、
まだ間に合うなら
梅澤先生にセカンドオピニオンをお願いしたいと
思い直したそうです。

私のがん本で紹介した乳がん患者のうち、
Hさんが骨転移したときに
がん専門病院と梅澤先生にセカンドオピニオンを求め、
梅澤先生のアドバイスをもとに
Hさんの体調に合う量の抗がん剤を用い、
薬の組み合わせも替えたことによって
骨転移の増殖が止まったという事実がありました。
私の本を読んでくれたKさんは
そのことも知っています。

また、Kさんは梅澤先生のブログの最新記事も読んで、
その内容にも共感したようでした。
●「がんと餓死」(2014_12_16)
http://umezawa.blog44.fc2.com/blog-entry-3326.html

手術すると決めたにせよ、
その前に外科医で腫瘍外来も担う
梅澤先生に意見を求める機会をもつのも
良いのかもしれません。
これまで病気について
少しずつでもアレコレ学んできた分、
自分の病状や医療に関する話の理解力も
徐々に深まっているはずですから。

ただし、セカンドオピニオンは
健康保険が利かず、自費となるため、
「余計な出費」と思うか「安心料」と思うかは、
人それぞれの考え方やフトコロ具合で異なりますね。


Kさんは
A病院で外科手術を予定しているが、
先生にはお目に掛かりたいと連絡しました。
梅澤先生からは
日時の確認と診療所の場所について
詳しい説明がありました。

以前からKさんに
「都合がつけば同行してほしい」
と言われていたので、
・私も先生の話をKさんと一緒に伺えるのか。
・紹介状や画像データ等も必要か。
という2点を先生に確認してほしいとKさんに頼みました。

梅澤先生からは
「誰でもご一緒にお越しください。」
という回答と共に、
セカンドオピニオンは健康保険ではないが、
万一、当日に検査をしたほうが良い場合には
健康保険でCTを撮ることも可能なので
念のために健康保険証も持参するようにとの
指示がありました。

そんなわけで来週、Kさんと一緒に大塚へ行って参ります~!

がんと診断された私が生きるためにやったこと (角川SSC新書)


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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 12:肉腫を切除した病院で、肝転移2度目の手術を決意。 [医療・健康&がん関連]

肝転移のラジオ波治療と手術の比較については、
各病院でも見解が分かれているので、
腫瘍が5㎝前後というのは判断が難しいところです。
肝臓に腫瘍が1個だけで、
太い血管=門脈(静脈)や肝動脈にくっついていなければ、
手術のほうが確実に取りきれるのかな?
という気もしますが、どうなんでしょう。
(シロートの単なる思いつきに過ぎません)。

結局、私が感じたのは、
外科のお医者さんなら「切ったほうがいい」と勧めるし、
ラジオ波推進派のお医者さんなら
「ラジオ波のほうがいい」と言うわけですよね(苦笑)。

セカンドオピニオンの予約をお願いした
「大塚北口診療所」腫瘍外来の梅澤先生からは、
まだ、ご返信がいただけないそうです。
待っている間にKさんは
梅澤先生の2冊の著書に目を通すことにしました。
巷(ちまた)では賛否両論ですが、
Kさんは『間違いだらけの抗ガン剤治療』という本を読み、
「この本のお蔭で
抗がん剤治療を踏みとどまった自分の判断は
正しかったと思えた」そうです。


「大阪府立成人病センター」の
高橋先生からも診察予約の連絡がいただけないので、
Kさんは先にA病院で手術を受けることを決意し、
高橋先生への再度のメールに以下のことを書きました。

●もう一度、A病院で肝臓切除手術を受けようと思う。
●18回の手術を経ても元気で生活している女性のブログを見て、自分も手術に耐えて頑張ろうと勇気づけられた。
●免疫細胞を極力、大事にしながら治療に当たりたい。
●手術は年明け早々の予定だが、12月下旬に予約済みの別の患者が延期となった場合、その日に自分の手術が入れてもらえるかもしれない。
●12月上旬のがん専門病院での再診時には、高橋先生のことは何も話さず、A病院で手術を受けることだけ伝えて了承を得た。
●高橋先生には、ぜひ一度、お目に掛かって話も伺いたいので、後日の診察予約を取っていただけるとありがたい。

