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派手な演出も楽しい、初春歌舞伎公演『南総里見八犬伝』を観てきました♪ [美術・音楽・古典芸能・芝居...etc.]

「国立劇場 大劇場」(半蔵門)で上演中の
『通し狂言 南総里見八犬伝(なんそう さとみ はっけんでん)』
五幕九場を観てきました。

歌舞伎『八犬伝』.jpg



















料金は特別席12,300円から3等席1,500円まで6段階。
昨年のうちにネットで予約する際、
一番安い席を狙ったのですが、売り切れていました。
それで3階の2等B席2,600円のチケットを購入。
でも、座席指定ができるので、
舞台に向かって左側に設けられた花道の真上を選びました。
3階では2列目なんですけど、
前に座席のない所で脚がラクなんですよ~♪

2階・3階からは「大向こう」と呼ばれる方々が掛け声を出すので、
隣が大向こうさんだったらウルサイかも~と思うのですが(笑)。

当日はオペラグラスと
インフルエンザ予防のマスクを持って、いざ半蔵門へ!
平日のお昼からの舞台なので、
劇場へ向かう人波は、おじいさま・おばあさまがほとんど。
周りを全く気にせず、道のど真ん中とか
道幅いっぱいに広がって歩いていらっしゃるので~、
普段ならカリカリするところですが、
「国立劇場」と「歌舞伎座」だけは、
まぁいいか~と思えるんですよね(笑)。
はた目には私も大して世代は違わないだろうし。

歌舞伎や文楽の観客には
素敵な着物をお召しのおばさま・おばあさま方も多く、
それもまた、いい光景だわ~と思うんですよ。


『南総里見八犬伝』の原作者は
曲亭馬琴(きょくてい・ばきん/1767~1848)。
私の子ども時分には「滝沢馬琴」と覚えましたが、
本名が滝沢興邦(たきざわ・おきくに)だそうですから、
ペンネームが曲亭馬琴なんですね。

馬琴の『八犬伝』は
1814(文化11)年の秋から刊行が開始され、
28年がかりで完結したという大長編小説。
当時のベストセラー&ロングセラーですね。
歌舞伎の本公演は刊行開始から200年という節目にあたり、
企画されたものだそうです。

私は小学生の頃、児童向けにリライトされた本を
夢中になって読んだ記憶があります。
当時、学校の図書館では「貸し出し中」が続きました。

物語の時代設定は室町後期ですが、
役者は皆、江戸期のファッションがお定まり。
南総(現在の千葉県南部)にあった
安房国(あわのくに)の領主・里見家の再興のために
八犬士(はっけんし)が活躍します。

八犬士と言っても武士の格好をしたワンコじゃなくて
8人の勇者なんですが、
全員の姓に「犬」の字が含まれています。
彼らの体には牡丹(ぼたん)模様のアザもあり、
それぞれ「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌
(じん ぎ れい ち ちゅう しん こう てい)」という
文字の浮かぶ水晶の玉を持っているのです。


文楽(人形浄瑠璃)でも観たい作品ですが、
今回は八犬士の一人として
中村時蔵さんが出演しているので観たいと思いました。
時蔵さんは一昨年に同じ劇場で観た
『蘆屋道満大内鑑(あしやどうまん おおうち かがみ)』の
葛の葉(くずのは)役が、とても素晴らしかったので、
それ以来、ファンになったんです~♪

[主な配役]
仁●犬江親兵衛 仁(いぬえ・しんべえ まさし):尾上左近
義●犬川荘助 義任(いぬかわ・そうすけ よしとう):坂東亀寿
礼●犬村大角 礼儀(いぬむら・だいかく まさのり):中村萬太郎
智●犬坂毛野 胤智(いぬさか・けの たねとも):中村時蔵
忠●犬山道節 忠与(いぬやま・どうせつ ただとも):尾上菊五郎
信●犬飼現八 信道(いぬかい・げんぱち のぶみち)・
  網乾左母二郎(あぼし・さもじろう):尾上松緑(2役)
孝●犬塚信乃 戌孝(いぬづか・しの もりたか):尾上菊之助
悌●犬田小文吾 悌順(いぬた・こぶんご やすより):坂東亀三郎

里美家 息女 伏姫(ふせひめ):尾上右近
大塚蟇六(おおつか・ひきろく)・
  馬加大記(まくわり・だいき):市川團蔵(2役)
蟇六 女房 亀笹(かめざさ):市村萬次郎
蟇六娘 浜路(はまじ):中村梅枝
横堀在村(よこぼり・ありむら):市村橘太郎
巨田薪六郎(おおた・しんろくろう):河原崎権十郎
馬加鞍弥吾(まくわり・くらやご):市村竹松
足利成氏(あしかが・しげうじ):坂東彦三郎
扇谷定正(おうぎがやつ・さだまさ):市川左團次
ほか

……名前を読むのも、たいへ~ん!
馬琴もネーミングと人物造形には苦労したことでしょう。
『八犬伝』には、ほかにもユニークな名前がたくさん出てきますし。
でも、もちろん物づくりの好きな人でしょうから、
楽しい作業でもあっただろうと思います。

配役を事前にネットでチェックしたときには、
怨霊の「玉梓(たまずさ)」の名前がない~!
と寂しく感じたのですが、
出演者が多いこともあり、
全体の流れがわかりやすい構成にしたんでしょうね。

実際に観に行って、歌舞伎を観るのが初めての人でも
最後まで飽きずに楽しめる舞台だと思いました。
また、四季折々の美しさも味わえる舞台美術に、
衣裳も脇役まで金襴だらけのような豪華さの上、
ド派手な演出もたっぷり!

上演は1月27日(火)まで。
完売ではないので平日ならチケットは入手しやすいと思います。
「国立劇場」は全体が見渡しやすくて私は好きですが、
2階・3階からは花道の登場や引っ込みは見えにくいですね。
また、屋根に上るような高さの出る場面も、
1階と2階以上とでは印象が全く違います。
3階からだと役者の方々の身長は3~4㎝ぐらいですから、
表情も見たいならオペラグラス等は必須。
初めての鑑賞なら1階席のほうがいいんじゃないでしょうか。

プログラムは900円と高めですが(文楽なら600円だもの~)、
『八犬伝』に関する写真やカラーの図版も多く、
読み応えのある内容ですよ~!
(表紙は江戸時代の豪華な帯地で古風なワンコの模様♪)

歌舞伎『八犬伝』プログラム.jpg














●『通し狂言 南総里見八犬伝』(国立劇場 大劇場)
12:00開演(15:55終演予定)
※16日(金)・23日(金)のみ16:00開演(19:55終演予定)
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2014/3635.html

●国立劇場(日本芸術文化振興会)
http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html

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