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沖縄事件04:ケチジ、あ、もとい、トチジと沖縄県知事の格差。 [沖縄&琉球國]

沖縄県の旗.png5月19日にアメリカ人の軍属ケネス容疑者が逮捕されてから、たった3日後の22日、沖縄本島の中部の北谷町(ちゃたんちょう)で、米海軍三等兵曹キース・ベリオス容疑者(28歳)が飲酒運転で逮捕されました。基準値の2.5倍のアルコールが検出され、本人も飲酒を認めたとのこと。
先日、沖縄にいる米軍のトップであるニコルソン調整官が「法を順守するよう努める」と言ったばかり。部下には何も伝わっていないのか? アッサリ裏切られましたね…。

21日には被害者Rさんの告別式が行われ、お父さんは涙を流しながら参列者にこう伝えたそうです。「遺影の写真を見てください。(娘を)忘れないでください」
そして、23日には遺体の発見された恩納村(おんなそん)の現場に花を供え、Rさんの名前とともに「お父さんだよ。みんなと一緒に、ついて来てよ。お父さんのところに帰ってきてよ」と呼びかけたそうです。

お父さんはRさんの「魂を拾いに来た」と話しました。島言葉では魂のことを「マブイ」とか「マブヤー」と言いますが、ひどく驚いたりケガをしたり事故に遭ったりしたときは「マブイが落ちた(抜けた)」などと表現します。

今の沖縄県には仏教や神道を信仰する人もいますが、それらは侵略者が伝えたもので、古来、琉球の人々には自然に対する深い畏敬の念から生まれた民間信仰があり、今なお広く浸透しています。だから、遺体の遺棄された場所へRさんのマブイを拾いに行くことも、沖縄の人々には当然のことなのでしょう。

●Rさんのお父さんの話
「今は悲しみも強いのですが、容疑者への憎しみもあります。どんな思いで娘が命を落としたのか、どんな痛みと苦しみと恐怖の中で娘が亡くなったかと考えると耐えられません」

23日には翁長(おなが)県知事の働きかけで、安倍首相が面談に応じました。

●翁長知事の主張
「今回の事件は絶対に許されない。綱紀粛正とか徹底した再発防止などと、この数十年間で何百回と聞いたが、現状は何も変わっていない」
「今の地位協定のもとでは、アメリカから日本の独立は神話であると言われているような気がする」
「もう心の中に押し込めることができないくらい(県民の怒りは)爆発状態だ」

そして、日米地位協定の見直しも含め、来日するオバマ大統領と直接、話をする機会を設けてほしいと強く望む知事に対し、首相は「首脳会談の際、オバマ大統領に厳正対処を求める」と回答。話し合いに割かれたのは15分足らずでした。

その模様は政府の広報室が配信しているのですが、

●翁長沖縄県知事との面談 -平成28年5月23日(政府インターネットテレビ)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg13738.html
(内閣府大臣官房政府広報室)

何これ!? 面談前の写真撮影に応じる翁長・安倍・菅の三者が映っているだけ。政府が「ちゃんと沖縄側と会ったよ~」とアピールするために公開したシロモノに過ぎませんね(呆)。

翁長知事がアメリカの大統領と直接、会いたいと訴えたのは、もうすっかり日本政府が信用できないからです。政府としては、じかに話をされると遺体遺棄事件や地位協定の是正のことだけでなく、普天間基地の辺野古への移設と新基地の造設の中止、米軍基地の全面撤廃の要求というふうに、深刻な問題がさらに拡大することがわかっているので、県知事と大統領はカウンターパートナーではない(地位が違う)ということを建前に牽制したわけですよね。

菅 官房長官は「安全保障・外交に関する問題は、中央政府間で協議するのが当然ではないか」とコメントしました。
あの~、それは外交が大好きな東京都知事に言ってやってくださいませんか?

沖縄の県知事と県民は、これまでずっと日本政府の対応を我慢しながら尊重してきたんですよ。それなのに政府はアメリカの言いなりで、沖縄の抱える問題は解決へ向けて進展するどころか後退する一方。その上に若い命という新たな犠牲まで出してしまった。
業を煮やした知事(=大多数の県民の声)は、あえて国家レベルの安保・外交に関することまで踏み込まねばならないと決意し、面談を求めたわけですよね?

翁長知事も以前は自民党だっただけに、失望がより深くなったのではないでしょうか。

ところで、沖縄の知事は首相との面談の際、怖いほど厳しく真剣な表情で「県民の生命と財産、将来の子や孫の安心・安全を守るため」という言葉を口にしましたが、それに比べて東京には、心の底から本気で「都民を守る」と言う知事が存在したことってあったかなぁ?と思いました。口先だけなら私なんかでも言えるよ~。

翁長知事は12日間の米国出張において、「連邦議会の議員や有識者らに沖縄の米軍基地が、いかに理不尽な形で置かれているかと話してきた」そうですが、帰国したのがケネス容疑者逮捕の19日だったため、成田空港で記者団に囲まれてコメントを求められました。
その翌日には、招待を受けていた台湾での新総統の就任式に出席し、21日には被害者Rさんの告別式に参列。

65歳という身には疲労困憊のハードスケジュール。でも、きっとファーストクラスもスイートルームも空港の貴賓室も利用していないし、“視察”という名目で美術館にも出かけていないでしょうよ。
67歳の都知事が運転手(=都庁の職員)付きの公用車で通う都外の別荘で、手足が充分に伸ばせるという温泉風呂にゆっくり浸かっていただきたいほどですわ~(笑)。

このところ、テレビの報道番組やワイドショーでも、都知事の新たなムダ使いやケチぶりが出るわ出るわで、私の周りの都民にも「ホント~ッに情けない!」「みっともないわ~、あんな人が東京の知事だなんて」等々、嘆く人たちがたくさんいます。特に昔ながらの江戸っ子気質(かたぎ)の人たちは、セコイ言動や“しみったれ”が大ッ嫌いだし。

そういう知事と比べてもしょうがないのですが、沖縄県の知事は根本的な資質も気構えも、抱え込んでいる課題の大きさや重さも全く違うのだと痛感しました。
東京都は人口が多いこともあって副知事が3人もいますが、その人たちが留守番していれば、地震が発生したときでも自分は都内にいなくて大丈夫だって言ったしね。現・都知事の不要論を自ら開陳したようなもんですな。

それはともかく、24日午後に沖縄県警の特別捜査本部は、うるま市州崎の水路の底をさらってRさんの自宅の鍵と見られる品を発見。博多弁の書いてあるストラップが目印だったそうです。また、川底から凶器と思われる棒状のものも回収。容疑者が水路に捨てたと供述したRさんのスマートフォンは引き続き、捜査中とのこと。

沖縄本島の気温は連日30℃を超え、梅雨前線も近づいて雨模様だそうです。でも、Rさんや遺族のことを思う沖縄県警の皆さんの執念の捜査が続いています。


※画像:沖縄県の旗(File:Flag of Okinawa Prefecture.svg/From Wikimedia Commons, the free media repository/出典:ウィキメディア・コモンズ)

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●沖縄事件01:やっぱり米軍関係者か…という無念。
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