送信後まもなく、高橋先生から
「状況、了解しました。」
という返信が届きました。
しかし、翌日の夕方に
高橋先生方の看護師さんから電話があり、
「12月下旬の2日間でPET検査はいかがですか」
と提案されました。
Kさんが
「その前後の日に手術が入るかもしれないので、
術後に診ていただきたい」と言ったら、
「では、来年の2月下旬~3月の初めが良いでしょう。
近くなったら、また連絡します」
という話に落ち着いたそうです。

12月に入った時点では
高橋先生からのメールに
「上旬の●日●時からの枠が空いたので
内科肉腫外来の初診の予約が取れる」
と明記してあったのですが、
どこで行き違ったのでしょうか???
Kさんは
「メールのやり取りの時間差があったから、
ほかの患者さんを入れてしまったのでしょう」
と納得することにしたようです。

Kさんの立場なら、
「こんなふうに日程がズレるなら、
A病院の最初の予約日に手術しておけば良かった~」
と思いますよね。
でも、これまでの間に抗がん剤や治験のこと、
手術とラジオ波のことも調べて、
自分なりに取捨選択し、納得した上で
手術という決断ができるのでは?とも思います。


A病院の主治医の所へは
数日後に行くこととなったそうです。
その際、先生に確認したほうがいいと思うことを
書き出し、Kさんへメールしました。

●次回の手術では腫瘍とその周りを何㎝ぐらい切除するのか。
●現在、CTで見つかった腫瘍は5㎝弱の1個とのことだが、開腹して、ほかにも小さな腫瘍があった場合はどうするのか。
●手術の際、起こりうる合併症は?
●術後に後遺症として想定される症状は?(Kさんは以前も肝臓の手術を受けているので、合併症や後遺症に関しては説明を受けたと思いますが)。
●もし今後も肝臓に再発した場合、日常生活に支障がない程度だと、どれぐらいまで切除が可能か。
●今後の再発が3cm以内の場合はラジオ波治療を受けることも可能か。
●腫瘍が小さい場合、手術とラジオ波の実績は同等だと言われているが、先生の見解は?

Kさんを脅かすつもりはないのですが、
肝転移は再発しやすく
多発性があるとも言われているので、
私なら最悪の状況を想定しておく。
そうすれば、術後に
「心配していたより軽くてラッキー♪」
と思えるからです。
目先の治療だけでなく
その後の治療方針も考えておくほうが、
どんと構えていられるかなとも思います。

でも、こういう考え方は
個々人の性格によって違うわけで、
Kさんは手術自体に不安は感じていないそうです。
2人のお子さんの出産時は帝王切開だったことと、
最初の肉腫の手術、前回の肝転移の手術と、
「おなかを切る」という経験が4回ある。
また、A病院での手術も3回目となるので、
医療スタッフを信頼しているし、
病院の環境にも慣れているという
安心感もあるようです。
また、Kさんは
「先々のことを心配するんじゃなくて、
今は目の前の手術のことだけ考えたい」
とのことでした。


私のがん本に「Hさん」として登場してくれた
“がん友”のNちゃんが、
このブログの「Kさんの闘病記」を読んで
以下のメッセージをくれました。

「厳しいお話ですね。
でも、すごく冷静に対処されていると感じますね。
私個人としては“光”が欲しいように思いました。
“光”のある方向へ歩きたいと。
冷静にあがいて見つけてほしいです。
千絵ちゃん、そばにいてあげてほしい。
進展が見られると良いですね。
とにかく前へ進みましょう!」

Nちゃんの言葉をKさんへ伝えました。
以下はKさんからのメッセージです。

「結果的には今の状況で良かったと思います。
まだ手術前で普通に生活しているから、
平滑筋肉腫の患者だということを
つい忘れてしまいます(笑)。
今のまま、ずっと元気で過ごせる気がしています。
また転移する恐れは大でしょうが、
今は肝臓の腫瘍を取る手術だけを考えます。
ま、A病院と主治医の先生を信頼して
任せるしかないですね。
あとは、自分の免疫力を落とさない努力
(できるのは、無理をせず、
太らないことぐらいかな?)
お友達のコメント、ありがとうございます!
がんと闘う仲間がいる。頼もしいです」

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がんのチーム医療に関するNHK『きょうの健康』の再放送リストです。 [医療・健康&がん関連]

NHK Eテレの『きょうの健康』という番組は
15分という短さながらも、解説が平易でわかりやすいので、
興味のあるテーマのときは観るようにしています。
解説役のお医者さんたちも、
民放のバラエティ番組に出てくる
芸能人かぶれのような人たちではなさそうだし(笑)。

今週は「がんのチーム医療」がテーマでした。
大規模な病院ほど、以前は役所仕事と同じように
診療科ごとに独立独歩で横の連携がなかったのですが、
近年では各診療科の垣根を越えて
協力して治療に当たろうという考え方が広まりつつあります。

同時に、さまざまな医療スタッフが集まり、
みんなで一つの症例について検討する、という場面も増えてきました。
昔の医療の場では、お医者さんが一番エライので、
看護師・薬剤師・検査技師・理学療法士・作業療法士・
医療ソーシャルワーカーといった
それぞれ専門性の高い人たちでも意見が言えず、
医師の命令に従わざるを得ないという環境でした。
それが各々の専門性を認め合い、
みんなで…というふうに変化してきたわけです。

アメリカから輸入(?)された概念ですが、
その恩恵が最大に受けられるのは、私たち患者ですよね。

“がん友”の皆さんでもベテラン(!?)なら
よくご存じのことかもしれませんが、
これから治療について検討する人、
闘病を始める大切な人をサポートする人などに
参考になるんじゃないかなと思います。


再放送は来週の午後イチからです~。

●12月15日(月)13:35~
がんのチーム医療「キャンサーボード」
主治医をはじめ、多様なメンバーで治療方針を検討するキャンサーボードの紹介。
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2014/12/1208.html

・キャンサーボード(Cancer Board)
がんの診断や治療の際、がん医療に携わる専門職が集まり、
患者の病状について検討する場。
Cancerは「がん」、Boardは「板」だけでなく
「会議」という意味もあります。
でも、日本語で言い換えられないんですかねぇ?


●12月16日(火)13:35~
がんのチーム医療「緩和ケアチーム」
緩和ケア医や精神科医などが協同で、がん患者の心のケアに当たっている。
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2014/12/1209.html

・緩和ケアと聞くと、いまだに
「末期の痛みの手当て」と思い込んでいる人もいますが、
がんと診断された時点から頼っても良い診療科なんです。
精神的なダメージも深いので、
体だけでなく心もシンドイなぁ…という人は
緩和ケア科を受診してみるのもいいでしょう。


●12月17日(水)13:35~
がんのチーム医療「リハビリチーム」
QOLの維持のために、治療前からリハビリを勧められる患者も増えている。
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2014/12/1210.html

・これまでリハビリとは病後に行うものでしたが、
がん患者によっては治療前にリハビリをすると
肺炎などの合併症の発生が抑えられる場合も多いそうで、
積極的に治療前のリハビリを推進する病院も増えているようです。


●12月18日(木)13:35~
がんのチーム医療「栄養サポートチーム」
患者に必要な栄養素やエネルギー量を検討し、栄養状態を改善に導く。
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2014/12/1211.html

・がんの場合、精神的なものによる食欲低下だけでなく、
手術後や抗がん剤治療中などは飲食できなくなるものもあります。
患者の体調などを考慮した食事・栄養指導、
歯科衛生士による口腔ケアなどを通し、
闘病中の体力低下を防ごうという考え方。

……ちなみに私は胃がんのときに胃の3/4を切除し、
退院前に病院の管理栄養士さんから食事指導を受けたのですが、
ほとんど言うことを聞かなかったため、
自業自得ですが、数年間はエライ目に遭いましたわ~(涙)。

※放送日時は変更・休止となる場合があるので、ご確認を~。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 11:肝転移の外科手術について。 [医療・健康&がん関連]

私が肝がんの手術を受けるとしたら、
消化器だけでなく乳房など、いろんな臓器に
メスを入れるお医者さんよりも
肝臓の専門医に執刀してほしいと思います。

西洋医学は細分化され過ぎて
全身を診ない医師が多くなった
という意見もありますが、
同じ臓器にたくさん触れるほど
その臓器に関する専門性と
経験値が高くなるのは当然でしょう。
私は「外科医は職人」だと思っているので
専門性にこだわるわけです。

肝臓・胆嚢・膵臓を専門とする外科医には
「日本肝胆膵外科学会 高度技能指導医」
という資格があるのですが、
Kさんが肉腫と前回の肝転移の手術を受けた
A病院の外科には有資格の先生が1名います。

Kさんが受診した、がん専門病院だと
上記の資格者は肝胆膵外科に5人います。
ここのトップの先生は
「名医」とも言われているようですが、
50代も後半なので、私が手術を頼むとしたら、
腹腔鏡下での肝切除を得意とする先生、
あるいは
「日本肝臓学会 認定肝臓専門医」の資格もある
別の先生がいいかな?
どちらも中堅クラスのようです。

A病院にも「認定肝臓専門医」は1人いますが、
内科の先生です。

こういうことまでは
公式サイトのある病院で
医師の紹介も書いてあるなら
容易に調べられます。

しかし、学会もいろいろらしいので、
認定医の全員が優秀というわけではないでしょうし、
手技に秀でたお医者さんでも
私とは相性が合わないかもしれませんし、
たとえ手術はお願いできても、
大規模病院では患者に知らせないまま、
主治医の部下が執刀者となることもあり得ます。
(主治医は手術時の監督役となるケースで、
私の乳がんのときがそうでした。
本にも書いてあります~)。

外科は50代が技術も経験も
最高の時期とも言われますが、
一般的には老眼が進み、
疲労も取れにくくなる更年期世代ですよ。
お医者さんだってスーパーマンじゃないんですから、
手術の緊張に耐え続けられる心身をもつ50代は、
案外、そんなに多くはないのでは?
憶測に過ぎませんが、手術時は
主に監督・指導役に回る先生が多いのかも~?
部下の育成も仕事のうちですしね。


さて、病院選びの際には
肝がんの手術件数も一つの目安とはなりますが、
病院の規模が大きくなればなるほど、
周囲から「まだちょっとね…」
と思われているレベルの医師でも
腕を磨くためにメスを握ることが多いため、
必然的に件数も多くなる
という見方もできると私は思います。

入院するなら周りもみんな
“がん友”のがん専門病院のほうが
気がラクかもしれないなぁ。
しかし、がん専門病院なら
どの診療科も優れているのか?
それは何とも言えませんしねぇ。

一般に肝転移は再発しやすい、
多発しやすいとも言われているようです。
今後、もし手術を繰り返すことになった場合、
その間に副作用が重くなくて効果の高い新薬が出てくれば、
外科ではなく腫瘍内科のお世話になるかもしれない、
そう考えると、
がん専門病院内で連携してもらうほうがいいのか?
それとも、それぞれの分野の専門医を探し、
治療法ごとに病院も替えたほうがいいのか?
判断は非常に難しい。

いずれにせよ、Kさんの受診したがん専門病院では
希少がんの窓口に連絡したら
抗がん剤治療が前提の腫瘍内科に回されたというのは
どうなのか……と、今ひとつ腑に落ちないのです。
私としては希少がんに関わる各診療科の医師たちが
Kさんの病状を一緒に検討した上で、
現時点で最善の方法は
手術よりも抗がん剤だとか、
抗がん剤ではなくラジオ波だとか、
ラジオ波ではなく手術だ、といったふうに
病院としての何らかの統一見解を提示し、
患者の意志決定を促すのかと思っていました。

肉腫については
「希少がんセンター」「サルコーマセンター」等の
専門外来が、ようやく最近になってできたばかりなのと
肉腫の専門医がほとんどいないため、
体制自体が整っていないのかもしれません。
そのため、全国の肉腫患者は
大阪の高橋先生のような肉腫の専門医に頼らざるを得ない、
というところが現在の実情と思われます。

一例ですが、「がん研」の「サルコーマセンター」の
専用ページには多様な診療科の医師の名が並んでいます。
連携して診療にあたるということなのでしょう。
http://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/disease/sarcoma/results.html

しかし、「診療実績」のページには
「サルコーマセンターは2012年7月に
新たに当院に開設されました。」
としか書いてありませ~ん。
ほんの少しでも実例があるなら
掲載してくれれば患者の参考になるのに!


ともあれ、入院や手術については
以前にもお世話になったことのある病院のほうが
環境がわかっていて安心できるとか、
病室の居心地が好いとか、自宅から通いやすいとか、
患者によって選ぶ基準は、いろいろあると思うんですよね。
だから、私のように専門性を追求するのではなく
別の視点で選ぶ人も多いことでしょう。

KさんのA病院に対する印象は、
以前から「かかりつけ医」として利用している、
都内へ出るよりは自宅からも近い、
2回の入院時は個室を選んで快適だった、
というふうに信頼や安心感があるようです。


参考までに、
転移性の肝がんに関する解説サイトと
都内および近郊だけですが、
転移性の肝がんに対して
外科手術を勧める病院をリストアップしておきます。
(私のオススメではなく、ネットで調べた一例に過ぎません)。

●「転移性肝がんについて」(横浜旭中央総合病院)
外科手術の際、メスや腹腔鏡を入れる箇所、
切除する肝臓の部分などに関する図解があります。
http://www.ims-yokohama-asahi.jp/med-dept/geka/pdf/tenisei-kangan.pdf
(※PDFファイルが開きます)

●「転移性肝癌(主に大腸癌肝転移)の治療」(横浜掖済会病院)
化学療法だけの場合、5年後の生存者は10%未満、
肝切除後の5年生存率は30~60%といった報告あり。
http://yokohama-ekisaikai.com/treatment_of_metastatic_liver_cancer.pdf
(※PDFファイルが開きます)

●「大腸がんの治療について ―肝転移は治る―」(奈良県医師会 岡村隆仁さん)
30個以上も転移のある患者が治っていくのを経験したという医師のコラム。
http://nara.med.or.jp/kenkou_ikaga/kenkou_ikaga977.html


●東京慈恵会医科大学 肝胆膵外科
「転移性肝臓癌 慈恵医大外科における治療」
http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/hpb/hepat/hepat-ca3/treat_adv.html
●東京慈恵会医科大学 附属病院 肝胆膵外科(港区西新橋)
転移性肝がんに対しては積極的に肝切除または経肝動脈的化学療法を実施。
http://www.jikei.ac.jp/hospital/honin/sinryo/15w.html#1

●東京医科歯科大学 医学部付属病院 肝胆膵・総合外科(文京区湯島)
「肝臓の病気と治療(肝臓の腫瘍について) 転移性肝がんについて」
http://www.tmd.ac.jp/grad/msrg/liver/cancer03.html
この診療科のサイトには
「良質な医療とは云々」といった説明文があり、
患者としては安心したくなるのですが、
トップページのインフォメーション欄には
「教授が……受賞されました。」
「教授が着任されました。」
といった表現があります。
一般向けのサイトなのに
身内に該当する医師に敬語を使うだなんて、
本当に患者が最優先なの~?と疑問(苦笑)。
普通の会社なら取引先に向けて
「このたび、当社に新社長が着任されました。」
とでも発表したようなもんです。

どういう人が書いたんだか、
誰がチェックしたのかはわかりませんけどねぇ、
どんなに優秀で人柄の良い医療スタッフが揃っていても
最低限の一般常識すら欠けているように伝わってしまうと、
病院全体のイメージダウンに繋がると思います。もったいない。
私もWebサイト制作に関わる者として肝に銘じねば!


肝がんの手術数では全国1位だそうです。
●日本大学 医学部附属 板橋病院 消化器外科(板橋区大谷口)
http://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/itabashi/shinryo/g_shokaki_geka.html
消化器外科部長・消化器外科教授の高山忠利さんのインタビューページ
http://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/itabashi/topix_interview/dr_takayama/index.html#wrapper

生体肝移植も積極的に実施。
院長は肝胆膵・移植外科の分野の世界的権威と書いてあります。
権威に惹かれる人にはいいかも(笑)。
●日本赤十字社医療センター 肝胆膵・移植外科(渋谷区広尾)
http://www.med.jrc.or.jp/hospital/clinic/kantansui/index.html

手術のときには安全・確実を期して、
術前の門脈塞栓術や術中のラジオ波焼灼術を併用しているとか。
●日本医科大学付属病院 消化器外科(文京区千駄木)
「診療内容のご案内 肝、門脈、脾」
http://hosp.nms.ac.jp/page/696.html


[本日のオマケ]
●「高度技能専門医・高度技能指導医・名誉指導医・修練施設検索」(日本肝胆膵外科学会)
http://www.jshbps.jp/retrieval.html

●「肝臓専門医一覧」(日本肝臓学会)
http://www.jsh.or.jp/medical/specialists/specialists_list

肝転移とは関係ないのですが、
一般的な医療・健康に関する読み物として
「日医大」のWebマガジンは内容が充実しています。
●『意気健康』
http://ikikenko.nms.ac.jp/

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 10:肝転移のラジオ波治療について。 [医療・健康&がん関連]

肝臓にできる悪性腫瘍は「肝臓がん」「肝がん」と呼ばれますが、原発と転移とでは腫瘍の性質が異なります。
どこからか肝臓へ転移してきたがんは、その原発巣と同一の細胞でできているそうです。

Kさんは原発が平滑筋肉腫ですから、肝臓へ転移したがん細胞も肉腫の性質をもっているはずです。
転移がんの場合は、それも踏まえた上で治療法を考える必要があります。そのため、初発の肝がんではなく、
転移がん・再発がんのラジオ波治療と手術について調べました。

まず、「ラジオ波治療」とは「ラジオ波焼灼療法(らじおは しょうしゃく りょうほう)」のことで、AMラジオなどの周波数に近い高周波(約450kHz)を用いる方法です。

具体的な治療法は、皮膚を2~3㎜切開し、超音波で観察しながら、腫瘍に直径1.5㎜(ボールペンの芯ぐらいの太さ)の電極針を刺します。この針にラジオ波電流を流すことで電極の周囲に熱を発生させ、がん細胞を固める。凝固した細胞は機能が失われて壊死するそうです。

この治療法は1995年頃に海外で開発され、日本では’99年頃から実施されるようになったとか。2004年4月からは保険適用となり、肝がんの標準治療の一つに加わりました。最近では乳がんの治療にも導入されつつあります。
肝がんも乳がんもラジオ波の実績は手術と同レベルと言われています。

●治療が受けられる条件
・再発時の腫瘍の場所や大きさ、個数、肝臓の状態などによる。
・治療が適用となる最大径は「3cmまで」とする所と「5㎝まで」、あるいは、それ以上でも条件が合えば大丈夫という所も。

●メリット
・開腹しないので傷が小さくて済み、入院期間も短い?
・手術よりも合併症や後遺症が少ない?
・肝臓の何か所かに転移していても治療可能なケースが多い。
・10回以上、繰り返し治療を受けている患者もいる。

●デメリット
・1回の入院で行える治療は原則的に2回まで。
・腫瘍の大きさや部位によっては再入院して治療の追加が必要な場合も。

(上記は一部のみ書き出しました)

Kさんの現在の体調は血液検査もすべて正常値だそうで、その点では私よりも健康体と言えます。
肝臓に1個の腫瘍がある以外は元気。だからこそ、なおさら肝臓の腫瘍の存在が、いまいましい気持ちも理解できます。
ただし、腫瘍の大きさは5㎝弱とのことなので、ラジオ波治療を行っている医療機関や専門医でも意見が分かれるところのようです。

ラジオ波治療を積極的に導入している都内の病院をチェックしてみました(例として一部だけ)。
いずれも私のオススメというわけではなく、ネットで集めただけの情報ですが、ひとまず勉強しないことには何も決められませんよね。

●東京大学 医学部附属病院 消化器内科 肝臓がん治療チーム(文京区本郷)
ラジオ波の施術数は’99年~2014年4月の累計で9000件。おそらくラジオ波では日本のトップの症例数でしょう
(技術レベルもトップかどうかはわかりません)。

「肝臓がんの治療について ラジオ波焼灼術とは」
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/livercancer/care/index.html

「肝転移の局所療法 肝転移に対するラジオ波焼灼術(RFA)」(『コンセンサス癌治療』2007年秋号 ←やや古い情報ですが…)
http://www.cancertherapy.jp/liver_metastasis/2007_autumn/05.html

この病院の見解は以下の通り。
「現在、肝臓がんの再発を完全に防ぐ方法は、見つかっておりません。治療後の抗癌剤内服では、再発は抑制されず、むしろ寿命を縮める可能性がある事が知られています。」

●順天堂大学 医学部附属 順天堂医院 消化器内科(文京区本郷)
http://www.juntendo.ac.jp/hospital/news/044_002.html
教授は東大で研鑽・実績を積んできた方のようです。

「病気事典[家庭の医学]肝臓・胆嚢・膵臓の病気 転移性肝がんのラジオ波治療」(メディカルiタウン/法研)
http://medical.itp.ne.jp/byouki/180419C13/

●公立学校共済組合 関東中央病院 消化器内科(世田谷区上用賀)
「ラジオ波焼灼療法とは ~消化器内科での肝臓がんの治療」
http://www.kanto-ctr-hsp.com/patient/pickup/syokakinaika_kanzogan.html

乳がんが肝臓に転移して6㎝の腫瘍が見つかり、ラジオ波治療を受けた女性のブログ。
●「乳がんステージ1からの肝転移 早期発見て何?」(ちゃこさん)
「ラジオ波焼灼ってこんなに痛いの。」
http://ameblo.jp/sumomoko2/entry-11771993733.html
「ラジオ波ってやっぱりすごい。」
http://ameblo.jp/sumomoko2/entry-11799257463.html
「いたたたたたラジオ波」
http://ameblo.jp/sumomoko2/entry-11814114882.html
「退院、でもなんだか痛いなぁ。」
http://ameblo.jp/sumomoko2/entry-11824465054.html

痛みの感じ方は人それぞれなので一概に同じとは言えないのですが、この女性のように痛がる人のために
無痛のラジオ波治療が開発されたそうです。

●杏雲堂病院 消化器内科・肝臓内科(千代田区神田駿河台)
「肝がんの“無痛ラジオ波焼灼療法”」
http://www.kyoundo.jp/shinryou_kanzou/mutsuurajio.html

治療担当医の佐藤新平さんはラジオ波の治療数1500件。説明文からは、やや自信満々という印象も受けますが(?)、「文責 佐藤新平 平成26年3月1日」と明確に記してあるのは好感度大。「文責」とは非常に重いものなので、腹を括っていないと書けませんね。この病院は全国的に有名ではないのですが、明治15年に創設という歴史をもちます。

肝臓に転移することの多い大腸がんについては、「がん研究会」が以下のように述べています。

「大腸がんの肝転移を治す唯一の方法は手術です。」
「ラジオ波治療で治癒を求めることは困難で、切除できる大腸がんの肝転移に対しラジオ波治療を行う事は禁忌に近いと考えます。」

●「転移性肝がんの手術と成績」(がん研究会)
http://www.jfcr.or.jp/cancer/type/liver_i/001.html

これが膵がんや肺がんからの肝転移だと手術で切除するのは「まれ」とも書いてあります。要するに、原発のがんの種類によって手術の適・不適が左右されるということだと思われます。

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平滑筋肉腫のKさんの闘病記 09:治療法について悩んでは迷う時期。 [医療・健康&がん関連]

平滑筋肉腫の肝転移の再発という病状に対し、
現時点で「大阪府立成人病センター」高橋先生の見解は、
抗がん剤ではなく
●外科的切除
●ラジオ波
のどちらかが良いのではないか、ということのようです。

Kさんとしては
肝臓の腫瘍は、まだ開腹手術できる状況だから、
抗がん剤に頼らず、A病院の
「見つかった腫瘍は切除する」という方針に従い、
将来、有効な投薬を期待するほうが
良いのではないかと思ったそうです。
抗がん剤を投与されると免疫力が衰え、
日常生活にかなりの支障が伴うのではないか、
という危惧があるそうです。

私もこれまでいろいろ調べた限りでは、
Kさんの言う通り「切れるうちは切る」が良いのかも?
とも思うようになりました。
平滑筋肉腫の方々の
さまざまな闘病記を読めば読むほど、
抗がん剤治療を続けている人たちより
手術を繰り返している人のほうが
なんとなく元気そうな印象を受けたのです。
(もちろん、ブログなど書かない患者も多いので、
必ずしもそうとは言い切れませんが)。

Kさんは高橋先生に紹介状と資料を送ってもらうため、
A病院の担当医の外来の日に
直接、お願いしに行ったそうです。
その先生は詳しい話も聞きたいからと
他の受診者の間に時間を取ってくださったので、
がん専門病院でのやり取りも報告できたとのこと。
そして、Kさんは
「知人が平滑筋肉腫に詳しい
高橋先生のことを教えてくれて
受診することになったので、
紹介状と資料を郵送してください」
と依頼しました。


発病から今までを振り返り、Kさんは
「もっと早く自分の病気について調べれば良かった」
と思ったそうです。

うーん、まぁそれは確かにそうだとは思いますが、
一般的な癌腫と違って肉腫は情報が少ないだけに
病気に関する知識も見聞しにくいというのが
実情ではないでしょうか。

それに、今、そんなふうに考えても仕方がないのですから、
今、できることに対して全精力を傾けましょう。
何に対しても後悔すると、ついクヨクヨしちゃうので、
「これじゃ免疫力が落ちちゃうぞ~!
振り返るのはやめよう!!」
と自分に言い聞かせませんか?
かく言う私もクヨクヨした時期は、
たっぷりありましたけどね~。

Kさんはまた、以下のようにも感じたそうです。
「12月初旬に予定していた手術を
キャンセルしたことを後悔してもいます。
とりあえず早く腫瘍を切除し、
その後、平滑筋肉腫の治療に優れている
高橋先生に相談しても良かったかもと」。

今、体の中に腫瘍がある。しかも良性ではない。
そういう状態が一日でも長いのはイヤなものです。
“がん友”の皆さんなら共感・実感できることでしょう。

ただし、先日の高橋先生の見解は
「ラジオ波」も外科手術と同等に捉えているように思えました。
それだけの実績があるということでは?
だったら、手術は急がず、専門家の診断を仰いでから
自分で最善と思われる治療法を選択するほうが、
治療を受ける意味もあると私は思うのですが……。
今の時点では「ラジオ波」に関して何の知識もありませんから、
比較もできないため、少しでも調べてみないと。

Kさんは、こんなふうにも考えたそうです。
「腫瘍ができたら、
すみやかに切除する必要があるのではと思うのです。
それを大きくなっても気がつかずに体に蓄えていると、
あちこちに転移しやすくなるのではないか。
小さいとなかなか発見されないけど、
発見したら、すぐに切除する。これが大事なのではと。
なので、1月中旬とかまで体の中に
腫瘍を置いておきたくないのです」

気がつかないまま放置しているのは問題だと思いますが、
腫瘍の存在と大きさが把握できているのと、
A病院の担当の先生からも、
がん専門病院の先生や高橋先生からも、
「すぐに切ったほうがいい!」
とは言われませんでした。
がんの増殖スピードが速いのは懸念されますが、
急かされないというのは、
1か月程度なら大丈夫と判断しているとも考えられます。


しかしながら、ここに書いていることは
あくまでも私だったらこう考えるかな、
ということであって、
“がん友”でも私は肉腫の患者ではなく、
再発・転移も経験していませんから、
私としては未知(あるいは無知)のことなのです。

だから、こうしたほうが良いとは決して断言できません。
もとより、私と同じ胃がんや乳がんであっても
100人いれば病状は100通り。
がんの個性は個々人によって異なるわけです。

そのため、私にできるのは
ためになりそうな情報を集めて提供することと、
一緒に学び、検討することぐらいなんですよね。

がんに限らず、治療法を決めるまではアレコレ悩み、
いろんなことを思い巡らせては
フラフラしてしまうのは多くの方々が同様でしょう。
私もそうでしたよ。
だから、乳がんのときには
4軒も病院を渡り歩いたんですから~。


結局のところ、Kさんは
「高橋先生のお話は聞く価値があると思う。
でも、状況によってはA病院で切ることを優先するかも」
と言っています。
そして、A病院の先生は
「高橋先生の診察を受けてからキャンセルしても構わない」と、
手術の予約を来年の松の内が明けた頃に入れてくださった上、
12月下旬に手術予定のほかの患者が延期になったら、
その日に手術をしましょうと勧めてくれたそうです。

がん専門病院の腫瘍内科医には
「今回はA病院で外科手術を受けます。
その後、もし抗がん剤治療が必要になったら
お世話になるかもしれませんので、よろしくお願いします」
と伝え、抗がん剤治療や治験は断ることにしました。

Kさんは
「忘れられたがんは、た~いへん!」
と言っています。心の底からの実感ですよね。

私はひとまず、
肝臓のラジオ波治療と切除手術について
調べることにします。

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